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2010年6月の7件の記事

『せいなるめぐみ』第1巻 荒井チェリー

せいなるめぐみ1
荒井チェリー
芳文社まんがタイムKRコミックス
2010.6.26
860円

★★★★☆

 『三者三葉』や『ワンダフル・デイズ』の荒井チェリーの新刊。
 帯に「新感覚学園ラブコメ」とあり、きっとこの表紙の子がめちゃくちゃ可愛らしい子でモテモテのコメディなんだろうな、と思って買ったのですが。……あれ? 確かに表紙のピンク髪キャラは主人公だし、荒井キャラの例に漏れず可愛く描かれているのですが、なんというか肉食系? ボディビルダーのように見た目がむきむきなわけではないのに性格がたくましいのです。対して光正くんという男子キャラのなんて草食で愛らしいキャラっぷり。「あれ? これ萌え四コマなのに萌える対象がなんか変」という不思議な倒錯感を味わうことになったのでした。あー、なんか理屈っぽいですがつまり

みっちゃん萌え

です。予想外のところで萌えさせられるというのは悔しい。
 表紙の聖はAmazonの画像だとあぐらかいてますが、実本は帯で隠れて萌えポーズに見えます。

 キャラのデザイン的には乙女という子が好みなのですが、他のキャラたち同様このキャラも逆転してる感じの設定がされてます。逆ツンデレ? 裏ツンデレ? 外見や言動はヤマトナデシコっぽいのに心理描写は黒っぽかったり。

 2巻は一年ぐらい先かな?

 荒井チェリーは七月にも『未確認で進行形 1』というのが出るようです。

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『少女には向かない職業』桜庭一樹

少女には向かない職業
桜庭一樹
創元推理文庫
2007.12
609円

★★★★☆

 タイトルと冒頭から「ライトノベル寄りの話かな」と思った。『GOSICK ―ゴシック―』のようなミステリとライトノベルの中間くらいの感じの。読み進めていって静香という娘が登場して“殺人”について話が展開していってもやっぱりそうだ、と感じた。ところが最後まで読んでみると「あれあれ? ライトノベルじゃないぞ」と感じた。着地点はずっと現実寄りだった。

 読者が何を期待して読むかで評価が変わってくる話ではないかと思います。私は読みはじめたらぐっと引き込まれ、散らされているライトノベル的?少女ファンタジー的?要素に惹き付けられ、少し不満を感じるオチでした。不満は覚えたけれど、でも、面白かった。

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『ラブフリッカー』竹宮ジン

ラブフリッカー
竹宮ジン
一迅社IDコミックス 百合姫コミックス
2010.6.18
900円

★★★★☆

 表紙カバーはAmazonの画像よりも少し柔らかい印象の色合いで、ぱりっとした透明感のあるグリーンの帯が付きます。カバーの“LOVE FLICKER”の文字とお揃いの蛍光っぽい緑。

 収録作は『百合姫』のVol.15〜19に掲載された五編+描きおろし「SWEET SWEET SWEET」の一編。カバー下の表紙には四コマ、あとがき漫画もありました。あとがきでは百合漫画にかける意気込みのすごさにひょえ〜となりました。デビューできて良かったなぁ、と読んでいるこっちまでほっとさせられました。隔月化後の『百合姫』でも継続して描くことになったようで楽しみ。

 『Girlish Sweet アタシノ彼女』の後半が割とドロドロした感じだったのに比べるとこちらの収録作は明るく爽やか。特にパン屋さんのエピソードはまっすぐ明るくて楽しい。とはいえ、青春の屈折みたいな要素を描くのが得意な作者のようで、美術部の話でも生徒会の話でもキャラ設定に少し不安になる要素が混ざっている気がしました。

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『百合姫Selection3』

百合姫Selection(3)
一迅社IDコミックス/百合姫コミックス
2010.6.18
980円

★★★★☆

 雑誌『コミック百合姫』掲載作の中から短編読み切りを選りすぐった百合漫画入門アンソロ・百合姫Selectionシリーズの第三弾。Selection2は雑誌掲載分の再録のみでしたが、Selection3は百合姫関連新人賞の受賞作が四作掲載されています。感想はその四つを中心に。

初熱 慎結

 第2回百合姫コミック大賞紫水晶受賞作。
 受賞告知が出たときの絵柄だけ見て「良さそう!」と思った作品。今回読んでみて思ったのが、まず絵柄が好みだったということ。正統派少女漫画−レディコミ路線の絵柄でやけにうまい、と思ったら白泉社からすでに本を出しているプロの方でした。納得。
 高校を舞台にしたお話で小柄で天パで髪の毛爆発のぼんちゃんとモデルをしている水森さんがヒロイン。ストーリーはシンプルな感じでアクは弱めかな。完成度は高いです。
 七月に一迅社からコミックも出るようです。『ROSE MEETS ROSE』

Live with my sister すこやか

 第4回一迅社コミック大賞コミック百合姫部門奨励賞受賞作。
 スピード感というか唐突感というか独特の作風のすこやか。投稿作ではその独特さもありましたが控えめな感じでした。二人暮らしをしている義理の姉妹で妹に彼氏が?という話。ここから百合姫Sへの諸掲載作を引き出した編集部は良い仕事をしたと思います。

さんまんえんではかえません 天野しゅにんた

 第5回一迅社コミック大賞百合姫部門入選作。
 これはイイ。大賞になっても良かったんじゃ、と思ったのですが売春ネタという点で逃した気もします。百合姫本誌に載らなかったのもそれでかな。ストーリー的には王道、でも陳腐やフツーにさせていないのはキャラの生きてる感じ……かな。この作者も七月に『sweet guilty love bites』という新刊コミックスが出るようです。楽しみ。『湯けむり♨サンクチュアリ』も面白かったけど、スケジュールのきつさが窺えたのが少し惜しかった。

雪のなか君とふたり 田仲みのる

 第4回一迅社コミック大賞百合姫部門入選作。
 後に「ちちんぷいぷい」を受賞されました。クールな主人公が片思いする女の子は野球少年に憧れ中。ところが……というお話。

百合姫関連受賞者リスト

 別記事にまとめ直しました。

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『コミック百合姫S』 SUMMER 2010 VOL.13

コミック百合姫S 2010年 08月号
一迅社
2010.6.18
880円

★★★★☆

 びっくりの号でした。『百合姫S』はVOL.14で最終号となり以降は『百合姫』本誌と合流だそうです。ライバル誌も複数登場した中で安定ではなく刷新を目指す、ということのようです。元々『百合姉妹』時代から堅実さや安定とは遠い運営をしてきた印象の編集部なのでこれからもある程度の期間ごとに大きく引っ掻き回すような展開を見せてくれるのでしょう。『つぼみ』がコアなコミックファン層を、『ひらり、』が純正少女漫画層を、『リリィ』と『百合少女』が同人寄りをターゲットにするならばそんな棲み分けぶちこわしてやる!とでも言いたげな隔月刊行化告知でした。

此花亭奇譚 第6話 第7話 天乃咲哉

 今回は二話・三部構成。夏祭りの話が二組と休日の水遊びエピソード。此花亭印のふんどしは公式グッズにしたら大人気だと思いますっ。来月の読者プレゼント用とかどーだ。

ふーふ 3や目 源久也

 ぐはっ。口から砂吐きそうな気恥ずかしい雰囲気。この芸風は特有。

むげんのみなもに act+2 高崎ゆうき

 設定がとてもバイオレンスというか殺伐なのですがヒロインたちの会話が甘々系というギャップは今回もインパクト。時間の流れ方の違うヒロイン二人の設定とどこかメランコリックな空気が調和して(ストーリーはぜんぜん違うけれど)「アルジャーノンに花束を」を連想しました。

にゃんちゅー 米

 こ、これは何というべきか。破壊力大? 動物擬人化ギャグで猫とネズミ。……つまりトム&ジェリーのBL編とかもありうるのか……。

marriage black 第二回 速瀬羽柴

 マフィア物ガンアクションの二回目。こちらの話も殺伐としていながら甘々——なのですが「むげんのみなもに」のふわ甘調とは違うハードボイルド調。たゆんたゆんで今回はショタ?オプションも。

ふたりとふたり 最終話 吉富昭仁

 この連載は『百合姫』本誌でやった方がしっくりきた気が。前回の急展開からすると駆け足で落ち着いた感じ。

会長と副会長 最終回 袴田めら

 浪人風の仮装で副会長大変身。副会長かわええ。

死神アリス Chapter:5 いづみやおとは

 一段落の回。組織はひなげしのことどういう扱いにしてるのだろう、と気になったのでした。

ゆるゆり 33〜35 なもり

 京子は次回からあの髪型で登場して欲しい。千歳の嘘羅列回はマジ設定になったのか。

幼馴染と呼ばないで 第3話 黒柾志西

 凛さまはスカートの下に矢印付きのしっぽとかついてそうな感じです。

CASSIOPEIA DOLCE dolce12 高木信孝

 今回の話は今までの連載回の中で一番好みのお話。派手な展開じゃなかったんだけどなんでだろう。

flower*flower flower*12 石見翔子

 前回がアクション回であったこともあって今回は静かな回。陰謀の外堀を埋めて埋めて……というのが続いている感じ? ニナ様がしおらしくてコワイ。やっぱり平手打ちバシバシ来ないとっ。早く元気なニナの回やってこーい。

おっかけ×girls 第2回 石田敦子

 この人の漫画はセリフにも話の流れにも独特のリズムというか七五調?な感じがあって気持ちいい。漫画自体にミュージカルの雰囲気があるみたいな。

絶対少女アストライア 第3話 東雲水生

 ツンツン縦ロールで革命の影に黒幕の気配で陰謀アクシデントでどんがらがーん。めまぐるしく展開してます。再編の影響受けてしまうみたいだけれど、『百合姫』本誌の読切連作猫目堂はお休みしてもストーリー的に問題なさそうだしこっちのお話どっしり展開で読みたいなー。

Honey Crush final crush 椿あす

 え。え。え。最終回? 確かに終わり方としてはきっちり落着ついてるいいエンディングだけどこれは絶対単行本でフォローが欲しいっ。

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『GIRL FRIENDS ―ガールフレンズ―』第4巻 森永みるく

GIRL FRIENDS ―ガールフレンズ― 第4巻
双葉社アクションコミックス
2010.6.11
630円

★★★★☆

 四巻は「こっからラブ期だよね? うざいくらいいちゃこらするんだよね?」と思いつつ読みはじめたのですが、あ、あれ? まりさん? なんでそこで攻めないんですか? というちょーやきもき展開に。イベントは体育祭と九州修学旅行の二つで後者がメイン、かな。
 ちょっとちょっとどうなるのこの先、と思いながら読み進めて「良かった良かった」と思いつつページを閉じて真っ先に「五巻早く〜」と先が気になる展開でした。今回は巻末にひとつ杉さんのエピソードが入ったこともあって三巻までのようにキスシーンで引っ張ったわけではないのですが。ん? いや、本編はキスシーンで引っ張ったことになるのか。

 『GIRL FRIENDS』は主役の二人が比較的プレーンなキャラですが、杉さんやたまみんといった周囲に配されるキャラが濃く、主役たちだけではあまり突飛なことをしでかさなさそうな話でもきっちり面白イベントを演出してくれます。グラバー園のレトロ衣装レンタルとかめっちゃ面白そう。

 きっと五巻は主役二人が思い切りいちゃこらして読者が砂吐くくらいべたべたの大甘になってくれるのでしょう。楽しみ。

 表紙であっこが吹いているの「びーどろ」というのかと思ったらどうやら「ぽっぺん」の方が通りがいいようです。そういえばびーどろはガラス全般も指すみたいですね。

シリーズリンク

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『日本近海に大鉱床が眠る』飯笹幸吉

日本近海に大鉱床が眠る ―海底熱水鉱床をめぐる資源争奪戦―
飯笹幸吉
tanQブックス
1554円
2010.4.9

★★★★☆

 熱水鉱床研究の歴史を綴った本。
 著者が経験してきた海底調査による熱水鉱床発見に至るまでの話をベースに、熱水鉱床を資源として評価し現在の国際環境を解説する。

 学者が書いた生の本、という印象でした。面白かった。けど、文章に拙い部分もありました。一文一文はまったく問題がないのですが、本の中で後になって発見・紹介される知見が先に登場したりして「む?」となったり。時間軸をずらした演出を意図したのかもしれませんが、読みにくさに繋がってしまったようなのが残念。
 でも、フィールド調査の生の魅力があります。著者自らが携わった研究。自らが参加した調査。自らが行った資料分析。論文を読んで掻き集めた知識の紹介ではなく、体験に基づくごりごりした知識。現場に直接関わった人特有の力があります。
 相手国の役に立ったのかよくわからないODAの経験、微妙な状況にある海洋資源争奪の国際情勢、なんだかのんびりしてるように見えてしまう日本の資源開発アプローチ。サブタイトルはなんとなく近隣諸国との軋轢をイメージさせますが、実際には欧米資本の影響も感じさせてくれるまとめ方でした。

 海底鉱山って収支の合うのかな? リモコンロボットみたいなもので採掘を行う無人鉱山とかだと宇宙にもそのまま応用できちゃいそう、なんて想像が膨らみました。。

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