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『聖エセルドレダ女学院の殺人』ジュリー・ベリー

聖エセルドレダ女学院の殺人
ジュリー・ベリー著
神林美和訳
東京創元社 創元推理文庫
2017.1.12

 発売の少し前にTwitterのタイムラインにこの本の紹介が流れてきました。収録されている解説の抜粋とともに。

webミステリーズ・海外ミステリ出張室「大矢博子/ジュリー・ベリー『聖エセルドレダ女学院の殺人』解説[全文]」

 この解説の時点でとても面白そうです。時代設定がヴィクトリア朝。少女たちの寄宿学校。殺人。ちょっと捻りの利いた登場人物紹介。発売日に本屋でゲットし、二日ほどで読んでしまいました。

 物語冒頭2ページで起きる殺人。露見によって寄宿学校から実家に送り返されてしまうことを恐れた少女たちは事件を隠し、彼女たちだけの寄宿生活を続けようと奮闘を開始します。もうこの時点で「無理。絶対無理。ノーフューチャー」感が漂います。でも、あれ? あれ? ちょっとコミカルに、運にも助けられ、少女たちは犯人探しをしながらぎりぎりの無理を押し通して……いけるの?という感じで先へ先へと読み勧めさせてくれます。面白い!
 確かに時代設定はヴィクトリア朝ですし文化や描写も時代感はありますが、ミステリとしての描かれ方は現代のもので古い少女小説の(違和感のある)常識みたいなものは一掃されていて現代の読者として戸惑うこともありません。謎解きを中心に据えた「本格ミステリ」ではなく事態の展開を楽しんでいくタイプでした。
 まあ、とにかく上にリンクを貼った「解説」を眺めてみてください。面白そう!と思えた人であればハズレということはないはず。

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