『オトメの祈り』川村邦光
オトメの祈り―近代女性イメージの誕生
川村邦光
紀伊國屋書店
1993.12.15
1880円
★★☆☆☆
先に読んだ『オトメの行方』で未消化感があり同シリーズ一冊目であるこの本を図書館から探して読んでみました。結果、やっぱりすっきりしません。
『女学世界』という明治~大正期の雑誌を対象に“オトメ”という一種の理想の少女像があったのだと豊富な例を引いて説明します。その“オトメ”を構築した観念的な空間を“オトメ共同体”とし――これは現代であれば“オトメ仮想空間”とでも呼ばれ、“オトメ”は“バーチャル乙女”とでも呼ばれたかも。
“オトメ”や“オトメ共同体”については記述が豊富であったのでイメージは掴めた気がします。が、わかってみるとそれほど独特なことでも新しいことでもなく、
- 題材に『女学世界』という雑誌を取ったこと
- “オトメ”という表記にこだわったこと
がこの本ならではの特徴であったようです。本当に必要なの?と思うような独特の定義の用語や、哲学や心理学、自然科学などの他ジャンルの用語の意味・用法を独自拡張してしまっている部分に「エッセイ」というか「かんそうぶん」のような印象を受けてしまいました。
評価が辛めなのはたぶん文章がなんとなく肌に合わなかったから、だと思います。読んでいて理由のよくわからない反感のようなものが湧いてしまったので公平な評価ではないはず。内容面では良書の部類だと思います。
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