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『夜愁』サラ・ウォーターズ

リンクはAmazonへ夜愁(上)(下)
サラ・ウォーターズ著/中村有希訳
創元推理文庫
各924円
2007.5.31

★★★★☆

 前作『荊の城』が面白くて続刊を楽しみにしていたサラ・ウォーターズ。またもや上下巻セットの新刊は読み応えたっぷりでした。

 ただし今回の本には一貫したストーリーがありません。いえ、読んでいても最初は無さそうに思えます。解説文によれば「主流リアリズム小説」だそうです。場面が“現在”から始まって“過去”へと遡っていくのですが、最初のうちしばらくはその流れが掴みづらくて読み進めるのに少し苦労します。でも、第二次大戦中~後のロンドンの情景が思い浮かぶような描写に引き込まれ始めれば最後まで一気に読みたくなってしまうはず。
 サラ・ウォーターズの小説の特徴は第一にレズビアン小説であると言うこと。この点が受け入れられない人にはお勧めできません。今回の『夜愁』も同性愛を真っ向から扱ったお話です。
 第二の特徴は仕掛け、かな。最後に驚かされる結末が用意されていて、周到にシナリオが構成してあること。今回は特に時系列が逆行するということもあって初読では混乱しがちですが、再読するとその仕掛けの面白さと複雑さに納得が行くはず。

 サラ・ウォーターズ、私の周辺ではいまいち反応がよくありません。
 同性愛ネタというのが受けないのかな。

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