カテゴリー「レビュー」の92件の記事

STAX SR-003mk2

20190521_01

 

 そろそろ暑くなりそう、と使用感が少々暑苦しい静電容量型ヘッドホンSTAX SRS-3170Aイヤースピーカー部SR-307を装着感の軽いSR-003mk2に入れ替えてみました。以前から使っていたSR-001mk2(ポータブル型)で装着感が気に入っていたので同じ形の据え置き用を買ってみよう!と。一聴し。
「あ、これ、いい!」
 音の傾向も好みです。装着感もSR-001mk2のまま。
 SR-307はコントラストの強いくっきりはっきり、無音部分がとても無音に聞こえてポップスの多くには合うのですが、一方でピアノやヴァイオリンの残響がすっと消えて聞こえることもあってやや寂しく思う面もありました。ピアノでストップを開放してぎょわーんと音を響かせた時に、SR-001mk2で気に入っていた感じがなかったのです。一方でSR-001mk2は明らかに音がぼんやりしていて「ポータブル用のアンプだとさすがに辛かったかな」という印象でした。
 それがSRS-3170AのアンプSRM-323SとSR-001mk2とほぼ同じイヤースピーカー部・SR-003mk2と組み合わせてみると音の柔らかさ・コントラストが低めであるのはそのままに細かな音がすっきり拾えてくるようになりました。SR-307での「こんな細かな音まで拾えてくる……」みたいなびっくりする感じは薄くはなりましたが。

  • ケーブルはSR-001mk2と同じ細めのままジャック部分が据え置き機用になった感じ
  • 耳に触れる部分はカナル型イヤホンのイヤーピースそのもので、イヤーピースはSR-001mk2までの長円型から円型になっていた。取り付け部のイヤースピーカー本体側は長円型のまま。
  • SR-001mk2の購入時は最初はほんとうにぼけぼけの音がしていて次第に音が澄んでいったけれど今回は最初からすっきり澄んだ音がする。

 というわけで暑い時期はこの軽くて蒸れないSR-003mk2でお気に入りの音楽を聴こう、と楽しみになりました。

20190521_02

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DENON DA-310USB購入

DAC購入

 2017年秋にiMacを新しくした際、それまで使っていたM-AudioのAudiophileというDTM用オーディオインターフェースがMacOSの更新に追従できなくなってPCで音楽を聴く環境がなくなっていました。というわけでDACの更新をすることにしました。条件は、

  • STAX SRS-3170と接続して使う
  • PCと接続できるDAC
  • ハイレゾ(96kHz/24bit以上)に対応していること
  • DSDも聴きたい
  • LINEOUTの出力にアンプを通さないこと
  • Macの標準USBオーディオドライバで認識すること
  • あんまりお高くない無難な値段と品質

といったあたり。単体のDACというのは今はあまり流行らないようで商品カテゴリ的にはヘッドホンアンプ扱いのようです。FOSTEX HP-A4maranz HD-DAC1、あるいは近い価格帯の中国の新進メーカーのものも候補に挙がったのですが今ひとつ絞りきれず、上記の項目に確実に対応していそうなDENON DA-310USB(公式サイト)を買ってみました。オーディオものは商業レビューもAmazonや価格コムのカスタマーレビューもあてになりそうになりそうになく、けっきょくテキトーにポチ。

DENON DA-310USB/SP届いた

 届きました。

 Macだと接続も設定も簡単。ただ繋いで、OS標準の「MIDIオーディオユーティリティ」でフォーマットを選ぶだけ。ドライバのインストールは要りません。

DA-310USB+STAX SRS-3170(Classic System)印象

 ここしばらくはiMacのヘッドホン端子にSTAXを繋いでいたのでそれとの比較です。

DENON DA-310USB開梱

DENON DA-310USBをSTAX SRS-3170に接続

 音が、すっきりしました。

 四万円前後する機器を介した感想がそれだけというのもアレですが。本当にそれだけ。細かな音がよく拾えるようになったとか、ヴァイオリンの高い音がヒステリックじゃなくなったとか、低音がもんやりしなくなったとか、高くて細い音や低くてさっぱりした音がきっちり鳴るようになったとか、録音の良い音源が立体的に聴こえるようになったとか、音の鳴ってる空間が広く感じられるようになったとか色々ありますが、一言にまとめるとただ「すっきり」。以前のDTM用のユニットと比べても(iMacの端子と比べると変化の幅は小さいですが)同じような印象になります。STAXってこういう雑味のない音だった、みたいな感じです。

 波形の補完技術が効いているのでしょうか、youtube等の動画サイトやwebラジオの配信音声が圧縮されすぎてキョロキョロへんな音になったりすることがほとんどなくなりました。

 音以外について。
 稼働状態を表す小さな画面は有機ELだそうで入力の切り替えがタッチであったり、設置の縦横を自動認識したりのスマートフォン的なギミックがあるのを実物を手にしてから知ってちょっぴり感心したのでした。
 再生ソフトの側でサンプリング周波数を音源データのまま同期で出力してやるとDA-310USBの表示が44.1kHz、48kHz、96kHzと変わるのもちゃんとデータいじらずに出せているのがわかって良いです。

売り文句

 Advanced AL32 Processing Plus、DDFATMといった技術が宣伝文句に並んでいますがこれらはON/OFFできず、聴感上の効果は確かめようがないです。アナログ回路の設計や部品についても比較対象がありません。以前は見つけられた「同じ価格帯のものを買い揃え比較レビューするサイト」も見あたらなくなってしまいました。長く続く景気低迷のためでしょうか。

ハイレゾ

 DSDを聴いてみたい!と選んだDA-310USB/SPですがe-onkyoを覗いてみても追いかけているミュージシャンのDSD音源がありません。なんでじゃー。96kHz/24bitの音源も少ないし……。

STAX SRS-3170

 静電容量コンデンサ型ヘッドホンのSTAX SRS-3170というモデルを使っています。他にSR-001mk2という、同じくSTAXのポータブル静電容量型ヘッドホンの旧型機も。今回はこのSRS-3170をDENON DA-310USBに繋ぎました。
 STAXの静電容量型ヘッドホンは通常のヘッドホンとは仕組みが違うため専用のアンプ――ドライバが必要で、ヘッドホンとセットになったシステムが用意されています。SR-3170は十年ほど前の中級モデル。

 STAXの静電容量型ヘッドホンは音色の繊細さが高く評価されています。クラシックファンの支持の篤いメーカーの製品。一方でバスドラやエレキベースの力強さを楽しむようなタイプの音楽だとあまり迫力が出ない、ともいわれます。聴いた感じも概ね評判通り。クラシックの器楽曲、ギター曲、室内楽、小編成のオーケストラはとても素敵に聴こえます。これらはSR-001mk2でもSRS-3170でも同じで、据え置き型のSRS-3170の方がより繊細な音が拾え、より低音がタイトでしゃっきりし、楽器ごとの音の分離がより良いです。

 イ・ムジチのヴィヴァルディものやトラジコメディアの「アンナ・マグダレーナ・バッハのための音楽帖」、ヒラリー・ハーンのバッハなどをSTAXで聴くのがとても気に入ってます。DA-310USBでは以前のDTM用音源よりも気持ち、iMac直との比較ではずっと、楽しく聴けるようになりました。

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Kindle Paperwhite マンガモデル購入

Kindle Paperwhite マンガモデル購入

 Kindleのセールをやっているのを見てなんとなく買ってみました。

 先日購入したpomera DM30と並べてみると……。

  • フロントライトを点灯したKindle PaperwhiteはDM30よりコントラストが高い
  • フロントライトを消したKindle PWはDM30より白地が暗い
  • 解像度の高いKindle PWの方がDM30より文字が圧倒的にきれい
  • Kindle PWはページを繰っても残像があまり目立たない(ページ書き換えだけでも軽度のリフレッシュが作動している?)
  • Kindle PWは画面の更新がページ書き換えのときだけなのでレスポンスが悪くても気にならない

Kindlepw02

Kindlepw03

 画面回りのスペックを比較してみます。

Kindle Paperwhitepomera DM30
画面サイズ6inch6inch
解像度300dpi167dpi
照明フロントライトなし


 小説の中に入れた画像がKindleでどう表示されるのかも確かめたかったのですが、割と想像通りだった下の写真のような部分もあれば意に沿わず画面横幅いっぱいまで拡大されていたり、文章の回り込みがおかしかったりする場所もありました。よくわからない……。

Kindlepw04

 Kindle PWはEinkの特性と用途がとても合っている上に高精細化で低下しているコントラスト(地の白さ)を出来の良いフロントライトの搭載でうまく相殺できていて製品としての完成度の高さを感じます。一方のDM30は解像度的にはpaperwhite以前のKindle相当でフロントライトなしでの地の白さと書き換えレスポンスを獲得しているようで工夫を感じます。


Kindle Paperwhiteマンガモデル

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pomera DM200をプラリペアで修理

壊れたかも

 pomera DM200は購入時点でヒンジ周りに多少のガタがありました。蓋の開閉に多少遊びを持たせて凸凹のある机の上でも安定するようになってるのかな?という感じ。
 ところが一年以上使ううちにヒンジ周りのガタが大きくなっていました。振るとカラカラと何かが動く音もします。そして店頭展示機に触れてみて、あれ?違う?と。

 中で壊れているのかも……。

DM200分解

 ヒンジ周り壊れてる疑惑を確かめるべくプラリペアと精密ドライバーを用意していざ分解です。

DM200 ヒンジ アンカー 周辺 破損

 本体底面の5本のネジを#0精密ドライバーで外し、ぱちん、とハマるタイプのスナップを外すとキーボード側と底面カバー側に分かれます。ヒンジの周囲を確かめてみると……上の写真のようにヒンジを固定するネジを受ける埋込アンカーが丸ごと筐体底面からすっぽ抜けていました。アンカーの周囲を囲んでいたはずのABS素材も6本中4本が割れてネジが利かなくなっていました。

DM200をプラリペアで修理

 プラリペアはプラスチックの割れ、欠けの補修に便利なアイテム。粉に溶剤を垂らして米粒のような団子にしたものを破損箇所に盛り付けて修復します。1時間ほどで完全に硬化し、補修後の強度も十分に出る――というわけで

DM200修理完了

 ヘタクソであまりきれいに仕上がりませんでしたがヒンジ固定用のアンカーの再固定ができました。早速、組み直して起動。ちゃんと動いた。良かった! 肝心のヒンジ周りもガタが減りました。

注意

  • 筐体底部とキーボード側を繋ぐスナップ部分は分解時に固定用の爪を欠いてしまいがちな造りです。記事を載せておいてなんですが分解はお勧めできません。

おまけ 破損部の強度

 アンカー部分を囲む樹脂の壁があまりに薄いように見えたのでABSの設計ガイドラインを調べてみました。汎用のものです。

Metalinsert
ABS/AS樹脂における成形部品設計の基礎的考え方より

 上で「アンカー」と表記したものは正確には「メタル・インサート・ボス」と呼ぶらしくインサートを支えるABSの側壁はインサートの直径の70%の肉厚が推奨されているようです。が、DM200のインサート部の側壁は(大まかな計測では)同40%弱の肉厚しかないようで心許なく思えます。
 価格コムのクチコミ掲示板などでも同様にヒンジ取付部が壊れ、固定されなくなったヒンジに圧迫されたディスプレイケーブルが破断しディスプレイの色がおかしくなったり表示されなくなったりしているようです。(提示されている症例がわずか二例なのであまり頼りになりません。DM100でもほぼ同じヒンジマウント部の割れ事例がネットで見つかります)
 ヒンジ基部の破損が起きてもユーザの体感的には「微妙にぐらつくかな?」くらいなので支障はないようにも思えますが隠れ症例が多そうな気もします。
 また、液晶側のヒンジ固定部分も遊びがあるので中を見てみたいのですが見えているネジがなく本体側よりスナップ依存度が高そうで分解がためらわれます。

DM200の液晶側分解

 ヒンジ基部修理後程なく、DM200の画面が赤くなりました。分解作業で壊してしまったのかも……。

Dm200の液晶が赤くなってしまった

 写真では本来白黒のはずの「黒」の部分が赤くなっています。筐体の一部(ディスプレイケーブルが収まっているあたり)に力を加えてみると稀に白黒の「白」の部分がシアンになり黒が黒く表示されたりすることもあり、どうやら本体基板と液晶を結ぶケーブルにアナログ信号が流れていてRGBの赤チャンネルが断線/短絡のどちらかになってしまっている模様。上で「ためらわれます」と書いたのですが、良い機会なので液晶側の分解も試みてみました。

DM200液晶側分解 pomeraと刻印のあるヒンジカバー

DM200液晶側分解

 液晶側の筐体は外蓋+ヒンジ、液晶パネル側ベゼル+液晶、ヒンジカバーの三つのパーツで構成されていて、ベゼル面にあるゴム足四つの下に隠されたネジを外すと後はすべてスナップで固定されています。分解は前提とされていないようで、ヒンジカバーのスナップを外す際にはまず間違いなくスナップの爪を欠いてしまうと思います。
 分解写真後者に写るヒンジのネジが微妙に緩んでいるのがわかると思いますが、分解したままの状態です。

 分解した状態で液晶ケーブルの基板側コネクタ部分にかかるテンションを変えたり、配線の取り回しを変えると液晶の表示が白赤になったりシアン黒になったり表示が乱れたりします。ケーブルを慎重にチェックしてみたのですが断線/短絡している箇所は見つけられませんでした。
 緩んでいたヒンジ取り付けネジを締め直し、画面が正常に映ることを確認しながら液晶ケーブルにテンションがかからないよう取り回しテープで固定しつつ再組立。
 一週間ほど使ってみていますが画面は正常な白黒表示を維持しています。う〜ん?

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小説創作のための pomera DM30 vs. DM200

pomera DM30 購入

 6/11にDM30の展示機に触れて気に入り、JustMyShopでクーポンやらポイントやらを合わせると他の通販最安値より安くなったのを見てポチ。6/13に届きました。

pomera DM30購入

 店頭展示で触れてDM200の方が小説創作で便利なことはわかったのですがそれでも購入したのは

電子ペーパーの見え方がすごく好きだ……。

ということに尽きます。表示レスポンスが悪いというデメリットを許容できるかどうか試してみたくなりました。

解像度比較

pomeraシリーズ解像度比較
モデル 画面サイズ
inch
横pixel数
dot
縦pixel数
dot
解像度
dpi
DM10 4.0 640 480 200
DM20,25 5.0 640 480 160
DM5 4.0 320 240 100
DM100 5.7 800 600 175
DM200 7.0 1024 600 170
DM30 6.0 800 600 167

サイズ比較

DM200 vs. DM30 @スペック

DM200 vs. DM30スペック比較
機能\機種 DM200 DM30
サイズ 263×120×18mm 156×126×33mm
重さ 580g 450g(電池無)
505g(電池込)
駆動時間 18時間 20時間
最大編集文字数 約10万字 約5万字
文字コード utf8、ShiftJIS ShiftJIS
フォント 明朝、ゴシック ゴシック
大きなサイズのフォントはアウトラインにぎざぎざが出る
アウトライン
フレーム
ページ単位での区切り表示がなくなり機能の意味がわからなくなった
×
カレンダー
電子辞書 類語、国語、英和、和英 国語、英和、和英
データ転送 QRコード、USB接続、SDカード、WiFi QRコード、USB接続、SDカード

かな漢字変換

 DM200とDM30の変換精度を比較してみます。素材は青空文庫の「走れメロス」。

 メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した。メロスには政治がわからぬ。メロスは、村の牧人である。笛を吹き、羊と遊んで暮して来た。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。きょう未明メロスは村を出発し、野を越え山越え、十里はなれた此のシラクスの市にやって来た。

これを一切の修正なしにできるだけ長い文節で変換させて入力してみたものです。は完全に誤変換、は不正解ではないけれど原文通りではない変換。

 メロスは激怒した。必ず、かの邪知暴虐の王を覗かなければならぬと決意した。メロスには政治がわからぬ、メロスは、むらの牧人である。笛を吹き、羊と遊んで暮らしてきた。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。今日未明メロスは村を出発し、野を越え山超え、十里離れたこの氏ら楠位置にやってきた

pomeraDM200

 メロスは激怒した。必ず、かのじゃ地暴虐の王をのぞかなければならぬと決意した。メロスには政治がわからぬ。メロスは、村の牧人である。笛を吹き、羊と遊んで暮らしてきた。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。今日未明メロスは村を出発し、や真声、十里離れたこのシラク巣位置にやってきた

pomeraDM30

ファーストインプレッション

 DM2桁の折り畳みキーボード機としては歴代で一番大きく重く、畳んだ状態で鷲掴みにした手応えはずっしり。厚みがかなりあります。とはいえDM200はB5長辺の収まる鞄を用意する必要がありますがDM30であればもっと小さいハンドバッグ、クラッチバッグの類で十分で携帯性はDM200との比較では良いです。厚いけど。

 電子ペーパーは液晶とは質感が違います。「見やすい」とか「目に優しい」かは一概にいえませんが光の当たり方に対する見え方が落ち着いていて大変好ましく感じます。ベゼル部分の段差が画面に影となって落ちることもあり表示領域周辺に余白が欲しくなります。

2

 DM200に比べてDM30の方がはっきりと良いとわかるのが剛性感のある筐体。DM200はDM2桁シリーズに比べるとやや心もとなく、画面側の蓋を開閉するときに「ぎしっ」という感触が伴います。DM30は蓋の開閉もキーボードの展開もかっちり。歴代ポメラの中で一番しっかりしている感触。

 画面表示の遅い電子ペーパーが前提となる操作は独特です。▲▼◀︎▶︎キーを一度だけ押すとパソコンや他のpomeraと同様一文字・一行カーソル位置が動きますが、長押しにすると数文字・数行単位でカーソルが飛び思った位置で止めるのが難しいです。Ctrl+◀︎▶︎の一単語単位のジャンプやAlt+▲▼◀︎▶︎の行頭・行末ジャンプ、数行スクロールを併用するのが快適。……なはずですが一単語ジャンプのCtrl+◀︎▶︎◀︎▶︎のみの動作と同じ。うーん。(初期ファームウェア)

 DM30の検索・置換機能は高速です。DM200より圧倒的に速いです。

 キーボードの折り畳みギミックは手堅い機構でportabookや旧DM2桁機のようなトリッキーさがなく、開閉もスムーズで打鍵時も十分に安定。DM100や旧DM2桁機よりも質の良い感触です。大抵のノートPCに負けない剛性感。DM200比ではキーの押し下げが少し硬く、底突き感はかっちり明瞭です。DM200の方がわずかに静かでソフト。

 eneloopでの実駆動時間はカタログ値の20時間しっかり持つようです。

 microUSB端子に電力を供給すると電池不要で稼働します。eneloopを取り出しての充電中でも利用可能。家電量販店の店頭デモはUSBからの電源供給で動いていました。

おもしろポイント

 [設定]-[電源の管理]画面で「パワーオフ画面」を「編集画面」にしておくと電源が切れていても編集中の画面を表示したままにできるのは電子ペーパーならでは。

 キーボードの折り畳む部分、片側二カ所ずつに磁石が仕込んであり、下向きのまま画面を開いてもキーボードが不用意に開いたりしません。芸細。

Q&A

  • :電子ペーパーは見やすいですか?
  • :紙の印刷物よりは地の白色は暗く、黒も真っ黒ではなく、紙の本より少し明るい場所が合います。屋外のようにうんと明るい場所は液晶より圧倒的に見やすいです。逆にコーヒーショップやファーストフード店だとやや明るさが足りず見づらいです。
  • :電子ペーパー画面の反応が遅いそうだけれど入力速度に影響はありますか?
  • :速く打鍵してもキーの取りこぼしはないため表示を待たずにタイプできる人は問題ないと思います。変換結果の選択や範囲指定、カーソル移動では操作性はかなり悪いです。
  • :電子ペーパーには残像があるそうですが気になりますか?
  • :紙書籍の裏写りと似た感じです。時間が経っても残像は勝手に消えず残ります。私はあまり気にならないです。
  • :折りたたみ式キーボードは不安定では有りませんか?
  • :机の上や硬いカバンの上で広げる分には実用範囲。膝の上など柔らかな場所では重心がヒンジ寄りであることが災いし、手前側が浮き気味になってかなり打鍵しづらいです。
  • :DM30とDM200、打鍵感はどっちが良い?
  • :私はDM200に軍配をあげます。
  • :変換精度は良いですか?
  • :DM200と比べると悪いです。旧DM2桁機よりは確実に良く、DM100と比較しても改善されていると思います。【単語登録】【ATOKオプション】に補助辞書が20ほどあるので用途に応じて追加すると使いやすくなります。
  • :起動時間は?
  • :画面のある蓋を開いた段階で電源が入り4〜5秒で使用可能になります。DM100、これまでのDM2桁シリーズよりは明らかに遅くDM200とほぼ同じ〜わずかに遅いくらいです。
  • :ファイル転送手段が減ったのは影響ある?
  • :DM200にはあったWiFiとBluetooth機能がDM30では無くなりましたが私の使い方では特に不便は感じません。メモはQRコードのテキスト転送で手軽にスマホに送り込み、小説はUSB経由でPCと接続してrsyncコマンドで同期させています。

小説創作におけるDM30 vs. DM200

 DM200で小説創作に役立った機能の筆頭がアウトラインです。DM30のアウトライン機能もDM200に搭載されたものと同じです。DM200とDM30では画面の広さが違い、DM200の方が広々と使えるのは確かですが、実用上の差はないように思います。どちらでもアウトライン機能の恩恵は十分に得られます。

 DM200、DM30で共にありながら機能が違うものに「フレーム」があります。DM200では一行文字数・一ページ行数を指定して表示する機能で原稿用紙換算をする際に便利だったのですがDM30では同じ名前の機能でありながらページ区切り・ページ数が表示されず使い途のない機能になってしまいました。

 搭載電子辞書においてDM200とDM30で類語辞典の有無で差があります。

 かな漢字変換の変換精度、編集可能文字数、使用可能文字コードといった部分でDM200の方が長文・小説作成に向いていると思います。表示の見易さは暗めのところでも不便のないDM200が優位でしょう。

 DM200の内蔵バッテリーとDM30の単三電池も優劣はつけ難く正直「どちらでもいい」です。

DM30への不満

 購入直後に明確に不満を感じたのは

  • 取扱説明書の公開が発売日以降で予約のための情報が不足していた
  • 折りたたみモデルとしては大きく重くなった

といったあたり。

 ファームウェア更新で改善を期待するポイントはたくさんあります。

  • 編集可能文字数をDM200並みに。できれば30万字程度に。
  • Ctrl+F7で単語登録機能を呼びだした際に範囲選択してあった文字列を登録語句欄にセットして欲しい。
  • Ctrl+◀︎▶︎のショートカットを取扱説明書通りに単語単位でカーソル移動できるように。
  • 縦書き表示時のAlt+◀︎▶︎▲▼のスクロール、行頭行末ジャンプのショートカットが混乱している。ATOKの操作も含めて見直しを。
  • フレーム機能をDM200相当に。
  • メニュー【書式】【カーソル位置】を「終了時の位置で開く」に設定しても現在編集中のファイルの電源オンオフにだけしか適用されない。文書の読み込み時でも保存時のカーソル位置に復帰して欲しい。
  • 表示に先行して入力したキー操作が画面に反映されないことが(時折)ある。しばらく待った後で一動作加えると画面が更新されるが、キー入力の取りこぼしはなく余剰な動作が含まれた結果となっている。描画更新不足の改善を。
  • 電子辞書機能、単語登録画面において稀にかな入力モードであったのがローマ字入力モードになってしまうのをかな入力モードが保持されるようにして欲しい。最近は発生していないので取り消し。
  • かな入力モードにおいて全角の英数記号を容易に入力できるようにして欲しい。例:入力「ぬふぁぅぇぉゃゅょほ」(Shift併用)→「!"#$%&'()=」(PC版ATOKではF11「読みの英字/かな置換」で変換可能)
  • 「文字情報表示」をF7のショートカットから呼び出すような場合、機能終了後はメニュー選択モードではなく編集画面に直接戻って欲しい。単語登録なども。
  • カーソル移動やスクロール、検索移動した後で最後の編集箇所に戻れるキーショートカットが欲しい。
  • 編集画面側にフォーカスがある時に前/次のアウトライン項目へ移動するキーショートカットが欲しい。(DM200ではCtrl+▲▼) 表示レスポンスの悪い電子ペーパー向けにはより多彩なジャンプ機能・ショートカットが要るような気がする。

等。

 DM200相当の中身を期待するならばDM200を使い続けるのが良いようです。今のところ電子ペーパーが面白くて楽しく使っていますが、DM200で作成中の小説がDM30の分量制限に引っかかってしまい作業を引き継ぐことができません。分割して対応すれば良いのですが、分割管理の手間とリスクを取るくらいならDM200で作業します。DM200も初期ファームでは5万文字が編集上限だったので割り切れば良いのはわかっているのですが……。
 小説創作をはじめとする長文用の機種ではなくもう少し気軽な用途が向いているというのが第一印象でした。

関連記事

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Amazon echo dot 購入

Amazon echo dot を

 Amazon echo dotを購入しました。2018年3月20頃では招待制が続いていてリクエストから数日を経ての購入です。

 少し前にニュースが流れました。
「Amazon echoでKindlle本を読み上げられるようになった」
というニュースです。このニュースで購入意欲が生まれました。英語圏のKindleはごく初期の端末には音声読み上げ機能があったのですが、イヤホン端子のない新モデルとともにその機能が削がれてしまったのです。車社会のアメリカではKindleの音声読み上げ機能は運転の友として好評であったと聞きます。
 その一度は廃止された電子書籍の読み上げ機能がAmazon echoで復活したと知りました。しかも日本語でも。
 これは欲しい!
と購入を決めました。

echoの設定

 Amazon echo dotの導入は簡単でした。本体を電源に接続し、スマートフォンにAlexaをインストールし、WiFiとAmazonアカウントの設定をしておしまい。WiFi設定の手間があるのでどのみち「電源を入れるだけ」にならないこともあってKindleみたいにAmazonIDが入力済みで届いてもメリットは薄いのかもしれません。

Amazon echo の Kindle書籍読み上げ

 思ったよりスマートです。印象をまとめると、

  • 発声は割と自然。ボーカロイドのテキスト読み上げより滑らか。一太郎の詠太と同じくらいの滑らかさ。
  • 漢字の読みが文脈に合わないことがある。
  • 漢字の固有名詞の読みにルビが振られていてもルビは無視される。
  • ある程度の長さごとに読み上げが一時停止する。サーバの応答待ち?
  • 読み上げる書籍を音声コマンドから指定するのは困難。スマホアプリから指定する方が楽。
  • 所有しているはずの書籍が一覧に表示されないこともある。

 また書籍の朗読には向き不向きがあって

向く向かない
一文の短い文章一文の長い文章
読み方が一通りしかないような用字の文章漢語、難読漢字、専門用語
キャラクター少なめ複数キャラの会話シーン

という感じでAlexaの出来不出来に関わらず「朗読」という形式の問題や慣れがあるようです。ラジオ番組や朗読商品は素材の選択や読み上げスキルがかなり洗練されていることを改めて思い知らされます。

スマートスピーカーとして

 スマートホーム対応機器がないこともあってあまり役に立っていません。実用しているのは、

  • キッチンタイマー
  • ニュースや天気予報の読み上げ

くらいです。ラトックシステム スマート家電コントローラリモコンあたりを導入してスマートホーム化を試してみたい気はします。

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小説創作のための一太郎2018プレミアム

一太郎2018プレミアム購入

 一太郎をバージョンアップしました。2016から2018のプレミアム版へです。

 プレミアム版は

  • 一太郎
  • 広辞苑第七版 for ATOK
  • イワタ書体
  • 詠太
  • 花子
  • Shuriken
  • JUST PDF

のセットです。お目当ては小説創作対応の進んだ一太郎本体とテキスト読み上げ機能の詠太、久々の花子でした。

ダウンロード&インストール

 購入はJust MyShopのダウンロード版。Wi-Fiが遅かったのか本体ダウンロードに三十分近くかかってしまいました。インストールも同じくらいかかった気がします。少し古めとはいえCore i3のノートPCとSSDドライブで回線も光なのに……。
プレミアム版パッケージを全部ひとまとめにインストールするメニューなどもあってワンクリックでインストールが終了するのは便利でした。

瑛太

 楽しみにしていたテキスト読み上げ機能・瑛太。一昔前の不自然な声ではなく違和感の(比較的)少ない声で読み上げてくれます。朗読を楽しむという用途にはまだまだですが、校正機能の一つとして利用するなら効果的。黙読で校正を試みても意外に間違いに気づけませんが瑛太で読み上げながら文章を追うと目視で気付きにくい誤字が拾えます。また、瑛太では読み上げ速度が機械的に与えられるため、黙読で読み飛ばしてしまいがちなところをしっかり安定した速度でチェックできることも校正精度を上げる気がします。

一太郎:ルビ付テキストの読み込み

 一太郎2017から強化された機能。青空文庫的な《》ルビ記号のついた部分をテキスト読込時に一太郎の整形済みルビにしますよ、という機能です。

Ichitaro2018_01

 対応している記号が
|(半角のパイプ)ルビを振りたい文字《ルビ》 
ルビを振りたい文字ルビ
となっていて「どこで使われてるルールだろう?」と疑問に。調べてみました。

フォーマット記号結果
青空文庫|(全角) (字種境界までの場合省略可)ルビを振りたい文字《ルビ》ルビを振りたい文字ルビ
小説家になろう|(全角)もしくは|(半角)(漢字のみの場合省略可)ルビを振りたい文字《ルビ》ルビを振りたい文字ルビ
カクヨム|(全角)もしくは|(半角) (漢字のみの場合省略可)ルビを振りたい文字《ルビ》ルビを振りたい文字ルビ
エブリスタ|(全角)もしくは|(半角) (漢字のみの場合省略可)ルビを振りたい文字《ルビ》ルビを振りたい文字ルビ
アルファポリス#ルビを振りたい文字__ルビ__#ルビを振りたい文字ルビ
pixiv[[rb:ルビを振りたい文字 > ルビ]]ルビを振りたい文字ルビ

 全角|も対象になるとより実用的かな。贅沢を言うなら青空文庫の

  • 見出しタグ[#「○○」は×見出し]を段落スタイルに
  • 傍点

あたりにも対応して欲しいところ。
 あと一太郎の以前からの仕様なのですがCopy&Pasteではなく[ファイルの読み込み]からテキストを読み込む場合はShiftJIS限定。文字コードの自動判別が難しいのはわかるのですがさすがにそろそろUnicodeに対応しても良い頃合いです。utf8/16/32やBOMの有無を問わず。


 対応待ちをするよりも自前で、と青空文庫+αのテキストを一太郎上でルビや傍点装飾するマクロを作りました。その解説記事『DM200アウトライン記号&青空文庫ルビの一太郎変換マクロ』です。

一太郎:ソプラウィンドウDM200連携

 ポメラを愛用している人には嬉しいソプラウィンドウ経由の接続。新たにDM200にも対応していました。

  • 上の「ルビ付きテキストの読み込み」が適用されないらしい
  • ポメラ上にあるのがBOMなしのutf8テキストだと文字化けする

一太郎:文書校正

 以前は小説で一太郎の機械校正をかけると整っていない口語や擬音語が誤指摘だらけでうんざりさせられがちでした。それでも機械校正の強力さは魅力で愛用していた機能です。そのあたりの煩わしさが2017版から改善されていると知って試すのを楽しみにしていました。実際試してみると、うざくない! これなら十分に小説創作ユーザにお勧めできます。
 もちろん人力校正も欠かせないですが機械校正は人の眼では見つけづらい間違いを拾ってくれるので人力と重ねて利用することでよりミスの少ない原稿が作れます。おすすめ。ちょーおすすめ。詠太を併用した校正も重ねておすすめ。


ATOK2018

 普段ポメラを持ち歩き小説を書いていることもあってパソコン上での文字入力はあまりせず活躍の場面が少ないです。それでも2016版より動作も軽く変換効率もかなり改善されている気がします。MS-IMEでも不満のない身だったりするのであてにならないかもしれません。

ATOK:広辞苑第七版

 この記事を書くのにATOK版広辞苑を積極的に利用してみました。同義語もうまく引っ張ってきてくれたりるようになっているあたりは楽しいです。画像も入り語彙も多いです。
 小説創作向けのATOK版辞書ツールでのお気に入りは明鏡国語辞典です。テキストライティングの友として言葉の使い分けや文法に特化した明鏡は使い出があります。

一太郎&花子:モジグラフィ

 一太郎2016から搭載されていたモジグラフィ機能ですが今回初めて試しました。

Ichitaro_mojigraphy

 テンプレから選んでタイトルを入れるだけでかっこいいタイトル文字ができます。これイイ。デザインをいじりたいときは花子モジグラフィ+でテンプレから編集していけば細かく調整できました。使えます。題字デザインがいつも同じになってしまって思いつかない同人字書きさんに強くお勧め。


花子

 visioあたりがライバルの感じでしょうか。パーツを使って図を組み上げていくのが得意なタイプのようです。フローチャートや回路図の部品が用意されていたり、ビジネス文書や学校の配布プリント用らしきテンプレートが用意されている、と紹介すると想像できるのではないかと思います。UIもきれいに整理されていてMS-DOS時代を引き継ぐ混沌とした一太郎と比べると非常にすっきりとわかりやすくなっています。
 自由なベジェ曲線も描けるのでInkscapeにかなり近いことができます。ノード座標の数値指定などは得意でないようなのでマウス操作メインの図形作成向きです。
 一太郎に貼り付けた花子の図形、ベクトルデータのままPDFや電子書籍に出せるようになるといいなぁ。
 花子で作った図形をSVGで保存するとブログetcにもベクトル画像のまま貼り付けできたりします。

 2018年11月の文学フリマ用新刊『宝石の翼 セリエルの空』の表紙を花子で作ってみました。

『宝石の翼 セリエルの空』表紙

 飛行機の平面図とレタリングが花子上での作成で背景にした青いテクスチャはフリー素材サイトのブループリント柄を利用しました。題字は花子モジグラフィ+です。

 一太郎2019プレミアムでは同人誌の表紙に便利な塗り足しやサイズ計算機能が載ったようです。うー。次も更新したくなっちゃうなこれ……。

花子と一太郎

 2018年5月の文学フリマ東京用に一太郎と花子の組み合わせで図の多めなフリーペーパーを作ってみました。PDF版も公開してます。

Freepaper001
Freepaper002
Freepaper003
Freepaper004

 四ページ、一枚を二つ折り・両面印刷したペーパーです。題字は花子モジグラフィ+をベースに少しだけ加工したもの。図も花子の部品と基本図形の組み合わせ。楕円軌道リングの形だけ座標からのプロットです。
 作業しながら思ったのですが、一太郎と組み合わせる花子は快適です。文字グラフィも頭の中に抱えているデザインのストックの少ない字書きには雛形が提示されるのがとても便利。Inkscapeに比べるとレスポンスも軽快ですし、何より一太郎に図を貼る時にビットマップのdpiマッチを気にしなくて良いベクトル図形というのが気に入りました。
 少しだけ不便に感じたのは花子で作った図のデータ量が大きくなりすぎると一太郎側の画像枠にうまく表示(印刷も)されなくなってしまうことです。フィルタを多用した花子画像だと顕著な模様。惜しい。

感想まとめ

 一太郎2016、あるいはそれ以前のバージョンからの更新で一番気に入ったのは校正関連機能です。擬音語の校正指摘抑制+詠太で校正作業がとても捗ります。自身の書く文章は間違いが少ない、あるいは目視校正で完璧と思っている人にこそ試して欲しい機械校正。
 花子の印象も大きく変わりました。広辞苑第七版やフォント、詠太を目当てにプレミアム以上のバージョンを買った人も一度花子を試してみるのをお勧め。

 記事は少しずつ書き足していくつもりです(2/18)

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SAMYANG 8mm F2.8 FISHEYE2 for SONY E-mount

魚眼レンズを買いました

 SONY NEX-5Rというレンズ交換式カメラを使っています。そのNEX用に魚眼レンズを買ってみました。

SAMYANG 8mm F2.8 FISHEYE2 for SONY E-mount

 「対角魚眼」というタイプで対角線画角が約180度になる魚眼レンズです。マニュアルフォーカス、手動絞り、電子接点無しの素朴なレンズ。最短撮影距離が30cmということで本来広角レンズが得意とするはずのマクロ撮影ができないのが少しだけ残念なくらい。

レンズの印象

 このレンズはとてもコンパクト。鏡胴は分離不能な花形フード部分まで含めてマウント外径そのままで全長も65mm程度。突き出した前玉のためにフィルタ類は使用不可で専用のレンズキャップが付きます。金属製のピントリングはフィルムカメラ時代を思い出させる重い回転でピント位置固定で使うことの多いだろうMF/超広角魚眼らしいもの。ちょっと惜しいのがピントリングに絞り値別の被写界深度表示が入っていないこと。ミラーレス機用ということで液晶画面でピーキングや拡大表示できるから不要、ということなのかな。

写り

 実際の写りはどうかというと。

Manekineko GOUTOKUJI

tubes

National Museum of Nature and Science, Tokyo

National Museum of Nature and Science, Tokyo

 すっきりピシッとした単焦点レンズらしい描写のレンズです。色のノリも抜けも良くて解像も良くて。魚眼ゆえの歪みも面白く、くせになりそう。

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小説創作ユーザのための「ポメラ」DM200レビュー5・かな漢字変換編

逐次変換(自動変換)

 いつの頃からでしょうか、ATOKに自動変換モードというのが搭載されました。Mac OSでも10.11のかな漢字変換から自動変換モードがデフォルトになりました。ATOKが搭載した頃の自動変換は変換の精度もあまりよくありませんでしたがMac OS 10.12 Sierraの自動変換は使い勝手も悪くなく、Twitterの書きっぱなしのつぶやきや間違っていなければ良い程度の社内向けのビジネス文書であれば大変快適に使えるようになりました。

精度の高いかな漢字変換とその比較

 Windows環境では2016年版のATOKを使ってみています。MS-IMEも使っています。MacではOS標準のかな漢字変換です。(以前は「ことえり」と名前が付いていましたが今は固有名詞がなくなりました) どの環境でもちょっと前と比べると変換精度は良くなっています。特に長い文節を入力してやると単語同士の関わりを判別して変換結果が良くなります。お気に入りのpomeraDM200が搭載するATOKも同様です。
 これらの現在のかな漢字変換能力の比較をしてみます。

 題材は青空文庫に収録されていた太宰治「走れメロス」の冒頭です。

 メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した。メロスには政治がわからぬ。メロスは、村の牧人である。笛を吹き、羊と遊んで暮して来た。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。きょう未明メロスは村を出発し、野を越え山越え、十里はなれた此のシラクスの市にやって来た。

 これを

  • Mac OS 10.12のかな漢字変換
  • MS-IME
  • ATOK2016
  • pomeraDM200

で一切の修正なしに自動変換もしくはできるだけ長い文節で変換させて入力してみたものです。は完全に誤変換、は不正解ではないけれど原文通りではない変換。

 メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した。メロスには政治がわからぬ。メロスは、村の牧人である。笛を吹き、羊と遊んで暮らしてきた。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。今日ミメイメロスは村を出発し、超え超え、十離れたこのシラクスの位置にやってきた

Mac OS 10.12かな漢字変換

 メロスは激怒した。必ず、かのじゃち暴虐の王を除かなければならぬと決意した。メロスには政治がわからぬ。メロスは、村の牧人である。笛を吹き、ヒツジと遊んで暮らしてきた。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。きょう未明メロスは村を出発し、野を超え重利離れたこの詩絡子にやってきた

MS-IME(Win10)

 メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した。メロスには政治がわからぬ。メロスは、村の牧人である。笛を吹き、羊と遊んで暮らしてきた。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。今日未明メロスは村を出発し、野を越え山、十里離れたこのしら楠位置にやってきた

ATOK2016

 メロスは激怒した。必ず、かの邪知暴虐の王を覗かなければならぬと決意した。メロスには政治がわからぬ、メロスは、むらの牧人である。笛を吹き、羊と遊んで暮らしてきた。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。今日未明メロスは村を出発し、野を越え山超え、十里離れたこの氏ら楠位置にやってきた

pomeraDM200

 どれもなかなか優秀です。固有名詞や助数詞「里」を単語登録しておけば赤字の誤変換はごくわずかになるはず。

打鍵数最小化への不満

 私は上のどのかな漢字変換にも不満です。誤変換は昔に比べれば格段に減りましたが、かな漢字変換が優秀になっても青の部分のような「正しいけれど望みと違う変換結果」が避けられないからです。この避けがたい問題がある限り私は

  • 単文節変換
  • 学習オフ

が可能なかな漢字変換機能を望むことでしょう。

 単文節変換&学習オフを望むのは「決まった回数変換キーを押すと必ず望んだ変換結果になる」ことがその文節を入力している段階で確定するからです。望んだ変換結果を出現させるのに必要な変換キー操作回数を記憶しておき、目で確認することなく機械的に指を動かして望みの結果を得るという方法です。この入力方法は、黎明期のワープロ専用機では一般的でした。可能な限り長いフレーズを入力して変換・確定してやる(と変換効率の上がる)という方法より今でも高速です。

逆戻りの苦手な思考

 ヒトの意識は逆戻りが苦手です。長いフレーズを入力した後にその文頭近くに注意を引き戻して変換結果をチェックするためには一度打鍵する手を止めねばなりません。単文節で一語ずつ確定していけば変換・確定キーを押す回数は増えてもずっと指を動かし続けられます。
例えばローマ字入力で「BUNSYOUWONYURYOKUSIMASU」と打つときにアルファベットを一々意識することはなく「ぶんしょうをにゅうりょくします」という音列から自動的に指が動いてアルファベットキーが叩かれる人が多いはず。その「自動的に指が動く」範囲をかな漢字変換の結果まで広げて習熟させるのが上で述べた単文節+学習オフという環境です。漢字かな混じりの文章を頭に思い浮かべると、指+無意識が変換作業まで処理してくれるようになります。入力・変換の終わった確定した単語は頭から追い出し、意識を次のフレーズに向け続けることで口述筆記に近い速度(200〜250字/分)での打鍵を続けることが可能になります。
 もちろん小説文を生成するのにそんな速度は維持できませんが。
 単文節変換+学習オフよりもさらに確定的で高速な入力方法に「漢直」があります。習熟難度も高いですが速度は圧倒的です。

単文節+学習オフのできない今の環境

 MS-DOSからWindowsへの移行あたりからでしょうか、ハードウェアの性能が上がりかな漢字変換も文脈を利用して変換精度を上げるようになってくると「打鍵数最小」への傾向が強くなります。スマートフォンのような入力に困難のある機器の普及で決まったフレーズを自動生成する推測変換まで登場するようになりました。そしていつの間にかパソコンのかな漢字変換からも学習機能のオフが消え、逐次変換が標準となりました。漢字を開いてかなにするかどうか、書き手が決めるのではなく妥当・普通であるものが先に提示され、望む形に訂正するのに余計な労力がかかってしまう。
 書かれている内容だけで用の足りるビジネス文書であれば間違っていないだけで十分です。ですが、小説は大まかに意味が伝われば良いだけのものではないはずです。書き手は漢字で表記するかかなに開くのか、漢字にするにしてもどの漢字を選ぶのかという点にまで拘り文章に少しでも“力”を与えようと試みたいのです。たとえ書く側の自己満足に過ぎないとしても。
 DM100までのポメラには比較的近い環境がありました。

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5K iMac 2017を買いました

iMac 2017購入

 5K iMacを買いました。Mac mini late2008からの買い換えです。Core i5 3.4GHz、メモリ8GB、256GB SSD、Radeon Pro 570の通称“梅”モデルでCTOにて1TB FusionDrive→256GB SSDに変更したもの。消費税込230,904円。高いな~と思いつつ、同等スペックWindows機+高精細ディスプレイの組み合わせだとiMacの方が安かったりするし、と自分に言い聞かせてポチったのでした。

 Apple Storeでの注文は8月20日。到着は27日。Dellの27inchディスプレイを買った時も配送されてきた箱を見て「大きい」と思いましたがiMacはスタンド部分が分離しなかったりベゼルが太めだったりすることもありさらに大きく、空き箱の保管場所に悩みそう。

iMac到着

設置

 パッケージの中身はシンプルでした。梱包を解き電源ケーブルとEthernetケーブルを繋ぐだけ。キーボードとトラックパッドはBluetooth接続でそれぞれ電源を入れるだけで繋がるよう設定済み。Timecapsuleバックアップからの移行を指定してそのまま二時間半ほど放置すれば昨日までの作業環境がそのまま新Macに引き継がれます。

ファーストインプレッション

 これまで使っていたMac mini late2008+Dell U2713HMと今回更新した5K iMac 2017との一番印象的な違いはディスプレイ部分。大きさは同じでもRetinaの恩恵は明確でくっきりはっきり。フォントがとても見やすくなります。デジカメ写真の表示もレンズの解像度が上がったかのようで壁の材質や髪の毛の質感に歴然とした差が。発色も良く、グレア処理の表面で気になりがちな映り込みも少ないです。輝度も調節範囲は広く、暗めの間接照明からうんと明るくした部屋まで余裕でカバーします。iPhoneやiPad同様部屋の明るさに合わせた輝度の自動変更もかなりうまく機能している印象。
 操作感は確実にレスポンスが良くはなっているのですが9年振りの更新の割には、webブラウズやファイル操作、メール作成、メモ、カレンダー等の日常的な利用のレスポンスにあまり変化を感じなかったのでした。C2D世代のMacでもすでにそこそこ快適だったし……。あ、でも背後でTimemachineのバックアップが作動していたり3DCGレンダリングをさせていたりしても前面の作業が重くならないあたりは快適かも。

スペック

 CPU+GPUの性能を試してみました。Blenderによる3DCGレイトレーシングです。旧型Mac miniではレンダリングに丸二日かかっていたデータが、手元にある2016年型のCore i3のWindowsノートでほぼ半日、5K iMacではさらにその半分以下の時間で済みます。この種の目的にはあまり向いていない“梅”ですがそれでも時代相応の恩恵は受けられそう。年に二回同人誌の表紙を3DCGで作ることがある程度の私の用途なら十二分な性能です。
 
同様にPhotoshop Elementsの使用感も快適になっていました。Inkscapeはちょっと難あり。画面がRetinaで描画できていないしグラフィックアクセラレーションの恩恵もまったく受けていないっぽいです。
 メモリは初期状態の8GBのまま。今のところは余裕があるようです。

静粛性

 静かです。5K iMacには排熱用のファンが搭載されているはずなのですが日常的な利用では無音に感じられます。iMacのすぐ後ろに置いたTimecapsuleのHDD音の方が気になるくらい。CPUやGPUに負荷をかけてもファンは最低回転数を保ったままのようで音は変わりません。以前使っていたMac mini late2008も十分に静かでしたがそれ以上に静かです。“梅”モデルでGPUの発熱が少ないのかな?

周辺機器

 オール・イン・ワンのiMacにはキーボードとポインティングデバイスが付属します。私はMagic KeyboardとMagic Trackpad2の組み合わせにしました。
 キーボードはMac miniで使っていたWireless Keyboardの新型でコンパクトなもの。打鍵感はストロークは短いもののしっかりした打ち心地で慣れるとメカニカルスイッチや静電容量型の高級キーボードと甲乙をつけ難くなってきます。小さなことですがiMacとの組み合わせであれば画面の輝度調整もキーボードから可能です。純正ならでは。
 
Appleのトラックパッドは今回が初めてですがMac miniで使っていたタッチ機能付のペンタブが快適であったので迷わずチョイス。正解でした。27inchの広いデスクトップとも相性が良く、マウスやノートパソコンのトラックパッドより断然好みです。クリック感の演出もソフトから調節できたりするのは……技術の無駄遣いとも思えますが微笑ましくもあります。
 導入時に満充電にして二週間でキーボードのバッテリ残量は90%、トラックパッドは再充電が必要になりました。

テレビ

 Apple製品で鬼門なのがテレビ放送の視聴。前のMac miniではディスプレイ接続の都合でDTCP-IP接続のストリーミング視聴ができず手持ちのnasneのテレビ番組を見ることができませんでした。iMacへの移行でテレビも見られるようになったはず、とpixelaのStationTV Link体験版を試してみました。
 見られる……でも色がぼんやりしてるし480p再生しかできないみたいだしUIも貧相だし放送中チャンネル選択画面がなかなか表示されないしでいいところがありません。うーん。でも、まあ、見られるだけマシ……かな。というわけで購入&シリアルキーを入れて製品版となりました。他に選択肢がないとはいえまったくオススメではないです。

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