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ひらり、別冊部活女子アンソロジー『ほうかご!』(2)

ほうかご!(2)
新書館
2014.4.30

表紙

 前号の『ほうかご!』でも鮮やかな色が印象的で今号もまた彩度の高い鮮やかな表紙です。表紙カバーイラストは高嶋ひろみの掲載作「加瀬さん」シリーズから。

ショートケーキと加瀬さん。 高嶋ひろみ

 好評らしい「加瀬さん。」シリーズ。『ほうかご!』(1)では「加瀬さん。」シリーズのスタート以前のエピソードを描いた番外篇でしたが、今回は『ひらり、』vol.13の続きが掲載されていました。いつも通りの高校生男子のような加瀬さんでありつつターニングポイントとなる回でもあります。「加瀬さん。」シリーズ愛読者は必読。七月末には『おべんとうと加瀬さん。』というタイトルで単行本第2巻が出るようです。

白百合とハルジオン 伊藤ハチ

 『ひらり、』vol.13の掲載作で障害を持つ子を描いた伊藤ハチ。オーソドックス&シンプルなお嬢様と庶民主人公のお話で接点のなかったはずの二人が園芸をきっかけに馴染んでいきます。お約束の設定こそが魅力。

杖をバトンに持ち替えて ふかさくえみ

 『購買のプロキオン』でちょっぴりのどかな雰囲気でほっこりする友情+αを見せてくれた作者。こちらではバトントワリングを題材に。期間限定の即席チームでお祭りでのパレードを演じます。ほのぼのした雰囲気の中に「バトンの楽しさ」が感じられたのでした。

茅野ユミは知っている 高崎ゆうき

 「モブ」=脇役を自称する主人公・茅野ユミ。頭のてっぺんをくくって「キヒッ」と笑う姿に「座敷童」と思ってしまいました。ちんちくりん可愛い……。高崎ゆうきは『むげんのみなもに』で可愛らしい絵柄や雰囲気とは不釣り合いにハードでシュールな作風にショックを受けたのでした。もっとも今回のお話はちんちくりんなモブ主人公の可愛らしさそのままのちんちくりん感が魅力のお話。構える必要はないです。

お腹をすかせて帰ってくるね くみちょう

 食育モノ、かな。以前いっしょにバレーボールをやっていた相方が家庭の事情でバレーボールを続けられなくなって料理部に。道は別れた二人だけど、あれ? この主人公、依存心が強くてそれぞれの道で頑張ってます!的なお話じゃないぞ。しかもかなりネガティブでウザい。という展開から魅せてくれました。

サッカー少女 大朋めがね

 汗臭いスポーツとの組み合わせが想像しづらかった大朋めがね。絵柄の印象かな? サッカーが題材ですが、やはり汗臭くはない印象。サッカー部の上級生に一目で憧れ、入部してサッカーと馴染んでいくお話。この作者得意のちょっとだけ刺のある人間関係がきらりと光ります。

ピエタ 吉田丸悠

 これはきっと賛否分かれるはず。ネタバレ……気味になってしまいますが『ほうかご!』(1)掲載作の美術部ものの続編です。

空色の鳥と春の風 百合原明

 『ベツキス』で可愛らしく華のある吸血鬼を描いた百合原明。今回のテーマは心霊現象。オカルト同好会が舞台です。これは説明は野暮かな。

ふたり部のひとり kashmir

 部員が二人しかいなくなってしまい生徒会の雑用請負部と化している演劇部。しかし、演劇部には部員の増えないわけが密かに存在していたのでした……。

新入部員神田川葉子さんのレポート 犬丸

 witch meets knightシリーズの出張版四コマ。ゆいっちウォッチが趣味の下級生を中心に新入部員模様を。

シークレット*ニュース ミキマキ

 『少年よ耽美を描け』の作者による新聞部ネタ掌編。少女漫画タッチ+ギャグテイスト。百合漫画はギャグでも不条理であったりマニアックであったりするものが多いのでスパッとまっすぐな感じは新鮮。

三国ハヂメ ひとめあなたに

 前号からの続きとなる(模型の)フィギュア部もの。脚線美の飯住さん目当てで入部した主人公なのだけど飯住さんとの遭遇率があまり高くなくて悩ましく。造形趣味の説明を交えつつの四コマは趣味全開な感じですがそれだけに楽しい。

好きの距離 未幡

 陸上もの。走ること第一の陸上バカと、その陸上バカに憧れ陸上部に入った主人公。二人のスタンスの違いは関係の擦れ違いへと。この関係の緊張感がすごく格好いいと思ったのでした。

ねがい ユキムラ

 喧嘩をしたわけではないけれど気まずくなってしまった二人の微妙な距離。逃げ場を求める思春期の切実な気持ちが響いてきた気がします。あ、そういえば部活ネタではないかもしれない。でも良かった! とても。

本日の部活会議 小橋ちず

 部活のないお嬢様学校で「部活がしたい!」ということでちょっとコメディっぽくドタバタ展開する部活探求物語。

マーメードは旅をする 佐野妙

 前号掲載の「雨の日のマーメード」と同設定らしきオフの水泳部模様シリーズ。四コマらしい四コマです。人間関係の機微、多様さへのセンスみたいなものがあってポップでコミカルな中に関係性のリアリティみたいなものがあります。修学旅行に来た水泳部二年の面々は後輩へのお土産に頭を悩ませる、というのを中心に。

ぜんぜんかわいくないっ王嶋環

 陸上部もの。駅伝の大会で良い結果を出せたら、とご褒美をねだり——、と始まります。途中のオアズケ感にやきもきさせられたもののオチには思わず頬が緩んだのでした。ぶはっ。

いちごショートは今が旬だし 三嶋くるみ

 人見知りのみのりとみのりを引っ張る外向的なまゆこ。まゆこに連れられてみのりも料理部に入ったものの……。低めの頭身のちまっとしたところが可愛らしく、その絵柄にぴったりなお話。

花が咲くように きよたとも

 ひとつ前の三嶋くるみ作品のキャラの「人見知り」とは違って人と関わるのを厭うキャラが主人公。園芸部の上級生とのアクシデントで生まれた縁に嫌々つきあわさせられます。サガリバナや主人公の姓が瑞慶覧であることからすると舞台は沖縄近辺かもしれません。ひらり、GLコミック大賞出身の作者です。

★ ★ ★

 前巻の『ほうかご!』(1)での印象=『ひらり、』に比べると少し四コマ誌っぽい作風、は継承されてポップで明るいアンソロになってます。続き物はさらに次もあるのかな? 二巻目も楽しかったので三巻目も出るといいなぁ。でも出るにしてもかなり先かな。

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