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『ビヨンド 惑星探査機が見た太陽系』マイケル・ベンソン

リンクはamazonへビヨンド 惑星探査機が見た太陽系
著:マイケル・ベンソン 訳:檜垣嗣子
新潮社
2004.12.22
5880円

★★★★★

 写真集です。
 と、言ってもカメラ絡みの話ではなくてSF絡み。太陽系の惑星探査で得られた写真を集めた本。

 「探査機の撮った写真ならNASAのサイトで見られるよ」

 そう思った方、天文関係に詳しいですね。確かにNASAのサイトでは膨大な探査機の画像が公開されています。一時間や二時間では到底全部は眺め切れないくらいの画像の山です。最新情報もありますし。
 でも、残念なことにNASAの職員は「プロカメラマンの眼」を持っていません。何が映っているのかが正確に分かれば良いというスタンスです。彼らは科学者なので当然です。
 この『ビヨンド』は画像のプロの視点でまとめられた探査機のデータです。訳の分からないアート風にアレンジされているのではありません。ただ、NASAが資料として公開した画像から本来の美しさを引き出しただけ。いんちきな加工ではなくて、人の眼に美しく見えるツボを押さえただけです。私たちの使うカメラでも、蛍光灯の照明の下で撮った写真と白熱電球の下で撮った写真では被写体が同じでも雰囲気が違います。ちょっとした色調整で、写真の印象はがらりと変わってしまうのです。
 どのみち、写真が真(まこと)を写すとは限りませんし。

 私のお目当ては火星の写真です。趣味のSF小説書きで火星を舞台にしているので、少しでも現地の雰囲気が掴めれば、と。

 良かったです。とても。
 一番印象に残った写真は火星全土を包む砂塵嵐・ダストストームのパノラマ合成写真でした。ダストストームを火星地表で体験したらどんな感じなのだろう……。

 火星以外の惑星の写真もどれも素晴らしいです。NASAの公開している広報写真とは違い、画像のプロが仕上げるとここまで訴える物が違うのか、と感動できます。写真の力って素晴らしい。
 お勧めです。

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