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『世界を凍らせた女たち』T・マナーズ

世界を凍らせた女たち――女性連続殺人犯9人の愛と嘘
テリー・マナーズ著 本間有訳
扶桑社ノンフィクション
680円
1997.12.30

★★★☆☆

 連続殺人犯アイリーン・ウォーノスのことを調べていて読んだもの。9人の女性連続殺人犯の半生を小説風に仕立てたドキュメンタリ。図書館から借りてきました。

 90年代風ドキュメンタリ。ドキュメンタリとはいえ小説調でセリフや情景が描かれ、その描き方が週刊新潮の類に載っているゴシップ小説と大差なくて読んでいて少しばかりうんざりした気分にもさせられます。
 犯人像には最初からバイアスがかかっているようで「恵まれない環境で育ったり、器質的な脳障害で殺人に走らざるを得なかった不幸な女たち」として描かれます。うーん。環境のせいにするのはいいけど、さらに厳しい生活を強いられていそうな黒人の貧困層女性の連続殺人犯はいないの?と疑問が芽生えます。単にマスコミに取り上げられないだけ?
 日本でも砒素カレー事件や福岡看護師殺人などが記憶に新しいところでしょうか。

 最近レンタルDVDで『クリミナル・マインド』というシリーズを見ました。アメリカでは石を投げれば連続殺人犯に当たりそうに思えてしまうシリアルキラー連発のドラマシリーズでしたが、白人男性が犯人の話ばかりで疑問に思って調べてみると、女性の連続殺人犯はとても少ないらしく、もっとも有名なのがアイリーン・ウォーノスらしいことがわかりました。彼女は映画『モンスター』『テルマ&ルイーズ』の素材となったりもしました(前者はドキュメンタリ寄り、後者はボニー&クライド調でした)。その流れから読んだこの本ではアイリーン・ウォーノスだけでなく、近代の西欧・アメリカ女性による連続殺人のケースが9件集められています。

 正直なところ、冒頭30ページほどの「序文」だけ読めば十分な印象ではあったかな。細かな話を読んでも類型エピソードが多く、細部は空想で埋めたようなゴシップネタが多かったです。対して冒頭の「序文」では女性犯罪者の分類がすっきりとまとめられ、私にはこちらのほうがよほど興味深く感じられました。

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