小説一覧

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映画『メアリと魔女の花』

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 アニメ映画『メアリと魔女の花』を見てきました。予告を見たときには

やっぱり宮崎駿っぽい、と思ってしまいました。実際、劇場で見ても「あ、ここ、トトロ。ラピュタ。魔女宅。ポニョ。ハウル」と連想する箇所があったのですが、『ひるね姫』でも感じた既視感を思い出しつつ「待てよ」ともなりました。見てる私が過去作探ししてるから宮崎駿の影が気になってしまうんだ、と。似たとこを探すような見方をしてもつまんないよね、と思い直してメアリ登場以後を鑑賞したのでした。

 米林監督の作品では『借りぐらしのアリエッティ』では真面目で一途な小人の少女が、『思い出のマーニー』では不安定な悩める少女が主人公でしたが今作では肩の力の抜けたどこにでもいそうな陽気な少女・メアリが主人公です。このメアリがいい感じなのです。変に真面目すぎたりせず、使命感でいっぱいという感じでないあたりに「ほっ」とします。でもそれだけじゃない。途中で自然に芽生えた動機がメアリを前向きな行動へと駆り立てるようになるのですが、必ずしも劇的ではないその変化が良い意味で「宮崎駿じゃないんだ」と好ましく思えたのでした。冒険・活劇要素も多く『マーニー』の時には勧めづらかったお子さん連れの鑑賞も今回はダイジョウブ。

 私は映画や小説を楽しむ時にメッセージのようなものを読みたくなってしまうタイプなのですが『メアリと魔女の花』ではキーとなるアイテム・魔女の花が宮崎駿という才能を象ったもののように思えました。あまりにも強大な力を示す魔女の花=宮崎アニメに幻惑されたジブリ出身のスタッフ達というメタファーではないのかしらん?と。物語の結末とも絡め、米林監督の宮崎駿への別れのメッセージだったのかな、と。
 でも、メッセージが贈られたご本人が現場復帰しちゃった。sweat01

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『ツインドルの箱庭』稚野まちこ

ツインドルの箱庭(上)(下)
稚野まちこ
集英社ヤングジャンプコミックス愛蔵版

 2017年5月に2巻が発売し完結した(と思われる)お話です。
 2巻発売時に書店で平積みになっている表紙に惹かれたのですが、一年先に出ていた1巻が見当たらずようやく見つけて買ってきました。

 良かった……。

 体裁は大きめコミックスのA5版。一冊1000円くらいのものが多い版型である中で少し高めで二冊3000円ちょっとの価格設定もページを繰って納得。全ページカラーでした。表紙カバーは金色の箔押しで飾られた紙の素材感のあるマットな仕上げ。電子書籍が身近になりつつある今、紙本はこうした装丁に気を使ったものが嬉しくなります。

 表紙を見て気に入って(上)(下)巻揃いで買ってみて、表紙から受けた印象から期待するままの読み味に嬉しくなりました。服だけじゃないゴシック&ロリータ、しかも双子もの、と窺わせてくれる予想が大当たり。本を買ってから気づいたのですが『となりのヤングジャンプ』で一通り読めるようです(2017年6月5日現在)。単行本未収録の番外編や宣伝漫画もありました。少しでも気になったのであればチェックをおすすめします。

 テイストはゴシック&ロリータでキャラは少女漫画寄りのポップな絵柄。しっかりした物語が据えられた本格魔法ファンタジーです。主役は双子の姉弟。幼い頃にはすべてにおいて手本となっていた優秀な姉と姉を慕う弟。やがて大きくなった二人はいつの間にかその立場が変わってもいき——という双子もの的にわくわくする設定。1巻前半ではまだ見えて来ない綿密な設定・構成。随所に散らされたゴシックな要素をあくまでも幻想的に美しく見せてくれるテイスト。とにかく「可愛い〜」と嘆息するしかない弟・ジルーベル。もしかして肉食系?な長身クール美女のジルベルタも素敵キャラですし箱庭を売る魔女のエルガルドも魅力的。美しくも残酷なゴシック世界に一読後すぐに再読を始めてしまいました。
 表紙買い、大当たり。

宣伝漫画にちらっと「第二部」の話題があったので再びこの魔法世界のお話が読める日が来るのかも。今からとても楽しみです。

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『百合百景』はちこ

リンクはAmazonへ百合百景
 はちこ
KADOKAWA
2017.3.23

 百景とタイトルにあるように様々な百合ペアの姿を一場面ずつ描いたもの。全ページカラーです。非光沢の紙にカラーで昔の学研の学習漫画を思い出したりもしました。昔と違ってこちらは多色刷り。
 ごくごく短いシーンで、多様なペアが登場し、友情的な百合から性的関係を想起させるものまでバリエーションもシチュエーションも豊かです。絵柄も作風も違いますが、岸虎次郎の『乙女の帝国』の最初の頃とすこし近いかも、と思ったオムニバス形式。
 キャラクターそれぞれに名前がつけられているのですが、一ページ、せいぜい数ページで一エピソードになっていて話もほぼ独立していることもあり、少し読み進めたところで登場人物をかっちり識別しないまま読んでいいものらしい、と気づきます。一気に読めちゃいそうだったけど、つまみ食いするように少しずつ読んで、シチュエーションいっぱいだけど飽きもこず、楽しめました。

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