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『フィンランド軍入門』齋木伸生

フィンランド軍入門 極北の戦場を制した叙事詩の勇者たち
齋木伸生
イカロス出版ミリタリー選書
2800円
2007.8.31

★★★★☆

 『弱小空軍の戦い方』『北欧空戦史』『雪中の奇跡』『流血の夏』と読んできたフィンランド冬戦争物。政治面でもうちょっと詳しい知識が欲しくて読んでみました。

 結果から言えば『フィンランド軍入門』というタイトルの通り、軍の話が中心であったので政治面での知識はあまり増えなかったのですが、マンネルヘイム元帥の出自やフィンランド独立当時の話にも触れられていて欲しかった知識が少し補強された感じです。フィンランド軍に関する情報もすっきりと整理されていてわかりやすくまとまっていました。軍の装備に関する記述がメインで、他の本ではあまり触れられていなかった艦艇類から軍服のような細々とした物まで「フィンランド戦争博物館」という感じで網羅されています。図や写真も豊富で巻末にはカラーページで主要兵器、装備が紹介されていました。ここしばらくで読んできた中でもっとも総括的・網羅的な冬戦争・継続戦争の本でした。

 印象に残ったのはとにかく鹵獲兵器の多かったこと。特に戦車や砲の鹵獲品はびっくりするくらいの数で、よくこれで戦ってこられたな、と思わずにはいられない数字がまとめられていました。海軍に関しては装備も貧弱で(国の規模からすれば潜水艦や水上戦闘艦があるだけでも過剰なくらいですが)あまり活躍の場面もなかったものの、機雷は相当に活用したようなのが印象的でした。背に腹は替えられないとはいえ戦後は掃海に苦労したのでしょうね……。

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