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『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』J・ストーズ・ホール

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J・ストーズ・ホール(著)、斉藤隆央(訳)
紀伊國屋書店
2007.3.22
2520円

★★★☆☆

 ★★★つけましたが、気分としては二つ半くらいです。

 ナノテクノロジーによる未来を描いた、少し能天気な未来技術予想。
 別につまらないわけではなありません。が、日本ではマイクロマシンやナノテクはアニメや映画の中ですっかりおなじみですし、この本に書かれている未来像は手塚アニメの範囲に収まるイメージで十分かと思います。手塚アニメではC字型の手のついたロボットがガッチャンガッチャンと工場で働きますが、そのロボットを目に見えないサイズまで小さくすればこの本に描かれている未来予想図のできあがり。ナノテクによるテロや社会問題も一応は取り上げていますが、根拠らしい根拠もなく「解決可能」「対処できる」と希望的観測ばかり。宇宙進出への原動力となるのが人口爆発だと語られるけれど、その人口爆発説も最近ではあまり人気がないのを著者は知らないのでしょうか。原著は2005年とそう古くないのに。宇宙で使われる肌にぴったりと張り付く宇宙服の説明も変、というより無理にナノマシンを使おうとしているようにしか思えません。著者が「ユーティリティ・フォグ」「宇宙港」「空飛ぶ車」の発案者? 著者の生まれる前からあるようなアイデアにナノテクの動力機関を当て嵌めただけで発案者になってしまうんですか……。
 言語や知能の数値モデル化もあまり明るい見通しが聞こえてこない現在、人工知能を備えたロボットに労働の代役を任せる未来像を示されても素直に納得できません。結論(ナノテク技術開発推進すべき)だけが先にあって、そこにあまり説得力のない説明が並んでいるだけのように思えます。

 二十年くらい昔のナノテク本を読んでいるような気分になりました。

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