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『ひらり、』Vol.2

ひらり、 Vol.2
新書館
2010.8.25
998円

★★★★☆

 Vol.2でのトータルの印象は「少し対象年齢下がったかな?」でした。読んでいて気恥ずかしくなる話が増えた気がします。「ピュア百合アンソロジー」といううたい文句にはぴったり。あらすじは公式サイトで紹介されているので割愛。

カバー 遠田志帆

 めっちゃ好みの絵柄。大判ポスターとかあったら欲しい。和服の腰の線いいなあ。

口絵 今村陽子

 大きなサイズで見るともっと映えそうなタッチ。

あさがおと加瀬さん。 高嶋ひろみ

 百合漫画でストレートに「好き!」とモノローグ表現するのは新鮮でした。繊細な表現が好まれるので回りくどくなっちゃってることが多いジャンルなのかな。

指先の声 前田とも

 熱くなれるものを持たない主人公といつもスケッチブックを持ち歩いている子の話。学校という日常と、さぼって得た日常の延長と。白黒だけど廃墟の空の青さが目に浮かぶよう。モデルにした廃墟はどこだろう。三井三池炭坑の万田坑跡あたりかな。

箱庭コスモス 桑田乃梨子

 ふしぎ研究会なるものを求める転入生の主人公。ふしぎ研究会よりあんたが不思議だよ!と言いたくなる桑田乃梨子キャラ。百合なのかと考えると微妙なところですが、ジャンル:桑田乃梨子、で納得できてしまう。

ビスケット心中 三島くるみ

 36ページで割とボリュームのあるお話。不吉な夢に亡くなったおばあちゃんに幽霊に仲の良い相棒に。材料も豊富で組み合わせも良くて。

ほんのともだち ささだあすか

 これは甘酸っぱい。ほんのともだち、いいなぁ。

夏が終わっても暑い 仙石寛子

 前号では大正ロマン風味の作家ものでしたが今回は掌編腹肉物語。このギャップは一体。

雨降れば 湖西晶
 雨女と相合い傘。『かみさまのいうとおり』で四コマギャグの印象が強い作者ですがしんみりしっとりの8ページ。でもオチのおまけはやっぱりギャグっぽい軽妙なノリで締めくくり。

ピンク×ラッシュ TONO

 読み切りかと思いきやVol.1の続編が来たTONOのアイドル話。確かに百合ストーリーなのだけれど元々の作風が性別も種族も割と自由だったりする人なので桑田乃梨子同様こちらも、ジャンル:TONO。

七海先輩とありさちゃん 石堂くるみ

 読み応えある34ページ。お話が好みでした。学園ものの日常話で特別派手でもアクの強い話でもないのですが面白かった。

あなたといれば 朝丘みなぎ

 絵も設定も好みで漫画としてもいい感じ。スケートを辞めてしまう理由が現実的だったのがお話のトーンからすると少し違和感あったかな。

マイン スカーレット・ベリ子

 これも好き。面白かった。最後のシーン、首の曲げ方で攻め受け逆転して見えてしまった。もったいなーい。

泣いて笑ってまた明日 藤沢誠

 Vol.1に載せたお話のが好み。野球と作者の絵柄というか作風に距離感を感じてしまった。

Even 未幡

 幼馴染。成長とともに生じたギャップ。好きなタイプの話だ。

純粋セカイ培養 榊花月

 主人公のダメな現状。追い討ちをかけるように現れた過去。文章であることで刺さる痛さになってる気がする。

 Vol.1から完成度高めで登場してきた『ひらり、』。Vol.2ではVol.1に漂っていた危なっかしい部分が見えなくなったように思います。「ピュア百合」が今後どんな方向に向かうのか楽しみです。

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