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2008年6月の23件の記事

世界最大の翼竜展・おまけ 科学未来館常設展示

りんかい線・東京テレポート駅

 左は久々にパノラマ撮影を試みた東京テレポート駅構内。りんかい線の科学未来館最寄り駅です。駅からは巡回無料バスも出ていますが天候さえ良ければ歩いても苦にならない距離でした。

科学未来館 GR DIGITAL F2.4 1/60sec ISO64 -0.3EV

 科学未来館の建物に入って上を見上げるとこんな感じ。
 建物の全景はまたしても撮り忘れてます。

科学未来館・ASIMO GR DIGITAL F3.2 1/23sec ISO154 -0.3EV ASIMOの動作実演。
 知名度のあるASIMOは親子連れにも受けが良かったようです。写真のASIMOは駆け足中……なんですがわかりますか?

科学未来館・国際宇宙ステーション個室 GR DIGITAL F2.4 1/30sec ISO154 -0.3EV 国際宇宙ステーションの実験モジュール“きぼう”のレプリカも丸ごと置かれていました。写真はその内部の個室スペース。左の青いのは寝袋で明るい丸いのが窓です。展示では軌道上から眺めた地球の映像が流れていました。
 モジュールは床が少し傾いて設置されていました。

科学未来館・はやぶさ再突入体 GR DIGITAL F2.4 1/15sec ISO154 -0.3EV

 おおっ。探査機“はやぶさ”のサンプル再突入カプセルのテスト品が。こんな物がここで見られるとは思いませんでした。

 常設展示を一通り楽しみ、ドームシアターのプラネタリウム番組「メガスターⅡ コスモス」を見てきました。とても素敵なプラネタリウムだったけれど星の解説はなくアート仕立てで少し退屈なシーンもあったり。
 展示は随時最新の技術に入れ替えられていくのかな? それならまた来てみたいかも。でも国立科学博物館や生命の星地球博物館のように一度見て「また来よう」と建物を後にしたわけでもなかったのでした。技術関係は「ぐっと来る」展示が難しいのかもしれません。

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世界最大の翼竜展・その2

世界最大の翼竜展・プテロダウストロ GR DIGITAL F2.4 1/26sec ISO154 -0.3EV

 まるでフラミンゴのようなプテロダウストロのくちばし。生物は不思議です。かなり隔たった生き物であるのにこんなにそっくりさんが出てきてしまう。ヒゲクジラもこんなブラシみたいな歯ですもんね。

世界最大の翼竜展・アンハングエラ GR DIGITAL F2.4 1/23sec ISO200 -0.3EV

 マンガの『寄生獣』をご存じでしょうか。その中の扉絵(だったかな?)の一ページを、この這った姿勢のアンハングエラを見て思い出しました。
 アンハングエラは「木からぶら下がってたのかも」という説もあるそうですが、腕でぶら下がるにはなんだか指先がぶきっちょそうですし、足でぶら下がるのも足先がひ弱そうです。ジュラシックパークみたいなものが実現したらきっと今の化石生態仮説なんてごっそりひっくり返っちゃうんだろうな……。
 化石は押しつぶされた状態で出土することが多いのですが、アンハングエラは立体構造を綺麗に保ったままの標本があるとかで、写真のような歩行姿勢の再現モデルとして取り上げられているそうです。

世界最大の翼竜展・音声ガイド GR DIGITAL F2.4 1/15sec ISO200 -0.3EV

 会場では音声ガイドの貸出が行われていました。上の写真ではボケていてわかりづらいですがPDAとヘッドホンがセットになったものです。この手のハイテクおもちゃはなんだか微妙。ガイドの項目を全部チェックすると出口で記念品がもらえます、というスタンプラリーみたいな機能が組み込まれているせいか子供たちは化石そっちのけで音声ガイドコーナー巡り。
 う~む。せっかくの貴重なイベントなのに、というのは大人の考えなのでしょう。
 しっかり予習してきている恐竜(今回の場合は翼竜)博士も健在でした。会場の解説も見ずに親に標本の習性の説明をしていたり。翼竜の本なんてそうたくさんはないのに、よく調べてくるなぁ……。

 翼竜展の記事はここまで。
 次回は科学未来館の常設展をさらっと紹介の予定。

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世界最大の翼竜展・その1

 東京での公開が始まった『世界最大の恐竜展』に行ってきました。会場は日本科学未来館。会期は8/31までです。
 開場時間より少し前に現地に到着しましたがあまり人出はないようで入口にできた行列も十メートル程度。並ぶ必要も感じられなかったのですが、一応並んで入場。ドームシアター(プラネタリウム)の座席予約は最初の回だけは即座に埋まったようですが、二回目以降は余裕で取れました。恐竜(古生物)関係のイベントは土曜の初日は出足が鈍いのかも。

世界最大の恐竜展・ズンガリプテリス GR DIGITAL F2.4 1/34sec ISO200 -0.3EV

 会場内は暗めで、化石イベントではおなじみの雰囲気。上の写真はズンガリプテリス。ショウケースの側面から撮ったらガラスの映り込みが押井守風になりました。

世界最大の恐竜展・ケツァルコアトルス GR DIGITAL F2.4 1/3sec ISO154 -0.7EV 今回の特設展一番の目玉。ケツァルコアトルス。パースがきついので大きさがわかりづらいかもしれませんが、柵の近くにいる大人と比べると雰囲気が掴めるかな。翼開長は10~17メートルと言われ――と言うのも発見された化石は翼の一部で、復元骨格は近縁種を参考にしたもので正確な大きさがわからないのです。
 それにしてもこの大きさの生き物が空を飛ぶというのは想像に難いものがあります。会場の片隅に展示されていたアホウドリ(飛行する最大の鳥)が小さく見えたくらい。
 体重は80キロくらいだったそうですが、この大きさで80キロはモデル体型どころじゃなくてほとんど空飛ぶミイラだったのでは……。
 頭の大きな穴は眼窩ではなく、軽量化のための肉抜きらしいです。目玉は大きな穴の後ろにピンポン球くらいのものが収まるよう復元されていました。

世界最大の恐竜展・タベヤラ GR DIGITAL F2.4 1/6sec ISO800 -0.3EV チャーミングなトサカと照明のシルエットが素敵だったタベヤラ。大きさは、ハト~カラスくらいの感じですが、足などは鳥どころではない華奢な造りです。逆に頭骨は大きくてやはり肉抜き穴が目立ちます。

 次回に続きます。

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『第六大陸』小川一水


第六大陸 全二巻
小川一水
ハヤカワ文庫JA
2003.6.30

★★★★☆

 読んだような気がしていたのに読んでいなかった本。二巻構成です。

 面白かった。
 読み終えて、ページを閉じて、満足の息をつけた小説って久しぶりの気がします。大手ゼネコンが月面に建物を造るという話なのですが、キャラクターもプロットもSF分もばっちり。蘊蓄に傾きすぎることなく、“萌え”だけの空っぽでもなく、人間のドラマもしっかりと配された良質エンターテイメント。

 最後の最後に用意されたオチは壮大ではあったのですが、その要素がなくてもこのお話は宇宙建築SFとして成立して、十分に面白かったのではないかと思います。ヒロイン・妙の父との確執も物語においては微妙にとってつけた感なのが残念だったかな。でもそんなことがとても小さな事に思えるくらい面白かった。

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『オウムガイの謎』ピーター・D・ウォード

オウムガイの謎
ピーター・D・ウォード著 小畠郁生監訳
河出書房新社
1997.9.20
3000円

★★★★☆

しながわ水族館・オウムガイ  アンモナイトは化石しかありませんが、親戚くらいの感じ?のオウムガイは現生種がいます。そのオウムガイ生態の解明について書かれた本。

 今ではあちこちの水族館でも見られますし、個人でもなんとか飼えるらしいオウムガイ。(海水生物で温度にも敏感なので上級マニア向けらしい)
 画像はしながわ水族館で撮影したもの。動きもほとんどなく、眺めていても特別面白いわけでもありませんが、四億五千万年前くらいから(少なくとも殻に関しては)ほとんど変わっていない生き物の姿には感慨を覚えます。

 『オウムガイの謎』ではこの生物の生態解明に携わった過去の学者達の活躍と、著者が明らかにした浮力調節のメカニズム、成長速度、移動能力に関する研究の過程が綴られます。
 二十世紀後半まで謎に包まれていたオウムガイ生態の解明に、どのようにアプローチしていったかが描かれるドキュメンタリ。十年ほど前の本なので書店ではなかなか見つからないかもしれませんが、大きめの図書館にはあると思います。オススメ。

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招き猫@豪徳寺

キモノ招き猫 GR DIGITAL F2.4 1/13sec ISO154 -0.3EV 梅雨っぽい天気が続き、時折一日だけ晴れたりする六月後半の日々。招き猫奉納所でもカメラを構えていると蚊に悩まされる季節となりました。気分も天気につられて曇りがちですが、曇りの日は光の回りも柔らかなので招き猫がしっとり、質感豊かに写りもします。

 キモノっぽい衣装をまとった招き猫。
 色合いがきれいでした。

スーパーボール風招き猫? GR DIGITAL F2.4 1/13sec ISO154 -0.3EV

 スーパーボールでよくありそうな素材の招き猫二匹。
 広角レンズで撮ると横長のお顔がさらにびろーんと幅広に。

むぐ GR DIGITAL F2.4 1/80 ISO64 -0.3EV 息苦しそうです。

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猪俣邸庭園

猪俣邸庭園・スギゴケの庭 GR DIGITAL F4 1/104 ISO64 -0.7EV

 身近な場所の写真紹介が続きます。
 成城の高級住宅街のまっただ中にある猪俣邸庭園。この近辺のお屋敷としては、たぶん普通のお家なのですが、凝った建築のお屋敷ということで残され、一般公開されているようです。
 庭園にはスギゴケが生えていて、緑溢れる立派なお屋敷の風情。豪邸というほど広くはありませんが平屋のしっかりとした造りのお屋敷を世田谷のこんな場所に構えるのはやっぱりお大尽なのでしょう。美しい漆の塗られた床の間(飾り棚)や、このスギゴケの庭を楽しめる茶室。建物も目立たないながら色々と工夫がされているようで、例えば写真右上端の屋根を見ると凸に屋根のラインが曲がっていたりすることに気づきます。(レンズによる歪みではないのです) 板の間も部屋を対角に区切った菱形の板材が貼られていたり。

猪俣邸庭園・室内から GR DIGITAL F2.4 1/52sec ISO64 -0.3EV

 部屋の中からの外の眺め。
 縁側が完全に開放される日本家屋としての造りを維持しつつ近代的な暮らしやすい住居を目指したのかな。公共に開放して見映えのする個人宅というのも考えてみればスゴイものです。

猪俣邸庭園 世田谷区成城5-12-18
最寄駅:小田急線成城学園前駅

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『フライドチキンの恐竜学』盛口満

フライドチキンの恐竜学 ~食卓の骨には進化のナゾがつまっている~
盛口満
ソフトバンククリエイティブ (サイエンス・アイ新書68)
1000円
2008.6.17

★★★☆☆

 イラストの豊富な本です。
 むしろ、イラストが中心といった方がいいのかもしれません。見開き右側ページがすべてカラーイラストで、科学解説書というよりはエッセイです。タイトルの『フライドチキンの恐竜学』も、ちょっと違うんじゃないかな、という感じ。確かにフライドチキンの話は出てきてそれが恐竜に結びつけられますが、どちらかというとこの著者は「骨」の専門家であってフライドチキンの専門家でも恐竜の専門家でもありません。たぶん、恐竜マニアには少しがっかりする内容。
 チキンと恐竜を結びつけるというアイデアであればむしろ、『チキンの骨で恐竜を作ってみよう』(クリス・マクゴーワン)という本がお勧め。1998年の本ですが、鳥と恐竜の類縁の近さを利用して、チキン二匹分の骨を使って竜脚類(スーパーサウルスみたいなの)風の骨格模型を作ってしまおう、というもの。大きめの図書館には置かれていると思います。

 『フライドチキンの恐竜学』は恐竜マニアには今ひとつかもしれませんが、「授業で小学生にホネから恐竜を実感してもらう」チャレンジから発して骨、ホネ、ほね……のオンパレード。半分がイラストなので読み物としてのボリュームは少なめではありますが、ホネマニアの習性の一端が窺えて楽しく読めました。

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次太夫堀公園民家園・その2

 次太夫堀公園民家園の紹介続編です。

次太夫堀民家園・織機 GR DIGITAL F2.8 1/189sec ISO64 -2EV

 岡本民家園にはなくてこちらにあるのは織機。
 次太夫堀ではボランティアの協力を得て周囲の畑で桑や綿花を育てているそうです。蚕から絹糸を取り、綿花から木綿を紡いでいるとか。この時も蚕の五齢幼虫が見られました。

注意! 虫写真です。

次太夫堀民家園・蚕 GR DIGITAL F2.8 1/30sec ISO154 -0.3EV次太夫堀民家園・蚕と繭 GR DIGITAL F2.8 1/26sec ISO154 -0.3EV

 蚕たちのよく食べること。耳を澄ますとカサカサカサカサと桑の葉を食べる音が聞こえてきます。五齢の幼虫が繭を作り始めた頃合いだそうで、もくもくと食べている蚕たちの間で糸を吐き始める蚕が続々。世話を担当する人は繭を作り始めようとする蚕を見つけては繭棚へ蚕を移していきます。もっとも蚕たちも気まぐれな昆虫なので、繭棚へ移されてもすぐには繭を作らずにうろうろしたがり面倒を見るのは骨みたいです。
 養蚕は体力だけでなく神経を使う仕事であるのが窺えました。
 作業を目にしての実感は頭の中の知識とは隔たりがあるものです。

次太夫堀民家園・木挽き GR DIGITAL F2.8 1/176sec ISO64 -0.3EV  蚕の見学をした後は木挽きの見学。
 巨大な鋸で丸太をぎーこぎーこと(どこかのんびりした感じで)作業しているのを見つけて近くで眺めていたのですが、その方が作業の手を休めて詳しく説明してくださいました。

  • 力はいらない
  • 電気鋸で板を切り出すよりも品質の良い板が取れる。
  • 達人の木挽きは鉋いらず。
  • 木挽きに使うでっかい鋸はもう今では手に入らないらしい。

 他にも色々と面白いお話を聞かせてもらい、木挽きの体験もさせていただきました。力はいらない、との事でしたが作業途中の鋸を受け取ってみると握りが太く指が回り切りません。ただ手前に引こうとしてもびくともせず、どうしても力んでしまいます。きっちりまっすぐに手前に引いてやらないと腕力が必要になってしまうようなのですが、早々簡単にできるわけもありません。
 そういえばずうっと前に見たドキュメンタリ番組でも木挽きは椅子に腰かけながらゆっくりやる、と語られていたような気が。

 貴重な体験をしてしまいました。

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次太夫堀公園民家園・その1

次太夫堀民家園・水瓶と柄杓 GR DIGITAL F2.8 1/13sec ISO154 -1EV  岡本民家園の記事に続いて次太夫堀民家園の紹介です。写真が多いので二度に分けて。

 岡本民家園より規模の大きな次太夫掘(じだゆうぼり)の民家園。こちらは複数の建物が集まっています。岡本民家園の建物より大きく立派な建物が三つ。
 左の写真は壜ラムネを売っている茶屋風の建物の水瓶。左端に銅板を張った流しが覗いています。

 コントラストが強すぎて何が写ってるのかよくわからないですね。

次太夫堀民家園・茶屋二階から GR DIGITAL F2.8 1/15sec ISO154 -1EV 茶屋風建物の二階から階段の下を覗いてみたところ。一枚目の被写体の水瓶も見えます。つやつや。窓が狭いので部屋の中はどこもかしこも薄暗く、階段も狭くて急。
 でも暗い室内の小さな窓から明るい外を見るのはなんだか落ちつきます。

次太夫堀民家園・農用扇風機 GR DIGITAL F2.8 1/16 ISO154 -1EV 農用扇風機だそうです。
 籾殻を飛ばしたりするのに使ったのでしょうか。こんなデザインで扇風機を作ったら受けないでしょうか。
 ……安全装備をつけると格好悪くてダメかな。
 羽根も歯車も金属のようなので明治期のものかな?

次太夫堀民家園・笊と障子 GR DIGITAL F2.8 1/48sec ISO64 -0.3EV

 笊と障子。
 今回は影絵写真みたいなものばかりになってしまいました。シャッターはいっぱい切ったのになぜか建物の全景を撮り忘れています。

 次太夫堀公園民家園・その2へ続く

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岡本民家園

岡本民家園・囲炉裏 GR DIGITAL F3.2 1/32sec ISO114 -0.7EV 手織りの布撮影に際して岡本民家園へ出かけたときの写真です。七夕を控えて折り紙細工が準備されていたようです。
 囲炉裏から立ち上る煙で茅葺きの屋根に虫がつくのを防ぐのだそうですが、その煙で人も燻されます。民家園の周囲は竹林があり、水路があり、池があって虫も多いはずなのですが、これだけ開け放たれていても蚊にも刺されず。なるほど。
 ゲジゲジなんかは時々天井から落ちてくるようですが。

岡本民家園・藁細工 GR DIGITAL F3.2 1/97sec ISO64 -0.3EV 藁細工のこれはかたつむり。

岡本民家園・石絵ねずみ GR DIGITAL F2.4 1/760sec ISO64 -0.3EV ちゅー。
 しっぽのリボンが可愛い。

岡本民家園・鰯の頭も… GR DIGITAL F2.4 1/21sec ISO154 -0.7EV 鰯の頭と柊。
 出入口付近の柱にありました。節分の名残かな。

岡本民家園・布 GR DIGITAL F2.4 1/32sec ISO109 -0.7EV 民家園で「ちちぶ銘仙館」のおみやげ布を撮影してみた失敗カット。

 写真そのものは問題ないのですが、布が微妙にヨレてしまいました。出かける前にアイロンで皺を取ったのに。癖が抜けきっていなかったようです。『清ら布―沖縄の風を織る光を染める』という本の布の写真がとても素敵で、真似しようとしたものの、真似しきれず。

 岡本民家園の以前の記事はこちら⏎
 近在の次太夫堀民家園の記事はこちら⏎

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『レッド・マーズ(上)(下)』キム・スタンリー・ロビンスン

レッド・マーズ〈上〉
レッド・マーズ〈下〉
キム・スタンリー・ロビンスン著 大島豊訳
創元SF文庫
1998.8.28
★★★☆☆

 十年前の本で今更の感もありますが、読み逃していたキム・スタンリー・ロビンスンの火星三部作。

 当時の火星最新知識紹介という側面もあったと思うのですが、物語の中心は原始共産型ユートピアが失われていく、という過程のようです。緑化の是非、勝手なことを始める初期入植者達、押し寄せる商業主義。500ページの文庫二冊に渡って綴られるフロンティア社会の変化。壮大な話です。
 続編の『グリーン・マーズ』は出ていますが、三つめの『ブルー・マーズ』は未刊行。原著自体は1998年に出ているようなのですが、日本では売れ行きが悪かったのでしょうか。固定した主人公のいない群像劇的な綴られ方が日本のSFファンには合わなかったのかもしれません。政治のパワーゲームみたいな話は最近の日本人SFファンはあまり好まないようですし。

 実をいうと第9回小松左京賞に投稿した原稿がこの『レッド・マーズ』に近い時代設定だったのに気づいて(今更ながら慌てて)読んでみたのですが、こういう壮大な話を書ければなぁ、と思わせられました。文章やキャラクター設定がいかにもアメリカ的で馴染めなかったのですが、それを差し引いてもパワフルな物語だと感心してしまいました。不勉強が身に染みます。科学解説本ばかり読んでいたのではダメなんですね……。

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東京農大・食と農の博物館

 東京農大の「食と農の博物館」に寄ってきました。近場なので時々覗きに行きます。

モロッコの人形 GR DIGITAL F2.4 1/20sec ISO154 -0.3EV

 企画展示は「水利用から見たアフリカ乾燥地開発」展。モロッコの特集です。どことなくユーモラスな人形。LEGOの人形をなんとなく思い出しました。衣装も華やか。

食卓のピラミッド? GR DIGITAL F2.4 1/79sec ISO64 受付の真上あたりにぶら下がっているバルーン。
 よく見ると空気入れらしきビニールパイプ付。二階から撮影。

単為発生マウスかぐや GR DIGITAL F2.4 1/73sec ISO64 単為発生マウス・かぐや。の剥製? ガラスケースの中で可愛らしく展示されています。
 そういえば一階に展示されていた「センサーカメラで見る野生動物の世界」展でもハリネズミとかモグラとか、なんだかネズミっぽい雰囲気の動物が展示されていました。モグラは金網パイプの立体迷路で活動中のものが展示されていました。面白かったですが、少し哀れでもありました。

酒器展示 GR DIGITAL F2.4 1/32sec ISO100

 常設の酒器類展示も少しだけ模様替えされていたようでした。上の写真の展示品は以前からあったもののような気がしますが。カメラがGR DIGITALに変わったらこういった展示品の写真が難しくなってしまいました。広角レンズだとスレスレまで近寄って撮りたくなってしまいます。

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番外編 お掃除@豪徳寺

旧堂仏壇 GR DIGITAL F2.4 1/20sec ISO200 -1.3EV 少し前の写真です。

 朝から豪徳寺に寄ってみると古い方のお堂の掃除中でした。
 天井も立派。
 こちらのお堂は普段は使われているのを見ないのでガラス越しにしか中の様子をご覧になったことがない方がほとんどではないかと思います。

掃除中 GR DIGITAL F2.4 1/6sec ISO200 -0.7EV

 横手の出入口から。お掃除真っ最中。
 ぼんぼり……行灯? 夜もこちらのお堂に明かりが灯ると絵になりそう。

擦り石 GR DIGITAL F2.4 1/32sec ISO96 先日のコメントで教えていただいた「擦った石の粉を煎じて飲む」の石ではないでしょうか。招き猫奉納所隣の観音様のところに置かれていて、長らく「御利益でもあるのかな」と不思議に思っていたもの。
 真新しい擦り痕です。

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自家製本――素材篇

 自家製本について前回記事に書いてから二ヶ月。
 少し進展。

  • 追加掌編作成
  • 表紙用の素材選定

表紙布 GR DIGITAL F2.8 1/13sec ISO154 -0.3EV 表紙用の材料には写真の布を使ってみる予定です。“ちちぶ銘仙館”でおみやげに買った端布です。(見学記⏎) 銘仙館に行ったのになぜか絹ではなく木綿の藍染め。少しダークな色合いの茜色の絹があればいいなと思ったのですが、残念ながらイメージに合うものが見当たらず木綿になりました。浅葱色でもないけれど、何となく気に入ったのでOK。
 背景は岡本民家園の土間。

 テスト印字で実用にならないことが判明した「用紙カセットからの手動両面印刷」。どうしたものかと悩んでいたところ、手差しトレイを使えばいいのだと気づきました。表面は用紙トレイから一気に印刷し、裏面だけ手差しトレイからチマチマと給紙することで解決。手間は手間ですが、これなら確実です。

 残る懸案は、

  • 表紙芯紙の選定
  • 表紙題字をどうしよう……

 そして、またまた「つづく」です。

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『写真を愉しむ』飯沢耕太郎

写真を愉しむ
飯沢耕太郎
岩波新書
777円
2007.11.20

★★★☆☆

 “撮る”ことを楽しむのではなく“見る”ことを楽しむための本、だそうです。

 そういえば私も写真集を見たり、写真展に出かけたりは数えるほど。購入した写真集は猫写真集くらいかも。コンパクトカメラで撮るのは好きなのに。
 この際だから見る側になってみようかな、とこの本のこの本のカバー袖を読んで思い立ちました。

写真の本当の魅力や面白さはどこにあるのか。写真を「撮る」だけではなく、「鑑賞する」「読む」「発表する」「収集する」ためには、どんな知識や心構えが必要なのか。第一線の写真評論家が、もっと「写真を愉しむ」ための方法を具体的かつ実践的に伝授する。写真の世界を縦横無尽に味わい尽くすためのガイドブック。

『写真を愉しむ』カバー袖の紹介文より

 う~ん。ブログ記事を飾るための写真、という用途中心の私には今ひとつぴんと来ない内容でした。たぶん「撮るゾ」とフルサイズの一眼レフと交換レンズを背負って出かけるような熱心な写真愛好者向けなのでしょう。それも単に綺麗に、見映え良く撮れれば良いというのではなく芸術活動として取り組む人向け。

 ネットをうろうろして写真ブログを眺めるのが楽しかったりする私にはいまひとつ合わなかったようです。ぱっと見て「いいなー」「こういうの撮りたい」「つまんない」くらいしか感想を持てない身にはこの本を読み終えても「これって愉しめるのかな?」という漠然とした疑問が残ったのみ。相応の感性を育てておかないと響いてこないものもあるのでしょう。

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『祝山』加門七海

祝山
加門七海
光文社文庫
500円
2007.9.20

★★★☆☆

 楽しく読めたけれど満足感は少し薄めでした。加門七海は初期の『蠱』みたいな語り口とスタンスの話が一番好きです。体験談的な一人称だとなんだか安っぽくなってしまう印象。

 今回読んだ『祝山』も

著者の実体験を下敷きにしたリアルホラー!

『祝山』裏表紙の概要より

とのことで著者とほぼ等身大?の主人公の体験記的な構成になっています。身近な雰囲気を狙ったのか、地の文で「ゴメンだった」「ヤバイ」のような表現があったり改行だらけだったりするのは怪奇雑誌の読者投稿欄か何かのよう。
 でも読んでいて所々でうそ寒い気分に襲われて部屋を見回してみたくなったりするのは加門七海ならでは、かな。

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第21回東京国際ミネラルフェア・その2

 ミネラルフェアレポートの続きです。

ゾルンホーフェン・光る化石

 フェア会場を出て2Fにはゾルンホーフェンの化石や折り紙の特別展がありました。上の暗い写真は蛍光発光で光る化石たち。暗幕の中に展示されていて通常の照明が切られると光り出します。これは面白いなぁ。こういう展示、国立科学博物館にもあっていいのかも。

ゾルンホーフェン・アンモナイトの這い跡 アンモナイトの這い跡だそうです。
 底生アンモナイトの明白な生痕って初めて見ました。欲し~い。けど買えな~い。(売り物です)
 アンモナイト下左寄りにうっすらと筋状の跡が蛇行しているのがわかりますでしょうか。右下に向かう黒い線は頁岩に入ったひびに水分が作用して鉱物が結晶してしまったものです。這い跡自体は十数メートル(だったかな)続いているそうです。なんというか……海のカタツムリみたいな感じで歩いていたのでしょうか。

ゾルンホーフェンいろいろ こんな感じで特別展の化石も全部売り物です。中には「売約済み」の札も。

折り紙で作る恐竜の世界

 「折り紙で作る恐竜の世界」コーナー。折り手と思しき方が二人で実演制作中でした。折り上がるまで見ていきたかったのですが、かなりの大物(紙のサイズではなく工程数)を折ってらしたようで最後まではとても見届けられそうもなく退散。写真には写っていませんが始祖鳥の複雑系と呼ばれる(のだと思います)デテールの凝った折り紙はびっくりするような複雑さでした。雛壇に飾られたような直線的なものも可愛らしくて素敵ですし、背後の壁に飾られたデテールの凝ったグループも「おおっ」て感じです。
 さすがに折り紙の専門家が折っただけあって折られた恐竜たちもみんなパリっと美しかったです。なんで私が折ると(本に載っているもので折ってみたことがあるものも並んでいた)しおしおになっちゃうんだ……。

 この2Fのエスカレータ周辺に展開された展示は、展示されているものはどれも素晴らしかったのに新宿第一生命ビルのくたびれた照明で少し寂しく見えてしまったのが残念。

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第21回東京国際ミネラルフェア・その1

 第21回東京国際ミネラルフェアに行ってきました。
 開催場所は新宿駅西口の第一生命ビルです。会期は6/6~6/8。特別展企画として「ゾルンホーフェンの化石」や「まつもとかずや『恐竜折紙』の世界」があります。入場料は一般1000円。ゾルンホーフェンの化石に関するガイドブックがついてきます。

 まずは会場全景。

ミネラルフェア会場全景

 全景、というほど全部は収まりきっていないのですが、こんな雰囲気です。露天商を一ヶ所に集めたみたいな雰囲気。「ミネラルフェア」なので石全般・鉱物全般が扱われます。客層はきれいにまっぷたつ。水晶などの準宝石類を目当てにした女性陣と中年以降が中心となった化石オタク。そして面白いことに出店側は外国人ばかり。中東やアフリカからはるばるやってきている人もいます。写真は金曜日の朝十時過ぎ、開場直後の様子です。

ブラックヒルズ地質研究所

 化石の出店は準宝石類に比べると少ないですが、それでも会場の奥側に集中して並びます。上の写真はBkack Hills Institute of Geological Research,Incのブース。『スー』で有名なところですね。

 他にも北海道産化石の専門店やらなんやらもう「うわ」と思うくらい色々ありました。展示ではなく即売会なので化石目当ての人たちも博物館に来る層とは少し違い、メモ帳を片手に目を血走らせて稀少な掘り出し物化石を探します。見ている目の前で高価な化石が売れて行くのに驚きました。レアものを狙って初日にいらっしゃるコレクターがけっこういるみたい。ネット上に会場レポの類の記事の少ない理由がよくわかりました。いらっしゃる皆さんは買い物をするために来ているのでレポートとは縁がないようです。

 恐竜漫画家の所十三さんのブログにミネラルフェアのより詳しい紹介記事がありました。

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『やどかりとペットボトル』池上永一

やどかりとペットボトル
池上永一
角川文庫
540円
2007.8

★★★☆☆

 『バガージマヌパナス』で衝撃を受け、『風車祭(カジマヤー)』で再び感銘を受けた池上永一のエッセイ集。そうそう『シャングリ・ラ』も不思議にパワフルな話で夢中になって読んだことを思い出しました。いくつかの文学賞候補になりながらなぜか受賞がない不遇の作家。日本SF大賞がこの人の作品を評価しなくてどうする、と思います。映画の『イノセンス』なんて大々的に広告を打った作品を褒めてる場合じゃないだろう、と思うのに。
 ああ、脱線。

 1996年から2005年あたりのエッセイを集めて本にしたもの。どちらかといえば古いエッセイの方が小説作品と共通する雰囲気があるかな。沖縄のぶっとんだオバァや美しい自然の話がてんこ盛りなのかと思えばそうでもなく、著者の少年時代の話や現代の話など様々。
 一気に読み通してしまいましたが、この人はエッセイよりも物語の方が圧倒的に面白い、というのが正直な感想。雑誌連載が終了したらしい『テンペスト』。単行本にまとまるのが楽しみです。

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Phoenix Mars Lander

 NASAの火星探査機フェニックス。着陸成功以来色々な映像を送ってきていますがアナグリフステレオ写真なんてのもあります。Stereo View of Phoenix Test Sample Site⏎ 赤青色セロファンのメガネが必要ですが、フェニックスが土壌調査のために掘った穴がくっきりと奥行きを持って生々しく見られます。
 フェニックスは着陸時にロケット噴射をしながら降下したのですが、その時に火星の表土を吹き飛ばしてその下から覗いた白いモノ(氷か塩か。まだ不明)と同じ物質と思われるモノを少しだけスコップに掬い上げることに成功したようです。ローバーの探査の時もドキドキしたけどフェニックスの土壌探査もワクワクです。この一週間、NASAのフェニックスサイト⏎から目が離せません。

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招き猫@豪徳寺

招キ猫アリ〼三〇〇円ゟ GR DIGITAL F2.4 1/39sec ISO64 -0.3EV 妙に人が多かった日曜日の豪徳寺。どうやら写真学校の一行が撮影実習に訪れていたようです。ここ数日「招き猫 豪徳寺」の検索ワードで訪問者が多かったのは予復習でもしていたのでしょうか。
 豪徳寺はアラーキーも住んでいるそうです。

 写真は寺務所の受付。外の明かりが差し込んでいるところで外光に合わせて撮ったら少し恐いお顔に写ってしまいました。奉納所で見るとごっちゃに並んでいるのでよくわからなかったのですが、こうして見ると意外にサイズバリエーションがあります。

日陰のひこにゃん GR DIGITAL F2.4 1/32sec ISO100 -0.7EV こちらは“ひこにゃん”かな。
 豪徳寺商店街のマスコット?“たまにゃん”登場後もひっそりとお客様をお出迎えしているようです。

 豪徳寺の近くにある「世田谷城址公園」は吉良の殿様のお城跡で、豪徳寺から徒歩数分のところにある「勝光院」は吉良家の菩提寺ともなっています。名所というほどのものではないですが、松陰神社や代官屋敷と合わせて歴史散歩には面白いかも。

カラスin招き猫奉納所 GR DIGITAL F2.4 1/32sec ISO114

 なぜかカラス。

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『黒薔薇』吉屋信子

黒薔薇(くろしょうび)
吉屋信子
河出書房新社
1680円
2006.2.28

★★★☆☆

 物語としては名作と言えないけれど百合好きならば読んでおきたい一冊。
 この本に収められている「黒薔薇」という話が書かれたのは大正14年。少女小説で世に出、女学生同士の恋物語ではなく自立した女性同性愛者のセクシャリティを訴える内容で『屋根裏の二處女』から一歩踏み出しています。1920年代に。
 物語自体のオチには「え?」と目が点になるかもしれませんし、文章にしても必ずしも洗練されているとは言えませんが、大正~昭和の日本で女性として自立し、同性愛をテーマとして人の生き方を訴えているというのは驚くべき先取性ではないかと思います。
 理屈を並べてのフェミニズム運動でも、同性愛者の権利を求めたのでもありません。ただ純粋に同性を愛する者の心の叫び。その切実なこと。十字架を前にした女性のイラストは物語とは関係がありませんが、読み終えてみればこれほどに相応しいイラストもないと思えます。
 ヒロインに叫ばせた言葉が切実であるだけに、物語としての決着の仕方が残念。
 この本には「黒薔薇」の他に短編二つと、現代でも色褪せない少女達へのメッセージが収められています。

 読んで楽しいエンターテイメントとは言えませんが、人によっては宝物になるかもしれません。

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