カテゴリー「日記2010」の8件の記事

天文講座 金星に近づく「あかつき」〜あと四週間

 金曜日だったでしょうか。Twitterの「あかつき」チーム(金星探査機あかつきの広報アカウント)が講演の告知をしていました。JAXA宇宙科学研究所教授の佐藤毅彦氏が『金星に近づく「あかつき」〜あと四週間』と題する講演を行う、と。場所は世田谷区立教育センター。近所です。時折利用している中央図書館の入っている建物で、プラネタリウム投影設備も備わっています。そのプラネタリウム・ドームで講演が行われるとのこと。日時は11月13日(土)の夕方18:00〜19:00。

 佐藤毅彦氏は「火星—ウソカラデタマコト」展のMELOS計画をはじめ、最近の航空宇宙関連ではよく拝見する方。今回は金星探査機あかつきの赤外線カメラIR2開発担当者、ということで最新情報が聴けるかも、と聴きにいくことにしました。

 図書館での調べものがあったので午後三時くらいから図書館に行き、早めにチケットゲット。お値段は400円。公営のプラネタリウムは安いですね。

 開演時刻の十五分ほど前になってプラネタリウムの前に行ってみると行列ができていました。夕方からの講演であったのと「あかつき」という割とカタくて地味目のミッション絡みということもあって並んでいたのはいかにも宇宙マニアといった感じの大人が中心で親子連れは数組。

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 入場の際にはあかつきプロジェクトのステッカーと絵はがきが配布されました。

 佐藤先生は話術も巧みでユーモア混じりのわかりやすい講演となりました。あかつきのミッション解説が面白かっただけではなく、とれとれの新ネタがいくつも披露されました。

  • 前日に行われたあかつきΔVリハーサルの模様のビデオ紹介
  • 初公開のIR2カメラのテスト撮影結果紹介
  • ΔV開始は12/7 9:00JSTから700sec

 面白かったのは

  • 探査機へのコマンド送信は一行ずつオペレータが行う。
  • 探査機のロケット搭載のためのクリーンルーム搬入では虫が入らないように虫取り網を持った人がスタンバイしている。
  • 探査機はエンジンと観測・通信機器で大きく二つに分かれていて、あかつきペーパークラフトと同じ構造。
  • 組立治具はワンオフ。
  • ΔVは大部分が地球から見てあかつきが金星の影に入っている間に行われるので状況がわからなくなる。
  • ΔV直後にはあかつきが金星の「日陰」に入ってしまってさらにドキドキ。

 講演の最後には質疑応答の時間が設けられていました。書き留められた分だけ質問を列挙してみると……。

  • Q:IR2カメラでどんな映像を期待?
    A:スーパーローテーションの南北成分を捉えたい
  • Q:あかつきの寿命は?
    A:観測開始後二年を設定。実際には四〜六年持つのでは。
  • Q:IR、UVカメラは何を基準に波長を選んだ?
    A:UVはコントラストの大きなところ。IRはCO2の吸収・反射の強いところ。
  • Q:IR2カメラは台風のような気象変動は捉えられる?
    A:金星は季節変動がなく台風のようなイベントがあるかどうか。
  • Q:IR2カメラの耐熱温度は?
    A:30〜40℃
  • Q:金星にはなぜ火山があるの?
    A:それはまだわからない。

 大人の宇宙マニアの質問は具体的で技術的な細かなものでしたが、子供たちの質問が鋭かったです。特に上リストの最後の質問は佐藤先生も答えに窮していました。素朴な疑問って強い。

 今回のメインは佐藤先生の講演でしたが、間にこの季節のプラネタリウム投影も行われました。世田谷区立教育センターのプラネタリウムはこの今年の五月にリニューアルを終えたばかり。新設備は初めて見たのですが、星の像が以前よりずっと鮮明にくっきりと見えるようになっていて驚きました。世田谷区自慢のシステムのようですし、観覧料も安いのでオススメです。最寄りの駅が田園都市線桜新町or世田谷線上町で十分以上歩いてちょっと不便ですが、渋谷からならば教育センターのすぐ前が終点になる東急バス「渋05系統 鶴巻営業所行き」が便利です。

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出版不況と『百合姫』リニューアル

 二ヶ月前の話題ですが。
 『百合姫』Vol.21には「編集長インタビュー」なる記事が掲載されていました。『百合姫S』の休刊・『百合姫』への統合の背景について語った内容です。

  • 売上部数の定常化
  • ライバル誌の誕生
  • 出版不況
  • リニューアル
  • 編集方針の維持
  • 若年層の雑誌離れ
  • 対象年齢の引き上げ
  • ポスト・マリみての不在
  • パッケージの変更
  • 映像化作品の輩出
  • 異ジャンルからのコミカライズ

 挙げられていた話題はこんなところでしょうか。これらを元につらつらと考えてみたいと思います。

ライバル誌

 筆頭のライバルは『つぼみ』ですが新書館の『ひらり、』もスタートから品質が高く、強力な競合誌になりそうです。『つぼみ』はVol.7以降隔月刊化するということで百合姫側もライバルと足並みを揃えたということなのでしょう。

出版不況

2009年12月百合姫S Vol.11ふ〜ふ連載開始
幼馴染と呼ばないで!連載開始
絶対少女アストライア連載開始
2010年3月百合姫S Vol.123周年の百合姫Sはなにかが起きる!?告知
marriage black連載開始
おっかけ×Girls連載開始
むげんのみなもに連載開始
2010年4月百合姫 Vol.20『百合姫』『百合姫S』統合隔月刊化発表
2010年7月百合姫 Vol.21編集長インタビュー

 2009年末にティーザー的な告知があり、『百合姫S』の『百合姫』への統合隔月刊化はこの時点で決まっていたと思われます。同号と前号では新連載を立て続けに六本も開始したタイミングだったので、方針変更はこの六本が引き返し不能になってから後、となります。
 これだけの急な大転換には決断のための決定的な材料があったはず、と漫画雑誌類の発行部数遷移をまとめてみました。

少女漫画誌出版部数変遷

 少女漫画誌を対象に適当に選んでネットから発行部数を拾ってみたものです。部数は一号あたりのもの。

少年/青年漫画誌出版部数変遷

 こちらは少年誌/青年誌。

 思ったより深刻でした。
 でも、ちょっと待った。『百合姫』の前身『百合姉妹』は2004年創刊。すでに漫画雑誌の不調が明らかであった時期。出版不況の渦中で創刊されたのが『百合姉妹』。逆風の中での運営は編集部もわかっていたはず。リニューアルの理由としてはちょっと弱い。
 2009末〜2010頭にかけても漫画雑誌の衰退は穏やかなままで変極点は見出せません。現場の人にしかわからない兆しを捉えたのかもしれませんが、『つぼみ』の隔月刊化をこの時点で察知したから、と考えるのが妥当でしょうか。

対象読者

今までの出版界は、「雑誌は読者層の中の若いほうにあわせて作る」ことがセオリーと言われてましたが、今それをやっていたらどんどん売れなくなると思います。

百合姫Vol.21 P.204 「編集長インタビュー」より

 編集長はこう述べて「若い子は読まなくていい」「今の読者を卒業させない」と続けます。出版物から若者が離れていく中で『百合姫』のような専門誌を読む十代は「知的好奇心に優れた」子なので対象年齢が上がっても内容について来られるだろう、と。
 確かに今『百合姫』を読んでいる十代にとっては13〜14歳にフォーカスした内容である必要はなさそうだと私も思います。
 それ以前に百合姫の読者層というのがよくわからない。一迅社の公式サイトには読者層も掲載されてはいるのですが……、

コミック百合姫読者層チャート 「一迅社WEB|広告について」より

男女比は『百合姫』誌で編集部側自ら正確性を揶揄していたので頼りにならないデータかもしれません。年齢層は偏りなく散っています。でもこの年齢構成が正しいとすると十代が四分の一強を占めているわけで、ティーンの感性に合わせなくていいの?という不安はやはり覚えてしまいます。

百合漫画誌ということ

 百合漫画を二つの側面に分けてみました。

  • エンターテイメント
  • 性的マイノリティのよりどころ

 『つぼみ』や『Lily』『百合少女』『ひらり、』は明確に前者、『百合姫』も現在の掲載漫画から判断すれば後者の要素は見出しづらいのですが、三浦しをんのエッセイや掲載漫画家たちのネット上の言動からすると単なるエンターテイメントとして作品を送り出している人ばかりではなさそう。
 『百合姉妹』創刊号では「乙女ちっくな学園生活のための学校選び 女子校へいこう 〜お姉様Get大作戦〜」なんて特集が組まれ、実際の校名を挙げ学校パンフの紹介をしていたりしました。これはマイナーセクシャリティを持つ、あるいは持ちかけている現実の少女たちへのアプローチだったように思います。『百合姉妹』時代にあったこの手の記事からは『アニーズ』や『カーミラ』のようなセクシャリティの固まった層向けではなく、少女期の定まらないセクシャリティを受け止める総合誌になれる可能性を見た気がしました。結果的に少女世代の読者は少数であったのかもしれませんし『百合姫』へ発展しほぼ漫画オンリーになりましたが、読者欄だけは少女たちのために開き続けて雑誌の姿勢を示していたように思います。
 そんな観点からすると若い読者を対象にした誌面作りをやめていいの?と不安になります。雑誌が真にコンテンツを届けたい層と、購入している層がズレているからといって、実際の読者層に内容を合わせてしまうのは既存の読者も望まないのではないでしょうか。実際の年齢層や性別とは別に、メンタルフィメール――ならぬメンタルガールに向けた発信する、というのは夢の見過ぎでしょうか。

ポスト・マリみて

 百合ジャンルの問題点となっている「ポスト・マリみて」の不在。編集長インタビューではポスト・マリみてが生まれず百合は浸透して落ち着いた、という話に続いて

——それがオチですか(笑)。ちなみに、現在のアニメ化最右翼作品はなんでしょう?
 現状だと一番近いのは『ゆるゆり』でしょうか。

百合姫Vol.21 P.205 「編集長インタビュー」より

と『ゆるゆり』が挙げられます。確かにアニメに合いそうたけれど、ポスト・マリみてかというと違う気も。
 ポスト・マリみてってなんだろう?
 一番近い位置にたどりついたのはおそらく『青い花』。準ポスト・マリみてが百合専門誌以外から出てきたのは皮肉です。『青い花』には迷いなく同性愛に踏み込んでいくキャラ、異性を想いながら同性から寄せられる憧れに合わせて己を装うキャラ、同性愛者として生きる道を選べずに“卒業”していくキャラ、と百合恋模様を描いただけではない思春期の少女たちの痛みを描いていて、百合というテーマそのもので専門誌をぶっちぎる深みを見せていると思うのです。
 ここにテーマ性で肉薄できそうだったのが金田一蓮十郎ではなかったかと私は思うのですが、一冊分を描いて登場しなくなってしまいました。残念。

 “萌え”を備えながら百合ならではの問題点を十分に深化させられ、かつ、フェミやリブの理論武装によって一般の読者・視聴者からも嫌われないような、そんな作品がポスト・マリみてなのではないかな、とあまり根拠なく思ったのでした。

異ジャンルからのコミカライズ

 『ハーモニー』を『百合姫』でコミカライズするという報せには驚きました。SF作家・伊藤計劃のトーンは「暗」で「鬱」。現状の百合ものとはかなり異質だったからです。『百合姫』の読者層の拡大というよりは『百合姫』読者の嗜好範囲拡大に貢献してしまいそうな予感。
 一方でSFファン層は百合を受け容れる素地も持っている気もします。SFはライトノベルやアニメ、萌えとも親和性の高いジャンルです。70年代少女漫画にはSF設定の作品も多かった。脈はあるはず――ですがSF読者はかなり規模の小さなパイのはず。
 そういえば『百合姫』で小説掲載の決まっている森田季節は九月末に『不動カリンは一切動ぜず』でハヤカワ文庫JAからSF百合新刊が出ています。
 ……ついでに古生物ファンにもアプローチしてみればいいのに、って楽しいのは私だけか。アノマロカリスの擬人化百合とかエビからイカにクラスチェンジしたネクトカリス百合とか。ウミユリとか。

まとめ

 Vol.22の予告によると、Brand-new Commersとして柏原麻実、紺野キタ、北別府ニカ、片瀬わか、テクノサマタの名が挙がっており、原点回帰――というよりもこれまでの『百合姉妹』『百合姫』をぜんぶ突っ込んでしまおうとでもするかのよう。

百合姫Vol.22 予告内容
コミック23本
小説2本
エッセイ2本

 Vol.21までは毎号コミック15〜18本のペースでしたのでVol.22は相当に厚くなるのではないかと思います。Vol.23以降もそのボリュームを維持するのかどうかわかりませんが、『つぼみ』に対して厚みでも勝負をかけてくるのかもしれません。

 ライバル誌と真っ向勝負の総力戦。
 個性派でちょっとオタ気まじりのつぼみちゃんと正統派美少女の姫ちゃんの雑誌擬人化ライバル百合とか燃えません? 姫ちゃんに憧れるひらりちゃんは清純派無邪気キャラで泣きぼくろ。(「、」をほくろに見立ててみました。) リリーは横浜育ちでちょっとバタくさい子。『百合少女』は……擬人化ネーミング難しいな。出版社名を取ってコスミちゃんとか?

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アニメ映画:借りぐらしのアリエッティ

 遅ればせながら見てきました。『借りぐらしのアリエッティ』。新宿バルト9にて。

 楽しかった。
 『トトロ』や『紅の豚』ほど夢中にさせてはくれなかったとはいえジブリ映画が小人を描いてくれたというだけでも嬉しい。
 小人を描く、ということはヒトと小人の大きさの対比もあるけれど、小人の大きさならではの物理法則も現れるわけで。特に顕著になるのが液体。コップの中の水がとろんとしているのも、体についた水滴が払い落とせるのも涙がまん丸の玉になるのも小人の大きさだから。ちびっこたちはこれをどう思ったろう。「アニメだから」で当たり前に見えてしまっただろうか。将来、高校へ進んで物理を習ったときにスケーリング則を学んで「あ、これアリエッティ!」とわかってくれるだろうか。欲を言えば、体が温まりやすい/冷えやすいことや、小さな体の生き物は相対的に力持ちであるところを見せて欲しかったし、同じ理由でしょっちゅうゴハンが必要な可能性が高かったりするあたりも。
 十分に頑張っているのも確かで、ガサツなヒトが小人たちの生活を脅かすズドドドドドーンなシーンはとても面白かった。ヒトと小人のスケールの違いを表すために凝らされた演出も地味ながら効果的だったと思う。
 もっともこのあたりの小人ならではの物理法則に関しては原作『床下の小人たち』のメアリ・ノートンよりも 『だれも知らない小さな国』の佐藤さとるの方がセンスがあったようで、ジブリの小人描写もどちらかというと佐藤さとるに影響を受けていそう。
 拙作の小人童話『ティントーヌウガーミ』でもスケーリング則表現は頑張ったつもりですが、ジブリアニメの方が明らかに生き生きしててボロ負けだなぁ、とがっくり。

 ストーリーに関しては、舞台を日本に移してヒト側の設定を大きく変えたこともあって原作の面影は薄めです。ヒトのそばで暮らしながらヒトを避けるということの実感が薄く、アリエッティの失敗の重さは共感しづらかった。翔の親切が空回りしてしまっているのも理解はできたものの翔の気持ちを実感するまでには至りませんでした。惜しい。
 翔の抱える病気や問題も基本アリエッティ視点で話が進むため、いきなり翔が「滅び」を語りはじめる部分にはびっくり。小さな視聴者たちはあの部分、ついて来れたのかな。客席の子供たちは集中を切らしてざわざわすることもなかったのでOKなのかな。翔に関してはキャラ自体の印象が弱くて最後のシーンにあまり説得力を感じなかったです。
 一点だけ「異議あり!」と強く言いたいのは猫のニーヤ。ジブリアニメの伝統で猫にファンタジーを含ませたかったのだろうけれど、今回に限っては物わかりの良いヒト的な思考をする猫キャラにしてはいけない話であったと思います。小人が築いてきた生き抜くための“掟”の大切さと“掟”を逸脱したくなるような情の葛藤をアリエッティと翔の間に描いた(描こうとした)のに、小人が天敵そのものの猫と通じ合えてしまうのは「ヒトと小人が仲良く暮らす」甘いストーリーに改変してしまうのと大差がありません。小さなシーンが全体を否定してしまうもったいない部分でした。

 デテール描写やジブリらしい絵と動きには大満足。ストーリーは『木陰の家の小人たち』か『だれも知らない小さな国』のような国産物語をベースにした方が良かった気がします。特にスケーリング則や小人の論理というものを強く出したいなら佐藤さとるのコロボックルシリーズの方が向いていたのではないかと思ったのでした。

 『アリエッティ』とは関係ないですが、惜しいどころでなく残念だったのは映画館。画質イマイチ、音も低音ドンドコが変な部分で発揮されていてバランスが悪い上に高音ひずみまくり。音量も大きすぎ。素敵な音楽が台無しでした。スクリーンのピントも怪しく映写室の窓ガラスも汚れ放題。どこの映画館も似たり寄ったりなので“そんなもの”なのでしょうか、悲しくなります。今時のプラズマテレビとBlu-rayで見る方がよほどしゃっきりくっきり。

 そうそう。以前に見られなくて悔しい思いをしていたNHKのアリエッティ制作ドキュメンタリ「ジブリ創作のヒミツ 宮崎駿と新人監督葛藤の400日」の再放送が8/21にあって、見てみました。むぅ。映像面では文句はなかったのでドキュメンタリの中心であった作画よりもシナリオ作成の部分が見たかったんだけどな。『Cut』2010年 09月号のようなインタビュー誌にもアリエッティ特集が組まれていました。『MOE』2010年 09月号『キネマ旬報』2010年 8/1号にも特集が組まれていて、この中では『Cut』が一番読み応えがあった気がします。

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火星―ウソカラデタマコト

火星—ウソカラデタマコト

 東京大学総合研究博物館にて「火星―ウソカラデタマコト」展というのをやっていると知って覗いてきました。ここを訪れたのは「異星の踏査〜アポロからはやぶさへ〜」展以来。

 展示はパネルが中心でMELOS——日本の次期火星探査計画へのアプローチが主力になっています。

  • 膨大な量の画像データ
  • MELOS火星探査計画案
  • 火星生命の痕跡が見つかったと言われる隕石
  • 火星飛行のCG
  • 火星に触れる

 以上、イベントのパンフレットからの抜粋です。

「火星―ウソカラデタマコト」展入口 会場は以前と同様、東大博物館の常設展示の奥にある特設展示室。会場の入口そばからすぐに文字ぎっしりのパネルが展示されていて、当たり前のイベントならばスルーされてしまいそうな展示スタイル。なのに皆さんきっちりパネル掲示を読んでいきます。強い関心を持った人が来ている模様。小学生もパネルに張り付いてメモを取っていました。夏休みの自由研究ネタにでもするのかな。土曜日でしたが混雑というほど混雑もしておらず、のんびりと楽しめました。

「火星―ウソカラデタマコト」展会場 入口からちょっと入って眺め渡すとこんな雰囲気。天井から下がっているタペストリの“PLAN A”、“PLAN B”、“PLAN C”というのはDまであってそれぞれ「表面探査」「生命探査」「空中探査」「地中探査」と探査案が示されています。これはこの企画展が今後行われる日本の火星探査ミッションMELOSの方針決定のための意見公募も兼ねているためです。
 写真奥はローバーによる地表探査案。サイズ的には“ソジャーナ”くらいの印象でしたがMars Science LaboratoryやMAX-C、ExoMarsといった欧米の大型ローバー計画が控えているとなると規模が小さくなりそうな日本は独自色の強いことをやって欲しい気がします。せっかく開発した月ペネトレータの技術を生かすようなものとか。

「火星―ウソカラデタマコト」展探査案投票 会場では右写真のように探査計画案に対する意見の公募が行われていて、壁には寄せられたメッセージがびっしりと張り出されていました。将来の火星探査に関われる貴重な機会です。意見を出すことを前提に展示に触れるとよりいっそう楽しめるかと思います。

「火星―ウソカラデタマコト」展3Dテレビ 空中探査「火星飛行CG」とパンフレットにあったものの紹介展示。大きな3Dテレビで火星の風景CGを流していました。この展示に限らず今回の会場にあった動画は立ち見するにはけっこうな長尺です。じっくり時間のあるときに眺めに行くのがお勧め。
 3Dは一応それらしく見えましたが最も立体感が豊かだったのは高度データと衛星写真から作ったCGではなく、ローバーの撮影した3Dパノラマ写真でした。これは『3Dで見る火星の絶景ポイント』という本でも同様でした。なんでだろ。

「火星―ウソカラデタマコト」展ALH84001 有名な火星隕石ALH84001。といってもNASAが大々的に「生命の痕跡!」と喧伝した部分ではなく同じ隕石の別の欠片のはず。ALH84001.XXXみたいにサブナンバーが振られていたのでピース分けされたものだと思います。見学したときには研究者や解説員が近くにいなくて確かめられませんでしたが。「火星—ウソカラデタマコト」展のサイトには研究者に説明してもらえるイベントの日程が記されているので気になった方は確かめてみてください。
 写真の外——右側には火星隕石の切片が展示され、実際に触れるようになっていました。明確に「触っていいよ!」と書いていないので「ほんとに触っていいの?」と思いながらコインくらいの窓の開いた切片を撫で回してきました。う〜ん。触っても何がわかるわけでもないのですがなんとなく楽しい。こちらは日本の調査隊が南極で集めた隕石なのかな?

「火星―ウソカラデタマコト」展中華鍋 写真左寄りでスポットを浴びているのが鉄隕石。右は中華鍋に火星の映像を投影したもの。画面には入っていませんがこの右にはものすごく敏感な地震計が置かれていて、近くでそっと足踏みをするだけでセンサーが反応しまくります。「地震計設置による火星内部構造探査」の紹介。私は、惑星の構造を先に明らかにして表面探査の必要箇所を見つけていく、という順番が良さそうに思えましたが得られる結果が地味で人気が出にくそうですね。

「火星―ウソカラデタマコト」展超音速風洞試験体 これなーんだ?
 ぶきっちょな縫い目でキノコのマスコットかなにかに見えますが、これは超音速風洞でマッハ7に晒された空力試験のサンプルだそうです。小型探査装置をキノコの傘型の“バリュート”で空(軌道上)から投入しよう、という案。パネル解説だと1mくらいの傘になる予定のようです。

 そうそう。会場には蚕や稲+どじょうの水槽も展示されていました。宇宙でのタンパク源ということのようでした。蚕の繭は黄色い繭でしたがこれは見慣れない感じ。クリキュラ(金色の糸を出すインドネシア産の野蚕)と掛け合わせた品種改良ができているという話をちょっと前に見かけたのでそれかも。

 大型化石イベントのように賑やかに眺めるお祭り的な展示ではなく、文字解説びっしりのパネルを眺め、地味〜な観測機器を見る類の展示です。特設展示室に至るまでには人骨ゴロゴロの展示などもあります。同時開催の昆虫展も(こちらはほぼ常設の気がする)も地味目ですが標本びっしり。
 写真撮影は可能なものと不可のものがあるので受付で確認を取ることをお勧めします。

場所 東京大学本郷キャンパス内 東京大学総合研究博物館
期間 2010.7.24〜10.30
開館時刻 10:00〜17:00
休館日 月曜日
入場料 無料

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桜・豪徳寺

豪徳寺正門前

 六日の昼に豪徳寺を覗いてきました。上の写真はちょっとインチキして電線を消したもの。大雑把にやったので梢がぼやけちゃった。

桜と鐘 枝垂れ桜はもう完全に散っていてソメイヨシノが花びらの絨毯を作っている真っ最中。

 招き猫たちは豪徳寺純正モノばかりになっていて写真的には少し寂しかったので鐘+桜。招き猫の奉納所のところにあるのは八重桜で招き猫たちが桜の花びらをかぶるのはもう少し先です。

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深海探査と微化石の世界

深海探査と微化石の世界

 国立科学博物館の小企画展「深海探査と微化石の世界」を見てきました。HMSチャレンジャー号――1872年に行われた世界周航の探検調査の紹介の比重が高めで、あとは微化石写真のパネル、模型、実物、現代版HKSチャレンジャーの「ちきゅう」の活動が紹介されていました。展示は日本館1Fの企画展スペース(大型イベントとは違う通常の展示室一部屋分の小規模展示)でした。
 会期は二月いっぱい。

有孔虫実物 右下の丸いガラス部分は虫眼鏡になっていて向う側に有孔虫のサンプルがある パネル展示が主流になります。実物もありましたが何せ微化石。肉眼で見てもただの砂にしか見えません。放散虫、珪藻、ハプト藻、有孔虫の中で一番大きな有孔虫にしてもせいぜい「巻き貝っぽいシルエット?」というのがわかる程度。壁に飾られたパネル写真も電子顕微鏡写真がメインです。

 パネル展示はあまり関心を引かないものですが、この微化石展示では頑張っていました。電子顕微鏡で撮影した立体写真(赤青フィルタを使うアナグリフ)は良い案であったと思います。立体写真自体の面白さと大きなパネルの組み合わせナイス。赤青フィルタも眼鏡ではなく、手前に赤・青のセロファンを貼ったアクリル板を設置するというローテクながら実用的。フレネルレンズを使った小さめ立体写真もありました。
 プレパラートに固定された顕微鏡展示は“本物”という意味では一番興味を引いたのですが、双眼顕微鏡は目の間隔がぴったり一致せずに像が両目で重ならなかったのが残念。観客に顕微鏡をいじらせるわけにもいかないのでしょうが……いじり回したい~。

 地球深部調査船「ちきゅう」のボーリングサンプルも展示されていました。これは解説ビデオと合わせて眺めると面白いです。見た目はただの半割の丸棒岩石で地味ですが。サンプルは溶岩岩盤だった気がするのですが、微化石展に合わせて大洋底の堆積層だともっと良かった気も。

 そうそう。会場で配布されているパンフレットは超オススメです。16ページ程度の物ですが展示の内容がぎっしり詰め込んである良い資料でした。

昭仁天皇のハゼ展示

 微化石展示の入口ロビーではハゼの小展示も行われていました。明仁天皇の記載した種が目玉であったようです。

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Twitterはじめました

 よくわからないながら始めてみましたtouasa@Twitter

 始めておいてなんですが、何に使うものなのかもよくわかっていなかったり。とりあえずSF方面と百合方面でキーパーソン的な方のホットな動向が掴めそうなのでお試し中。

2/4追記。
 記事のフッター部分にヒというアイコンがあって用途がよくわからなかったのですが、これTwitterの呟きに記事リンクを張るためのボタンらしいです。「ヒ」でわかるのだろうか。でもURLが短縮されないのでTwitterに貼ろうとするとちょっとウザい。

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あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。

豪徳寺へ二年参り2010

 二年参りに行ってきました。
 今年は人手が少ないようで23:50頃に到着してもお参りの列も、除夜の鐘突きの列も短めでした。天幕では例年通り招き猫と甘酒。

 今年こそ小説で良い結果が出せるよう頑張っていきたいと思います。

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