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2008年12月の14件の記事

2008年総括レポート

 本年もアクセスいただきありがとうございました。

 今年最後の記事です。2008年の統計情報から。

人気記事ベスト10

記事タイトル ページビュー数
ドキュメントスキャナ ScanSnap 3574
Zaurusの綺麗なフォント makeqpfのarm版 1998
小説ライブラリ 1724
STAX SR-001MK2 1574
l8禁 小説・二次創作倉庫(公開終了) 1013
小説『あかねいろ』 818
招き猫@豪徳寺(リンクは記事100件以上がまとめて表示されます) 617
一太郎2008 526
シムーン二次創作小説 266
SF小説『イシノネ』 234

 シリーズ化されたページ(ScanSnapのその1~5までなど)は一番アクセスの多いページを代表させました。アクセス傾向からするとやはり商品レビューが強いようです。ScanSnap強し。STAXも粘ります。

自作小説アンケート回答数

タイトル 2008年 総計
イシノネ 3 3
あかねいろ 12 21
DarkSeed二次創作 3 3
シムーン二次創作小説 2 5

 『あかねいろ』は百合系専門サーチや縦書き文庫からのお客様に良い反応をいただいているようでじりじりとアンケ回答数を伸ばしています。多くの投票をいただき、本当に感謝しています。

縦書き文庫より

 『イシノネ』『あかねいろ』の縦書き文庫様での閲覧状況です。

タイトル 2007 2008
訪問数 完読率 訪問数 完読率
あかねいろ(上) 40 0.04 209 0.09
あかねいろ(中) 11 0.13 44 0.33
あかねいろ(下) 10 0.15 54 0.29
イシノネ(1/9) 28 0.15
イシノネ(2/9) 2 0.66
……
イシノネ(9/9) 6 0.35

 縦書き文庫様の開発ブログにて

 というわけで、創作のうちどの程度が読了されているのか、みたいな確率を出したら、それはもう相当に絶望的な数字が出てくるはずです。

縦書き文庫開発ブログ:ジャンル別の読書傾向統計

とのことで試しにオープンになっている統計データから完読率を計算してみたところ上表のようになりました。完読率は 消化量/(テキスト量*訪問数) というアバウトなものですし、統計の区切りは年度別なので統計期間的にズレてます。投稿者向けの個別ログはきちんと処理すれば詳しいことがわかりそうなのですが、不精者故にまたの機会にでも。
 紙の書籍では掴めない読書実体が判明してしまうシステムは投稿者にはありがたくもあり、恐ろしくもあり。

 完読された絶対数はそこそこあるのはおそらく「百合系サーチ→このブログ→縦書き文庫」で閲覧している方がいらっしゃるおかげで縦書き文庫での統計上位に表示されるため、縦書き文庫で『あかねいろ』を初めて知った人も見てくださっているという流れがあるのだと思います。つまり「ランキングは小説の内容を反映しているのではなく、アクセスの多い物をより多く加速する」典型かと。

 ふと思ったのですが、読書端末(Amazon KindleやSony Reader)でこの手の統計データをフィードバックする仕組みを搭載すると商業作家たちの評価ががらっと変わってしまうかもしれません。「誰にも完読されない大ベストセラー」とか明らかになっちゃったりして。

リピート率

 ブログの複数の記事が読まれた率:8.63%

雑感

 来訪者数は80~90人/日平均。ページ閲覧数は120~300ページ/日。人気記事ベスト10には出てきませんが博物館やイベント、施設訪問レポなどにも安定したアクセスがあり雑記帳のようなブログでも情報源として役に立てているのかな、などと思います。
 一方で書籍のレビューは「こんな内容の本はないかな」という人が辿り着けていないようで歯がゆくも思います。タイトル決め打ちで検索して来られる方しか辿り着けていないよう。カテゴリ分けで工夫すべきなのかもしれません。

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手伝い猫

やさしい紅茶……やさしいこっちゃ LUMIX FX37 6mm F3.8 1/30sec ISO100

 紅茶を入れる手伝いをしてくれました。

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招き猫@豪徳寺

おつかれさま GR DIGITAL F2.8 1/32sec ISO114 -0.3EV 写真一枚だけですが、いつもの招き猫。
 豪徳寺のこの棚にはうんと働いた招き猫たちが仕事を終えてやってきます。この招き猫もきっとたくさんたくさん働いたのでしょう。貫禄満点。食べ物屋さんの厨房にでもいたのかな。おつかれさまでした。

 これから年始めのボロ市にかけて招き猫の奉納棚が大賑わいする季節です。

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『火星の生命と大地46億年』丸山茂徳

背景はポメラの実寸大パンフレット火星の生命と大地46億年
ビック・ベーカー ジェームス・ドーム 丸山茂徳
講談社
2008.11.25
1890円

★★★★☆

 火星解説本は久しぶり。
 “かぐや”の影響か月関連の本は何冊か出ましたが火星はあまり注目されなかった年だったようです。フェニックスが土中の氷を直接見つけたりと新たな発見はあったのですが。

 楽しめました。
 変わり種の本でした。全260ページのうち100ページちょっとが火星有人探査小説で構成されています。これはいつぞややっていたアメリカ産の科学ドラマ「人類火星に立つ」の最新版に相当する物でしょうか。こちらは地質ドラマという感じ。

 前半のSF小説の部分も、後半の火星史解説の部分も全般に地質屋さんが書いたという印象です。SF小説部分も楽しめましたが、むしろこの本が本領を発揮するのは後半の解説部分。これまでの火星探査で判明したことの単なるまとめではなく、一歩踏み出して火星惑星史を描き出すことに挑戦しています。これがなんというか、前半のSF小説よりもずっとSF的な興奮の感じられるワクワクする惑星史ストーリーなのです。科学って、知識ってそれそのものだけでエンターテイメント! 図版も多く、解説も丁寧でした。
 当ブログで公開中のSF小説『イシノネ』を書く前にこれを読んでいれば数段パワーアップできたのに、と悔しい思いをしました。『火星の生命と大地46億年』で述べられているとおり、火星史をまとめた資料がなくて過去の火星像を描くのに苦労していたのです。

 ただ、私のような素人にはこの本で描かれている火星の経歴のどの部分が確認された事実で、どの部分が著者らによる仮説であるのかが不分明で悩ましく感じました。NASAのM.E.R.やPhoenixのページは追っかけてはいても最新の火星探査データを元にした論文まではなかなか追いかけられません。どの観測事実からどの推論が得られたのか、というのは気になるところです。
 地質用語を中心に未知の用語がぽこぽこ並ぶのに少し「むむむ」となりました。花崗岩と玄武岩くらいであれば高校地学でも習う用語なのでOKですが、アノーソサイトやらオフィオライトやらは馴染みがありません。アノーソサイトは斜長岩、オフィオライトは海洋性地殻が陸上に押し上げられた物……かな。超大陸タウメージアという言葉も説明らしき物が登場するのは最初にその単語が登場したずっと後。編集上の凡ミスらしきもの(化学式が入るべき場所が抜けていたり、「はやぶさ」と「のぞみ」が微妙に混同されていたり)があったのも惜しい。
 ちなみにgoogle検索しても「タウメージア」はヒットなし(2008.12.22現在)なので、このブログがカタカナでヒットする唯一のwebテキストとなることでしょう。

 瑕瑾はありますがこんなエキサイティングな火星本は久しぶりでした。
 火星に夢を遊ばせてみたい人、火星を舞台とした創作を志す人必読。

 著者の三方のうちの一人、丸山氏は地球温暖化関連でも二酸化炭素による人為温暖化説反対への先鋒でもいらしてそちらの著作でも有名な方ですね。

2009/1/6追記
 ニュートンプレスから1/27刊予定で『火星-赤い惑星の46億年史―火星の科学入門最新版』(2009.2.18 購入:レビューあり)という本が出るようです。2499円。楽しみ。

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『未知なる地底高熱生物圏』トーマス・ゴールド

未知なる地底高熱生物圏―生命起源説をぬりかえる
大月書店
トーマス・ゴールド著 丸武志訳
2000.9.20
3990円

★★★★☆

 出版当時に読んでおけば良かった、と思った本でした。2000年刊です。

 この本は「石油無生物起源説」を中心に炭化水素で生活する土中の――何キロも、何十キロも深い地下に展開される生命世界の可能性を指摘したものです。ジョークのネタになるような地底人の類ではなく、石油無機成因論と絡め、生命の起源に近いような原始的な微生物の世界を予言します。

 予言。
 そう、あくまでも予言です。仮説です。何キロもの地下はそう簡単に人の手が届く世界ではありません。原著は1999年に出版されていますが、未だにこの本の説く地底高熱菌の決定的証拠は得られていないのではないかと思います。

 人づてに「石油の無機起源」という話をぽつぽつと聞くことがあったのですが、どうやら大本はこの本の著者や旧ソ連の学者たちの説のよう。ところが「石油って生物起源じゃないんだって」という話を聞かせてくれる人はたいていそこまでしか知らず、ネタ元はテレビだったり、伝聞だったりと参考にすべき書物に辿り着けません。図書館の棚をなんとなしに眺めていて目に付き、「もしかして?」と手に取ってみたところ、気になっていた情報がぎっしりと詰まっていた本だったのでした。なんという幸運。

 ただしこの著者、本書冒頭の序章でも触れられているように斬新な研究で有名な人物です。天文学、地球科学、生物学と多様なジャンルで奇説を展開し定説を塗り替える画期的な成果を残すものの、決定的な反証がなされ玉砕してしまうこともあるようです。2004年に亡くなっているらしいのが惜しまれます。近年では日本の地球深部探査船「ちきゅう」(OD21)も稼働を始め、この本で取り上げられていた様々な仮説が実証間近だったかもしれないのに。

  • 石油無機起源説
  • 炭化水素を栄養源にした地下深部の高熱高圧生物圏
  • ダイヤモンドの起源
  • 金属鉱床の起源
  • 非断層型地震の原因
  • 生命そのものの起源
  • 地球外の地底高熱生物圏の可能性

 ざっとこれだけの仮説がこの本では提唱されます。大本は二つ。地球深部に蓄えられた炭化水素とそれを栄養とする微生物の仮定です。なんと壮大な、興味深い仮説でしょうか。この本を読んでみた限りでは説得力も十分です。なのに石油生物起源をひっくり返せないまま、ゴールドは天に召されてしまいました。1920年生まれだそうですから大往生の部類だとは思うのですが、残念なことです。

 独特の着眼点と発想で満たされたこの本はアイデアの宝庫です。刺激的です。面白いです。でも難点もあります。文章が、今ひとつなのです。訳の問題なのか原著の問題なのかはよくわかりません。読んでいてもなかなか頭に入ってこず、しばしば――1ページに1回以上――長い長いセンテンスを読み直して、三行にも渡る名詞節の係り受けを確認しなければならなかったりします。読み進めるのに時間のかかる本でした。これで中身がスカならば投げ本ですが、四つのお勧め本なのです。

 おもしろかった。

 次は久々に出た火星本に取りかかる予定。

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12月のコミック

 恒例の百合漫画の感想です。

flower*flower 1
石見翔子
百合姫コミックス
2008.12.18
900円

★★★★☆

 『百合姫S』に連載されているflower*flowerの単行本。『S』では一番楽しみにしているマンガです。他誌では四コマの連載をしている作者ですが、ストーリー物でもしっかりしたお話を見せてくれています。むしろ、私には四コマよりこっちのflower*flowerの方が好み。

 主人公・朱の兄の元へ嫁いできたはずの異国のお姫様。ところが兄・蒼は女装趣味の持ち主でお姫様に一目で振られ、代わりにと選ばれたのが朱――なのですが、実は朱は女の子なのでした。
 と始まるお話で軽くコメディ調、でもストーリーはシリアス気味。かすかに陰謀劇の香りも漂います。

 異国のお姫様・ニナがとにかく可愛い。一方の朱も三枚目的キャラが可愛い。萌え用語?で分類するならニナはツンデレ、朱はヘタレウケとなるのかな。よくわかりませんがこのキャラの組み合わせは卑怯なくらいにイイ。

 『百合姫S』掲載時との比較では……細々とした部分で修正が入っているようですが大まかなところは変更なし。各話の終わりにはワンポイントイラストが入るのですが、小ネタが利いてます。表紙カバー下には設定画もありました。

 設定もキャラも王道的ですが、陳腐さを感じさせないのは作者の力でしょうか。ジャンルとしてはGLなのですが、百合という面を売りにしなくてもストーリーの面白さで勝負ができそうな気がします。特に百合モノ趣味のない人にもお勧めできるんじゃないかな。いえ、耐性のない人に勧めて引かれても私は責任を持ちませんが。

コミック百合姫S 2009年 02月号
一迅社
2008.12.18
880円

★★★☆☆

 同時発売の『百合姫S』。考えてみたら毎号きっちり購入している雑誌は『百合姫』と『百合姫S』だけだったりします。『S-Fマガジン』も『SF Japan』も気まぐれ購読ですし、科学雑誌類も気に入った特集のあるときだけ。

 今号は表紙の色味がちと重たいかな。
 百合姫系の雑誌は時々成年向きのアニメやゲームを紹介するのですが、雑誌のカラーと一致してないような気がして正視しづらいです。ぱっと開いたカラーページにポルノチックなポーズの絡み絵があるとぎょっとしてしまいます。

 少し前には内容も安定してきたような気がしていたのですが、また迷走状態に戻ったみたいな印象を受けました。「オトメキカングレーテル」が休載だからかな? 「HONEY CRUSH」のページ数が少なかったこともあるかもしれません。

 次号は復調していますように。

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世田谷ボロ市2008年12月

古道具あれこれ GR DIGITAL F2.4 1/125sec ISO64 -0.3EV 毎年12/15~16、1/15~16に行われる世田谷ボロ市。ここのところ行きそびれていたので今回は昼に時間を取って覗いてきました。一月のボロ市の方が混み合うような気がしていたのですが、今回のボロ市は大盛況。ボロ市通りが人で溢れていました。

 「よよぎ」「たかお」って駅名看板? そんなものも放出されるのでしょうか。
 画面中央にあるのは……ド鉄でできたカメラっぽいですが、う~ん、もしや放射線診断用の特殊カメラ? 手前には木引き用の鋸も。何屋さんなのか不明なこんな露店がボロ市の典型でもあります。

狸&狸 GR DIGITAL F3.2 1/160sec ISO64 -0.3EV 狸系置物専門店……ではなく単なる古道具店のようですが、大きな狸の置物と狸型暖炉。これは狸好きには魅力のアイテム?

BLUE SKY and INDIGO GR DIGITAL F5 1/400sec ISO64 -0.3EV 青空に映える藍染め。代官屋敷近くにほぼ毎年出店している藍染めの露店。

カーネル・サンタース? GR DIGITAL F3.2 1/160sec ISO64 -0.3EV 豆売りのサンタクロース。
 おひげは自前の本物のようです。格好いい。

 今回の写真紹介はこれだけ。

 世田谷ボロ市はかなり大きなイベントで世田谷通りも大渋滞します。近隣のコインパーキングは出店者の車でかなり早くに埋まり駐車スペースがありません。路上駐車は即座に取り締まられてもいますし、来場は公共交通機関がお勧めです。

 他の写真はフォトアルバム『世田谷ボロ市2008』に。

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アシ210円

TAKANOで紅茶 GR DIGITAL F2.4 1/40sec ISO119 +0.3EV Zaurusのゴム足が剥がれてしまったので秋葉原のモバイル専科に買いに行ってきました。ここはZaurusの細かなパーツがバラ売りされていてZaurusユーザには便利なお店。
 帰りには神保町へ寄ってTAKANOの紅茶を楽しんできました。写真の招き猫は往路に寄った豪徳寺で買った物。縦型絵馬も買いました。

 TAKANOではシンゲル茶園のダージリン2ndフラッシュを。豆招き猫はビニールパック状態でお相伴。
 う~ん。いつも思うのですが、紅茶の写真は今ひとつ正しい色に写りません。カップの白さがこのくらい黄色っぽく見える環境ではあるのですが、今回呑んだシンゲルの紅茶はもう少しオレンジに近い明るい色味なのです。

 まあ、いっか。
 おいしく楽しめたから。

ゴム足招き GR DIGITAL F2.4 1/80sec ISO64 こちらが購入したゴム足。

 品名:アシ

 その通りなんだけれど、なんとなく笑ってしまいます。型の抜かれた部分だけ入っているのかと思ったらミミ付で型抜きガムを連想しました。
 Zaurusのゴム足はふかふか度が高いせいか剥がれていない足も擦り切れかけていたのでこの機会に全交換。210円×4となりました。

 話を変えて。

 キングジムのポメラは売れ行きが好調なようで在庫はどこにもなく、展示機だけ見てきました。

  • 畳んだ状態は思ったより大きい
  • 開いたキーボードは広々、だけどこんなに大きくなくても
  • 机が必要
  • 電源入ボタンの反応時間が長く、Zaurusや電子辞書専用機より明らかに遅く感じる
  • キータッチはあまり好みではなかった
  • 最上段のキー(1~0の段)のキーサイズだけが不揃いでかな入力の私には違和感
  • 右Shiftと文字キーの間に「↑」キーが割り込んでいて打ちにくい
  • キートップの大きさは十分過ぎるのに、キーとキーの隙間が狭くてミスタイプを誘発(キートップ平坦部の面積はもっと小さくてもいい)
  • キー操作の割り付けが自由にならない
  • 変換中の読み英字/かな置換ができない
  • 液晶画面がボディサイズの割に小さい
  • 液晶自体はとても見やすく、この品質のモノクロ液晶Zaurusがあれば欲しい
  • 入力の反応はまずまずだけど予想したほど軽快じゃない
  • 頑丈そう

 小説書き用には

  • 電子辞書が呼び出せない
  • 編集・カーソルジャンプ系機能が不足
  • grep相当の機能がない
  • 右Shiftと文字キーの間の「↑」キーは右Shift多用のかな入力には致命的

 という点で私の用途には不満で残念ながら見送りとしました。かな入力モードが設定に保持されないという点も含め、ポメラ開発陣にはかな入力の使用者はいないのでしょう。ローマ字入力前提の印象です。
 ただ、乾電池で20時間も稼働するという点は圧倒的なアドバンテージですし、動画や音楽やカメラ機能がないというテキスト入力専用マシンとしての割り切りは魅力です。

 ポメラ探しの道すがら、気になっていたデジカメPanasonic DMC-G1を触ってみたのですが好感触でした。光学ファインダーではなく液晶ファインダー(EVF)と可動する背面液晶モニタを装備しているのですが、このEVFが精細で明るく、表示倍率も大きく見やすかったです。レンズの合焦も速くて気持ちいい。
 あ~ぁ。欲しくなっちゃった……。

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『バート・マンロー スピードの神に恋した男』ジョージ・ベッグ

バート・マンロー スピードの神に恋した男
ジョージ・ベッグ
ランダムハウス講談社
1995円
2007.1.27

★★★☆☆

 先日のレビューを書いた映画『世界最速のインディアン』にぐっと来たのでバート・マンローのドキュメンタリを読んでみました。多少のネタバレを含むので、映画をこれから見ようという方はこの記事より先に楽しんでこられることをお勧めします。

 実物のバート・マンローは掲載された写真からすると映画でバートを演じたアンソニー・ホプキンスよりほっそりとした男だったようです。そして映画がかなりイベントを詰め込んだお話であることがわかりました。
 ですがメカ関連は概ね事実に忠実に描写されていたこともわかりました。

「あんまり違わないなら映画だけ見ておけばいいかな?」

 そう思うかもしれませんがそれには「否!」と答えさせていただきましょう。映画のバート・マンローは格好いいし、めちゃくちゃドラマチックでじーんと来るし、もうこれだけでお腹いっぱいだったけれど、実在のバートは映画よりそうとう頑固で、困った人であったようです。そして明るく快活。近所には絶対にいて欲しくないタイプのメカ狂い。映画の冒頭で夜明け前にエンジンをかけて隣人を怒らせるバートですが、今の日本でやれば間違いなく訴訟モノ。しかもそんな振る舞いを、いやそれ以上にはた迷惑なことを続けてきたのがバート・マンローの実像のようです。その徹底ぶりがいっそのこと清々しい。
 にも関わらずに隣人に愛されたバート。
 人を魅了するメカマニアの秘密がこの本からは窺えます。

 映画の冒頭、静かな音楽と共に映し出されるガラクタ部品の並んだ棚。"OFFERINGS OF THE GOD OF SPEED"(スピードの神への捧げ物)と書かれた棚はこの本のP.244に挿入された小さな写真にもありました。バートが暮らしていた物置小屋のあの部品棚は本当にあったのです。いえ、映画は再現だとは思うのですが、オートバイ絡みのシーンではとにかく徹底した「再現」が行われているのが『バート・マンロー スピードの神に恋した男』からはわかるはず。
 そういえばこの本の副題「スピードの神に恋した~」はちょっとアレな感じが。恋するなら"GODDESS"だよなぁ、なんて思ったり。

 楽しむ順番は、映画→本→映画、がお勧めです。
 とにかく先入観なく映画を楽しみ「じーちゃん格好いい!」と拳を握り、本を読んで「映画に劣らぬすごいじーちゃん」と細部の知識を仕入れ、再び映画を見れば「おおおっ。このシーンはっ!」と三倍楽しめるはず。この本単品ではバビビィィィィィイと突進する映画のあの空気感は掴めないと思うのでは少なめの三つ。Amazon商法みたいですが「合わせて楽しみたい」セットとして四つ半、かな。

 訳文が微妙に心許なかったり、専門用語が十分に咀嚼されないままに直訳されていたりもしますが、バート・マンローの魅力を損なうほどの問題もないかと思います。
 でもP.45のピストンの記述は少しヒドイかも。原文から混乱しているのかな。

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招き猫@豪徳寺

空が青いなあ…… GR DIGITAL F2.4 1/36sec -0.3EV 紅葉に気を取られている間に少し間が空いた招き猫Watch。雨の後で少しばかり汚れていましたが新顔が何匹も。

肩凝ってますなあ GR DIGITAL F2.4 1/73sec ISO64 -0.3EV にこやか系の招き猫。なんとなく「あんさん肩凝ってますなあ」とか言ってそう。

オールドタイプ GR DIGITAL F2.4 1/73sec ISO64 -0.3EV

 釉薬のかけられた古そうな招き猫。形自体は豪徳寺タイプに近い気がするのですが、いつ頃流通していた物なのでしょうか。この黄ばんだ子と同じデザインで釉薬のないタイプが現行招き猫のひとつ前の世代だと思うのですが。

毛糸玉 GR DIGITAL F3.5 1/34sec ISO64 -0.7EV 最小サイズの招き猫はよくこんな風に大招き猫の耳の間に座っていたりするのですが、よく見れば背後の招き猫の頭の上にもぼんやりと小さな影が。むむ。手前をぼかして奥にピントを合わせた方が良かったかな。

ちんまり GR DIGITAL F4.5 1/26sec ISO154 -0.3EV

 おまけの番外編。
 境内になぜか毛糸玉が落ちていました。黄葉したイチョウと緑の苔に映えていました。デジカメだと赤が飽和してしまいますね。うちのモニタがいまいちなのかな?

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映画『世界最速のインディアン』

『世界最速のインディアン』
監督:ロジャー・ドナルドソン
出演:アンソニー・ホプキンス、クリス・ローフォード

★★★★☆

格好いいってこういうことさ。

 のっけからアニメ『紅の豚』のキャッチコピーですが、賭けてもいい。宮崎駿はこの映画、大好きだと思います。うまく表現できないのですが、この映画には『紅の豚』の空気がありました。主人公は老人です。じーさんです。お腹だってだらしなく出っ張っちゃってます。シャツもヨレヨレです。
 でも、格好いい。

 アメリカにはボンネビル・ソルトフラッツという干からびた塩湖があります。固く締まった塩の平原は400平方キロを越え、地上で最も長く平らな土地となります。毎年八月、ボンネビルには世界各地からスピード狂が集まります。地上を走る世界最速の乗り物を決める"Bonneville Salt Flats International Speedway"が開催されるそうです。(Wikipedia他より)
 この映画はそんなスピード狂の祭典に挑戦する一人の老人を描きます。ニュージーランドでオールドスタイルのモーターサイクル・インディアンの改造に打ち込み、海岸を疾走するバート・マンロー。

 バート・マンローと彼の愛車である古い古いインディアンは実在します。googleで探してみてください。博物館に展示されたバートのインディアンが見つかるはずです。実話なのです。映画としてドラマに仕立ててはありますが、ボンネビル・ソルトフラッツでの挑戦やオートバイ関連の描写はほぼ事実だと思います。もちろん走っているオートバイを撮影したシーンはメーター通りの速度が出ているわけではないでしょう。バートのインディアンも映画用のレプリカでしょう。
 でもあの疾走感!

 オートバイやメカが好きな人ならばジーンとくるはず。

 メカに捧げた人生。ガレージでいじられるパーツ。ただひたすらソルトフラッツを走ることに憧れた老人。

「ブレーキは?」
「いらん」
「パラシュートは?」
「空でも飛ぶのかね?」
(超意訳)

 スピード狂の聖地・ボンネビルにおいてさえ狂人かボケ老人かという扱いをされるバート。ああ、でも……。

 とにかく「見ろ!」としか勧めようがありません。
 白い歯を光らせる若々しいハンサムの格好良さは微塵もありませんが、この老人・バートを格好いいと言わずして誰が格好いいというのか。

 映像物レビューは久しぶりでした。レンタルで見たのですがブルーレイ版が出たら欲しいなぁ、と思わされました。

 映画の主人公であるバート・マンローの伝記も読んでみました(感想記事)。映画とセットでお勧めです。

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『脳研究の最前線』脳科学総合研究センター


脳研究の最前線(上)(下)
理化学研究所脳科学総合研究センター
講談社ブルーバックス
2007.10.20
各巻1197円

★★★☆☆

 読むのに時間がかかってしまいました。とりあえず上巻のみのレビューを。

 この本を読んで何がわかったかというと、脳のことがよくわかっていないことだけがよくわかった、でした。先に読んだ『脳を支配する前頭葉』でもそうでしたが、脳を怪我した患者の振る舞いやMRI、ヒト以外の動物による実験などからおおよその機能を推測する、という手法が人間の脳研究の中心のようです。

 でもその研究方法、無理があるような気がします。何もない空中に土台を作り、そこに建物を建てようとしているみたい。

 ニュートン物理学のように誰もが納得できる明確な出発点がありません。知性ってなんですか、自由意志って本当に存在するのですか、私たちの脳が認識している世界って実在するのですか。そんな素朴な疑問は棚上げで「注意」や「意識」を脳の活動と照らし合わせている。

 これが注意を向けているときの脳の状態だよ。
 ――では、注意ってなんですか?
 この脳の状態が注意を向けているってことさ。

 こんな感じ。
 言葉の世界であれば循環的な定義も悪くありません。言葉は相対的な位置関係で互いを規定し、常に変化していくものでしょうから。ですが、このモデルも定義もあやふやな状態で「海馬は記憶を司る」「道具を使うときの脳は腕を動かすのとそっくりの活動をする」と事実を積み上げて知性や意志の解明に繋がるのでしょうか。良くて、脳の病気や怪我に対して「よくわかんないけど効く」という程度の結果にしか繋がらないのではないでしょうか。
 もちろん事例を積み重ねれば効能の確からしさは上がっていくし、それは医療にとっては大切なことです。ですが、知性や言葉を科学的に解明することには繋がっていないように思えます。

 ケヴィン・ケリーの言うように、“特異点”は遠いのかもしれません。

 読むのに時間がかかったのは上記のようなすっきりしない感じが強かったことに加えて、わかりづらい本でもあったからです。
 一般向けのブルーバックスということで文章自体は比較的平易なのですが、出発点があやふやなまま、脳の機能の断片が解説されていきます。いえ、モデルの雛型のようなものは示されるのですが、じゃあそのモデルをコンピュータ上で機能させられる?と問えば明らかに否。
 そして上巻全六章の、それぞれ一章ずつを違う研究者が綴っていて各章間の関連があまり見えてきません。文章も筆者ごとに大きく違い、章が変わる度に「なんの話をしているんだろう」と馴染むまで戸惑います。

第1章 脳のシステム
脳の内部での情報処理の手順を解説。脳研究における「意志」や「意識」といった大きな枠組みについて述べる。認知のプロセスについて解説するためかあやふやさが漂う。
第2章 脳の進化と心の誕生
遺伝子と神経系の構造・進化を対比させる。ホメオボックス遺伝子について紹介。DNAと解剖学的特徴の一致が興味深い。
第3章 知性の起源――未来を創る手と脳のしくみ
猿を対象にした研究から知能の起源を探る。「感覚運動に心はいらない」と説明し、ヒトには自分の体を想像する機能があるために他の動物とは違うと説く。が、その説明が一切ない。研究の基盤が宙に浮いているように思える。
第4章 言語の起源と脳の進化
言語の起源を歌に取るか、手や目――何かの動きからとするか。対立するモデルを概要的に紹介しわかりやすい。
第5章 脳はどのように認知するか
解剖学的な神経系の説明から入るのだが、なぜか非常にわかりづらい。特に難しいことを説いているわけではないはずなのだが。神経の機構解説から認知へと話が移り変わると途端に心許なくなっていく。「注意」という概念を本当に仮定していいの?というところがクリアできていないせいかも。答えは「自明」しかなさそうなのが恐い。
第6章 脳はどのように情報を伝えるか
神経学としてニューロンの振る舞いを解説。心に絡む問題にはノータッチだけれど、この章が一番安心して読めた。

 う~ん。下巻は途中でくじけてしまいそう。

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『欠落した近未来』ケヴィン・ケリー

 書籍レビューのようなタイトルですが、今回はオンラインテキストのレビュー……というか、徒然かな。

『欠落した近未来』ケヴィン・ケリー

七左衛門のメモ帳より

 縦書き文庫経由でケヴィン・ケリーの文章を訳している有志がいることを知りました。ケヴィン・ケリーはクリエイティブ・コモンズ・ライセンス(cc)の元に科学・技術・社会の未来について書いていたりする人らしく、和訳された出版物もあります。ccで書かれたテキストを翻訳しているのが上記の「七左衛門のメモ帳」様。

 翻訳の良否については私にはわかりません。私の英語力では辞書と首っ引きで苦労して大まかな内容を理解するのが精一杯で、繊細なニュアンスの違いなどさっぱりわからないからです。その程度の英語力には「七左衛門のメモ帳」のような翻訳記事はとてもありがたいものです。

 今回取り上げる「欠落した近未来」ではSFの役割について考えさせられました。
 このテキストの中でケヴィン・ケリーは

現状のあらゆる種類のSFでは、近未来については空白のままである。

 と述べます。そしてケヴィン・ケリーの文章ではお馴染みの「特異点」という言葉を引っ張り出してきます。これのニュアンスがよくわからない。人工知能が人類の持つ知能を凌駕する知の革新で、そこに到達すると人類の抱えている問題があっさりごっそり解決されるらしいのです。ところがこの特異点にはいつまで経っても到達できない、というのがケヴィン・ケリーの持論であるらしく否定的な文脈で用いられます。

 SFで描かれる近未来は特異点に到達する前の世界。
 スタートレック時代のような遙かな未来は特異点後の世界。

 つまり「欠落した近未来」というのは様々な問題が解決しないままの未来らしいのです。山積した問題が片づかないので、好ましい展望を持った近未来が描けない。イコール、未来の欠落、ということのようです。

 なんとなくすっきりしないのですが、これは未来(future)という語に「有望な」という肯定的なニュアンスが強く含まれているからかもしれません。単純な時制としての未来ではなく、希望的観測を含めた「将来」に近い語なのかも。

 同じような感覚は現在(present)にもあるようでケヴィン・ケリーの紹介したウィリアム・ギブソンの「いつも異質な現在」(ever-alien present)という言葉にも存在するようです。presentはイコール・現在だけではなくカタカナ語のプレゼント、つまり文字通り「エイリアン・プレゼント」にかけられている気もします。“現在ってエイリアンからの贈り物くらい不思議でいっぱいさ”と。
 気がするだけでまったく根拠がないのですが。

 特異点に追いつくことがないからと言って近未来が描けないとも限りません。科学に対する全幅の信頼、明るい未来への期待は――大人になるまでの私の中には確かにありました。
 今の子供たちは私が子供時代に持っていたような「極超音速旅客機でアメリカまで二時間半、街にはエアカーが飛び、環境問題なんて全部解決!」なんて明るく脳天気な未来は描けないでしょう。学校では窮屈なエコロジーを刷り込まれ、家庭の経済状況は成長と共に改善するとも限らず、世界を揺るがせるマネーゲームとテロが日々のニュースを飾ります。未来に夢を描けないのも無理はありません。

 けれど、暗く、慢性的な不況の下でこそ、地に足の付いた前向きなSFが力を持つのではないでしょうか。ビル・ゲイツになれるサクセスストーリーでなくても、世界を救う救世主になれなくても、小さな夢を叶える科学の力。そういう話が書ければいいな、とワナビの一人として思うのです。(挑戦中の小松左京賞ではもう少しスケールの大きな明るい夢が求められているようだけれど)
 明るい話を書こう、小さな範囲でもいいから特異点を描こう、と反駁の気持ちを奮い起こさせてくれたケヴィン・ケリーのテキストでした。

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紅葉@豪徳寺

縦長絵馬 GR DIGITAL F2.8 1/32sec ISO84 おや。これは新型かな?
 縦型の絵馬があったとは知りませんでした。次に願掛けするときはこの絵馬にしてみよう。

絵馬奉納所 GR DIGITAL F2.8 1/12sec ISO81 フラッシュ 昨年も見上げ構図で紅葉+絵馬奉納所を撮りましたが今年はなんだか収まりがいい……。
 あ、画角が昨年のFinePixF10の35mm相当から28mm相当になったからかな?
 奉納所の立ち方がなんだか「ふんぬっ」って感じです。紅葉もかなり進み、境内では枯葉がはらはらと降りしきります。29~30日が見頃だったのかな。枝ごとに色づきが違うのでなかなかココ!と盛りの見極めがつきません。

豪徳寺案内 GR DIGITAL F2.8 1/217sec ISO64 ライトアップも含めて町内会の方が色々頑張っておられるようです。日曜日の昼には紅葉見物客にお茶を振る舞っていたりもしました。見物客も大勢いて盛況でした。

顔を寄せ合って GR DIGITAL F2.4 1/16sec ISO154 -0.3EV

 ようやくいつもの招き猫Watch。
 新顔の招き猫たちが顔を寄せ合っていました。寒そう。右の二つは手作りかな?

正門近くからの眺め GR DIGITAL F2.4 0.77sec ISO64

 普通のライトアップ写真を紹介していなかったことに気づきました。28日撮影で薄暮の時間帯。
 正門のあたりから香炉と三重塔を眺めるとこんな感じです。

ごゆっくり GR DIGITAL F2.8 0.62sec ISO64

 これも28日撮影。正門を入った突き当たりにある古い三仏堂から香炉方向を眺めたところ。参拝客のために椅子が用意されていました。真っ暗な感じですが、これでもまだ午後五時。

 これで今年の紅葉写真は一段落。

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