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『僕らはみんな河合荘 3』宮原るり

僕らはみんな河合荘
宮原るり
少年画報社YKコミックス
2012.8.30
★★★★☆

 紹介するときに例を挙げてイメージを伝えるのが難しいのがこの『僕らはみんな河合荘』シリーズ。下宿モノで高校生主人公でひとつ屋根の下にヒロインがいて、というと『ラブひな』的なハーレム物がイメージに浮かびますが、『めぞん一刻』的なギャグ要素も強く、そのギャグが下ネタで一の瀬おばさんや四谷さん的な役柄を(一見)キレイなお姉さんたちが担います。
 さあ、どんな漫画かわからなくなってきたはず。
 作者は人間関係を描くのがとてもうまい人。下ネタ満載であってもハートフル。ダメ男・ダメ女も登場しますがそれは世間のレッテル的にダメなだけで心底イヤなヤツではない——どころか内面的には真っ当すぎるくらい真っ当なキャラたちで作中世界はある種の楽園になっています。
 そう。楽園。奇跡的なバランスの上に成立する理想の人間関係がこの漫画の中にあるのです。プー太郎っぽいM男のシロさん、男にだらしがなくちょっとしたことで周囲を巻き込んで大騒ぎする酔っぱらい女の麻弓さん、男という男の気を惹かずにはいられない彩花。どうしてこれで楽園になるのか不思議な感じですが、それは同作者の『みそララ』でも同じ。職業モノの『みそララ』もキレ者のビジネスマンが大活躍する話ではまったくなく、なのに、こんな働き方ができれば幸せだなと思わずにはいられない。そんな漫画を描くのが宮原るりという人なのです。

 三巻は

  1. 真弓さん不幸リサイタル
  2. ムカデdeドキ♡
  3. ヘンショリ後日談
  4. どS小学生再登場
  5. 彩花の弱点!?
  6. 律ちゃん脱ぼっち?
  7. おいしい梅酒の楽しみ方

という感じのお話たちでした。シモネタはあるけど不快に感じられることの(たぶん)ないタイプのおおらかな笑いで読者を選ばないと思います。オススメ。

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