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2010年7月の18件の記事

『ナイフエッジガール』古街キッカ

ナイフエッジガール
古街キッカ
一迅社IDコミックス 百合姫コミックス
2010.7.17
900円

★★★★☆

 『百合姫』掲載作からの単行本の感想です。

 単行本では『百合姫』掲載作三本+収録作「graffiti」からのスピンアウト描き下ろし10ページとあとがき——というか謝辞が付きます。各話に小さな口絵カットが付き「トゥルトフロマージュ」では絵を見てようやく「タルト・フロマージュ=フランス風チーズケーキのことだっけ」と思い当たったのでした。

 掲載誌を読んでいなくて気になっている方、とてもお勧めです。表題作「ナイフエッジガール」に登場するヒロインのキャラのたちっぷりったら。ちょっとばかり頼りない主人公とのコントラストもばっちり。「graffiti」は地に足の着いた日常と理想的な出会いとのバランスを感じさせてくれるし、「トゥロトフロマージュ」は演劇という世界やそこに関わる人の非日常感が心地よかったです。

 どういう人にお勧めなのかを考えてみると……。ええと、乙ひよりの漫画が好きな人には合う可能性が高いと思うし、古街キッカの漫画が好きな人にはやっぱり乙ひよりも合うような気はします。水谷フーカも割と読者層が近い印象。

 『百合姫』vol.21に載ってたこの本の販促漫画も可愛かったな。

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『わたしたちは皆おっぱい』東風実花

わたしたちは皆おっぱい (1)
東風実花
まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ
2010.7.12
620円

★★★☆☆

 主人公はおっぱい大好きな女子中学生。カテゴリ分けするならば『巨乳ハンター』の末裔って感じですが安永航一郎の濃さはなく、あっさりライトでほのぼの?な雰囲気になっています。小中学生向け少女漫画誌に載ってるギャグ漫画みたいな感じ。読んでみるまでは四コマかと思っていたのですがストーリー漫画でした。キャラは主人公の兄がちょろっと出てくる以外は全員女子ではあるものの、ヒロインが愛してやまないのは特定の誰かではなくひたすらおっぱい。なので、百合成分はない感じです。1巻時点では。
 おっぱい連呼漫画だけれどいやらしい印象は受けないです。
 同時に収録された「海と泡沫」という短編は少女二人の何気ない日常——から一歩だけ踏み出した一コマって感じのシンプルなエピソードですが、百合という観点からはこちらの方がずっと百合的でした。恋愛ではないですが少女の成長をテーマにしている点が百合物好きには訴える気がしました。
 2巻ではもっとフェチ度アップしたお話になってくれることを期待。でも下品なのはやだ、とワガママな読者なのでした。

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『未確認で進行形1』荒井チェリー

未確認で進行形 1
一迅社IDコミックス 4コマKINGSぱれっとコミックス
2010.7.22
840円

★★★★☆

 四コマ漫画の感想です。
 帯には「16歳から始める小姑幼女との付き合い方」とあります。

 これは荒井チェリー的には新境地というかチャレンジかも。
 一言にするならば「萌えないラブコメ」。いや、ヒロインはいいです。荒井キャラ的にはあまり変人じゃないフツーの子なのだけれど、可愛いのは確か。ラブコメで相方となる許嫁男子キャラがすごーく静か。無表情。存在感がない。そういうキャラ設定なのだけれど、これでラブが成立するのかというくらいラブコメ要員らしくない。
 でもそんな無表情キャラでも1巻の2/3くらいから可愛げが出てきて一安心。そこに繋がるまでは幼女キャラと変態姉キャラで持たせたみたいな?

 ヒロインは表紙で肩越しに振り返っているキャラで、許嫁は裏表紙の学ラン君。う〜ん。なんというか訴求力が。読んでみるとちゃんといつもの荒井ワールドで楽しいのに。
 現時点ではサザエさん時空ではなく進展していくストーリー漫画的四コマになりそうな感じです。許嫁の白夜とその妹・小姑真白には何か秘密が設定され、白夜とヒロイン小紅の間にも何か謎があるような。
 冒頭の掴み的には小紅と真白が主役っぽく思えてしまうあたりにもったいない感じがしたのでした。

 キャラ的には『真白たん危機一髪』というタイトルと内容で新シリーズ作れた気がします。日曜朝にテレビに向かって一緒に踊りたい!みたいな。

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『百合姫Collection』vol.1

百合姫Collection Vol.1
一迅社IDコミックス 百合姫コミックス
2010.7.17
890円

★★★☆☆

 内容がよくわからないまま買ってみました。
 商業百合漫画を描いている作家たちの同人原稿を集めたもののようです。読んだ印象も確かに「ああ、同人誌っぽい」とか「わ。絵柄が今とずいぶん違う」なんて感じでした。掲載作家ファンのためのコレクターズアイテムと思います。

紫の太陽 茉崎ミユキ

 百合物ではかなり珍しい喫煙ヒロイン。ちょっと風変わりで移り気なヒロインに主人公がやきもきする話。

Lの放課後 茉崎ミユキ

 「紫の太陽」の続編。

Tear:99 百乃モト

 野球少年に告白して玉砕してしまった友人。バレンタインデー。

凍結注意報 百乃モト

 美術部の先輩と後輩。告白する後輩。受け入れられない思い。そして卒業。

太陽と水の娘 森島昭子

 これはいつ頃の原稿だろう。『百合姉妹』vol.2の「天使たちの羽音」よりも前ではなかろうか。『百合姫S』vol.3の「GIRLS LOVE」よりも前の気がする。今とは絵柄がずいぶん違って驚きました。南の島の幼馴染みとの再会話。

名前はない 吉猫

 白さんと黒さんという幼馴染みの二人。久々に再会したのだけれど、互いに小さな頃とは違っていて――。

Chop Stick 四ツ原フリコ

 吉猫の「名前はない」と共通設定であるらしいお話。描く人が違うとまったく別のお話に。五年前の原稿だそうです。バイオレンス風味の演出はこの頃から備わっていた模様。

 vol.1とのことで今後誰の同人原稿が紹介されていくのか気になります。

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『Raubritter*』再田ニカ

Raubritter*
再田ニカ
一迅社IDコミックス 百合姫コミックス
2010.7.17
900円

★★★★☆

 連絡の取れなくなってしまった姉の消息を求めて主人公・寧々子が訪れたのはRaubritterなる場所。キレイ系のヨカナとクール系ボーイッシュの忍の二人組に迎えられ、姉捜しが始まるのですが——。

 漫画らしい漫画でした。
 キャラクターのタイプがはっきりと分かれて、感情表現も豊富。同日発売百合漫画の中で比較すると少女漫画的美麗さを前面に押し立てている田中琳や慎結とは対照的なタイプ。主人公格の三人の性格や行動パターンの明るさが楽しくポップな雰囲気。『Raubritter*』と『ヒメ・コイ』以外はシリアストーンのお話だったこともあって怒濤のラッシュを読んでいく中でリフレッシュになりました。『Raubritter*』ではスートリーの背後にシリアスな設定も覗くのですが、あくまで楽しく明るく。ベッドシーンは二カ所ほど、コマの外にはいっぱいありそうですが楽しみどころはさらりと明るくコミカルなストーリーでしょうか。

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『SWEET GUILTY LOVE BITES』天野しゅにんた

sweet guilty love bites
天野しゅにんた
一迅社IDコミックス 百合姫コミックス
2010.7.17
900円

★★★★☆

 まだまだ続くよ。百合漫画の感想。

 『湯けむり♨サンクチュアリ』は昭和の香りが濃厚なアイテムが登場し「これ、作者の趣味? 編集部の趣味?」と不思議に思っていましたが、『百合姫Selection3』に掲載された迅社コミック大賞百合姫部門入選作「さんまんえんでは買えません」とこの『SWEET GUILTY LOVE BYTES』を読んだ今ならば納得です。秘宝館もキャバレーもギャルも昭和の華。作者の趣味に違いありません。
 今回の『SWEET GUILTY LOVE BITES』ではキャバレーを舞台に三組の百合カップルが登場。表現的にはエロエロな感じなのですが、『湯けむり♨サンクチュアリ』同様、性が開放的に描かれていて自然?日常?な印象に。描写としては7/17発売組では間違いなく最エロ。筆致?はウェットなんですが明るい。前向きのウェットさでエロいのに背徳感とは無縁で。
 キャバレーという場所には行ったことがないので「ほへ〜」と感心しながら読んでしまいました。ホステスは“嬢”ってゆーのか。ホステス雑誌?なんてのもあるのかetc。
 作風は独特。『百合姫』本誌では割とスタンダードな学園ものも描いていたので表現の幅は広そう。本誌の方でもまた読みたいな。

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『天体の回転について』小林泰三

天体の回転について
小林泰三
ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション
2008.3
1785円

★★★★☆

 百合漫画の感想ばかりが続いているので気分転換でSF物のレビューなど。

 高い文章力にしっかりした科学・技術知識。ぱっと読んだ文章はあまり理系臭くないのですが内容的には理系SFのスタンダード短編集でした。
 以下の感想では評価は辛め。悪口もいっぱい並べているもののトータルとして楽しめたのは確かです。

天体の回転について

 面白かった。
 軌道エレベータによる宇宙旅行案内。
 この作品が書かれた2005年の時点では軌道エレベータはあまり注目されていなかったけれど、でも、SFネタとしてはかなり陳腐化してしまっていた気もする。正直、なんで?と思った。
 科学とは無縁に育った主人公を配し、速度、加速度、コリオリ力、万有引力といったニュートン物理の基礎解説を交えた宇宙旅行を描いてみせる。
 でもこれ、やっぱりコペルニクスの本と同じタイトルを冠して表題作にするような話じゃないよなあ、とは思ったのでした。

灰色の車輪

 読ませるという意味ではとても楽しく読めた。けれど、やはりアイデアとしてはあまり新しいところが感じられなかった。アシモフの描いたロボットシリーズの二次創作の範囲に感じてしまいました。

あの日

 あまり新しさが感じられなかった。ミステリ、という意味ではうまいし読んで楽しかったけれどSFのアイデアとしては陳腐な気がします。

性交体験者

 冒頭の電話のシーンで「もしかして」と設定が思い当たり、読み進むにつれて「やっぱり」と。乱歩時代に書かれていそうな話だと思ったし、漫画でも同じような設定の話はいくつも読んだ気がする。楽しく読ませる筆力はイイ。

銀の船

 火星の人面岩ネタ。これもチープというか安っぽいというか。掲載が光文社の「異形コレクション」の一作と言うことで納得。出発点がSFではなくて怪異ならばこれも悪くない。SFMにこれで載せたならムッと来たんじゃないかな。

三〇〇万

 執筆時期的にも映画の『300』の宇宙版というかパロディとして書かれたものだと思います。スパルタ! センス・オブ・ワンダーとかうだうだ言わずに楽しく読むべきなのだと思うし、実際楽しく読めました。

盗まれた昨日

 アイデアはシンプルで古典的だけれど読んでいて「え?、え?」と混乱してくる面白さがとても良かった。明確にセンス・オブ・ワンダーがあったと思う。

時空争奪

 時空を川の流れにたとえて解説する秀作。面白かった。これはイイ。この話のためだけにこの本を読んでも損をした気にはならないと思う。でも一点。クトゥルフネタはこの話の流れで出すとすごーく投げやりに見えてしまう。宇宙人の良い設定を思いつかなかったので適当にネタ拾いました、みたいに思えてがっかりしてしまいました。

 どれ一つとして読んでいて「つまらない」と思わせる話がなかったのはさすが。でも会心の一作と感じられた話もなかったのは残念。もっとずっと面白いものが書けそうな作者だと思うのです。

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『ROSE MEETS ROSE』慎結

ROSE MEETS ROSE
慎結
一迅社IDコミックス 百合姫コミックス
2010.7.17
900円

★★★★☆

 第二回百合姫コミック大賞で「発熱」にて紫水晶賞の慎結の単行本。第二回っていつだっけ、と振り返ってみると2010年1月発売の『百合姫』発表で……、半年で一冊描き下ろしたことになるのかな。
 収録作は四点。

花と手錠と

 これは設定勝ち。幼い頃に犯罪に巻き込まれ、危うく被害者になりかけ犯人を倒して逃れた主人公たち二人。共有した罪で強く結びつけられた二人は——。と始まる話なのだけれど見事に絵柄と設定がマッチングしてました。

声のない歌

 画家モノ。背景やオブジェのデッサンがカッチリしているのは作者も美術系の教育を受けているから、かな?
 この話のようなオチは最近の『百合姫』ではあまり見なくなりました。こういうのはもっとあっていい! 黒髪直毛キャラはやっぱり正義。

バラ色の人魚

 これは実写でショートフィルムにしたら映えそう。お花はCGで。頭の中で色付きイメージが動きました。水泳ネタです。ふと「唐獅子牡丹」という単語を思い出しましたが、拠り所を示す言葉であることを思い出せば意外と外れていないのかも、なんて。見開きページでは『スプラッシュ』という映画(男女カプの映画ですが)を連想しました。『青い珊瑚礁』も。

DoRoTHY

 タイトルは「オズの魔法使い」にかけたもの。この話が一番気に入りました。歌壇に倒れていた女の子の話。

 ベッドシーンはなし。雰囲気も純正少女漫画調。薔薇を背負ったこてこて少女漫画風味のモノクロカットを見ると、そういう方面の絵柄の好きな人にはきゅきゅーんと来ると思うのです。ので、購入を迷っている方は中身をちらりと見てみるのがお勧めなのですが……。一迅社公式で試読できるようにならないのかな。

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『くちびるに透けたオレンジ』ロクロイチ

くちびるに透けたオレンジ
ロクロイチ
一迅社IDコミックス 百合姫コミックス
2010.7.17
900円

★★★★☆

 104ページ分の表題作と『百合姫Wildrose』シリーズに掲載された短編二作を合わせた三編。

 一言で申しますなら。

 エロいです。

 ベッドシーンがえげつないとか裸てんこもりとかそういうわけではなく、秘めたエロスというか滲み出るエロスというか。日常的なシーンにしっとり色っぽい空気が漂います。カラーは表紙カバーと扉だけなのにそのオレンジがモノクロページまで染め上げてでもいるかのよう。ベッドシーンもしっかりあります。
 東京から来た転校生は抜群に垢抜けていたのになぜか主人公のいる地味グループの仲間に。透ける髪とグレーの瞳を持った転校生は夕日がよく映えて、主人公は憧れてしまったのでした——。と始まる話。
 扉ページのカラーがとても鮮やかで印象的でした。銀朱ヴァーミリオンって感じ。

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『フィダンツァートのためいき』田中琳

フィダンツァートのためいき
田中琳
一迅社IDコミックス 百合姫コミックス
2010.7.17
900円

★★★★☆

 17日発売の百合漫画の感想。

 ネット書店の表紙画像を見て期待の一冊になっていて、実際に読んでも良い感触でした。
 全七編で舞台となる学校の共通するオムニバス。一番気に入ったのは「Fiore6 tendazione 誘惑」の章。表紙の二人もこの話ヒロインたちかな。各話ごとにお話の雰囲気も変えている印象で「tendazione」のヒロイン二人はこの本の中での一番の美人オーラ。姫カットは正義!
 収録されている話はどれも短めということもあってシンプルなストーリーですがバリエーションのあるプチケーキ詰め合わせみたいな本です。
 ベッドシーンは各話にありますが、表現は『百合姫Wildrose』シリーズよりはソフトでストーリーの比重が大きめ。
 表紙を見て絵柄に惹かれた人、短い話が好きな人にお勧め。

 今月は百合姫コミックスの新刊が12冊もあり、公式サイトに試読コーナーが欲しかったです。対応ケータイだと一迅社モバイルでチェックできたりするのかな?

 あ、作者ブログに誤植の訂正記事がありました。P.85の真ん中あたり、キャラの瞼に写植文字が乗っかってるのとかも誤植っぽい気が。美麗な絵なのにもったいない。
 『百合姫Wildrose 6』にも描いているそうでそちらも楽しみ。

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『コミック百合姫』vol.21 2010 SUMMER

コミック百合姫 2010年9月号 SUMMER vol.21
一迅社
2010.7.17
880円

★★★★☆

表紙 タカハシマコ

 この表紙、A0版のポスターで欲しいぃぃぃ。

ピンナップ&特集 青い花/志村貴子

 『青い花』一巻の表紙を思い出させるあーちゃん+ふみの背中合せ構図。表紙のタカハシマコもそうだけどカラーインク?透明水彩?のもよもよした滲み大好き。インタビューは百合専門誌としては出遅れた気もする。

レンアイ女子課 Vol.4 透明な未来 森島明子

 うわー。せつねー。そして姫乃さんは肉食というか猛獣系ハンター。ばきゅ〜ん。

私と彼女。 みなみ遥

 Wildroseでの印象のせいかカラーイラストのイメージとは少し違ったプレーンなお話。

星とつばくろ 田仲みのる

 上京してしまう友人を見送る主人公。白秋の詩のシーンいいなぁ。繋がる次のページでセリフ抜きのモノローグになっている部分、最高に素敵だ。酔っ払いおやじみたいな絡み方とのコントラストもイイ。冒頭から回顧シーンへの繋ぎが最初理解できなくてちょっと戸惑ったけど落ち着いて読めば問題なし。今号のMVP。

ゆりゆり case★3 志保と佳奈子の場合 なもり

 『百合姫S』でのギャグの印象が強い作者ですが、こちらではとてもプレーンな雰囲気。今回のみなみ遥となもりは百合漫画初挑戦の人にも違和感ないんじゃないかな。

love★aroma 竹宮ジン

 表情のあまりでない淡々とした主人公と臨時教諭の香りをキーにしたお話。香りを題材にした話は好きだ。

リナリアの憂鬱 〜猫目堂ココロ譚〜 東雲水生

 猫目堂シリーズは割と含みを持たせて読者側に判断をゆだねる話が多かったのだけれど、今回のはかっちり腑に落ちるストーリー。猫目堂の主にもスポットが当たってきてる感じ。どうまとめるのか楽しみ。

パーラーゆりひめ本店 ORDER 07 藤生

 な、なんていけない小学生の姪っ子なんだ……。

恋愛遺伝子XX 第5話 影木栄貴×蔵王大志

 少年ジャンプのような見事な引っ張り方。今回はチャンバライベントでした。キーワード“エトワール”の解説は次回以降へ持ち越しっぽい。

百合ヒストリーアーカイブ

明治・大正期の「エス」から現在の百合の状況までを年表化。せっかくの内容なのに柄背景+文字が小さく読み取りづらい。

編集長インタビュー

 『百合姫』の今後についてのストレートな方針表明。書籍デジタル化の波については触れていなかったけれど意識はしているのだろうなー。そして伊藤計劃の『ハーモニー』を百合姫誌上でコミック化だそうです。確かにあれは百合なのだろうけれど百合姫の読者には「えええ」と言われてしまいそうなストーリーの気が。

さよならフォークロワ 最終回 かずまこを

 反省室送りになった高瀬。そこで見つけた手紙。うんうん。やっぱり伝統的な女子高には反省室がないとね。曰く付きの。単行本で一息に読むと印象が変わりそう。

それが君になる 袴田めら

 見事に引っ張ったとこで終わってます。って引っ張ったまま「結末はコミックスで!」。コミックス十月かー。

妄想HONEY 三国ハヂメ

 脳みそナメクジ……ってハインラインの『人形つかい』かっ。という冒頭から前回の後始末なんだけどさらに泥沼を招くトラブルメーカー主人公。

ときめき★もののけ女学園 南国ばなな

 久々にくだんのハラミ登場。わーん。これも「結末はコミックスで!」だ。こっちは8月だから次号より早いけど。

ランチボックス 青木光恵

 vol.20の食育カプ再登場。豹柄でうひょー。

恋文未満 四ツ原フリコ

 三年生の頭をパイナップルのように引っ張り回す演劇部の新星一年生。やるな。さすが四ツ原フリコ。

 付録小冊子には『百合姉妹』vol.3以来の紺野キタが。次号予告にも名前があってファン的にはとても嬉しい。テクノサマタも久々。
 紅蓮紀は今号お休み。次号もかな。飴色紅茶館も載っていなくて寂しい。コミックスは山ほど出て読む物に困らないけど。
 『ナイフエッジガール』と『ヒメコイ』の販促漫画各4Pずつも読み物としても楽しかった。
 vol.22は11月18日予定って、あれ? なんか遠い? あ、『S』の最終号から数えて隔月にセットしたのか。

 今号に掲載されていた百合姫コミック大賞の結果は受賞者一覧記事に追加してあります。

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『百合姫カラーアートワークスCHRONiCle』

百合姫カラーアートワークス CHRONICLE
一迅社
2010.7.17
2940円

★★★★☆

7/17発売分百合漫画計14冊 うはー。17日発売の百合漫画多すぎ。
 図書カードが手元にあったのでリアル書店で買ったのですが、重かった。レビューも書ききれない気がする。まずは『百合姫カラーアートワークスCHRONiCle』から。

 とても楽しみにしていました。A4版、角背の上製本、フルカラー、116ページ。百合姫関連に掲載されたカラーイラストを集めた画集です。

 表紙はパール風の色合いで型押しでタイトルが入っています。カバーはなし。
 中身の印刷は——雑誌表紙や単行本カバーの時より概ね落ち着いた色合いの気がしました。帯にある「原画のニュアンスを忠実に再現した」というのはこのあたりのことかと思います。
 収録されていたのは

  • 2005年7月の百合姫vol.1から2010年6月までの期間のカラーイラスト
  • 表紙は百合姫vol.8以降および百合姫S、百合姫Wildrose、百合姫Selectionの全て
  • ピンナップやカラー扉絵、単行本表紙からは抜粋

でした。描き下ろしのイラストはないのでお気に入りの表紙やイラストの愛蔵版って感じでしょうか。私は気に入っていたイラストの収録率が高くて満足でした。本誌の方でも『百合姫vol.5』のときみたいなカラーイラスト特集またやらないかな。

 帯にあった掲載者リスト、引用しておきます。

青井はな あづまゆき 天乃咲哉 文倉十 石田あきら 樹要 石見翔子 影木栄貴 えのもと椿 大島永遠 大月ミゥ 乙ひより 恩田チロ 柏原麻実 かずといずみ かずまこを 加茂 かわく 木下さくら 倉藤倖 高河ゆん 極楽院櫻子 湖西晶 蔵王大志 さかもと麻乃 左近堂絵里 東雲水生 硝音あや 杉本ふぁりな タアモ 高崎ゆうき タカハシマコ 竹宮ジン 武若丸 蝶野飛沫 椿あす Dite なもり ナヲコ 南国ばなな 西炯子 袴田めら 林家志弦 ハルミチヒロ 藤枝雅 ブリキ 古街キッカ ふゆの春秋 星野リリィ MATSUDA98 三国ハヂメ 水城せとな 水野透子*千手ちゆ 珠月まや みなみ遥 宮下キツネ 宮下未紀 百乃モト 森島明子 森永みるく 門地かおり 四ツ原フリコ 吉富昭仁 リカチ

百合姫カラーワークスCHRONiCle 表紙帯より

 CHI-RANのイラストがなかったのは残念。カラーの映える人でこういう企画にはぴったりなのに。

 次の五年間で『百合姫カラーアートワークスCHRONiCle2』が出るといいな。

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百合姫コミック大賞etc受賞者一覧

 『コミック百合姫』より集計した百合姫コミック大賞、及びその前身の一迅社コミック大賞の百合姫部門の受賞者リストです。

タイトル/作者 掲載
第1回一迅社コミック大賞 少女漫画部門佳作 「ヴィダーシーク」
及川じんこ
百合姫Selection 掲載
第3回一迅社コミック大賞 準大賞 「だいすき」
花津やや
コミック百合姫 Vol.11 2008 WINTER 掲載
第3回一迅社コミック大賞 百合姫部門入選 「金木犀の花たち」
摩耶いつき
コミック百合姫 Vol.12 2008 SPRING 掲載
第3回一迅社コミック大賞 百合姫部門入選 「あの娘になりたい」
日野水美咲
——
第3回一迅社コミック大賞 百合姫部門佳作 「彼女のてのひら」
アヤナ ミツキ
——
第4回一迅社コミック大賞 コミック百合姫賞 「スリーピング・ビューティの見た夢」
四ツ原フリコ
コミック百合姫 Vol.13 2008 SUMMER 掲載
第4回一迅社コミック大賞 コミック百合姫部門入選 「雪のなか君とふたり」
田仲みのる
百合姫Selection3 掲載
第4回一迅社コミック大賞 コミック百合姫部門入選 「愛話」
さわななお
コミック百合姫S Vol.9 2009 AUTUMN 掲載
百合姫Selection3 掲載
第4回一迅社コミック大賞 コミック百合姫部門佳作 「指かっこ」
裕喜シロウ
——
第4回一迅社コミック大賞 コミック百合姫部門奨励賞 「個別指導Extra」
天野しゅにんた
——
第4回一迅社コミック大賞 コミック百合姫部門奨励賞 「狐の婿入り」
煌々白
——
第4回一迅社コミック大賞 コミック百合姫部門奨励賞 「Live with my sister」
すこやか
百合姫Selection3 掲載
第5回一迅社コミック大賞 コミック百合姫部門賞 「せいいっぱいの好きと嘘と」
竹宮ジン
コミック百合姫 Vol.15 2009 WINTER 掲載
第5回一迅社コミック大賞 コミック百合姫部門入選 「さんまんえんではかえません」
天野しゅにんた
百合姫Selection3 掲載
第5回一迅社コミック大賞 コミック百合姫部門入選 「Cでお願い」
すこやか
コミック百合姫S Vol.8 2009 SPRING 掲載
第5回一迅社コミック大賞 コミック百合姫部門佳作 「髪を切る話」
アキヒコ
——
第5回一迅社コミック大賞 コミック百合姫部門佳作 「コーヒー味いちご牛乳」
朱音むつみ
——
第5回一迅社コミック大賞 コミック百合姫部門奨励賞 「ごいっしょサマ!」
森野ねむこ
——
第5回一迅社コミック大賞 コミック百合姫部門奨励賞 「君の呼ぶ方へ」
田中遊
——
第1回百合姫コミック大賞 蒼玉賞 「チチンプイプイ」
田仲みのる
コミック百合姫 Vol.18 2009 AUTUMN 掲載
第1回百合姫コミック大賞 紫水晶賞 「旅先記念日」
朱音むつみ
——
第1回百合姫コミック大賞 紫水晶賞 「女子的恋愛のススメ」
蓮見おれんぢ
——
第1回百合姫コミック大賞 翡翠賞 「キミに恋文」
ねこ太
——
第1回百合姫コミック大賞 翡翠賞 「春のはな」
椿なおはる
——
第1回百合姫コミック大賞 瑠璃賞 「彼女について私が思う二、三の事柄」
更夜しき
——
第1回百合姫コミック大賞 瑠璃賞 「こいごころ」
ゆうら
——
第2回百合姫コミック大賞 紫水晶賞 「発熱」
結い子(慎結)
百合姫Selection3 掲載
第2回百合姫コミック大賞 翡翠賞 「君と歩けば」
きよたとも
——
第2回百合姫コミック大賞 翡翠賞 「見えないキモチ」
ねこ末端
——
第2回百合姫コミック大賞 翡翠賞 「花カラ 花カラ」
つきしろ都萌
——
第2回百合姫コミック大賞 瑠璃賞 「メモリーハート」
おいもと次郎
——
第3回百合姫コミック大賞 翡翠賞 「花とナイト」
浅葱忍
——
第3回百合姫コミック大賞 翡翠賞 「おかえりなさいのつくりかた」
土井瑛子
土井瑛子→井村瑛 単行本「最低女神」収録
第3回百合姫コミック大賞 翡翠賞 「はる」
山本どま
——
第3回百合姫コミック大賞 翡翠賞 「ジュリエット×ジュリエット」
おいもと次郎
コミック百合姫2011年3月号 掲載
第3回百合姫コミック大賞 瑠璃賞 「ハニートマト」
孫田瑶子
——
第3回百合姫コミック大賞 瑠璃賞 「黒い歌迷い恋」
黒霧操
——
第3回百合姫コミック大賞 瑠璃賞 「空の脚立」
市川コン子
——
第4回百合姫コミック大賞 紫水晶賞 「リバーサル」
井村瑛
コミック百合姫2011年3月号 掲載
第4回百合姫コミック大賞 翡翠賞 「ココロペンダント」
黒霧操
コミック百合姫2011年3月号 掲載
第4回百合姫コミック大賞 瑠璃賞 「きものなでしこ」
八色
コミック百合姫2011年1月号 掲載
第4回百合姫コミック大賞 瑠璃賞 「日陰にいた頃」
海野一
——
第5回百合姫コミック大賞 翡翠賞 「午前6時の情事」
双川ジュンマ
コミック百合姫2011年7月号 掲載
第5回百合姫コミック大賞 瑠璃賞 「落ち葉のゆくえ」
大沢やよい
——
第5回百合姫コミック大賞 瑠璃賞 「妻になる人」
藤原栄
コミック百合姫2011年9月号 掲載
第6回百合姫コミック大賞 紫水晶賞 「ぽろぽろメランコリック」
ちさこ
コミック百合姫2012年1月号 掲載
第6回百合姫コミック大賞 翡翠賞 「最低姫と駄目王子」
河合あまね
——
第6回百合姫コミック大賞 翡翠賞 「欲心がーるず」
いさな
——
第6回百合姫コミック大賞 瑠璃賞 「おひつじタイム」
まに
——
第6回百合姫コミック大賞 瑠璃賞 「勝手にやったらいいじゃない」
しろうちなお
——
第6回百合姫コミック大賞 瑠璃賞 「求愛」
良華
——
第6回百合姫コミック大賞 瑠璃賞 「クツガエスカオリ」
ヨメガネ
——
第7回百合姫コミック大賞 蒼玉賞 「曖昧distance」
コミック百合姫 2012年7月号
第7回百合姫コミック大賞 紫水晶賞 「インビジブル」
河合朗
コミック百合姫 2014年3月号 「flare」と改題・リライト掲載
第7回百合姫コミック大賞 翡翠賞 「こわがりbelieve」
椎名あいり
——
第7回百合姫コミック大賞 翡翠賞 「馬鹿な子ほど愛しい」
はちがわ
——
第7回百合姫コミック大賞 翡翠賞 「ビアン思考」
ちひ
——
第7回百合姫コミック大賞 瑠璃賞 「恋はいつでも100点満点でありたい。」
池岡ふじの
——
第7回百合姫コミック大賞 瑠璃賞 「薔薇とダイヤモンド」
白原綾
——
第7回百合姫コミック大賞 瑠璃賞 「ガールズサプリ」
若村麻衣子
——
第7回百合姫コミック大賞 瑠璃賞 「想ったんだけど…」
杜草散乃
——
第7回百合姫コミック大賞 瑠璃賞 「桜色トライアングル」
むく
——
第8回百合姫コミック大賞 瑠璃賞 「泣かないでsong bird」
縣央海
——
第8回百合姫コミック大賞 瑠璃賞 「セクシー禁止」
篠井彩
——
第8回百合姫コミック大賞 瑠璃賞 「この愛の不幸は」
ふじはら
コミック百合姫2013年1月号 掲載
第9回百合姫コミック大賞 紫水晶賞 「恋には××は関係ないよね!」
まに
コミック百合姫2013年7月号 掲載
第9回百合姫コミック大賞 翡翠賞 「クランケナー」
あおと響
——
第9回百合姫コミック大賞 瑠璃賞 「万華鏡のセカイ」
片倉アコ
——
第9回百合姫コミック大賞 瑠璃賞 「ごめんね、大好き。」
仲原椿
——
第9回百合姫コミック大賞 瑠璃賞 「360°スタンド・バイ・ミー」
園原ミサニ
——
第10回百合姫コミック大賞 翡翠賞 「サヨナラの先に季節は」
仲原椿
コミック百合姫 2014年5月号 掲載
第10回百合姫コミック大賞 瑠璃賞 「アイトモ」
うめ
——
第10回百合姫コミック大賞 瑠璃賞 「告白」
今井ナオ
——
第11回百合姫コミック大賞 紫水晶賞 「×××したいくらい可愛い君が」
春日沙生
コミック百合姫2014年9月号 掲載
第11回百合姫コミック大賞 翡翠賞 「創作の国のアリス」
今井ナオ
——
第11回百合姫コミック大賞 翡翠賞 「友上カルテット」
東京太
——
第11回百合姫コミック大賞 翡翠賞 「あなたのことが知りたくて、」
まちた
——
第11回百合姫コミック大賞 瑠璃賞 「ヒノ先生と佐倉さん」
沼地どろまる
——
第11回百合姫コミック大賞 瑠璃賞 「灯り火カプセル」
古河一樹
——
第12回百合姫コミック大賞 紫水晶賞 「わがままちゃんと気ままちゃん」
花野
——
第12回百合姫コミック大賞 翡翠賞 「Braver!」
あかつき葵
——
第12回百合姫コミック大賞 翡翠賞 「あの子がキレイになった理由」
——
第12回百合姫コミック大賞 翡翠賞 「透明エンゲージ」
古河一樹
——
第12回百合姫コミック大賞 瑠璃賞 「Continue!」
さらさら
——
第12回百合姫コミック大賞 瑠璃賞 「猫のはなし」
ねめ猫⑥
——
第13回百合姫コミック大賞 翡翠賞 「ねねここ日和」
うめ
——
第13回百合姫コミック大賞 瑠璃賞 「裸足のシンデレラ」
宇治原誠、淀川
——
第13回百合姫コミック大賞 瑠璃賞 「かみあいませんっ!」
後藤悠希
——
第13回百合姫コミック大賞 瑠璃賞 「ラストタイム」
ナカノカナ
——
第13回百合姫コミック大賞 瑠璃賞 「ルックアットミ→」
らいちゃん
——
第14回百合姫コミック大賞 翡翠賞 「7PR」
西あすか
——
第14回百合姫コミック大賞 翡翠賞 「放課後にげんめ+」
後藤悠希
ニコニコ百合姫にて「放課後にじげんめ」として長編化連載?→単行本化
第14回百合姫コミック大賞 瑠璃賞 「私の知らない文緒ちゃん」
七瀬なつき
——
第15回百合姫コミック大賞 翡翠賞 「ツノリツノル」
雪尾ゆき
コミック百合姫2016年9月号掲載
第15回百合姫コミック大賞 瑠璃賞 「ヤマタノ恋心」
玉崎たま
——
第15回百合姫コミック大賞 瑠璃賞 「サキュバスちゃん禁欲です」
桃井桃子
——
第16回百合姫コミック大賞 翡翠賞 「ERENA」
玉崎たま
コミック百合姫2017年2月号掲載
第16回百合姫コミック大賞 瑠璃賞 「パラドックス」
谷垣ゆき
——
第16回百合姫コミック大賞 瑠璃賞 「明日、お姉ちゃんが結婚する」
なずな
——

 抜けとか間違いがあるかも。掲載号は調べきれていない気がします。叩き台にしてWikipediaにでもまとめてくださる方がいらっしゃると嬉しい。

参考:賞内容

位置づけ 賞名 内容
特別大賞 白金プラチナ 100万円+受賞作掲載確約+レギュラー掲載確約+単行本刊行確約
大賞 蒼玉サファイア 50万円+受賞作掲載確約
入選 紫水晶アメジスト 30万円
佳作 翡翠ヒスイ 10万円
奨励賞 瑠璃ルリ 5万円

変更履歴

2016.12.18第16回百合姫コミック大賞の結果を追記
2016.7.18雪尾ゆき「ツノリツノル」、後藤悠希「放課後にげんめ」掲載号情報を追記
2016.5.19第15回百合姫コミック大賞の結果を追記
2015.11.18第14回百合姫コミック大賞の結果を追記
2014.11.25第9回受賞作品公開リンクを追加
2014.11.19第12回百合姫コミック大賞の結果を追記
2014.7.21受賞作掲載号情報追加
2014.5.22第11回百合姫コミック大賞の結果を追記
2014.3.19受賞作掲載号情報追記
2014.1.18第10回百合姫コミック大賞の結果を追記
2013.5.19第9回百合姫コミック大賞の結果を追記
2012.11.17第8回百合姫コミック大賞の結果を追記
2012.5.19第7回百合姫コミック大賞の結果を追記
2011.11.20第6回百合姫コミック大賞の結果を追記
2011.7.19百合姫2011年9月号掲載受賞作を追記
2011.5.18百合姫2011年7月号掲載受賞作を追記
2011.3.19百合姫2011年5月号掲載受賞作を追記
2011.1.19百合姫2011年3月号掲載受賞作を追記
2010.11.18第4回百合姫コミック大賞の結果を追記
2010.10.28誤:第1回百合姫コミック大賞/白金賞/「チチンプイプイ」/田仲みのる
正:第1回百合姫コミック大賞/蒼玉賞/「チチンプイプイ」/田仲みのる

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ATOK2010 for Mac

 定額制ATOK for Macの試用中ですが昨日、7月14日にパッケージ版より一足早く2009→2010へのアップデートが公開になったようでさっそくアップデートしてみました。お使いの方は[メニュー]→[ヘルプ]→[アップデート確認]で2010ver.に更新されます。
 パッケージ版は16日発売。

 ことえりとATOK2009の比較をするつもりで試し始めました。
 変換効率にはずいぶん差があるだろう、と思っていたのですがことえり→ATOKと切り替えてみても「なんとなく快適になったかな」程度であまり違いを感じません。が、ATOK→ことえりと切り替えてみると一気に変な変換が増えるのがわかります。う〜ん。これは試用版を使うと戻りたくなくなるかも。
 ATOKに切り替えてみても感動というほどのことは特にないので強くはプッシュしづらいですが、地味〜に足を引っ張らなくなっているのはテキスト入力量の多い人には魅力かと思います。

 良いと思った点は、

  • ◎ Windowsで使っていた広辞苑や明鏡などの辞書が使える
  • ○ ことえりのキーバインドが使える
  • ○ 単語登録の文字数制限が緩い
  • ○ WindowsのATOKより設定画面が見やすい
  • ○ 変換候補からの文字確定までことえりよりキー操作が一回少なくてすむ
  • ○ 文字パレットから文字を探しやすい

 このあたりでしょうか。ことえりのキー割付はCtrlキー併用のショートカットが好みです。こんなの。

注目文節長を伸ばす^W
注目文節長を縮める^Q
ひらがなに変換^J
カタカナに変換^K
英字変換^L
半角変換^;
半角英字変換^:

 ATOK2009→2010では内部コードを刷新し高速化されたとのことですが、Mac入門機であるminiでもすでにプロセッサはC2D。処理能力がそうそう不足するはずもなくATOK2009、2010、ことえりの三者を比較しても特に目立って軽い/重いは感じませんでした。強いていうならばminiのHDDの遅さに足を引っ張られているようで広辞苑や明鏡のようなオプション辞書の小窓表示が重いです。

 不満点もあります。

  • × パレットの表示機能数が変えられない?
  • ××× 縦書き入力時の類義語ウィンドウ(辞書小窓)表示が重すぎる
  • ×× 再変換をさせたときに対象となる文字列が直前に確定した文字列にならない。
  • ××× 文字パレットで「読み」から漢字を探すときにソフトキー操作になる
  • ××× キーカスタマイズで「かな←→英数置換」を設定しても(後)変換しない(かなモードのま「ぬふあう」と入力してショートカットで「1234」にするのはできてもそこから「一二三四」に変換するためには(後)変換のある半角変換を指定しないといけない。かな入力者は数字キーをかなモードのまま入力して変換する人がけっこういるはず。Windows版ではできている)

 縦書きで重いのはたぶんMac OSX側の問題だと思います。ことえりでも重いので。再変換はことえりでは直前の確定分を認識してくれたのでATOKの問題かな。

 実用的には特に問題もなく、変換のストレスも若干ながら減らしてもくれるので試用期間が終わったらこのまま年間ライセンスに移行しようと思います。
 Mac版一太郎が復活し、校正機能がMacでも使えるようになると嬉しいのだけれど。

20100715_01 そうそう。JISかな入力の人は右手小指あたりの記号を入力するときにUSキー配列になってしまって使いづらいと思いますが右図の設定で回避できます。

関連リンク

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『世界カワイイ革命』櫻井孝昌

世界カワイイ革命
櫻井孝昌
PHP新書
2009.11.17
756円

★★★★☆

 “カワイイ”。
 若い世代の間で世界共通語になりつつある言葉だそうです。パリの女子高生が「日本人になりたい」と言い、ゴスロリやアニメなど日本発の文化がヨーロッパ各地でもてはやされているとか。今や日本はキュートでクール!

 この本の中で繰り返し訴えられるのは「日本の現代文化が世界からどれだけ愛されているか」という点。全五章構成のうち四章までが愛されている日本文化の事例紹介です。第五章では、当の日本人が自覚してなくてもったいないよ、とビジネスチャンスを訴えます。
 う〜ん。でも「愛されている」というのはこの本を読んでもまだ今ひとつ実感がわかないです。ファッションに先立って海外展開したはずのアニメコンテンツはどうなったのだろう。カミカゼ、スシ、ゲイシャにアニメが加わり、さらにアニメの中で頻出する制服やゴスロリファッションが関心を引くというのはわからないでもないのですが、それが大きなムーブメントに繋がるの?と釈然としない気持ちになります。そして、経済が低調なのをカワイイで盛り立てよう、とまとめるのですがここでバブルを連想してしまいました。エネルギー問題と食糧問題という工業化社会の根本が先行きの暗いままでは“カワイイ”は破滅に瀕した貴族の遊びのようだ、なんて思ってしまいました。

 海外から日本を見る視点とキーとなるゴスロリ。このふたつの点について知るだけでもこの本を読む価値はあると思います。特に、コンテンツ産業に携わる人には今後コンテンツが海外の目に触れる機会が増えるであろうことを知る良い機会になると思うので一読をおすすめしたいです。

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コバルトノベル大賞応募

 2010年度コバルトノベル大賞に投稿しました。

 題材は「二輪」と「百合」です。現代物で日常物。二輪にはベスパを選んでみました。ビンテージモデル。125 primavera。百合ん百合んな百合ではなくて濃い友情……かな。話は地味めです。文章もあまり少女小説っぽくない感じ。
 今回は初稿が上がった段階でtwitterで助けを求めまして、フィードバックを頂いたおかげで完成稿も改善できたように思います。でも、せっかくお力添えいただいたというのに盛り込みたかったことも、盛り込んだことの繋がりも混乱気味で自分的に満点の仕上がりにはできなかったのが悔しい。
 提出間際にはプリンタが反逆を起こし、7-11のネットプリントでの出力となりました。慌てましたが7/9夕方に無事投函。

 さて、今回はどんな結果になるでしょうか。

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『大学論 いかに教え、いかに学ぶか』大塚英志

大学論──いかに教え、いかに学ぶか
大塚英志
講談社現代新書
2010.3.18
777円

★★★★☆

 日経サイエンスの書評欄だったかな。失念してしまいましたが紹介されていたのが面白そうだったので読んでみました。民俗学、少女論、創作論、オタク論に小説、漫画原作と多彩な活躍をする大塚英志が大学のまんが専攻の先生をして、奮闘する話です。その奮闘の中から「学ぶってなんだ」というのを浮き彫りにしていきます。

 読んでいて「いいなあ。このまんが学科入りたい」と思う反面、教育機関を整備してしまって良いのだろうかという疑問も生まれました。確かに漫画家を養成するのであれば漫画の歴史や映画との関係を知り、手法の翻訳を実践してみるのはとても役に立つことなのでしょう。漫画の現実はコンテンツ産業という一産業の中での工芸のような仕事なのでしょう。

 けれど大塚英志自身が

カリキュラムができあがり、カリキュラムごとに教員の役割をリセットし、幾人かの学生をちゃんと「先生」になれるよう「つくった」ら、ぼくは今の大学に確実に関心がなくなるだろう。

大塚英志『大学論』 第四章つくり方を「つくる」ということ P.80より

と書いていて、これは著者自身が定型化されたコンテンツ供給システムの一部になることを拒んでいるように思えます。上記引用部分は章題の通り「つくり方」そのものを作っていく話なのですが、その基本的、というより原始的なプロセスを自作することそのものが創作内容に直結するんじゃないだろうか、外からプロセスを誘導して大丈夫なのだろうか……なんて頭を過りました。

 大塚英志は学生時代を振り返って民俗学に思いを馳せ、どう学んで来たかを構築中のまんが科カリキュラムと結びつけます。なるほど、作者が学生相手に奮闘して来たこのプロセスは確かに大学のあるべき理想に近い「学ぶ」があるのかもしれませんが、完成したカリキュラムが学生を送り出すようになってしまったら既存の学問と同じ象牙の塔になってしまいそうな気もします。

 大塚塾というほど一色でもなく、「つくり方をつくる」真っ最中の熱気の中から巣立っていった生徒たちは今頃どんな活躍をしているのでしょうか。大塚英志には十年後でも二十年後でも良いので、卒業生たちを追った『大学論』の続編を書いて欲しいような気もします。安彦良和の目から見た同じまんが大学の光景というのも知りたい気がします。

 改めて、大塚英志は小説や原作をした漫画より××論といった著作の方が面白い、と思いました。

 AO入試ってコワイなぁ、とも思った一冊でした。

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『楽園 Le Paradis』Tome3

楽園Le Paradis 第3号
白泉社
2010.6.30
780円

★★★☆☆

 百合漫画で活躍している顔ぶれがけっこういるらしい、ということで買ってみました。「楽園」。買った帰りに喫茶店で開いたのですが、う……。冒頭からベッドシーン。これはちょっと外では読みづらいぞ。
 Amazonの画像では帯がないので足フェチな感じ丸出しなものの、店頭では帯があって割と普通の入浴構図に見えます。

 印象に残ったものをピックアップ。百合誌ではないので明示的に「百合」と書いてあるもの意外はヘテロです。
 水谷フーカ「14歳の恋」。今回一番気に入りました。この人の話はどれを読んでもシナリオというか構成というか、お話の作りがぴしっと決まっている感じがしてイイ。絵柄も好み。七月末にコミック単行本も出るようです。楽しみ。
 沙村広明「楽園バースデー」。なるほど沙村だ。でもこれ帯にある「恋愛系コミック」?とは思ったのでした。『ハルシオン・ランチ』系の不条理な感じ。
 林家志弦「思春期生命体ベガ」。ウルトラマン系の設定なのだけど百合というか、え~と、ガチ百合。さすがのパワー。
 竹宮ジン「想いの欠片」。3pieceと添えられていたのは連作短編の三作目なのかな? 話自体は独立した読み切りのようてでした。ともにゲイの少年と少女の友情話。
 かずまこを「ディアティア」。丘ミキ展開しそうなキャラ配置と思えてしまったのは百合脳のせい。
 売野機子「同窓生代行」。絵柄、話ともに好み。『薔薇だって書けるよ』という単行本がある模様。探してみよう。

 冒頭でも触れましたが裸やベッドシーンが目立つ割に青年誌みたいに男性読者を釣ろうって感じでもないし、何のためにあるのだろう、と思った部分も。この号だけだと雑誌カラーがよくわからなかったです。固定読者を持つ強力な作家を色々な方向から集めて、それぞれの読者層に作家を売り込んでいく役割なのかな?

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