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『環境問題のウソ』池田清彦

リンクはAmazonへ環境問題のウソ
池田清彦
ちくまプリマー新書
2006.2.10
798円

★★★☆☆

 面白かったです。
 池田清彦は二十年位前かな? 構造主義生物学というものを提唱していた人ですが、この構造主義生物学というのは最近ではあまり聞かなくなりました。コンピュータソフト開発の世界でも同じ頃に構造化プログラミングというのが流行始め、それが発展して現在のオブジェクト指向プログラミングになり、すっかり定着したようです。言語学でもソシュールの構造主義言語学は最近ではあまり人気がないようですね。生物学は構造化の果てにオブジェクト指向化されたりはしていないのでしょうか。
 この本はタイトル通り、環境問題についての批判本です。
 温暖化、ダイオキシン、外来種生物問題。扇動的なコピーをつけるなら「小気味よく時代を切る!」とでもなるのでしょうが、データを吟味する科学の視点の明瞭さ、説得力に比べると政治批判の成分は偏見だけの批判が先に立ち、ただの悪口の羅列になってしまっています。
 それでも温暖化説やダイオキシン問題への批判は読むに値する真っ当な内容です。といっても『これからの環境論―つくられた危機を超えて』(渡辺正)『地球温暖化―埋まってきたジグソーパズル』(伊藤公紀)を読んだ人にはあまり新味はないかも。二酸化炭素排出のせいで温暖化してるって言うけどデータが合わないよ、という指摘を多面的に行います。
 外来種生物に関しても同様……と言いたいのですが、外来種に関しては著者の昆虫採集趣味を正当化するためのやや強引な理論誘導になってしまっているかな。

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