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『出版大崩壊』小林一博

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イースト・プレス
小林一博
2001.4.30

★★★★☆

 読むんじゃなかった……。

 作家志望者にとってはそんな本でした。
 ある直木賞作家の新刊の初版部数が1000部だそうです。日本全国に図書館が2600あります。図書館の半数が入れただけで初版が捌けてしまう数です。著者にはそれでも3000部刷りました、と申告して印税を渡したそうです。でも3000部×1500円×10パーセント印税でも45万円……。
 半年なり、一年なり、書くのにかかっているはずなのに。

 2001年の本ですが他にも恐ろしい数字が羅列されます。

  • 返本率平均40パーセント超
  • 年間出版点数65000点超
  • 伸びない売上

 良い話が一つもありません。この本が書かれてからすでに五年。今も状況は変わっていないのでしょうか。出版点数が多いということは作家志望者にはデビューの機会も多いと言うことなのでしょうが、デビューしても専業は難しそうな状況に思えます。

 出版業界の状況を描いた本はもっと新しいデータに基づいたものもあると思いますが、この手の知識の無かった私には衝撃的な内容に感じられました。テレビで軽く出版業界の問題点が指摘される時にはたいてい再販制度が槍玉にあげられますが、問題は制度よりも商習慣にあるみたいです。読んでいて、町の書店が可哀想になってきました。
 出版から少し時間が経ってしまっているので積極的にはお勧めはしませんが、図書館などで見かけたなら手にとってみてはいかがでしょう。

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