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2010年10月の8件の記事

『三者三葉 8』荒井チェリー

三者三葉 (8)
荒井チェリー
まんがタイムKRコミックス
860円
2010.10.27

★★★★☆

 荒井チェリーの代表作といって良さそうな「三者三葉」シリーズ。大食い元気娘・双葉、エセ委員長・葉山、落ちぶれた元お嬢様・葉子様の三人を軸に描いた学園もの。当初は三人娘+葉子様の付き人・山路で話が展開していましたが八巻ともなるといつのまにか準主役級のキャラも増え、賑やかに。八巻では五巻から登場した西川家(葉子様)の元使用人である萌えない萌えメイド・薗部さんがますます変人度アップしてたり、満腹食堂で大食いメニューが新たに登場したり、葉子様のダメな父上がまた大儲けを企んだり、双葉が萌えキャラを目指してみたり、といつも?の荒井ワールド。

 巻頭カラーでは主役三人娘の幼少時が描かれていました。雑誌掲載は読んでいないのでよくわからないのですがこれは描き下しなのかな? 巻末には石見翔子、湖西晶、真田一輝、ざらによるゲストページやあとがき漫画もありました。

 八巻なのでいまさらオススメもしづらいのですが、一巻をぱらりと立ち読みしてみると合う人はどハマリして八巻まで大人買いしちゃうんじゃないかなーというシリーズ。サザエさん時空のお話ではありますが、一巻から順次読んだ方がキャラの増えていく経過が楽しめると思います。

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SONY VAIO P × 無印良品紙ケース

 うちのVAIO type Pもとうに型遅れになり、目新しい話題も絶えて久しくなりました。何か話題でも、とネットで見かけたケースネタを試してみました。「無印良品 ジーンズのラベル素材で作った丸留め付き封筒・小」です。お値段367円。

無印良品 ジーンズのラベル素材で作った丸留め付き封筒・小 × VAIO P

無印良品 ジーンズのラベル素材で作った丸留め付き封筒・小 × VAIO Pを収納

 本来は単なる紙封筒でノートPCケースというわけではありません。でも、VAIO Pにぴったりなサイズ。Lバッテリ装着でも問題ありません。クッション性はまったくないですし、内側にスレ防止のための保護材が入っているわけでもないので傷防止にはならなさそうですが、鞄の中で小物とガチャガチャぶつかるよりはマシでしょう。

 写真だとセーム革っぽく見えるかな。実物は“もそもその紙”です。手触りも風合いも悪くはなく、しばらく使ってみようと思います。耐久性はどうかな〜?

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『みそララ 4』宮原るり

みそララ 4
宮原るり
芳文社まんがタイムコミックス
2010.10.7
650円

★★★★☆

 このシリーズ、紹介していなかった気がします。

 平凡なOLをしていた主人公が会社の倒産を機に小さなデザイン事務所で働くことになり、新人として育っていく日々を描いた四コマ漫画です——と書くと「よくあるOLモノか」と思うかもしれませんがかなり違う。デザイン事務所では主人公は経理兼ライターとして働くことになるのですが、何しろ初めてのデザイン業界。四年ほどOLの経験があるとはいえまっさらな新人です。同僚のデザイナーや営業と苦労しながら成長していく姿を、小さなデザイン事務所の雰囲気ばっちり再現しつつ描いていきます。登場人物たちはけっしてクールで理想的なキレ者ではないのですが、佐々木倫子の『おたんこナース』のドジナースが実はナースとして非常に優れた適性を持っていたように、じーんと来ちゃうくらい素敵な成長の仕方をします。作者の宮原るりは『となりのネネコさん』『恋愛ラボ』でもハート鷲掴みの成長物語を描いていて、育っていくキャラクターを描かせるとぴかいち。

 四巻では主人公の麦田美苑・通称麦みそもそろそろ一人前?というところまで育ってきているのですが、ここに来て初めて“イマイチな仕事をする人”と組む羽目になったりします。読んでいて「うわー。こういうムカつく仕事するヤツいるいるいるぅ!」と熱く拳を握りしめたくなりました。

 柔らかな雰囲気の萌え四コマに近い楽しい話ですが、いい加減に仕事をする人や変な仕事っぷりの人と関わった経験があると今回のエピソードは説得力が増してきます。そして主人公を含めた三人娘・穀物トリオやマース企画の面々がいかに得難い人材であるのかが実感できるのです。理想のギョーカイ物とでも言えば良いのかな。
 学生が読んでも楽しいと思いますが、社会人が読むと羨ましくてたまらなくなるお仕事ファンタジー。ちょーオススメ。

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『三日月の蜜』仙石寛子

三日月の蜜
仙石寛子
芳文社まんがタイムコミックス
2010.10.7
860円

★★★☆☆

 『ひらり、』Vol.1では大正ロマン風味、Vol.2では腹肉エピソードとちぐはぐなところが気になっていた仙石寛子のコミックス単行本が出たということで買ってみました。

 なるほど。

 納得。『三日月の蜜』は四コマの単行本でした。表題作の百合モノが全体の半分弱。残りは11編の掌編が詰め込まれていました。大正ロマン風味の物はなかったのですが、表題作「三日月の蜜」はすっきりさらりとした雰囲気ながら「おや?」と興味を惹かれる少し意外な、けれど読み進めていくと納得できるヒロインたちの心の動きが魅力です。お話としては百合、なのですが多少のフェイントとして男性キャラも登場します。
 掌編では「一途な恋では」が百合。兄妹物、青虫物、干支物、眼鏡物……と挙げていってもなんだかちっともイメージが伝わる気がしません。掌編たちは『ひらり、』Vol.2掲載の腹肉話に通じる感じ。

 淡々と、飄々とした作風で「すごくおもしろい?」と問われると「う〜ん」と悩んでしまうのですが、微妙にとんがっていて、達観していて、静かなこの感じは独特。絵のタッチも含めて同人誌的な気もします。わかつきめぐみやTONOの初期とスンタスが似ているかな。

 『三日月の蜜』単行本を読むとスパンの長いお話もいけそうな手応え。『ひらり、』Vol.1に掲載した作家モノ、シリーズ化されないかな、なんて思いました。

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『この靴しりませんか?』水谷フーカ

この靴しりませんか?
芳文社まんがタイムKRコミックス つぼみシリーズ
2010.10.12
890円

★★★★☆

 水谷フーカの新刊『この靴しりませんか?』の感想を。

 百合漫画誌『つぼみ』に掲載された短編五編+描きおろし二編+あとがき。雑誌掲載分も「雪のお姫さま」ではページ構成に変更があったり「はみだし音楽隊」では追加が2ページあったりして手が入っていました。写植文字が変わってたり、白背景に描き込みが入ったりも。
 あとがきではびっくりな告白が。なるほど、と納得すると同時にすごいと感心してしまいました。

 各話は童話をモチーフにしたもの。シンデレラ、赤ずきん、醜いアヒルの子、雪の女王、ブレーメンの音楽隊。『百合姫』のユリム童話はストーリーも元ネタを色濃く残していましたが、こちらは要素をお題にしているくらいの感じです。百合度は全体的に控えめかな。ラブラブよりはほのぼの、部分的にてれてれ。同作者の『GAME OVER』もそうですがのほほんとした空気に特徴がある気がします。歪んだり捩じれたりしそうな感情を微笑ましい反応に転化してしまう嫌味のない気持ちよく読める作風。お気に入りは「雪のお姫さま」と「はみだし音楽隊」。負けず嫌いのエレベーターガール「オオカミの憂鬱」も好きで、表題作「この靴しりませんか?」も良かった。

 描き下し分では「はみだし音楽隊」後日談と「この靴〜」の別視点。む。シンデレラ設定がこんなところにも? 王子様は天然ぼけキャラなのでした。

 幅広い層に受け容れられそうなタイプなので百合設定が苦にならなくて絵柄が好みという人であれば百合漫画ファンでなくてもオススメできると思います。お話の作りもしっかりしていて読み応えだってたっぷり。

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『つぼみ』vol.8

つぼみ VOL.8
芳文社まんがタイムKRコミックス GLシリーズ
2010.10.12
980円

★★★★☆

 隔月刊行となった『つぼみ』。今回も水準が高かった。個別に感想行きます。

表紙 私屋カヲル

 彩度低めの中間色でどこか日本的な色使いだった表紙が前号からかな? 一色だけぱりっとした色を使うようになった気がします。今回は青。ネットで見られる画像と実物の発色が少し違う感じ。私屋カヲルらしいキャラ。部屋はどこかモデルがありそう。

カラー口絵 加茂

 ああ、こういうイメージ。スカーフタイはきっちり、スカートも短過ぎず、みたいな。百合のイメージだとなぜ少しばかり古めかしい感じになるのだろう。

星川銀座四丁目 玄鉄絢

 今回は時間を巻き戻して乙女と湊先生の出会い編。むう。乙女はハーフ設定だったのかー。識別用の色分けかと思ってました。どうでもいいけど湊先生、台所やお部屋の散らかりようが素敵です。前回まで先生の部屋がきれいに片付いていたのはほんとにぜんぶまるっと乙女のおかげだったのか……。

ひみつのレシピ 森永みるく

 おおう。今回は以前にちょろっと会話に出てきた料理部の前部長が登場。強力なライバルに若槻は気が気じゃなくて、となるのだけれど。う〜む。若槻はホステスに絡むエロオヤジ風味。あだ名はバカツキかな。全国の若槻さんごめんなさい。若槻が単なる発情ではなくきちんと恋愛できるようになるステップを描くことになる……のだと思うのだけれど、先はまだ長そう。乙女心養成ギプスとか必要な気がします。
 今回登場したお菓子は作ってみたくなりました。正しい名前はライスクリスピートリーツの模様。これ、マシュマロ作るところからやるとふわふわのができそう。

ロンサム・エコー きぎたつみ

 う〜む。中編を読んだときの印象のまま展開したのですが、これは最終回一話で解決するには重すぎる素材だったかも。ばしっとオチをつけましたが、この種のストーカー犯は「諦めさせる」ことは非常に難しくて完全に隔離できなければ再発しそう。解決したというという読後感が得られていない……。んでも百合話でこういうテーマに取り組んだという点でイイナ、と思ったのでした。

Green 大朋めがね

 むむぅ。今回、キャラがちと混乱しました。前回のお話がすごく良かっただけに今回は惜しい感じ。前号、前々号を読み返して白石さんの名前を思い出しました。

花と星 鈴菌カリオ

 この作者は『つぼみ』初お目見え。これはヒロイン二人くっつけるの大変そうな設定。小二から中三まで打ち込んできた卓球を断念した元凶が高校で目の前に現れたらキビシーよなーと共感。続き物になるのかな。

めとらば かずといずみ

 小桃の出番が少ない。さみしい〜。作家先生と小桃がお話の後でどんな関係を築いたのか気になりました。

レンアイマンガ コダマナオコ

 黒井先生は普段着ばかり。きっと、そのうち、いつか、ドレスアップイベントが来てくれるに違いない。もっさり寝間着もなかなかお似合いではあったけど。イケメンの24歳編集を足蹴にする会は楽しそうだと思ったのでした。NHKの朝ドラ「ゲゲゲの女房」のヒットもあって漫画家モノにはいい風が吹いているし、この話も「絵の可愛いお話」という最初の印象からすると意外に思ってしまうくらい漫画制作に踏み込んでいるしでイイ展開している気がします。今回の終わりから“転”が始まるのかな。続編が楽しみ。

神様とあめふらし 由田ちゆ

 vol.7での「わたしの花」でも思いましたが、この作者は沈黙や空気の描写に注力している印象。あと一息で快音の鳴るヒットに届きそう。応援したくなる感じ。

ふとめちっくらぶ 小川ひだり

 森公美子とウーピー・ゴールドバークが好きな私にはかなりツボなキャラ設定。この話が気に入った人には洋ドラの「クリミナル・マインド」シリーズもお勧めしたい。ハードな猟奇事件を扱うので「CSI」シリーズがへっちゃらって人向きですがガルシアってキャラが最高にキュートなのです。
 あれ? 漫画の内容に触れてないや……。

夏の思い出 宮内由香

 しょうこちゃんは泣きぼくろがえろい。

タンデムLOVER カサハラテツロー

 vol.5のタンデムLOVER第一話に登場した子が再登場で一時帰省。故郷の出身校でタンデマインに乗る羽目に。今回の話はメカ操縦の魅力と友情とがうまくマッチしてました。GJ。百合話でこんなマシン・コントロール描写が読めるとは思わなかった。メカ物ってただメカが活躍すればいいわけじゃなくて手足になるその実感が魅力だと思うのです。シビレタ。今回おやすみの「ガールズライド」磯本つよしも対抗してライダー魂を見せてくれぃ!

エンドレスルーム 藤が丘ユミチ

 むむむ。今回のお客キャラはいいな。今回の話はこれまでの「エンドレスルーム」でダントツにイイ。

ゆめよりすてきな 縞野やえ

 これはなんというか百合漫画読者像のような。作者はちょっとコミカルというかポップというかギャグ調の表現力に華がある気がします。

プライベートレッスン ナヲコ

 はねちゃんの登場で小さな“転”が来て今回はタメの回っぽい。たまごのお話は最初の連弾シーンの快晴以来曇り空っぽい空気が多いので次回かその次あたりにはすぱーんと晴れた空気の話が読みたいな。

しまいずむ 吉富昭仁

 吉富は『つぼみ』ではもう完全にヘンタイ路線一直線。単行本も出てヘンタイ第二章?

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『不動カリンは一切動ぜず』森田季節

不動カリンは一切動ぜず
森田季節
ハヤカワ文庫 JA
2010.9.25
798円

★★★☆☆

 楽しめた。
 楽しめたけど、感想を書くのが難しい本でした。

すべての子どもたちが人工授精で誕生し、掌にノードを埋め込まれて生活する時代。
(中略)
大人世界の不条理に抗う少女たちの絆を描く、俊英作家の新世代青春小説。

『不動カリンは一切動ぜず』森田季節の裏表紙作品紹介より

 裏表紙のあらすじを見て「百合っぽいSFなのだろう」と思いました。読みはじめてみると会話がライトノベル風で設定は少し重め、1984的なビッグブラザーのいそうなネット社会が描かれていてあらすじから受けた印象は正しそうでした。プロローグには近代以前の雰囲気で不動明王を祀るシーンがあって「はて?」と思ったものの、SFの空気がありました。
 ところが読み進めて話が進展するに従い「あれ?」となります。少女たちの会話がライトノベル調でポップであるのは変わらないのですが、物語はSFから伝奇ライトノベルへとトーンが変わっていきます。ストーリー的、設定的には百合濃度も濃く、本文を読んでいてもヒロイン二人の会話は百合百合しているのものの、伝奇の比重が高くなって百合の印象が薄くなりました。SF設定によって性別がないに等しくなっているのも百合を感じさせづらい気がします。

 なのでSFを求めている人に勧めると「違〜う」と言われてしまいそうですし、百合を求めている人に勧めても「物足りない」と言われてしまいそう。一番楽しめるのはライトノベル調の伝奇を求めている人かな。
 登場人物ではヒロイン・兎譚とたんの姉・虎譚こたん『Raubritter』の虎子のビジュアルイメージが湧きました。

 第一章、通信技術周りの設定に意欲的でSFしていたので最後までそのままSF仕立てで読みたかったな〜というのがSF好きとしての感想です。思念の通信って具体的に何? キーとなる教祖・五十嵐無徳の得た「異常なのは人の心」の発見の中身は? 情報過統合症という症状にともなって展開される言語の解説は物足りなくない? と気になりました。

 全体としては怪作というかノンジャンルな印象でした。ハヤカワJAで、前半SFで、後半でかなり違う方向に走っていって、アクションのどたばた感やセリフがライトノベル調。ライトノベルレーベルであればこのポップなノリを高く評価する読者とも出会いやすかったと思うのですが、ハヤカワJAで叙情サイバーパンクを想像しそうな裏表紙の内容紹介と相まって、本来の読者の手に渡っていないのではないかと一読者ながら案じてしまいました。

 あとがきで「読者の方々が妙な読書体験をされることを願って。」と結んでいて、確かに「妙な読書体験」ができたと思います。
 つまりこれはセンス・オブ・ワンダー? SFじゃん!

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福島正実記念SF童話賞2010応募

 タイトル通り岩崎書店の第28回福島正実記念SF童話賞に投稿しました。二年ぶりです。(2008年に応募し一次通過した作品の公開もしてます)
 今回は応募間際にばたばたしてしまい30日ぎりぎりの投函となりました。テーマは化石。少年が古生物学を志すまでのお話を試みて、レクチャー役の学者キャラに小学校中学年に難しめのことをしゃべらせました。唯物論、二元論、科学の役割……。斉一性にも触れたかったのですが枚数的に入りきらずに断念。大幅に枚数オーバーしたのを詰め込んだのでギクシャクしてしまった気もします。素材も咀嚼しきれなかった気が。

追記:10/20に受領葉書届きました。

 脱線ですが。
 投稿原稿印刷には7-11のネットプリントを使おうと思ったものの、データを登録して店舗に来てみたら「文書プリント」なる機能が追加されているのを発見。これは7-11店頭でSDメモリetcからプリントできる機能でモノクロ10円/枚とネットプリントの半額。この値段ならもうプリンタを自宅に置く必要を感じないかも。インクジェットプリンタ比なら確実に安上がり。印刷品質もうちの古いレーザープリンタBrother HL-1650よりキレイでした。
 が、

  • 人目を忍びたいものをプリントしづらい
  • 編集とプリントを繰り返す仕上がり調整のようなことがしづらい
  • B5は用紙トレイ容量が小さくて小説のような大量印刷では店員を紙補給に呼ぶことになる

なんてあたりがネックでしょうか。

 そうそう。郵便のコスト圧縮でしょうか、ポストの最終集荷時刻がこの半年でかなり早まりました。レターパック500をポスト投函するつもりで用意したのですが、21:30→18:30に最終集荷が切り上げられていて本局窓口まで駆けつける羽目に。

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