« 映画『スカイ・クロラ』 | トップページ | 『プロペラ飛行機の興亡』黒田光彦 »

『ロボットのおへそ』瀬名秀明・他

ロボットのおへそ
稲邑哲也、瀬名秀明、池谷瑠絵
丸善ライブラリー
2009.1.30
798円

★★★☆☆

 SF作家の瀬名秀明とロボット工学者の対談とロボット開発の現状の概要説明の本。

 ロボット研究の最前線を一般向けに解説しているわかりやすい内容、と書きたいところですが、要となるはずの「知能」のモデルが示されないために全体が宙に浮いているような印象です。「曖昧さ」の処理方法などは具体的な解説があるのですが、その先はまだ暗中模索であるようですっきりしません。
 この本の中で示されるロボット像も今ひとつ釈然としません。「わからないことを人に訊く」「学習する」ロボットを目指しているとか。人が教え導きカスタマイズしてそれぞれ個々人の生活を補助する機械。う~ん。自動清掃マシンとか、汚れた服を放りこむだけできちんと畳まれて戻ってくる洗濯機とか、自炊するより安くて品質の良い外食や保存食とか、実用品としてはそんな物の方が嬉しいような。
 ロボット研究の一番の難点は知能処理やメカニズムではなくて「目的」なのかもしれないと思ったのでした。

 研究者の解説文がところどころ文章がこなれていなかったり、解説が大雑把だったりして今ひとつ「面白かった」「ロボットの最先端がよくわかった」という気がしない一冊でした。知能絡みの問題にぶつかっているジャンルは未来への確固たる手がかりを掴めずに四苦八苦しているのかな。
 明確なビジョンを打ち出せていないジャンルに若い人は集まらないと思うのです。

|

« 映画『スカイ・クロラ』 | トップページ | 『プロペラ飛行機の興亡』黒田光彦 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。