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『NOVA 3』大森望編

NOVA 3
編集:大森望
執筆:浅暮三文、東浩紀、円城塔、小川一水、瀬名秀明、谷甲州、とり・みき、長谷敏司、森岡浩之
創元SF文庫
2010.12.4
★★★★☆

 大森望が音頭を取るSF短編集『NOVA』シリーズ。早くも三冊目。

SF大将特別編 とり・みき

 SFファンの習性を描いた漫画。SF者はこういう戯画的な自画像めいたネタ、好きな気がする。

ろーどそうるず 小川一水

 オートバイの視点で描かれるオートバイの一生。AIを積み、メーカーへの実走データフィードバック機能を持つオートバイとフィードバックを受け付けるAIとの対話で話が進む。二輪好きなだけに期待をして読んだ。けど、好きなだけに私の中の二輪観が邪魔をして素直に楽しめなかったような気がする。

想い出の家 森岡浩之

 複合現実技術が家庭に入り込んだ時代のお話。老人の住まいに家族の記録をデジタイズして重ね合わせるサービスを請け負ったなんでも屋の主人公。淡々とした空気で進んでいきます。複合現実モノとしての新味もなく、しかけも冒頭で開かれちゃっていてオチから意外性や感慨を得られなかった…。

東山屋敷の人々 長谷敏司

 “家”制度と不老技術をテーマにした話。ネタ的には面白そうなのにこれも今ひとつ響いてこなかった。

犀が通る 円城塔

 円城塔の話はなぜわかりづらいのかがわかった気がする短編だった。「犀が通る」は一文一文はとても平易で明瞭な日常の描写で構成されているのだけれど、一つに収束するようなイメージで綴られていなくて「何を読んでいるんだっけ?」になった。不思議な作風。

ギリシア小文字の誕生 浅暮三文

 小咄的なタイトル通りのストーリー。編者は「実験小説」と呼んでいるけれどネットでは割と見る発想かも。ギリシア文字の小文字にちょっとエロい象形文字的な由来をつけたもの。αからωまでがっちり作り込んであるあたりが商業作品らしいといえばらしいかな。

火星のプリンセス 東浩紀

 淡々としてる気がする。私は東浩紀の文体とあまり相性が良くないみたいで作中世界に入り込めなかった。

メデューサ複合体 谷甲州

 帰ってきた土木SF。こういうのが読みたかった。技術者臭たっぷりの開発SF、すっごい好み。今回の舞台は木星。メデューサ複合体コンプレックスという木星大気に浮かぶ超巨大熱気球構造物の建造エピソード。図解が欲しかった。一応、既存の飛翔体にたとえられてはいるのだけれど……。謎を残したままで締めくくられていて続編を希望せずにはいられない。

希望 瀬名秀明

 円城塔と瀬名秀明はわからない系筆頭二人組。瀬名秀明の方が文章自体はずっと親しみが持てるのだけれど「なぜ?」の部分で置いていかれる気がする。今回のこの話も共感シンパシー感情移入エンパシー、線形加速器、衝突実験の関係が今ひとつしっくりこなかった。でも最後までがつんと引っ張られていってしまった。

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