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2008年11月の19件の記事

『脳を支配する前頭葉』エルコノン・ゴールドバーグ

脳を支配する前頭葉―人間らしさをもたらす脳の中枢
エルコノン・ゴールドバーグ著 沼尻由起子訳
講談社ブルーバックス
1113円
2007.12.20

★★★☆☆

 面白かったような、そうでもなかったような、微妙な感じでした。

 三章くらいまでは概論的で、あまり具体的な話もなくて目が滑る印象だったのですが、著者の研究が反映され出す四章あたりから面白くなってきます。その一方でやはりと思ったのですが、認知領域の学問にありがちなあやふやさからは逃れられないようで事例紹介はともかくメカニズム説明では「え~、本当に~?」と思ってしまうことも多かったです。
 脳の研究は怪我による機能障害からヒントを得ることが多いようですが、この本でもやはり脳負傷者を対象にした研究が紹介されます。その研究自体は面白いのですが「前頭葉の機能と負傷部位との関連が直接説明できていないんじゃない?」と思ってしまいます。

 なんかこう、もっとスカッと物理学のように明晰な認知モデルが知りたいです。fMRIやCTといった最新の観測手段にしてもニューロンの活動ひとつひとつを追跡できているわけでもなく、負傷による機能阻害による認知メカニズムの推測もやっぱり頼りなく思えます。「意識って何? なんで私は世界を認識できているの?」という問いには到底答えられそうもありません。

 この本の次は『脳研究の最前線』という本に取りかかる予定。

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紅葉ライトアップ@豪徳寺

正門からライトアップを眺める GR DIGITAL F2.4 0.77sec ISO64

 雨が上がった豪徳寺、本日28日も訪れて見たらライトアップされていました。金曜日もやっていたのか、と大喜びで写真を撮ってきました。もちろん“こんなこともあろうかと”コンパクト三脚も携行しておりました。正門からの光景です。天気は上々。雲もほとんどない宵の空です。

銀杏鐘堂 GR DIGITAL F2.8 15sec ISO64 ライトアップの夜景で雲があってもどうってことないのでは、と思われるかもしれませんが以前からやってみたいことがありました。

 紅葉+星を撮ること。

 あまりたくさんは写っていませんが夜空に星がぽつぽつ浮かんでいます。クリックしての大きめの画像の方を見てくださればわかるはず。

 本当はめちゃくちゃ明るく並んだ金星と木星を紅葉と一緒に収めたかったのですが、高度が低くて紅葉の影に隠れてしまい写し込めませんでした。真っ正面からライトアップされた明るい紅葉と一緒でも今回の二つの惑星ははっきり写ったはずです。金星がマイナス4等級、木星がマイナス2等級。ぴかぴかでした。

三重塔と燃える紅葉と星と GR DIGITAL F2.8 8sec ISO200 星とライトアップされた木々や建物を一緒に写すというのは露出的に難しいようで、あまり照明が当たっていない枝と空を取り合わせにしてみても思ったほど星が見えてきません。1等星がようやっと、くらい?
 木々が露出オーバーで燃えているみたい。

松楓 F2.8 8sec ISO64

 星も紅葉の色もそこそこ写っている感じ?
 ライトアップ用の照明がない場所は立ち入り禁止なので広い空のある場所が限られます。むむ。この位置と露出でインターバル撮影を試みてみれば良かったかな。比較明コンポジット処理で合成すれば星に軌跡を描かせられるはず。ただし、8sec×200枚くらい撮って26分。6~7度くらいの円弧……かな。
 GRDは8secまではノイズ減算処理(撮影後にシャッター速度と同じだけ時間をかけたノイズ除去)がかかりません。実質、コンポジット撮影では8secシャッターしか選択肢がないも同然なのですが、できないよりはずっとマシ。後日、まだ紅葉が落ちておらず晴れた夜空が望めたら試してみようと思います。

★ ★ ★

 こちらの日記では「他の人が撮っていなさそうなライトアップ写真」を掲載したのですが、検索しても豪徳寺の紅葉ライトアップ写真を掲載しているブログは少ないようです。写真を撮りに来ていた人の数に比べるととても少なく感じられました。ネットをうろうろして発見した中から(勝手に)ご紹介。

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『英語が苦手なヒトのためのNASAハンドブック』

英語が苦手なヒトのためのNASAハンドブック
大崎誠/田中 拓也
SoftBank Creative サイエンス・アイ新書
1000円
2008.4.16

★★☆☆☆

 裏表紙に「NASAの貴重な画像・データを一挙にゲット」とか「英語が苦手なヒトのための」とか長ったらしいコピーが付いているのが安っぽく思えて手に取るのをためらったのですが、読んでみたらまあまあ普通のガイド本でした。ソフトバンク系列のこういうキャッチコピーのノリはどうも好きになれません。

 そんな先入観のためか。
 中身の雰囲気はパソコンソフトの操作ガイドみたいな感じで、元ネタが全部NASAサイトにあるだけにパソコン本と同様「他人のフンドシで作った本」の印象が拭えません。
 う~ん。英語がわからなくたってとりあえずNASAサイトにアクセスして適当に眺めてみれば、なんとなく見たい画像にはたどり着けちゃう気がします。必要なのはNASAがどんな活動を行っているかのおおまかな全体像と、英語でのプロジェクト名を知ることくらいでしょうか。「オポチュニティとスピリットの活躍が見たい!」と思っても"Mars Exploration Rover"というプロジェクト名を知らなければ見つけられません。驚くほどたくさんのプロジェクトがあるので"M.E.R"を"Mission"コーナーから見つけ出すのは少し敷居が高くなります。もっともローバーの画像がアイコンになっているのでざっと一渡り眺めればなんとかはなるはずなのですが。
 この本を片手にNASAのサイトを眺めてみても、たぶん五分後には本のことを忘れて自力で情報を探し始めているのではないでしょうか。

 まったくの初心者には手助けにはなるかもしれませんし、フルカラーでキレイな本ですが、本気でNASAサイトの面白さを伝えようと作られたようには思えません。日本語のサイトマップが一ページあればそれで用が足りてしまいそう。何より、紙の本では直接リンクが張れないだけにwebサイトのガイドという発想自体が不発気味です。

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紅葉@豪徳寺

モミジの絨毯 GR DIGITAL F3.2 1/18sec ISO154 -0.3EV 25日の豪徳寺。
 昨夜から今朝にかけての雨でごっそり葉を落としていました。おかげで赤い絨毯が。

 

雨の後で GR DIGITAL F2.8 1/160sec ISO81 -0.3EV ストロボ 上の紅葉の絨毯を少し引いたところから。
 日に当たった部分と日陰の部分を両方写そうとするとどうしても明るい部分が飽和してしまいます。これでも散ったモミジを引き立たせようとストロボを焚いたり工夫はしてみているのですが。う~ん。

無縁仏と招き猫 F2.8 1/104 ISO64 -0.7EV

 こちらは豪徳寺ではなく東急世田谷線の上町駅から弦巻方面に少し行ったあたりにあるお寺。無縁仏の墓石の山に豪徳寺タイプの招き猫が紛れていました。

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『染織の黒衣たち』菊池昌治

染織の黒衣たち
菊池昌治
法政大学出版局
2940円
2008.6.25

★★★★☆

 ――書く前に読んでいたら『あかねいろ』はきっと少し違う話になっていた。

 そんなことを思った一冊。
 2008年の6月に出た本なので時系列は逆なのですが、欲しかった知識がここにありました。染め織りの「染め」と「織り」それぞれの技術についてはそれなりに本もあるのですが、織機をはじめとする染織の道具については構造の説明や具体的な使い方はあっても道具の洗練や職人について書かれたものはあまり見当たりません。糸繰りの話や藍の製造過程を解説したものがぽつぽつあるくらいでしょうか。
 『染織の黒衣たち』は染織の道具について書かれた本です。しかも現代の京都・西陣の染織事情を反映して。

 タイトルから最初は黒染めに関する本かと思いました。伝統技法において黒染めは手間のかかる難しい技術で黒は特別な色らしいのです。それで、黒染めに関する知識も欲しいな、と思って手に取ってみたところ道具の本でした。予想とは違ったけれど、でも、この本は染織に興味のある人には「こういうこうとが知りたかった!」という本であるはず。織機本体のみならず、杼、筬から刷毛、などの道具に加えて蒸しや絞りなどの染織の周辺にいたるまで職人とその仕事を紹介していきます。

 この本の表紙は青花紙を撮影したものだそうです。

花ではない、あれは色に出た露の精である。

徳富蘆花『みみずのたはこと』

と表紙袖に引用されていました。青花とは露草のこと。西陣の染めにおける露草の役割は――とても儚いのです。青花紙の章を読み、じぃんと来ました。

 細かなところまで気を配られた繊細で風情を感じさせる文で紹介される職人の世界。現代のもたらす寂しさ。いかにも「感動しろ!」と用意されたドキュメンタリとは違うけれど、静かに胸に迫ってくる読後の余韻。生半な物語では太刀打ちできない事実の力。

 良い本です。とても。

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紅葉ライトアップ@豪徳寺

 22日夜の豪徳寺の紅葉ライトアップ、見てきました。

夕暮れの境内 GR DIGITAL F2.4 1/25sec ISO154 -0.3EV

 ライトアップした景色を上手に撮るコツは完全に暗くなる前から撮り始めること、と何かで読んだ気がしたので午後四時半から行ってみました。正解。午後五時からの予定であったらしいライトアップも少し早めの時間から始まっていました。一眼レフは手持ち撮影の方も結構いました。私はこの時点では一脚使用。

徐々に薄暗く GR DIGITAL F2.4 1/8sec ISO64 -1.7EV

 周囲の風景もある程度写り込み、ライトに照らされて紅葉の色が目立ちます。でもまだ全体に青い枝が目に付くかな?

参拝客も GR DIGITAL F2.4 1/4sec ISO64 -2EV

 だんだん暗くなって紅葉が浮かび上がってきます。ライトアップの情報を知っていたのか正門が閉じられているのに結構な数の参拝客が。カメラやビデオを持ってらした方も目に付きました。

暗くなって GR DIGITAL F3.5 0.62sec ISO64

 完全に暗くなってからの正門付近からの光景。色づいた枝を中心に仮設の照明が置かれている感じなので境内は暗めです。足元にご注意。
 あまりキレイに撮れた気がしないので、来週再挑戦してみようと思います。

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紅葉@豪徳寺

20081121_01 今朝七時前後の豪徳寺です。朝日の当たっていた枝はまだ色づきも浅かったのですが、三重塔の隣にあったモミジは濃い赤に染まっていました。見頃にはまだ少し早いかもしれませんが、境内はなかなか良い感じです。

20081121_02

 朝早いこの時間だけに見られる黄金の葉。今の季節は陽が差し始めるのも六時半過ぎ。空気も冷たいですが、朝の散歩はいいこともあります。昼間ではこの透き通る紅葉は見られません。

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『NASAを築いた人と技術』佐藤靖

NASAを築いた人と技術―巨大システム開発の技術文化
佐藤靖
東京大学出版会
4410円
2007.5.2

★★★★☆

 興味深い本でした。

 面白かった、というのとも少し違うし、ためになった、でもないしで少し悩んで思いついたのが「興味深い」という言葉。

 文章は少し硬いです。宇宙工学・科学史の学者が論文として書いた物をまとめ一般向けにしたものだそうで、さもありなんという印象でした。内容はタイトルの通り、NASAの組織分析です。脱人格化を迫るシステム工学と人の繋がりを重視する技術者チームとを対比させ、アポロ計画がどのように推進され、成功に結びついたのかを分析します。
 日本のISASやNASDAについても一章を割き、アメリカ型のシステム開発と対比します。

 宇宙技術そのものについての解説ではなく、巨大システム開発において人とシステム工学を対比させた内容なので雰囲気的にはビジネス書や運営論の本に近いかもしれません。よくある「苦難を乗り越えて成功に導いた」みたいなプロジェクトX風でもなく、NASAの組織の分析に終始しているのでドラマたっぷりの展開もありません。(でもフォン・ブラウンはカッコイイ!とも思えた)
 やっぱり「学者の書いた本」かな。

 つくづく「アポロ計画はアメリカだから実現できたんだなぁ……」と感心したのでした。
 科学・技術と科学者・技術者の関わりはどうなっていくのだろう、とも考えさせられる本でした。

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とうふZaurus、あるいは消えたデータの影

Zaurusスクリーンショット

 よくわからない記事タイトルですが。

Zaurusで とうふも実る つるべの陽

 “とうふ”とは文字化けしてしまって画面に文字が □ で表示された状態のこと。

 いつもと同じように電車の中でテキストを打ち、降りる間際に[保存]→蓋を閉じて電源オフとやったのですが、新しい2GBのmicroSDとの相性なのか、編集していたテキストが途中でとうふ化してしまいました。ところがそのまま気づかず自宅のデスクトップとmicroSDを同期し、デスクトップ側のテキストも密かにとうふ状態の最新データに更新。
 そして翌日Zaurusでファイルを呼び出してみるとこの有様。バイナリエディタで覗いてみるととうふになっている部分はNULL(0x00)が並んでいました。

 とうふ化が起きる条件を再現しようと試みましたが、思いつく限りを試してもとうふになりません。これでは恐くて使えなくなってしまいます。今回編集していた20KB程度のテキストなら内容が壊れても笑って済ませられますが、1MBくらいまで育っていたら洒落にならないことに。

 新しいmicroSDカードが悪かったのか、これまで露見しなかったZaurusの弱点か。

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Panasonic LUMIX FX37で猫写真

 家族がデジカメを買ったというので触ってきました。

PanasonicFX37 by GR DIGITAL F3.9 1/250sec ISO64 -0.3EV

 Panasonic LUMIX FX37というモデルでした。猫の横に置いたらさっそく味見されてます。撮影は私のGR DIGITALにて。

PanasonicFX37 by GR DIGITAL F2.7 1/160sec ISO64 -0.3EV このPanasonicの(2008年11月時点での最新?)デジカメは面白い機能があります。被写体を自動的に追い、ピントを合わせ続けてくれる機能で公式サイトによると「追っかけフォーカス」だそうです。
 これがけっこう上手に被写体を追います。激しく駆けまわる猫などはそもそもカメラで追うのが困難……いえ、ほぼ不可能ですが、とてとてと落ち着いた感じで歩いてくれているのであればAF点が画面の中を移動しながら猫を追ってピントを合わせ続けてくれます。
 ただし、最初に目標をロックする動作は手動なので「電源とズームとシャッターしかわかんない」という人は存在にさえ気づかない機能かも。

猫とGRD by FX37 6mm F3.8 1/400sec ISO100

 こちらはFX37で撮影した写真。
 十分キレイ。むしろとてもキレイ。撮ったそのままのデータは大きすぎてココログにはアップできないのが残念です。(撮ってそのままのサンプルがデジカメWatchにありました) GR DIGITALのようなお値段高めのデジカメと比べてもそうそう見劣りしません。少なくともL版やカビネ(2L版)でプリントしたものなら画質差は感じられないはず。パソコン上でドット等倍で見るとさすがにノイズ消し処理が強くかかっているのがわかってしまいますが。

猫とGRD by FX37 7mm F4 1/13sec ISO400  手ブレ補正もよく効いているようで、室内で望遠側で撮影してもなんとかブレずに撮れるカットは多い――のですが、高感度では画質が落ちていくのでiAモード(全自動)でストロボが光るようなシーンでは無理せずにストロボに頼った方が良さそうです。
 ただiAモードでストロボが光るとスローシンクロではないようで背景が暗くなりがち。「暗部補正」で背景を持ち上げてくれているはずなのですが、これは期待しすぎない方がいい、くらいの感じかな。

 最短撮影距離は、広角側以外ではあまり寄れないようで、たとえば左の写真では画角は中くらい(4.4~22mmの7mm)なのですが、猫の手の先にピントを合わせようとしても「近すぎる」とエラーになります。

 気になった点を列挙してみます。

  • 望遠側で液晶表示の遅れ・残像が気になる
  • フォーカスが決まった状態からでもレリーズラグが割とある(場合がある) ※GRDとの比較なので少し無茶かも
  • オート指向なのに背面のスイッチ多すぎ
  • iAモードがあればモードダイヤルはいらない
  • うかつにいじってわからなくなってしまいそうな細かな「設定画面」
  • ストロボは外部にON/OFFスイッチがあるべきでは?
  • レンズが暗くて少し暗い環境だとすぐにISO800まで上がっていく

 逆に印象の良かったところは

  • 小さく薄い
  • ボディがカッチリしていて質感も十分
  • 追っかけフォーカスが面白い(特に犬・猫・人を撮るとき)
  • 液晶がキレイで明るい場所でもきちんと見える
  • ISO400が十分に実用範囲
  • 手ブレ補正が効果的
  • iAモードでとりあえずなんでもこなせそう

 愛用のGR DIGITALについて少し考えさせられました。操作感や質感はとても気に入っているGRDなのですが、型落ちの入門デジタル一眼レフ・レンズキットが同じ価格帯で売られているのを見ると「む~」と思わないでもありません。上手な人が工夫すれば雰囲気のある絵も撮れるようですが、画質的にはやっぱり普通のコンデジなのです。受光素子は他メーカーのコンパクト機と同じですから。(GRDはFX37の二倍の面積のCCDらしいけれど)
 FX37ではあれこれ設定を工夫するよりはシンプルな使い方が馴染むので、マニュアル指向のGR DIGITALとはカテゴリーの違うカメラであることは確かです。でも、安いのによくできていて過不足のない性能を持つFX37に触れるとやっぱり驚いてしまうのでした。

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紅葉@豪徳寺

見頃まではもう少し GR DIGITAL F2.4 1/500sec ISO64 -1EV フラッシュ有 11月18日夕の豪徳寺の紅葉状況です。桜の葉はもう一足早く赤と黄色の入り交じった枯れ葉を散らし始めていて枝垂れ桜も黄色く染まっています。銀杏も黄色くはなってきましたが、まだもう一息。モミジは写真のような枝もありますが、青々とした枝もあり、真っ盛りというには少し早いかな。
 今年は

有志により2008年11月16日・22日・23日・29日・30日の17:00~19:00まで、三仏殿・三重塔などをライトアップする予定。※紅葉の状況、天候などで延期や中止の場合あり

豪徳寺WiKi

 とのことでライトアップが行われるようです。照明器具が設置されていました。楽しみ。

 ツツジの上に落ち葉がはらはら。

紅葉展示台 GR DIGITAL F3.2 1/15sec ISO64

 

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『GIRL FRIENDS ―ガールフレンズ―』第2巻 森永みるく

GIRL FRIENDS 2
森永みるく
双葉社アクションコミックス
630円
2008.11.12

★★★★☆

 百合漫画のレビューです。

 『GIRL FRIENDS 1』の紹介はしたっけと自ブログを振り返るとまとめてレビューしてました。1巻では「えらく引きの強い終わり方」と感想を書いたのですが、2巻でもまたまた先の気になるシーンで“つづく”です。これは単行本派にはかなりきついオアズケ。3巻はいつになるのでしょうか。
 1巻は友達篇から一歩踏み出し、2巻では同性の友人への恋心を自覚していくマリ。

 登場するのはイマドキの少女たち、ではあるようなのですがそのイマドキ感で強調されている面がなんとなくバブル期を連想させたりもします。
 森永みるくの漫画で「いいな」と感じるのはイマドキ描写ではなくて、登場人物たちが変にスレたりネジレていないまっすぐな部分。以前の瞳&奈々シリーズでもそのあたりが評価されていたんじゃないかな。嫌なキャラがいない安心感。心地よさ。パニックを起こして一時的に後ろ向きになってしまうヒロインはいても、根っから後ろ向きのどんよりした見たくないモノが出てこない心地良さ。

 そんな甘いお菓子のような漫画が好きな人向けかな。ちょっぴり苦かったり辛かったりアクセントもありますが。

シリーズリンク

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『アストロバイオロジー 宇宙が語る〈生命の起源〉』小林憲正

アストロバイオロジー―宇宙が語る〈生命の起源〉
小林憲正
岩波科学ライブラリー
2008.8.6
1365円

★★★★☆

 ここしばらくアタリ本を引いているようでシアワセです。

 この本は一章を読んだ段階では「イマイチ?」と思ったのですが、二章以降で内容が具体的になってくると途端に面白くなりました。少し前に感想を書いた『宇宙生物学入門』とほぼ同じジャンルの本です。これまでの生物学は地球上でしか成立しない生物学でしたが、それを地球外でも成立するように拡張しよう――というのが宇宙生物学=アストロバイオロジー。『宇宙生物学入門』はかなりぎっしり厚く、こちらの『アストロバイオロジー』はシンプルにまとめてある感じ。ページ数も120ページ程度です。

 シンプルと言っても大雑把なのではなく、必要な要素だけでまとめてあるようで、あっさりとしていながら情報の密度があります。科学解説書はネタ探しも兼ねて読んでいる面もあり「面白い!」と思ったところをメモに取るのですが、この本はメモした項目がいっぱい。
 著者は化学が専門とのことでこの本の中でも化学進化の部分の比重が高めなのですが、これが地味ながらわくわくしてしまう話なのです。地球生物においてL型アミノ酸ばかりでD型がほとんど見られない理由。暗黒星雲中での有機物生成。火星や木星系・土星系の生命探査の意義。著者の唱える“がらくたワールド”生命起源。化学は苦手意識があって解説本もあまり読んでこなかったけど、実は面白い世界のようです。
 化学進化のアプローチが有望に思える本でした。

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『かなめも 1』石見翔子

かなめも 1
石見翔子
まんがタイムKRコミックス
2008.8.27
860円

★★★☆☆

 『スズナリ』やコミック百合姫Sでの連載でお気に入りの石見翔子の四コマ単行本。八月末に出ていたようなのですが、うっかりしていて今頃の購入となりました。
 『スズナリ』とは漫画の雰囲気もかなり違いました。主人公は「かな」という少女なのですが、主人公の周辺にいる新聞配達員仲間の五人もあまり変わらない比重で登場するので『スズナリ』の時ほど主人公が目立ちません。
 そう。新聞奨学生たちのお話なのです。
 巻末のあとがきによると作者自身も新聞配達の経験があるようで四コマ的でありながら現実味が漂います。その現実味で素直に笑いにくい一面が。絵柄はいわゆる“萌え”で可愛らしいのですが、OL物やサラリーマン物四コマに近いジャンルかもしれません。
 そして『スズナリ』もそうであったように、こちらも百合ネタあり。『スズナリ』はひたすら「好き好きおねいちゃん」で最後に少し波乱がありましたが、『かなめも』では真性百合カップルもいて脇役ネタは濃いですが、主人公絡みの百合度は薄めです。

 続刊はどんな感じになるのかな。

 そういえば石見翔子の百合姫Sに連載の『flower*flower』一巻が12月に出るんですね。こちらも楽しみ。

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microSDカードとZaurusとWikipediaと

microSD  Zaurus用にはHAGIWARAの1GB・SDカードで用が足りていたのですが、Wikipediaのローカル版を(今更ながら)Zaurusでも使ってみようかと2GBのmicroSDを買ってみました。600円ちょっと。ZaurusはSDHCは使えないし、2GBのSDも純正のSDカードドライバがないと認識しないので要注意です。(ドライバの入手はこちら
 さて、開封。

 うわ。
 ちっさい。

 右端が本体で、一番大きいのが普通のSDカードサイズのアダプタです。中間くらいのはminiSDのアダプタ。全部同梱でした。
 microSDを手に取ってみたのは初めて。microSD単体で付け外ししてたらすぐにどこかになくしてしまいそう。小さすぎて却って不便かも。

 EPWING版のWikipediaですが、辞書ファイルが巨大なために遅くなるかと思いましたがさほどでもなく。
 ZaurusのSDカードスロットと今回購入のTranscendのmicroSDカード2GB(のアダプタ)は相性イマイチのようで、押し込んだSDカードをもう一度押してもスムーズに出てきません。取り出しにちょっと苦労してしまいました。(WikipediaのEPWING化法は wikipedia-fpw を参照。EPWING化したデータを配布している方もおられるようです。)

 Wikipediaは内容の信憑性が今ひとつなことが多く記述の偏りもムラも強いので小説書きの資料としてはきっかけ探しくらいにしか使えないのですが、無駄知識まで幅広く収められているのが魅力でしょうか。「口裂け女」とか「エリア51」なんて項目は普通の辞書にも『現代用語の基礎知識』にもないですし。……なくても困らないのは確か。以前に紹介した辞書ソフト類の方がずっと優先度は高いです。それにWikipediaだけしか調べていない引き写しのネタを小説に使うと、読者に簡単に見透かされてしまうはず。ネット時代の一番身近な辞書はWikipedia。つまりWikipediaに紹介されているエピソードは小説では「使わない方がいい」ネタというわけです。

 話は変わってキングジムのポメラ。テキスト派でモバイル派の人には気になるアイテムかと思うのですが、実物を見たいのになかなか見つかりません。パソコンや電子辞書の売り場じゃないみたいだし、文具店へ行けばいいのでしょうか。テプラを売ってる売り場かな?

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火星のオパール

 NASAのMars Reconnaissance Orbiterの最新記事がAstroArtsに和訳掲載されていました。
 蛋白石質シリカ(opaline silica)なんじゃ、という感じですが。元々蛋白石自体がシリカ(酸化ケイ素)なわけで。

 水がなければ生成されない類の蛋白石が見つかったと言うことのようなのですが、これはもしかすると地球の白亜紀地層みたいな(白亜は石灰=カルシウムですが)生物由来の濃集蛋白石層かも!なんて期待してしまいます。日本もローバータイプの探査機を送り込んで化石探しでもしないかなぁ……。
 もっとも水さえあれば無生物的に火山岩からも生成される物みたいなのでNASAの記事でもあまり扱いは大きくないようですが。

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『世界を凍らせた女たち』T・マナーズ

世界を凍らせた女たち――女性連続殺人犯9人の愛と嘘
テリー・マナーズ著 本間有訳
扶桑社ノンフィクション
680円
1997.12.30

★★★☆☆

 連続殺人犯アイリーン・ウォーノスのことを調べていて読んだもの。9人の女性連続殺人犯の半生を小説風に仕立てたドキュメンタリ。図書館から借りてきました。

 90年代風ドキュメンタリ。ドキュメンタリとはいえ小説調でセリフや情景が描かれ、その描き方が週刊新潮の類に載っているゴシップ小説と大差なくて読んでいて少しばかりうんざりした気分にもさせられます。
 犯人像には最初からバイアスがかかっているようで「恵まれない環境で育ったり、器質的な脳障害で殺人に走らざるを得なかった不幸な女たち」として描かれます。うーん。環境のせいにするのはいいけど、さらに厳しい生活を強いられていそうな黒人の貧困層女性の連続殺人犯はいないの?と疑問が芽生えます。単にマスコミに取り上げられないだけ?
 日本でも砒素カレー事件や福岡看護師殺人などが記憶に新しいところでしょうか。

 最近レンタルDVDで『クリミナル・マインド』というシリーズを見ました。アメリカでは石を投げれば連続殺人犯に当たりそうに思えてしまうシリアルキラー連発のドラマシリーズでしたが、白人男性が犯人の話ばかりで疑問に思って調べてみると、女性の連続殺人犯はとても少ないらしく、もっとも有名なのがアイリーン・ウォーノスらしいことがわかりました。彼女は映画『モンスター』『テルマ&ルイーズ』の素材となったりもしました(前者はドキュメンタリ寄り、後者はボニー&クライド調でした)。その流れから読んだこの本ではアイリーン・ウォーノスだけでなく、近代の西欧・アメリカ女性による連続殺人のケースが9件集められています。

 正直なところ、冒頭30ページほどの「序文」だけ読めば十分な印象ではあったかな。細かな話を読んでも類型エピソードが多く、細部は空想で埋めたようなゴシップネタが多かったです。対して冒頭の「序文」では女性犯罪者の分類がすっきりとまとめられ、私にはこちらのほうがよほど興味深く感じられました。

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『宇宙生物学入門』P.ウルムシュナイダー

宇宙生物学入門―惑星・生命・文明の起源
P.ウルムシュナイダー著 須藤靖他訳
シュプリンガー・ジャパン
4095円
2008.7.8

★★★★☆

 宇宙生物学。
 なんてアヤシゲな響きなのでしょう。アメリカはエリア51に宇宙人を隠している!みたいなイメージの湧いてくるタイトルです。サブタイトルもトンデモ本が科学的アプローチを装うかのような胡散臭さに思えなくもありません。
 でも、この本はマジメな科学解説書です。東大理学部四年で行われた "Intelligent Life in the Universe" を読んだ輪講をまとめた物だそうです。地球物理と天文と生物の最新の知識が詰め込まれた硬派な本でした。
 文章はシンプルかつ明晰で、平易とは言えないものの十分にわかりやすい良い訳でした。

 内容的には――タイトル通り宇宙生物学入門に必要な知識一式をまとめた感じです。天文、地質、惑星物理、生化学、進化論、文明論。多様なジャンルに渡る知識をひとまとめにした本で、数式は登場しませんが理学系学生向けの印象です。一般向けの「なんとなく雰囲気でわかればいい」科学解説書ではなく、専門外のジャンルに手を伸ばす研究者のためのガイド役、って感じでしょうか。
 書かれている内容はほぼ最新ですが、新発見や新理論を提唱する本ではないのでこの本で取り上げられている各ジャンルに通じていれば新たな知識は得られないと思います。が、境界領域は知識がつぎはぎになりがちで全体のつながりがなかなか見えてこないので、『宇宙生物学入門』のような本でしっかり整理し直すのも効果的な気がします。

 お勧め、ではあるのですがこの本を読み終えて思ったのは「科学や技術はやっぱり国家主義的なんだな」でした。ドレイクの方程式にまつわる説明で文明の存続期間について語られた中で「人類の無責任な側面が正しく管理されることがなければ人類は滅亡する」と説き、人類の自滅的な性質を改造すべきだと述べています。個よりも種として人類を見たときの生存方法を優先して考えてしまうあたりが科学のおもしろさ、ラジカルさではありますが、その思考は結果として全体主義。あまりにも傲慢な科学の姿にうっとりするくらいSFを感じます。(人類改造自体はネタとしてはありきたりなのだけれど、お堅く地球物理や生化学の解説がえんえんと続いてきた末なのでインパクトがある)

 少し弱いのが知性や文明、社会に関する項目。
 まだまだこれからのジャンルということなのでしょう。

 読み応えのたっぷりとある本でした。

 後日『アストロバイオロジー』という同ジャンルの本を読んでこちらの本の特徴がはっきりしました。化学進化に注目した『アストロバイオロジー』に対し、こちらの『宇宙生物学入門』はハビタブルゾーン探しが中心に据えられていた印象です。境界領域の本は著者の専門によって印象がかなり違ってくるので読み比べも一興。(2008.11.16追記)

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ケータイ用PDF版小説『あかねいろ』

自作オリジナル小説『あかねいろ』のケータイ向けのデータを作ってみました。
サイズの都合から三分冊。
PDF形式。
ジャンル:百合・学園物・原稿用紙215枚相当

『あかねいろ』その1 (962KB)
『あかねいろ』その2 (918KB)
『あかねいろ』その3 (917KB)

うまく表示できない等問題がありましたらご指摘いただけると幸いです。感想etcもお気軽に。

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