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『ミズイロ、ソライロ』慎結

ミズイロ、ソライロ
慎結
一迅社百合姫コミックス
2012.8.18
★★★★☆

 『ROSE MEETS ROSE』が気に入って楽しみにしていた慎結の百合姫コミックス第二弾。『百合姫』に掲載された六編+扉カラーイラスト+22ページの描き下ろし一編+あとがき漫画3ページ。

 『百合姫』掲載作もあらためて読み返すと好みだ〜と思います。どこかざっくり感のある少女漫画タッチ。尖っていて、傷つかずにはいられない少女という生き物。絵に描いたようなハッピーエンド、とは限りませんが、傷を癒すようなほっとする読後感。
 海へと入っていく少女を引き止めたことから始まる表題作「ミズイロ、ソライロ」、保健室登校の生徒と養護教諭の関係を描く「glass rose」、言葉の壁で馴染めずにいた海外からの転入生を任せられてという「Niñas」、親友がラブレターをもらってしまっていても立ってもいらない「rose letter」、唯一?のほのぼの話「sunny rose」、ちょっと重たくしんみり来る「神様を待ってる」。そして描き下しの「わがままな人形」は同性愛嫌悪のお人形さんのようなヒロインと親友とのはらはらするお話。
 吉屋信子の時代から連綿と続く少女小説の系譜を感じる、のですが、作者さんはそんな歴史を意識しての作風というわけでもない気もします。掲載誌的に百合設定は大前提ですしセクシャリティやマイノリティ寄りの要素も盛り込んではいますが、“少女”を描きたくて生まれてきた作品たちなのではないかな〜なんて思いました。

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