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ひらり、別冊部活女子アンソロジー『ほうかご!』

ほうかご!
新書館
2012.10.30
★★★★☆

 実質的には雑誌の百合コミックアンソロジー『ひらり、』の増刊です。部活テーマの特集号。

 手に取って一番に思ったのは「分厚っ!」でした。410ページ超で漫画が二十本。表紙の発色も良く、見た目のインパクトもたっぷり。平置きされていたら思わず手に取りそう。
 「けいおん!」を思わせるタイトルとロゴデザイン、際どさを押し出した扉絵イラストで第一印象は「『ひらり、』増刊というより『まんがタイムきらら』系っぽい?」感じです。

緑化委員と加瀬さん。 高嶋ひろみ

 この「加瀬さん」シリーズがきっかけかな〜と思った部活アンソロ企画。加瀬さんは相変わらずむっつりですが爽やかです。π/は意識しての登場させているのかしらん。山田と知り合いになる前の加瀬さん視点のお話でした。

花喰い 私屋カヲル

 タイトルページから開いた1ページ目、殺人ミステリか猟奇もの?と思いつつ読み進むと美術部の日常が展開。『ひらり、』よりも生々しいというか男子向けな感じのエサが用意されてる感なのですが食いついた身としてはヤラレタとしか言いようがなく。

放課後の彼女 森永みるく

 森永先生、これはメガネアンソロなんじゃ、とちょっと思った理化部。理系女子像がなんだか懐かしいタイプでちょっとほっとしたり。森永みるくは『つぼみ』でも虫話を書いていたし、きっと虫好き。嘘です。

ゆびさきでスキップ ふかさくえみ

 ピアノの話で始まって音楽部?と思いきや演劇部の話に繋がっていきます。四コマっぽい絵柄ですがドラマのある構成でした。一途に音楽を勉強してきた主人公の気づきのお話。

天使は傷だらけ 王嶋環

 バレー部の話、といっても故障でリタイアした元選手とゆるーくぬるーいバレーの同好会。本気でバレーボールをやってきた主人公はゆるゆるな同好会に誘われるのだけど……と始まります。淡々とした話に思たけどぐっと来ました。

ひとめあなたに 三国ハヂメ

 『百合姫』や『百合姫Wildrose』系でお馴染みの三国ハヂメ。『ほうかご!』には四コマで登場。足フェチの主人公がちらりと見かけた“美脚の君”を探してフィギュア部に関わるところから始まります。模型のフィギュア。このお話はもしかして作者的には模型愛のお話なのではーと思ったり。そっち方向押し出した漫画になってもいいと思いまーす。四コマで12ページ。ボリューム感あります。私の趣味的にこれはぜひ続きが読みたいです。

むっちゃんのアメとムチ 風上旬

 美術部漫画のはず……ですがおパンツ部と呼びたい。いや作中でもアレな呼称がついてますが。これは『ひらり、』だと載らなかった話かもしれない。下着姿くらいは『ひらり、』でも普通に登場しますがこちらはフェチ対象の下着ネタで。四コマです。

雨の日のマーメード 佐野妙

 水泳部のお話、なのだけれどタイトル通り雨の日の水泳部です。後者の廊下で筋トレ。水泳大好きっ子たちの雨の日トーク。『まんがタイムきらら』でありそうな女子たちのほのぼの四コマ。

ひとり部のふたり kashmir

 一人きりの演劇部。無音不足のために同じく一人きりの文芸部と一室に押し込められてしまったのですが、話しかけてみた文芸部員はなにやら変人の様子。演劇部復活のために努力を始める演劇部員の主人公だったが……。こちらもほのぼのというか爽やかでオチも良い感じについてました。

麻雀女子部活動中! 袴田めら

 作者本人も麻雀好きであるらしい袴田めらの麻雀漫画、と聞いて細かなゲームのやりとりが描かれるのかなと思いましたがドラマがメイン。めららしく食べ物もどーんと出てきます。これ、シリーズになるのかなぁ。シリーズ展開させられそうなキャラ設定が控えているような気がします。

マネージャーのお仕事 くみちょう

 バスケ部漫画、なのだけれど焦点はマネージャー。マネージャーと選手の関係、かな。読み応えある31ページ。熱いマネジもの。ぐっと来る感じがありました。

わびさび 平尾アウリ

 今回の平尾アウリは不可思議バージョン。不条理漫画と純正少女漫画(時々不条理)が1/2の確率で現れます。量子力学みたいな人です。一応茶道部だけど茶道あまり関係な(ry

箱庭コスモス 雑談カオス 桑田乃梨子

 桑田乃梨子は『ひらり、』連載の箱庭コスモスから出張版。今回はヨーコ先輩に焦点を当てて。

ねこぶ 前田とも

 猫目キャラな感じの主人公が立ち寄った猫部の日常、なのだけれど主人公視点は実はちょっと違うのでした。

ドラムカン百景 吉田丸悠

 美術部もの。『ひらり、』の新人賞出身の作者は強烈な表現が特徴で今回のテーマにはぴったりな感じ。インパクトありました。

ボルゾイとやまねこ 犬丸

 『ひらり、』掲載の犬丸の演劇シリーズからの出張掲載。このシリーズ、ひのみのキャラがちょっぴり受け容れがたい引っ掻き回し役だな〜と思っていたのですが、今回で印象更新。といっても主役はのっぽの七瀬とみなも。群像劇的なシリーズなのでこれは単行本にまとまってからが真骨頂の予感がしますが、読切としても面白いはず。

じゃじゃ馬ならし 藤こよみ

 さりげなく、かなりしっかり馬してる馬術部もの。もふもふ服を齧る馬がかわええ〜、と読んでいて百合成分を差し置いて馬ラブに傾いていきそうでもあります。それもまた良い、と思うのです。趣味ってそういうものだし。今回の『ほうかご!』ではこれが一番お気に入り。

プラネタリウム 三嶋くるみ

 天文部もの。ほのぼのした絵柄でほのぼのと……あー、ストーリー紹介するとネタバレになっちゃうかな。

ワン・ツー・ステップ 小橋ちず

 陸上部もの、ではあるのだけれどかなりマイナー競技っぽい二人三脚をテーマに。これはもうテーマ選択の勝利。ってネットで見かけた予告段階でもそんなことを呟いた気が。でもでも、競技の話としても面白いし恋愛未満友情以上的な『ひらり、』的なところにもぴったりだしでとても印象の良い話でした。

あの時の約束を果たすその日まで 藤沢誠

 柔道部もの。中学までは仲良しだった柔道二人組。別々の高校に進んで、進んだ先がそれぞれ柔道のライバル校。仲良しが急に冷たくなってしまい……というところから始まります。べたです。べたべたです。わ〜、読んでて恥ずかしいんだよぅ、という青春展開はこの作者らしくて良かったです。

 読み終えてみればいつもの『ひらり、』的な部分もしっかりありましたが、最初に感じた「萌え四コマ風?」の印象も盛り込まれてきていて『ひらり、』とは少し違った雰囲気のアンソロになっているように思います。

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