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2010年5月の12件の記事

『深海のパイロット』藤崎慎吾

深海のパイロット
藤崎慎吾
光文社新書
2003.7.20
893円

★★★☆☆

 Uボートの資料を探していたときに近くに並んでいた本です。パイロットって格好いい呼び方だな、と手に取ってみたら著者名に見覚えが。SF作家の藤崎慎吾じゃん!ということで読んでみました。

 「しんかい」という潜水船、わたしにはかなり馴染みがあります。子供の頃に読んだ『自動車・船』という図鑑に「しんかい」だったか「しんかい2000」だったかが載っていて、その胴体右側面に書かれた船名が「いかんし」となっていたのがなぜかとても気に入りました。きっかけはそんなつまらないことだったのですが、クストーの潜水記を読んだり、トリエステやアルビンの深海調査本を読んだりと潜水艇モノの本を読みあさったのを思い出します。この本の中で出てくる“飽和潜水”というのもクストーの本で覚えたんだっけ……。人類がなぜか不便な海の中で暮らす未来図が描かれていたりして、とても不思議な気がしました。

 この本で深海調査のエピソードに触れてみてそんな子供時代の読書体験を思い出しました。『深海のパイロット』では「しんかい6500」に携わった人たちから話を聞き、深海調査とはどんなものであるのかを紹介します。筆を執るのは藤崎慎吾だけでなく、潜水船のパイロットや「しんかい」搭乗科学者も第二部、第三部で自ら語ります。文章のプロというわけではないので少々語り口はぎこちないのですが、それらの“生の声”も興味深く読めました。

 本の中身で一番印象に残ったのはロシア潜水船の短いエピソード。ロシアの潜水調査船のクルーはお客好きだそうなのですがその理由が……泣かせるのです。ソ連時代の話ではないようなのにどうしてロシアはこの手の話に事欠かないのか。

 科学調査のための船ということで戦争活劇のような大波乱とは縁がないのですが、日本の潜水船の地味〜な活躍が楽しめる本です。解説は丁寧で表現は一般向けだとは思うのですが、必ずしも華やかな世界ではないので海洋調査や潜水船の運用に関心が持てる人でないとキビシイと思います。

 そうそう。科学未来館に「しんかい6500」実物大模型がありましたっけ。

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『オレンジイエロー』&『水色シネマ』乙ひより

水色シネマ
乙ひより
一迅社IDコミックス百合姫コミックス
2010.5.18
900円
★★★★☆

オレンジイエロー
乙ひより
一迅社IDコミックス 百合姫コミックス
2010.5.18
900円

★★★★☆

 同時発売の二冊。
 この二冊、見事に双子本でした。紙の質感を生かした表紙とベージュのトーン、構図は共通で、画面に舞っている紙はともに同じ位置で部分的な厚盛り印刷。タイトルの「水色」と「オレンジイエロー」の色彩も最初から双子本にするつもりで対比設定にしていたかと思うはまり方。扉のカラーページもそれぞれのテーマカラーの色紙に厚コートで真っ白な白地を作っていたりと工夫の多い印刷。現代の技術で多彩な表現が盛り込まれているのは電子情報にはない印刷物の楽しさかも。

 内容的には『百合姫』『百合姫S』の掲載作が大半で描き下しが『オレンジイエロー』にエピローグ一つと小百合姫?かららしい掌編が一つ。雑誌掲載作はトーンや描き込みがかなり増えての収録でした。W連載で制作ペース、きつかったのかな?

 連載時には刺激が薄めの作風のためかピンと来ない回もありましたが、単行本で通して読むとやっぱり乙ひよりは乙ひより。読み終えてほっこりするというかなんというか。みゅーはかわいいし、みゅーに振り回される淳もかわいいし、シネマの二人もいいまとまり方をするし。満足。

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『キミ恋リミット』百乃モト

キミ恋リミット
百乃モト
一迅社IDコミックス
2010.5.18
900円

★★★☆☆

 今回の一迅社モバイルからの二冊を見て、おや、帯が変わったかな、と思いました。前回のモバイルの新刊(『ラブフラッグ★Girls!!』高橋依摘かな?)まではベッドシーンを売りにしていた感じだったのですが、過激さのアピールが控えめに。——もしかして非実在青少年条例案の影響だったりして。う〜ん。二冊とも内容的にえっち描写の比重は(モバイルのシリーズでは)低めなので内容に即した帯というだけなのかもしれませんが。

 えっち描写の比重はさほど高くない、と書きましたがカラー扉や冒頭数ページからベッドシーンですしその後もそれなりに情交シーンはあります。が、メインとなっているのはエロではなくて重めの人間関係。主人公の性格がお気楽で直情径行というか刹那的というかでギャグ乗りではあるのですが、三角関係ベースでウェットな感情を描いていることもあって本筋はどっしり系。

 ケータイで読んでいる現役学生世代や定職にうまく馴染めなかった若い世代は主人公の園に共感を持つ人も多いかもしれない、と思ったのでした。ダンボールハウスは「ありえない」というギャグ的設定ですが、そんな生活がすぐ背後に待ち構えているかもしれない世代の気持ちと重なりそう。

 私は三角関係の設定が苦手だったこともあっては少なめとなりましたが二人の間で揺れ動くストーリーがツボな人にはぐっと来そうな感じでした。

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『少女ホリック』青井はな

少女ホリック
青井はな
一迅社IDコミックス百合姫コミックス
2010.5.18
900円

★★★★☆

 表紙でぐっとハートを鷲掴みにされました。
 イラスト自体もイイけど装丁もイイ。ふと思い立って百合姫関連のお気に入り装丁をチェックしてみたら同じ人による仕事の率高し。う〜む。

 作者は作画への拘りが強そうです。表紙や裏表紙のヒロイン二人の体格、体型。本編冒頭と最後の方のページでの成長度合いのコントラスト。絵で成長を感じさせてくれるなんてニクい。

 せっかく彼氏ができたところなのに両親の海外赴任にお供させられそうになる主人公・結。なんとか日本に残ることはできたのだけれど、その居残り先はど田舎の祖母の元。ケータイの電波も届かないその土地で通いはじめたのは古臭い女子校だったのでした。女子校では真っ先に小猿のような凪に懐かれるものの……。
 スタンダードな女子校ものです。

 大事件が起こるわけでもなく、友情から恋へと傾いていく中学生活を描いたお話ですが、少女が大きく変わっていく時期。成長にあわせて結と凪の関係も変わって行く、そんな部分にフォーカスの当たったお話でした。小猿が少女になり、ボーイッシュというよりはシャープでマニッシュな女性へと変貌していく。一方は比較的普通の女の子らしい女の子であったのが相方の成長と対になるようにフェミンな女性性を花開かせていく。けして派手ではないお話なのですが、この「変わっていく」少女期の魅力がたっぷり。
 最初に読んだときはプレーンでアクのないお話に思えたのですが、手元に置く内になぜか幾度も読み返したくなる話なのでした。

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『大量絶滅がもたらす進化』金子隆一

大量絶滅がもたらす進化 巨大隕石の衝突が絶滅の原因ではない? 絶滅の危機がないと生物は進化を止める?
金子隆一
ソフトバンククリエイティブ サイエンス・アイ新書
2010.2.25
1000円

★★★★☆

 久しぶりの金子隆一の古生物本。表紙や帯には「巨大隕石の衝突が絶滅の原因ではない?」「絶滅の危機がないと生物は進化を止める?」「絶滅が進化を加速する」などとありますし、タイトルからも大量絶滅をテーマにした本であるような印象を受けますが——実際、大量絶滅について論じている本ではあるのですが、内容は進化論史の紹介でほぼ半分を費やしている進化テーマの本でした。

 創造説から進化論への歴史を追い、現代ではどの程度進化について把握できているのかを確かめることに230ページ中98ページを割いていることからもこの本における“進化”の扱いの重さがわかるかと思います。そしてそこから絶滅史を追い、大量絶滅の原因を論じはじめるのが残りページも少なくなった第四章。これではボリュームが足りないのでは、と思いながら読むとやはり個々の絶滅仮説紹介が駆け足になっていてちょっぴり不満だったのでした。う〜ん。サブタイトルというか煽り文句の「巨大隕石の衝突が絶滅の原因ではない?」というのが強すぎて絶滅仮説の検証本を期待してしまったのが不満に繋がった気がします。タイトルだけであれば断続進化説の本として納得できたかもしれません。巻末の文献リストからすると巨大隕石衝突説を否定するための新しい発見があったわけではないようなので、機会があればぜひプリューム説を補強する最新研究の紹介を期待したいところです。

 少々脱線の蛇足ですが。
 四月に録画しておいた放送大学の古生物の授業を見たのですが、その中で「隕石衝突説は検証された!」的な紹介がされていて「えええ?」と違和感を感じておりました。『大量絶滅がもたらす進化』以前から絶滅の隕石衝突説には問題点が指摘されていたので。ところがTwitterでそのことに触れてみたところ東北大の検証論文が元になっているのではないかと教えていただき「なるほど!」と思ったのでした。あれ? せっかく『Science』に掲載されたのに日本語の記事はどこで読めるんだろう。日経サイエンス……は『Scientific American』の翻訳誌だったのを思い出しました。デジタルの英語版『Science』買ってみようかな。(概要) 図書館にもあるみたいなのでそっちを読んでこよう……。
 偶発的な巨大アクシデントひとつで恐竜類がごっそりいなくなるというのは納得がいかない派なのでちょっぴりやきもき中。先日読んだ『地球生命は自滅するのか』の影響ですが、デカントラップも巨大隕石衝突も生物の自滅的暴走の引き金を引いただけなんじゃないかな、なんて想像は偶発衝突で核の冬により〜というのより魅力的な気がします。

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『ブルースカイ』桜庭一樹

ブルースカイ
桜庭一樹
ハヤカワ文庫 JA
2005.10.7
735円

★★★★☆

 SFです。
 中世ドイツの片田舎、水車小屋に暮らす流れ者の少女と老婆。不作と疫病の流行にエスカレートしていく魔女狩り。そこかしこに顔をのぞかせる奇蹟。錬金術。ゴシックの香り。——と、ここまではとても気に入って読んだのですが第二部に入って一転、近未来的な世界でのデジタルクリエイターのお話となり、第三部ではどこにでもいるような女子高生の妙に醒めた日常へとシフトして行きます。一貫するのは少女。第一部でのおとぎ話的中世世界でのヨーロッパ映画の中に登場しそうな観念的少女と第三部での醒めきったあゆレプリカのような現代の少女を、第二部の少女化した少年——青年によって繋いでいく一種の少女博覧会。三つの話を結びつけるのがSF要素となります。

 そのSF要素は一大ジャンルを成しているものなのですが、私はそのジャンルで納得できたためしがありません。この『ブルースカイ』でもやはりそのジャンル部分が釈然とせずに「惜しいなあ」と思ったのでした。ウェルズやハインライン、筒井などの超有名作もあるジャンルなのですが。

 とても面白かったのに納得できなかった、という相反する感想になった本でした。

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『つぼみ』vol.6

つぼみ VOL.6
芳文社まんがタイムKRコミックス GLシリーズ
2010.5.12
980円

★★★★☆

扉絵 かずといずみ

 かずといずみ少し絵柄変えてきた感じ?

「Green.」 大朋めがね

 大朋めがねはヒロイン=メガネは決定なのかな。続き物のようなのだけれど主人公の名前が冒頭で一回呼ばれたきりで三ヶ月後に第二話を読むときには「この子、何子ちゃんだっけ」となりそうな予感。これまで『つぼみ』に掲載された大朋めがね作品の中で一番わくわくした。

「星川銀座四丁目」 玄鉄絢

 キングサイズベッドのマットレスを小学生に持たせるなんて湊先生鬼だぁ。ようやくここまできた、という感じ。良かった。

「キャンディ」第2話 鈴木有布子

 vol.5の続き。メインの二人もキレイとカッコイイなんだけど、脇役?の一条が良いアクセントになってる。

「ロンサム・エコー」 きぎたつみ

 前回、双子の話で印象の良かった作者。今回は音楽ネタのよう。謎だらけのまま次回に続く。主不明のモノローグもあって「ここで引っ張るかー!」とジタバタ。

「あこがレディをもみタイム」 天野シロ

 新人エステティシャンストーリー。軽くギャグテイストの作者であるようでお色気成分も笑い方面に。

「はみだし音楽隊」 水谷フーカ

 西洋童話系タイトルシリーズ。今回はブレーメン?

「無限遠点」 関谷あさみ

 「無限遠点」シリーズの主役?からちょっと切ない誤解をされているイヤホン少女視点での話。この子を登場させてから話に良い感じの膨らみが出てきた気がする。

「はさみとゆび」 井上すくね

 美容師とテンパリ具合が初々しいお客の話。

「タンデムLOVER」#2 カサハラテツロー

 カサハラテツローと磯本つよしとメカ系漫画率が上がってきている気が。玄鉄絢も吉富昭仁もメカは得意な人だった気がします。そのうちメカ特集号とか組めたりして。今回の話は優等生タイプの二人組。最初登場したときはなんとなくヒロイン双方とも脇役タイプに見えたのですが、少し読み進むと可愛く見えてくるから不思議です。

「レンアイマンガ」第1話 コダマナオコ

 今回の『つぼみ』ではこのお話が一番好みでした。絵柄の可愛さと言うか、きょとんとした感じの表情がツボ。

「エンドレスルーム」 藤が丘ユミチ

 日焼け大好きなお嬢様に日焼けをさせないよう依頼を受けた高級ホテルの接客係。お嬢様に振り回され放題なのだけど、というちょっと風変わりなお話。

「ダーリン・ダーリン」前編 縞野やえ

 らぶらぶだった恋人も付き合いが長くなればいつしか連れなく……。

「一緒にかえろう」 矢尚ちなみ

 萌え四コマ誌に掲載されている作品の出張番外編であるようです。

「SWEET LIPS」 青木俊直

 卒業式での唐突なキスの味はいちご大福の味?

「ガールズライド」#2 磯本つよし

 ナンのバイクはHONDAのCT110。渋くてうまいところを突いてきました。スーパーカブの親分みたいな感じですが根強いファンがいる車種。もっとバイクの絵だらけの漫画でもいいと思います!というのは私の趣味ですが。

「ひみつのレシピ」5ページめ 森永みるく

 この二人は欠片もくっつきそうな感じがしないのはなぜなんでしょう。永遠の漫才コンビになってしまいそう。

「プライベートレッスン」#3 ナヲコ

 スタートは読み切りっぽい感じでしたがここにきて明確に次回への引き設定登場。たまごはちょっと困ったちゃんモード。

「しまいずむ」その10 吉富昭仁

 おばか展開まっしぐら。毎回よくこんなネタが出せるなぁ。『百合姫』系だとちょっと想像できない吉富なのでした。今回はバイオレンスが効いていました。

 今回も平均点高かった。飛び抜けた場外ホームランがなかったのは残念。きづき+サトウコンビの連載終了してしまったのも寂しい。

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『できそこないの男たち』福岡伸一

できそこないの男たち
福岡伸一
光文社新書
2008.10.20
861円

★★★★☆

 生物における性の起源とそのメカニズムの解明史を綴った本。
 内容は確かにその通りなのですが実際に読むと少しばかり印象が違うと思います。初期顕微鏡を開発した超絶技工の職人技。根気と緻密さの必要な研究に支えられた発生研究。苛烈な研究競争。「性」とは違う意味で生臭い研究者。けっして無味乾燥ではない血の通った科学の姿。性というシステムの解説に絡めた数々のエピソードが生物学を生き生きとしたものに変えてくれる本でした。

 この本は性システムの解説だけではなく、何かメッセージを含んでいるような気がします。性の仕組、起源の不思議に取り付かれた生物学者たちが研究に惹き付けられていくその気持ち。科学解説本という体裁はとっていても、科学の成果そのものではなくそこに携わった者ならではの感動、感慨を伝える本だったのかな、と。

 内容は全般わかりやすいのですが、DNA関連の説明はいまひとつすっきりしませんでした。DNAについては図解が欲しかったように思います。百科事典の例えは煩雑で文字を追う目が滑りがちでした。

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八重桜も散り際

20100505_04 三月のような寒さが突然戻ってきた四月はどこへ行ったのか、ゴールデンウィークは汗ばむような陽気の日が多かったです。招き猫奉納所も八重桜の花びらが良い感じに落ちておりました。休み中の参拝客もそこそこあったようで、招き猫もちょっと増えたかな。

20100505_01 あんぱんが食べたくなります。

20100505_02 割と定番のこの顔立ちの招き猫、どこの出身なのでしょうね。

20100505_03 猫模様の座布団に双子の招き猫。猫グッズがいろいろと見られる場所でもあります。

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『地球生命は自滅するのか?』ピーター・D・ウォード

地球生命は自滅するのか? ガイア仮説からメデア仮説へ
著:ピーター・D・ウォード 訳:長野敬+赤松眞紀
青土社
2010.1.19
2730円
★★★☆☆

 文章の読みづらい本でした。
 でも刺激的で面白かった。

 この本は副題の通りガイア仮説を廃し“メデア仮説”なるものを唱えようとするものです。ガイア仮説は環境問題とも絡んで「地球は生きている」みたいなイメージとして見聞きしたことのある人が多いのではないかと思います。寛容な母なる地球を私たち人類が台無しにしようとしている!みたいな。
 この本で取り上げるのはそんな俗説と化したガイア仮説ではなく、自律的な恒常性システムを備えた地球物理学的な安定化装置としてのガイア仮説です。著者は自説をガイア仮説と対比させて、生命と地球は共進化してきた、なんてのんきな物ではなくいつだって生物は暴走して大絶滅・大虐殺を引き起こしてきたんだぞ、と主張します。その暴走して自滅しようとする特性を“メデア仮説”と名付け、ガイア的地球からメデア的地球へのパラダイム・シフトを提唱するのです。
 これがとても面白い! エキサイティングでした。

 ところが冒頭に書いたように文章がイマイチです。一つ一つの文を取り出してみるとおかしくないのですが、そのおかしくないはずの文章を読み進めていっても内容が頭に入ろうとしません。難しくないのにわかりづらいという微妙なことになっています。同じ著者の『恐竜はなぜ鳥に進化したのか』もわかりづらい文章に苦しめられた記憶がありますし、『オウムガイの謎』も面白かったけれど表現には混乱させられた気もするのでそういう作風なのかも。

 読んでいてSF的アイデアがぽろぽろ浮かんできたアタリの手応えでした。読みやすさの点でひとつ減してますが内容的には★★★★と1/2くらい出したかったです。

 ただし。
 この著者が唱えているメデア仮説そのものは見込みがあると思うのですが、根拠とした気温や二酸化炭素の変動データは恐らく今後大きく修正されるでしょうし、地球規模での炭素循環も現時点で頼りになる裏付けがあるとは思えません。著者自身で古気候の再現研究に携わったわけでもないようです。メデア仮説は今のところ数値的な裏付けのないパラダイム候補に過ぎないのだと思います。
 その上で著者が書いているようにガイア仮説からメデア仮説へのパラダイム・シフトの可能性を感じました。恐らく、今後は母なるガイアに代わり「生命は資源を消費し尽くすまでのチキンレース」的な視点を元にした研究が増えてくるのでしょう。それを予感させるだけの力はありました。
 多少の読みづらさには負けないという科学解説書ファンに強くオススメ。

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Mac mini その6・MacでOCR

 MacのOCR環境は砂漠のよう。

 MacでOCRを行うための方法は2010年5月現在、以下の方法しかないようです。

  • 読取革命Lite for Mac
  • adobe acrobat
  • PFU ScansnapのS1500以降に付属のScansnap Organizer
  • Canon DRシリーズ付属のドライバでも可能?
  • Readiris Pro 12 Asian Edition

 市販の日本語OCRパッケージアプリケーションが見つかりません。
 読取革命Lite for Macはフラットベッドスキャナを購入するとバンドルソフトとして付いてくるもので単体で入手は不可能なようです。Readiris Proは海外製ですが日本語対応もしている模様。一つ惜しいのが「マルチページ対応」が50ページまでなことで制限のないCorporate版が五万円台半ばであること。

 がっくり。
 私の使用しているドキュメントスキャナ・Scansnap S500(Mac用ドライバはダウンロード提供されているがScansnap Organizerは使用不可)+Mac環境ではOCRをかける手段が手に入りません。adobe acrobatやReadirisを買えばOCRをして透明テキスト付PDFをこさえることはできるのですが、高価です。S1500Mに更新すればacrobatに加えて高速な新型ドキュメントスキャナとらくちんなOCR化環境のパッケージが手に入ります。

 ん? 待てよ。

 Canoscan4400Fなるスキャナを持っているのですが、調べてみるとこのスキャナには読取革命Lite for Macがバンドルされていた模様。押入れを引っ掻き回すこと三十分。付属CD-ROM発見。あった、読取革命Lite!

MacでのOCRサンプル 早速インストールしてみました。アップデータも用意されていてOSX 10.6.3でも動きました。が、使ってみてがっかり。

  • 画像データを一枚ずつしか読み込ませられない
  • 最大50枚まで
  • 出力はRTFかTXTのみで透明テキスト付PDFに保存できない

 これではScansnapユーザには実用になりません。MacのAutomatorで連続作業を設定することもできないようです。Javaアプリだからかな。

 今のところOCR→PDF化はWindows上でやっていますが、それなりの処理能力を持ったminiがあるのにVAIO PのScansnap Organizerでちんたら作業しているのは納得の行かないものがあります。S1500Mならばすべて解決するということもあり買い替えたくなってしまいました。が、ドキュメントスキャナを新しくするならA3がスキャンできる機種が欲しい。(B4まででもいい。Macで使えるA3ドキュメントスキャナは今のところCaminacs Wのみのようです。OCRは未対応。PFUやCanonのA3機はWindows専用らしい)

 思い返せばWindows用のフル機能版OCRソフトも読取革命Lite for Macよりは多少は融通が利いた程度で大量の連続作業に向いていないアプリでした。対象にしているワークフローがフラットベッドスキャナを指向していた気がします。

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SF短編:『イケないジェーン』

 青空文庫のタグを使用したテキストで小説を公開しています。


イケないジェーン
2010.4.29公開
2010.10.16更新
ダウンロード

「腰に電極を埋め込みます。特定の神経部位に電気パルスを送り込むと平静な状態からいきなりエクスタシーを生じるのです」
 
電気的に神経を刺激するというオルガスマトロンなる機械で不感症治療を受けるジェーン。その治療法がもたらしたのは伴侶との楽しいひとときではなくメディテーションだった!?
ジャンル:SF 20枚 ※際どいシーンはなく年齢制限も設定していませんが不感症という症状を題材に使っています。

ガイド

  • 青空文庫ファイルは青空文庫タグを使用しています。一般のテキストエディタでも表示できますが、青空文庫ビューワで表示するとより読みやすくなります。
  • 青空文庫ファイルはZIPで圧縮しています。
  • 枚数表記は400字詰原稿用紙換算です。

注意事項

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