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『コミック百合姫』2011年1月号

コミック百合姫 2011年 01月号
一迅社
880円
2010.11.18

★★★★☆

 外見ががらっと変わった再誕『百合姫』。紙質も変わり500ページ超なのに以前よりスリム。

GIRLS UPRISING 深見真+カズアキ

 COVER STORYと銘打たれたこのコンテンツは表紙を含めた折り込み部分に掲載されています。ハードボイルド・ガンアクションはこれまで『百合姫S』の「mariage black」と夏猫、花津ややくらい? 見慣れない感じで新鮮でした。芝居がかったセリフ、理屈よりもインパクト。ライトノベルらしいライトノベル。

扉絵 古街キッカ

 トレーシングペーパーに印刷された目次ページから部分的に覗くのが古街キッカのカラーイラスト。最初、誰のイラストだかわからなかったのはたぶん『ナイフエッジガール』のぱりっとしたカラーイラストのイメージがあったからかな。今回みたいな雰囲気の絵も描ける人なのか、と意外でした。

特集 百合脳を鍛えるGL大人のトレーニング

 非百合の漫画から百合を妄想しよう、という企画なのだけれど百合漫画がこれだけ増えた今となっては無理をして百合を見出さなくてもいいような気はします。萌え四コマとか百合キャラだらけだし。といいつつ百合雑誌で擬人化妄想したことあるさ、とにやにやしてしまった私はキモい。

憧れの愛しい人 竹宮ジン

 「シリーズ読切第1弾」とあるので連作の模様。竹宮ジンは安定してるなー。先の展開が少し予想できそう、と思ったのだけれどこの人は『Girlish Sweet』を描いた人でもあったのでした。『百合姫』では割とプレーンなほのぼのを描いていたけどリニューアルでは雑誌そのものが対象年齢を上げてきた観もあって強烈なのが来たりしないかとワクワク。

宵待群青姫王子 テクノサマタ

 『百合姉妹』の切り絵話以来……かな? 『百合姉妹』のも面白かったのにそれきりになって残念に思っていたので掲載が嬉しい。連載です。面白かった。絵がすごく繊細になってる。王子キャラのヒロイン格好いい! テクノサマタの絵柄に合ってる。

パイをあげましょあなたにパイをね さかもと麻乃

 Vol.20に掲載されていた演劇話とは絵も雰囲気も変えてきた印象。『リスランタンプティフルール』とも違って新鮮でした。

ふ〜ふ 源久也

 げろ甘恥ずかしラブコメが無印『百合姫』に。新キャラ二人も甘々でどひー。

メッてされてキャッ♡ 田仲みのる

 おおう。今回はキャラ設定でずばっと印象の強いとこを突いてきました。ものすごーく前途多難そうな二人だけど、頑張れ、みたいな。

それでもやっぱり恋をする 倉田嘘

 十二月に『それでもやっぱり恋をする。』という新刊が予定されているらしく今回のお話はその中から一作プロモを兼ねた掲載かな? 捻くれてしまった浪人生の主人公がネットゲームで中二の少女と知り合って、という話。主人公が三白眼気味でちょっと怖いシーンも。作画はすごい手が込んでる。汚部屋描くの大変そう~。

小箱の手紙 タカハシマコ

 冒頭の

処刑された女王は何故証拠の手紙を小箱に残していたのだろう。

コミック百合姫2010年1月号p.177「小箱の手紙」より

この一文で「なんだっけ?」と記憶を刺激されました。ナニカソウイウオハナシガアッタゾ。ヒロイン二人の名前——芽有メアリ江利エリという名前も引っかかります。そして引っかかったまま読み終えて思い出しました。アレだ。
 予備知識なしで読んでもわずか八ページの中に盛られた毒に思いっきり参ってしまいますが、十六世紀のヨーロッパの歴史をちょろっと思い出すとさらにもう一段ダークな毒が回ってくるハズ。カワイイ絵でカワイイお話なのにこれだからタカハシマコファンはやめられない。

ゆるゆり なもり

 今回は巻中カラーページ付だ!

相思相愛のこわしかた 森田季節

 読切短編小説。『不動カリンは一切動ぜず』でも見せていた伝奇色の本領発揮。巫女モノ。森田先生、最初に神様が水から上がってきたシーン、もう少しじっくり読みたかったです。

パーラーゆりひめ 藤生

 せつねー。weep フィクションならいいのに。

百合の花粉は落ちにくい 三浦しをん

 今回は『少女ファイト』を紹介。そして最終回。わーん。このコラム毎回楽しみにしていたのに。漫画はおしまいでも小説紹介コラムとか始めてくれないかな。

雪の妖精 柏原麻実

 柏原麻実は『百合姫S』での水泳部の話以来。どこか懐かしい感じの作風。なぜだろう。

ロストガール タアモ

 物語のその後を考えたときに「うあぁ」となりそうな話でした。タアモはまたカラーが見たいな。

むげんのみなもに 高崎ゆうき

 可愛らしい絵と残酷な設定と、ほのかな狂気と。今回は「なんかヤバくない?」という空気は控えめ、なのですが回を重ねてきてだんだんシュールに見えてきました。時間商人絡みの謎が隠されていそうなのに未だに先が見えません。どうなるのだろう。

Twincle, Little★Secret 北別府ニカ

 タイトル通りの小さなお話。可愛い。

おんなのからだ 紺野キタ

 紺野キタはこういう話も描けるのか、と意外だったような納得のいったような。少女期を描いた話が多かったのが今回のように大人たちや子供を描いた話にシフトしてきていて作者の上にも時間は流れるのだな、という感慨に繋がりました。

恋愛遺伝子XX 影木栄貴×蔵王大志

 前回、緊迫した決闘シーンで引っ張りましたが、今回はいきなりお笑いに。そして今度こそハード展開でいくのかと予想していたらトキメキ展開の模様。前号では眼鏡っ娘とフラグ立ててた気がしたのだけれどちょっと意外なところでもひとつフラグ。……ハーレムになったりして。

特集 y-mode

 記事というかタイアップ広告風味。ケータイサービスの「百合くらぶ」と「モバイル百合姫」を紹介。私のPHSじゃ見れないなー。

himecafe

 百合姫作家と編集者のコント……じゃなかった、対話記事。読者からの声にコメント。編集者や作家のキャラ化が進んでおります。漫画の印象が左右される危険もありそうですが親しみが持てて面白い!

ヒメトピ

 ニュースコーナー。全体にデザインが行き届いていて力入ってる、という空気が。『ダ・ヴィンチ』風。

ヒメレコ

 Yuri-hime Editorial staff's Recommendとサブタイトルがついていて編集者のオススメ映画、アニメ、小説が。ここでも編集長や編集部員が個別に登場。これは「雑誌作り」の内面を見せて読者との距離を縮めよう、ということかな。テコが入ったのは漫画ではなくて編集部内だったのかも。

特集 お宝百合作品

 「ヒメレコ」の続きみたいだけど別記事の模様。リストされているものを網羅するのもけっこう大変なはず。ここで紹介されている『ピエタ』とか文句なしの名作だけど、絶版で古書店でもあまり見かけなくなってしまいました。

紅色らせん —猫目堂ココロ譚— 東雲水生

 今回の猫目堂はいい。構図やコマ割りに動きがある感じ。お話もすごくしっくりきた。レギュラー陣にも地味にテコ入った気がする。

オセロ —前編— 乙ひより

 きっちりオチもついている気がしたんだけど、前編の模様。乙ひより得意の不思議キャラ。なんでこの人が描くとぼーっとした感じでコミュニケーション取りにくそうなキャラが魅力的なんだろう。

妄想ハニー 三国ハヂメ

 え? え? 今回最終回? 三国ハヂメは『極上ドロップス』でも読んでいてしっくり来るのがお話がかなり進んでからだったのですが、この「妄想ハニー」も前回くらいから拍車がかかってきた感じでこれからかと思ってたのにィ。良いところに落着したからいっか。一月には単行本だそうです。

レンアイ♡女子課 森島明子

 姫野×アリスで前回ハッピーな所に落着し、今回はたぶんもう一山への助走回。いい感じに新鮮にらぶらぶの二人。でも小さな部分でまだ齟齬もある。ラブハンター姫野さんには何か課題が用意されているんじゃないかな、なんて。この先がすごく楽しみ。

飴色紅茶館歓談 藤枝雅

 前回で大いに盛り上がった芹穂&さらさ。なかなか仲が進まなくてもーじれったいなーという状態だったのですが、ここまで決定的なシーンがあってもやっぱりじれったい二人なのでした。これからもまだまだやきもきさせてくれそう。

第4回百合姫コミック大賞結果発表

 結果発表に並んで田仲みのるのデビューの経緯や今回佳作の「きものなでしこ」の掲載もありました。結果は受賞者一覧に追記しておきました。

 予告されていた『ハーモニー』は今回ではなく次回からとなってちょっと残念。SF方面の人で気にかかっていた人もいると思うのでお間違えないよう。2011年3月号では倉田嘘が「百合男子」という連載を始めるようです。Twitterでも男性である作者が描いていていいのだろうか、みたいなことを呟いていたので適任の予感。
 掲載漫画は事前の予告の通りこれまで通りの方向。でも、ちょっとだけ大人向けに振ってきているかも。クォリティアップも計られている気がします。大きく変わったのはデザインと編集部のアピール。掲載漫画の方向も、たぶん次回の「百合男子」から少しずつシフトしてくるのではないかと思います。

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