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『日本語はだれのものか』川口良・角田史幸

『日本語はだれのものか』
吉川弘文館
歴史文化ライブラリー
川口 良、角田 史幸
1785円
2005.5.1

 ネット上で見かけた書評で本の存在を知り読んでみました。

 一言にまとめるなら「言語国粋主義反対」という本です。
 美しい日本語、美しい日本文化、というフレーズで売っている書物に対してのアンチテーゼ。
 美しい、と自賛している本で綴られている筆者の日本語が美しいとは私には思えないのでした。そんなこともあって、この本に書かれている美しい日本語→正しい日本語という幻想の否定には大賛成なのですが、一方で「言葉は常に変容していく」という言語学ではオーソドックスな、けれど美しい日本語派にはラディカルに感じられるであろう主張がすっきり明快には解説されなかったのが残念。
 言語学からは掴み取れない「正しい日本語」「根源の日本語」を美しい日本語派は感覚的に捉えているんだ!と強弁されたら否定できるだけの材料は無さそうです。

 面白かったけれど、もう一歩突っ込んで「美しい日本語派」を叩きのめすだけの有無を言わせない論理と材料が欲しかったかも。言葉は変化しつづけるもの、というのは例をたくさん挙げただけでは美しい日本語派は納得しないはずです。
 もちろん、挙げられた例は十分な説得力はあるのですが、美しい日本語派に対する反発が先に立ってしまっているかのような印象を受けました。
 なんだか惜しい本です。

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