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2015年3月の3件の記事

『コミック百合姫』2015年5月号

コミック百合姫 2015年5月号
一迅社
2015.3.18

表紙

 表紙シリーズの子のどちらの部屋かわかりませんが百合おたくの部屋の模様。百合ゲームらしきもののパッケージが二つと「立花館ToLieあんぐる」のポスター。「ゆり♥︎がーる」と「ガチ♥︎百合学園」遊んでみたい……。

プリンスプリンス あおと響

 登場人物大勢で、男装女子や女装男子らしき人物もいて主人公もぱっと見た感じは男の子のように見えるのですが今のところ性別不詳。連載第一回で誰が誰やらという混沌状態を異性装が後押しします。大勢のキャラも見分けはつけやすくお話はやや突飛に展開しつつもわかりやすいコミカルな学園もの。一話目で最初のイベントが収束していることもあり次回以降の展開は予測できませんが、良い感触でした。最終コマの引きは冒頭に戻って見直すと「あ、なるほど」という納得とともに次号が楽しみになります。四月には同作者の短編集『ナチュリーズ』も出る模様。こちらも楽しみ。

本屋の人 古河一樹

 作者は第11回百合姫コミック大賞の紫水晶賞の方。書店もののゆる〜い日常漫画といった感じの連載第一回。新規に書店勤めを始めた主人公とお店の顔ぶれを紹介した初回でした。のんびり脱力した雰囲気で展開しそうな感じです。

住めど地獄のインェルノ 春日沙生

 ちんちくりん可愛い絵柄で描く地獄ライフ。進学し新生活が始まるはずだったのになぜか気づくと地獄行きの判決を受け、地獄ライフが始まります。なぜ地獄に? 本当に地獄なの? という謎とともに、主人公の死と関係ありそうな要素も示されます。

桃色トランス こるり

 魅力的なキャラたちとえっちなサービスシーンで楽しませてくれるこのシリーズ。今回はエロスという意味では控えめでしたがその分可愛らしいエピソードとなっていました。

2DK、Gペン、目覚まし時計 大沢やよい

 OLと漫画家の日常話なのですが、地味なはずの日常の質感がすごく良いこのシリーズ。最新単行本『スパイスガールズ』収録作が『百合姫』に掲載されていたあたりでぐっと前進した感とともに、新連載群のスタートという雑誌の流れがうまく噛み合った気がします。『ストレンジベイビーズ』での経験が今作に生かされていそう。それにしても意識た会……一度参加してみたい。

運命の赤い縄 沼地どろまる

 作者の名前で検索すると第21回幻冬舎コミックス新人漫画賞にお名前がありました。シャープで整理された今風の絵柄に手慣れた感じでデビュー作なの?という印象。おまじないを軸にちょっとばかり行き過ぎた束縛をコメディ調に見せてくれます。

citrus サブロウタ

 今回もドキドキさせてくれるシーンもあり「citrusやっぱ面白い!」のですが、特に絵で「カッコイイ!」と思うとこがいくつもあることにシビレタのでした。著者が別誌で連載している超能力アクションの『銃皇無尽のファフニール』との相乗効果かな。citrusの場面もダイナミックさが増した印象でした。

12分のエチュード 仲原椿

 幼い頃から技術を積み上げてきた若きベテランと入門したばかりの初心者と。全国大会を目指そうということになったもののあまり覚悟の決まっていない高校吹奏楽部を舞台にしたお話です。音を出すことの楽しさにアプローチしているお話に好感が持てます。

ここの様ファシネイツ 藤枝雅

 『百合姫』ではすごく久しぶりの藤枝雅。「いおの様ファナティクス」のスピンオフ。久しぶりではありますが可愛らしい絵柄と雰囲気は変わらず。いおの様の娘を主人公にしたお話で、続き物であるようです。

ゆるゆり なもり

 作中でのキャラ真似というか交換ネタは毎度楽しい。長期シリーズならでは。閉じ込めイベントでは櫻子とあかりというあまり話が動かなさそうな組合わせ……に見えてオチにやられるのでした。

himecafe

 作家さんを呼んだ対談記事シリーズ。今回は大沢やよいゲスト回。2012年7月号以来の二度目の登場です。「最近ハマっている百合漫画」として『さよならガールフレンド』が挙げられていてAmazonの紹介ではとくに百合との表記はないのですが面白そう。近いうちに読んでみよう……。

ヒメトピ

 新商品の紹介ページ。四月からアニメの始まる『響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ』、とても面白かったノベルゲーム『flowers』の続編『FLOWERS -Le volume sur ete-(夏篇) 』他6点の紹介がありました。

それは百合だった

 90年代のアニメを振り返るコラム。今回はスポ根ものテーマで「エースを狙え!」をはじめ様々なタイトルが挙がり「プリンセスナイン」が紹介されます。これ知らなかったけど検索したらいかにも90年代な映像が出てきました。

LILY LILY WHISPER

 イラストコラム。コラムというか一コマイラストで萌えシチュを紹介するコーナーで今回はコダマナオコ。イラストを見ていて「そういえばコダマナオコの漫画、ジャージ着た子がけっこう出るよね」と思ったのでした。

ヒメレコ

 編集者個別のオススメ作品紹介記事。百合作品の話題のあまり流通しない小説ジャンルはこのコーナーを参考に探したりしてます。

立花館ToLieあんぐる

 カラーページの見開きがたいへん確信犯(誤用)的でした。

犬神さんと猫山さん くずしろ

 相馬と乙姫が登場するとテンション上がります。このシリーズ、回を重ねて面白さが増していってる気が。後半の秋のサービスの良さに感心してたら「おおぅsweat01」となりました。

捏造トラップ コダマナオコ

 由真と蛍と男子二人でお泊まりデート、と百合漫画誌にあるまじき?展開ですが、やっぱり百合漫画らしい展開を予想する読者の期待は外さない。そのあたりの際どさあざとさも含めて「ふふふふ〜」となってしまう今回のコダマナオコの連載。武田くんがイイ奴すぎてちょっと不憫な気もしてきました。でもそこも含めて楽しい……。親友バリア強力です。

かなえて!ゆりようせい 源久也

 新しいへんなのでてきた。ゆりようせいはハンコもらったり微妙に投げやりだったりして背後に組織めいたものがありそうなのだけどじっくり説明されていくのかな。ようせいたちのゆるさからすると元締め?もゆるゆるの予感。

少女失格 川井朗

 バトロワものの第二話。お話が割と速く進んでいく模様。見せ場ひとつずつじっくり見たい気もするしあんまりこってり見せられても酸鼻になっちゃいそうだしのジレンマが。

さかさま鬼ごっこ 竹宮ジン

 小さい頃に離ればなれになった大好きだった幼馴染みとの再会。なのに相手は主人公のことがわからなかったようで……。むっとする主人公。そこから、と展開する読切。

パブロフガール ねこ太

 妹萌えの義姉に義姉を犬扱いするS寄りの義妹。同じ学校に通うことになったのだけれど犬のはずの歩が学校では少し様子が違い戸惑う妹・沙羅。……あれ? 粗筋紹介するとすごくまじめな話に見える。

あやめ14 天野しゅにんた

 中学生思春期エロワードコメディ。今回は老人ホームで演劇編。独特のおおらかな不思議漫画感は何者なのだろう。

ラブデス くずしろ

 怖くてちょっとじゃなくて歪んでるペアは今回も絶好調。この二人はもうまっとうな恋愛できなさそうだし、この子らにラブレター渡す子も相当チャレンジャー。冒頭の一コマにしかいないけど面白いキャラなのかも……。

花丸ハッピーエンド/畢竟デッドエンド 缶乃

 同時発売の『サイダーと泣き虫』から紹介用に二話が掲載されていました。感想は単行本の方でじっくりと。

俺と百合 倉田嘘

 「百合男子」第二部は割とシリアスっく展開?という印象の武蔵野くん回でした。しかし、しかし武蔵野くん、君は報われないオーラを纏っている気がしてしまうのです……。

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『演劇部の魔女と騎士』犬丸

概要

演劇部の魔女と騎士
犬丸
新書館ひらり、コミックス
2015.2.28

 百合アンソロジー『ひらり、』のvol.3〜14、増刊の『ほうかご』vol.1〜2掲載作に描き下し1編を加えたもの。カバー下、各話の幕間に四コマやイラストが配され、扉ページのカラーも新作。掲載初期の分(たとえばvol.3「魔女と騎士」)ではほぼ丸ごと描き直されているようです。雁須磨子の推薦帯が巻かれ、巻末には小川一水の解説が2ページあります。

ストーリー

 中高一貫教育らしき女子校の演劇部が舞台。メインに据えられるのは魔女ウィッチこと唯地ゆいち騎士ナイト役の内藤の二人。この二人に加えて、二学年下から三学年上まで十人以上が関わる群像劇的な連作短編集です。全十四話。

オススメポイント

 登場人物多め+時系列が話順ではないということもあって戸惑うかもしれませんが各話ごとの登場人物を追ううちにそれぞれの関係性も見えてきます。むしろ、それぞれの話で脇役であったりするキャラも含めて作中の演劇部が受け継ぎ織り上げていくものが見えてくると、そう極端に多くないはずの登場人物相互の関係が気になり、複雑さを意識することでしょう。
 キャラたちの間には凛とした距離感が保たれ、百合漫画ではあってもペアの熱々っぷりをメインに見せるタイプではないです。ふと二人きりになった登場人物たちに距離が縮まる瞬間が訪れ、部活のにぎやかな空間から二人きりの張りつめた空気に切り替わる。その瞬間がたまらなく素敵なのです。
 全話を通じてぐっと来たのは火ノ見さんという自由人キャラ。火ノ見さんを軸にした「私たちの知らない2、3の事情」と「ありふれたかくしごと」の最終二話がダメ押しとなって掛け替えのない大切な話となりました。今回、単行本で読んでも改めて「大好きだ」と確認できた次第。
 登場人物の関わりに戸惑った方は作者がTwitterで投下した人物相関図で整理できるかも。(掲載誌が年三回刊だったこともあり連載中はとてもありがたかった)
 小川一水の解説も熱心な百合漫画読者による声援のようで頬が緩んだのでした。
 試し読みページできていました。

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『聖純少女パラダイム』森島明子

聖純少女パラダイム
森島明子
新書館ひらり、コミックス
2015.2.28

 アニメ『ユリ熊嵐』のキャラ原案&コミック版を担当している森島明子の百合連作です。百合アンソロジー『ひらり、』に掲載された作品に、登場人物たちのその後を描いた描き下しを加えたもの。キラキラ系少女漫画テイストの『ひらり、』での連載ということでタイトルに埋められた文字通り聖&純な方向に振られた話になっています。もちろん森島明子のポップで馴染みやすい作風はそのままに。

 上品で華やかな女子校ドリームを持って聖パラダイム学園に入学してきた葵。同性の恋人を得るんだ!と意気込んで入学したリリ。この表紙の二人を軸に生徒会の二人組、文芸部の二人組を描いていくスタイルです。ぷにっと柔らかそうなほっぺほした森島明子キャラたちが友情や恋の位置づけを手探りしていきます。

 キャラでは生徒会組の王子様キャラ・ユキが大変好みなのでした。

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