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『アンモナイト化石最新図鑑 ―アンモナイト 蘇る太古からの秘宝―』

アンモナイト -アンモナイト最新化石図鑑 蘇る太古からの秘宝-
ニール・L・ラースン
アンモライト研究所
2009.10.10
3570円

★★★☆☆

 ラースン? ブラックヒルズ研究所の副所長? ティラノサウルスSueの発掘で有名なピーター・ラースンの家族だったりするのでしょうか。

 全ページカラーの美しい本です。サイズはA5で図鑑としてはコンパクト。解説は英文と日本文が並べられていて「はて?」と思ったのですが、日本文の方の訳がちょっと危なっかしい感じ。たとえば"chitinous"はチタン質じゃなくてキチン質のはず。小さな監訳の漏れはありますが、アンモナイト・コレクションの美しさを損なうようなものでもなく、また原文が付されているので戸惑ったときは容易にそちらを参照できます。

 発行元がアンモライト研究所――宝石としてのオパール化アンモナイトを販売しているところ――であるのも頷けるくらい美しい遊色効果の現れた化石が中心です。現生のタコやイカ、オウムガイにも触れて生態の推測をし、殻の構造を説明するあたりは“アンモナイト本”の定石という感じですが、図版の美しさもあって効果的です。面白いのは発掘地別にアンモナイトを紹介しているところで、これは科・属・種ごとに分類紹介しがちな学者の本とは違うコレクターの視点を感じます。この本と研究者的視点の『北海道 化石が語るアンモナイト』を読み比べてみても楽しいのではないでしょうか。後者はすでに入手しづらいと思うので図書館などで探された方が良いかもしれません。

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