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『Boy's Surface』円城塔

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円城塔
ハヤカワSFシリーズ Jコレクション
2008.1.25
1470円

★★★☆☆

 感想を書くのが難しい話でした。

 ジャンル分けするなら「遅れてやってきたサイバーパンク」かな。雰囲気やガジェットだけのパンクではなく、物理や数学の世界を言葉に綴ろうとした濃いパンク。語られているイメージを掴むのは難しく感じましたが、たぶん、物語的にはシンプル。

 パッと読むと難解です。でもSFマガジンには時折こんな香りのする作品が載ります。読者を軽く突き放した表現。SF味溢れるイメージ。こういった方向性のSF小説はこれまでも時々出てきたと思うのですが、背景となる科学知識が貧弱で、ちょっとだけ奇を衒ってみておしまい、というパターンが多かったと思います。でもたぶん、この人はホンモノ。イメージを描くための知識の層が厚いのでしょう。

 「で、面白いの?」と訊かれると返答に困ります。
 「SFである」と答えるのが一番妥当かな。

 レフラー球の説明を読んでいて「変な教会で配ってるサングラスを通して見ると“Obey”とか“Watch TV”とかの真のメッセージが見えてきそう」なんて少し笑ってしまいました。

 SF度で言えば最右翼なので受けつけない人も多いかと思います。文学の香りも漂います。
 我こそはSF者なり、という人に。

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