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『凍った地球』田辺英一

凍った地球―スノーボールアースと生命進化の物語
田辺英一
新潮選書
2009.1.25


★★★☆☆

 惜しい感じの一冊でした。

 内容的にはスノーボールアース仮説のその後の研究状況を追ったものなのですが、文章が冗長であったり、説明展開があっちに飛びこっちに飛びしている印象で系統立っておらずしばしば「今読んでいる部分は何の話をしているんだっけ」と少し前に戻って読み直さなくてはいけなくなったりしました。
 最新の情報は付け加えられていますし、対立仮説も並べて見せてくれるフェアさはあるのですが、大枠自体は初期の「スノーボールアース」の説明からさほど変わることがないために新味は薄い印象です。

 火星ネタが好きな私としては最後の方に登場したハビタブルゾーンと火星の関係や、エウロパ絡みの話が興味深く読めました。地球と生物の共進化という概念もスケールが大きくて面白そうではあるのですが、さすがにここは話が広くなりすぎて科学と言うよりはアイデアの紹介かな。この部分に学問としてがっちり取り組んだ本があれば読んでみたいな、と思いました。地球内部のマントル活動と生物が固定する二酸化炭素とに相関があったりするとまたスノーボールアース仮説と生命の共進化という考え方がより楽しくなりそうなそんな気がします。
 そうそう。太陽定数を横軸に、凍結緯度を縦軸に取ったグラフを見て「カルノーサイクルのサイクル線図みたい」と思えてなんとなく感慨深かったです。

 スノーボールアース仮説の現状を知りたい人向け。
 入門であれば少し古くなりますが『スノーボール・アース』の方がドラマチックでいいかも。

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