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『ふしぎな生きものカビ・キノコ 菌学入門』ニコラス・マネー

ふしぎな生きもの カビ・キノコ―菌学入門
ニコラス・マネー著 小川真訳
築地書館
2007.12.25
2940円

★★★

 少し前に「粘菌? 変形菌?」という記事でも菌類に触れましたが、今回はその菌類の本です。

 おもしろかった。おもしろかったけど、なぜか文章が頭にするすると入ってこない本でした。訳文も読みやすかったのになぜだろう……。
 欧米圏の科学解説書はグールドやドーキンスの本のようにエッセイ的な語り口で書かれたものが多いのですが、この「ふしぎな生きもの」も日常の話題から菌類の話が紹介されていきます。ペ二スそっくりの形をしたスッポンタケの話題、ミズムシの話題、毒キノコの話題。学校の先生らしい気を引くネタから菌の性質の詳しい話へと展開します。惜しいのは図解が少ないこと。菌類は図鑑を見ているだけでも楽しい絵になるヤツが多い世界だと思うのですが、活字で成長の様子を描写されても今ひとつイメージが湧きません。
 よくわからなかったのが

粘菌そのものは菌類とは無関係です。 『ふしぎな生きもの』p.214

という記述。むむむ。粘菌は菌類じゃないのか……。と巻頭に付された分類体系図を見てみると確かに粘菌はツボカビより古くに分岐していて「菌界」には含まれていません。なるほど。

 難解ではありませんし楽しい本だとは思いますが、微妙な読みづらさとイメージの湧きにくさがあるので先に図鑑類で菌の姿を知っておくとより楽しめると思います。

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