カテゴリー「創作」の83件の記事

フリーペーパー配布

第26回文学フリマ東京で配布したフリーペーパー『僕の楕円軌道リングが実現できないわけがない』のPDF版を配布します。

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DM200アウトライン記号&青空文庫ルビの一太郎変換マクロ

DM200と一太郎

 小説創作ではpomera DM200で小説を書き、一太郎で組版という手順で作業しています。その際、DM200上では

ルビ|親字《ルビ》
傍点[#「○○」に傍点]

といった青空文庫記法のマークアップとDM200用のアウトライン記号を併用しています。「.(ピリオド)」の数で階層深さを指定する形です。以下にサンプルを示します。

.タイトル
..第一部
...第一章
あああああ親字《ルビ》
|あああああ親字《ルビ》
ここに傍点[#「傍点」に傍点]を振る
[#ここから4字下げ]いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい。[#ここで字下げ終わり]
...第二章
....第一節
...第三章
..第二部
...第四章
...第五章
..あとがき

 一太郎2018ではマークアップルビの読み込みがある程度サポートされたのですが今ひとつ痒いところに手が届きません。というわけで、自前の記法混在環境に合わせたマクロを作ることにしました。ブログ『All season with my Dear』様の「一太郎で青空文庫ルビ」という記事で公開されていたマクロを元に少しだけ改造したものです。

DM200アウトライン記号と青空ルビの一太郎用変換マクロ

 以下のGIFアニメのように動作するマクロです。上のサンプルテキストで試してみました。

Aozora_macro

  • 青空文庫ルビ、傍点、字下げ記号の一太郎形式化
  • DM200のアウトライン記号の一太郎見出し形式化
    ※階層ひとつめはタイトル、見出しはふたつめ以降に使用

以下にマクロのコードを貼っておきます。


!! --- 青空文庫のテキストにルビを振る ---
!! ---        for 一太郎2018          ---
!! ---          ver1.31b               ---
!! ---   2010/4/25 Copyright Tsukasa   ---
!! ---   2018/3/3 Modified Tou Asaya   ---
!!
!! 青空文庫形式のルビを振ります。
!!ver 1.20 傍点の処理を追加・NS画面用のスタイルに変更
!!ver 1.30 ルビの処理を訂正。長いルビにも対応した。まだエラーを起こすことがある。
!!         字下げの処理を追加した。
!!ver 1.32b DM200タイプ見出し処理追加。PDF出力削除。
!!     地付き、地上げ、縦中横処理追加。
!!↓↓ルビの処理↓↓
!!↓↓長い単語のルビの処理↓↓
 declare variable %ページ(2) 
 declare variable %行(2) 
 declare variable %字(2) 
文書頭()
 %ret(1) =1
 %i = 1
 do until %ret(1) =0
  %ret(1) = 正規表現検索("|",1)
  if(%ret(1)>0 and %i >0) then 
   %ページ(1)= GetPage()
   %行(1) = GetRow()
   %字(1) = GetColumn()
   挿入("★") 
   %ret(2) = 正規表現検索("《[^》]+》",1)
   if(%ret(2)>0) then
    %ページ(2)= GetPage()
    %行(2) = GetRow()
    %字(2) = GetColumn()
    %ルビ = GetString()
    try
   !!エラー発生時はこのルビ処理は飛ばす
     if(MaxSize(%ルビ)>1)then
      %ルビ(1) = %ルビ(1) & %ルビ(2)
     end if
     削除()
     %字数=Len(%ルビ(1))
     %ルビ(1) = Mid(%ルビ(1),2,%字数-2)
     範囲モード(1)
     ジャンプ(%ページ(1),%行(1),%字(1))
     範囲始点()
     ジャンプ(%ページ(2),%行(2),%字(2))
     範囲終点()
     ルビ( 1, %ルビ(1),1)
    exception
     case else
      挿入("★")
    end try
   end if
  end if 
  %i = %i+1
 loop
!!↑↑長い単語のルビの処理↑↑
!!↓↓短い単語のルビの処理↓↓
文書頭( )
%ret = 1
do until %ret = 0
 %ret = 正規表現検索( "《.+?》",1 )
 if(%ret<>"")then
  %ルビ = GetString(  )
  !!エラー発生時はこのルビ処理は飛ばす  try
  try
   if(MaxSize(%ルビ)>1) then 
    %ルビ(1) = %ルビ(1) & %ルビ(2)
   end if
   %字数 = Len(%ルビ(1))
   %ルビ(1) = Mid(%ルビ(1),2,%字数-2)
   挿入("★")
   LeftWord( 2 )
   範囲モード( 6 )
   範囲始点( )
   範囲終点()
   ルビ( 1,%ルビ(1) ,1)
  exception
   case else
    挿入("★")
  end try
 end if
loop
文字全置換("★",,3,0,0)
!!↑↑ルビの処理↑↑
!!↓↓傍点の処理↓↓
文書頭( )
%ret = 1
do until %ret = 0
 %ret = 正規表現検索( "[#「[^」]+」に傍点]",1 )
 if(%ret<>"")then
  %ルビ = GetString(  )
  if(MaxSize(%ルビ)>1) then 
   %ルビ(1) = %ルビ(1) & %ルビ(2)
  end if
  %字数 = Len(%ルビ(1))-8
  カット()  
  範囲モード(1)
  範囲始点( )
  前文字(%字数)
  範囲終点()
  傍点(2)
 end if
loop
!!↑↑傍点の処理↑↑
!!↓↓縦中横の処理↓↓
文書頭( )
%ret = 1
do until %ret = 0
 %ret = 正規表現検索( "[#「[^」]+」は縦中横]",1 )
 if(%ret<>"")then
  %ルビ = GetString(  )
  if(MaxSize(%ルビ)>1) then 
   %ルビ(1) = %ルビ(1) & %ルビ(2)
  end if
  %字数 = Len(%ルビ(1))-9
  カット()  
  範囲モード(1)
  範囲始点( )
  前文字(%字数)
  範囲終点()
  縦中横( )
 end if
loop
!!↑↑縦中横の処理↑↑
!!↓↓字下げの処理↓↓
文書頭()
%ret=1
do until %ret = 0
 %ret = 正規表現検索("[#ここから.字下げ]",1)
 if(%ret > 0 ) then
  %文字 = GetString()
  %数 = han(Mid(%文字(1),7,1))*2
  if(%数>0)then
   削除()
  else
   continue do
  end if
  %ページ(1)= GetPage()
  %行(1) = GetRow()   
  %ret = 正規表現検索("[#ここで字下げ終わり]",1)
  %ページ(2)=GetPage()
  %行(2) = GetRow()
  削除
  ジャンプ(%ページ(1),%行(1),1)
  範囲モード(2)
  範囲始点()
  ジャンプ(%ページ(2),%行(2),1)
  範囲終点()
  インデント(1,%数)
 end if
loop
!!↑↑字下げの処理↑↑
!!↓↓一行だけの字下げの処理↓↓
文書頭()
%ret=1
do until %ret = 0
 %ret = 正規表現検索("[#.字下げ]",1)
 if(%ret > 0 ) then
  %文字 = GetString()
  %数 = han(Mid(%文字(1),3,1))*2
  if(%数>0)then
   削除()
  else
   continue do
  end if
  インデント(1,%数)  
 end if
loop
!!↑↑一行だけの字下げの処理↑↑
!!↓↓地付きの処理↓↓
文書頭()
%ret=1
do until %ret = 0
 %ret = 正規表現検索("[#地付き]",1)
 if(%ret > 0 ) then
  %文字 = GetString()
  %数 = Len(%文字(1))*2
  if(%数>0)then
   削除()
  else
   continue do
  end if
  %ページ(1)= GetPage()
  %行(1) = GetRow()
  行頭()
  %ページ(2)=GetPage()
  %行(2) = GetRow()
  ジャンプ(%ページ(1),%行(1),1)
  範囲モード(2)
  範囲始点()
  ジャンプ(%ページ(2),%行(2),1)
  範囲終点()
  右寄せ( )
 end if
loop
!!↑↑字付きの処理↑↑
!!↓↓地から*字上げの処理↓↓
文書頭()
%ret=1
do until %ret = 0
 %ret = 正規表現検索("[#地から.字上げ]",1)
 if(%ret > 0 ) then
  %文字 = GetString()
  %数 = han(Mid(%文字(1),6,1))*2
  if(%数>0)then
   削除()
  else
   continue do
  end if
  %ページ(1)= GetPage()
  %行(1) = GetRow()
  行頭()
  %ページ(2)=GetPage()
  %行(2) = GetRow()
  ジャンプ(%ページ(1),%行(1),1)
  範囲モード(2)
  範囲始点()
  ジャンプ(%ページ(2),%行(2),1)
  範囲終点()
  右寄せ( )
  インデント(1,0,%数)  
 end if
loop
!!↑↑一行だけの字下げの処理↑↑
!!↓↓改丁の処理↓↓
!!↓↓※改丁は一太郎では改ページと判別せず↓↓
文書頭()
%ret=1
do until %ret = 0
 %ret = 正規表現検索("[#改丁]",1)
 if(%ret > 0 ) then
  %文字 = GetString()
  %数 = Len(%文字(1))*2
  if(%数>0)then
   削除()
  else
   continue do
  end if
  改ページ(1)
 end if
loop
!!↑↑改丁の処理↑↑
!!↓↓改ページの処理↓↓
文書頭()
%ret=1
do until %ret = 0
 %ret = 正規表現検索("[#改ページ]",1)
 if(%ret > 0 ) then
  %文字 = GetString()
  %数 = Len(%文字(1))*2
  if(%数>0)then
   削除()
  else
   continue do
  end if
  改ページ( 1 )
 end if
loop
!!↑↑改ページの処理↑↑
!!↓↓改段の処理↓↓
文書頭()
%ret=1
do until %ret = 0
 %ret = 正規表現検索("[#改段]",1)
 if(%ret > 0 ) then
  %文字 = GetString()
  %数 = Len(%文字(1))*2
  if(%数>0)then
   削除()
  else
   continue do
  end if
  改段( 1 )
 end if
loop
!!↑↑改段の処理↑↑
!!↓↓見出しの処理↓↓
文書頭()
%ret=1
do until %ret = 0
 %ret = 正規表現検索("^\.+?",1)
 if(%ret > 0 ) then
  %文字 = GetString()
  %階層数 = len(%文字(1))
  if(%階層数>0)then
   削除()
  else
   continue do
  end if
  %ページ(1)= GetPage()
  %行(1) = GetRow()
  if(%階層数 = 2 ) then
    SetParagraphStyle( 1, "大見出し(オートスタイル)" )
  else if(%階層数 = 3 ) then
    SetParagraphStyle( 1, "中見出し(オートスタイル)" )
  else if(%階層数 = 4 ) then
    SetParagraphStyle( 1, "小見出し(オートスタイル)" )
  else if(%階層数 = 5 ) then
    SetParagraphStyle( 1, "小見出し2(オートスタイル)" )
  else if(%階層数 = 6 ) then
    SetParagraphStyle( 1, "小見出し3(オートスタイル)" )
  else if(%階層数 = 7 ) then
    SetParagraphStyle( 1, "小見出し4(オートスタイル)" )  
  else if(%階層数 = 8 ) then
    SetParagraphStyle( 1, "小見出し5(オートスタイル)" )
  end if
 end if
loop
!!↑↑見出しの処理↑↑

※マクロを使用する前に一度文書を[保存]してください。
※段落スタイルを使用する場合はマクロ使用前に文書に対し段落スタイルを一つでも設定しないとエラーが出るようです。
※上のマクロはテキストエディタに一度コピペしてShiftJIS形式で保存しなおしてからの使用をお勧めします。

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小説創作のための一太郎2018プレミアム

一太郎2018プレミアム購入

 一太郎をバージョンアップしました。2016から2018のプレミアム版へです。

 プレミアム版は

  • 一太郎
  • 広辞苑第七版 for ATOK
  • イワタ書体
  • 詠太
  • 花子
  • Shuriken
  • JUST PDF

のセットです。お目当ては小説創作対応の進んだ一太郎本体とテキスト読み上げ機能の詠太、久々の花子でした。

ダウンロード&インストール

 購入はJust MyShopのダウンロード版。Wi-Fiが遅かったのか本体ダウンロードに三十分近くかかってしまいました。インストールも同じくらいかかった気がします。少し古めとはいえCore i3のノートPCとSSDドライブで回線も光なのに……。
プレミアム版パッケージを全部ひとまとめにインストールするメニューなどもあってワンクリックでインストールが終了するのは便利でした。

瑛太

 楽しみにしていたテキスト読み上げ機能・瑛太。一昔前の不自然な声ではなく違和感の(比較的)少ない声で読み上げてくれます。朗読を楽しむという用途にはまだまだですが、校正機能の一つとして利用するなら効果的。黙読で校正を試みても意外に間違いに気づけませんが瑛太で読み上げながら文章を追うと目視で気付きにくい誤字が拾えます。また、瑛太では読み上げ速度が機械的に与えられるため、黙読で読み飛ばしてしまいがちなところをしっかり安定した速度でチェックできることも校正精度を上げる気がします。

一太郎:ルビ付テキストの読み込み

 一太郎2017から強化された機能。青空文庫的な《》ルビ記号のついた部分をテキスト読込時に一太郎の整形済みルビにしますよ、という機能です。

Ichitaro2018_01

 対応している記号が
|(半角のパイプ)ルビを振りたい文字《ルビ》  ルビを振りたい文字ルビ
となっていて「どこで使われてるルールだろう?」と疑問に。調べてみました。

フォーマット記号結果
青空文庫|(全角) (字種境界までの場合省略可)ルビを振りたい文字《ルビ》ルビを振りたい文字ルビ
小説家になろう|(全角)もしくは|(半角)(漢字のみの場合省略可)ルビを振りたい文字《ルビ》ルビを振りたい文字ルビ
カクヨム|(全角)もしくは|(半角) (漢字のみの場合省略可)ルビを振りたい文字《ルビ》ルビを振りたい文字ルビ
エブリスタ|(全角)もしくは|(半角) (漢字のみの場合省略可)ルビを振りたい文字《ルビ》ルビを振りたい文字ルビ
アルファポリス#ルビを振りたい文字__ルビ__#ルビを振りたい文字ルビ
pixiv[[rb:ルビを振りたい文字 > ルビ]]ルビを振りたい文字ルビ

 全角|も対象になるとより実用的かな。贅沢を言うなら青空文庫の

  • 見出しタグ[#「○○」は×見出し]を段落スタイルに
  • 傍点

あたりにも対応して欲しいところ。
 あと一太郎の以前からの仕様なのですがCopy&Pasteではなく[ファイルの読み込み]からテキストを読み込む場合はShiftJIS限定。文字コードの自動判別が難しいのはわかるのですがさすがにそろそろUnicodeに対応しても良い頃合いです。utf8/16/32やBOMの有無を問わず。

一太郎:ソプラウィンドウDM200連携

 ポメラを愛用している人には嬉しいソプラウィンドウ経由の接続。新たにDM200にも対応していました。

  • 上の「ルビ付きテキストの読み込み」が適用されないらしい
  • ポメラ上にあるのがBOMなしのutf8テキストだと文字化けする

一太郎:文書校正

 以前は小説で一太郎の機械校正をかけると整っていない口語や擬音語が誤指摘だらけでうんざりさせられがちでした。それでも機械校正の強力さは魅力で愛用していた機能です。そのあたりの煩わしさが2017版から改善されていると知って試すのを楽しみにしていました。実際試してみると、うざくない! これなら十分に小説創作ユーザにお勧めできます。
 もちろん人力校正も欠かせないですが機械校正は人の眼では見つけづらい間違いを拾ってくれるので人力と重ねて利用することでよりミスの少ない原稿が作れます。おすすめ。ちょーおすすめ。詠太を併用した校正も重ねておすすめ。


ATOK2018

 普段ポメラを持ち歩き小説を書いていることもあってパソコン上での文字入力はあまりせず活躍の場面が少ないです。それでも2016版より動作も軽く変換効率もかなり改善されている気がします。MS-IMEでも不満のない身だったりするのであてにならないかもしれません。

ATOK:広辞苑第七版

 この記事を書くのにATOK版広辞苑を積極的に利用してみました。同義語もうまく引っ張ってきてくれたりるようになっているあたりは楽しいです。画像も入り語彙も多いです。
 小説創作向けのATOK版辞書ツールでのお気に入りは明鏡国語辞典です。テキストライティングの友として言葉の使い分けや文法に特化した明鏡は使い出があります。

一太郎&花子:モジグラフィ

 一太郎2016から搭載されていたモジグラフィ機能ですが今回初めて試しました。

Ichitaro_mojigraphy

 テンプレから選んでタイトルを入れるだけでかっこいいタイトル文字ができます。これイイ。デザインをいじりたいときは花子モジグラフィ+でテンプレから編集していけば細かく調整できました。使えます。題字デザインがいつも同じになってしまって思いつかない同人字書きさんに強くお勧め。


花子

 visioあたりがライバルの感じでしょうか。パーツを使って図を組み上げていくのが得意なタイプのようです。フローチャートや回路図の部品が用意されていたり、ビジネス文書や学校の配布プリント用らしきテンプレートが用意されている、と紹介すると想像できるのではないかと思います。UIもきれいに整理されていてMS-DOS時代を引き継ぐ混沌とした一太郎と比べると非常にすっきりとわかりやすくなっています。
 自由なベジェ曲線も描けるのでInkscapeにかなり近いことができます。ノード座標の数値指定などは得意でないようなのでマウス操作メインの図形作成向きです。
 一太郎に貼り付けた花子の図形、ベクトルデータのままPDFや電子書籍に出せるようになるといいなぁ。
 花子で作った図形をSVGで保存するとブログetcにもベクトル画像のまま貼り付けできたりします。

花子と一太郎

 2018年5月の文学フリマ東京用に一太郎と花子の組み合わせで図の多めなフリーペーパーを作ってみました。PDF版も公開してます。

Freepaper001 Freepaper002 Freepaper003 Freepaper004

 四ページ、一枚を二つ折り・両面印刷したペーパーです。題字は花子モジグラフィ+をベースに少しだけ加工したもの。図も花子の部品と基本図形の組み合わせ。楕円軌道リングの形だけ座標からのプロットです。
 作業しながら思ったのですが、一太郎と組み合わせる花子は快適です。文字グラフィも頭の中に抱えているデザインのストックの少ない字書きには雛形が提示されるのがとても便利。Inkscapeに比べるとレスポンスも軽快ですし、何より一太郎に図を貼る時にビットマップのdpiマッチを気にしなくて良いベクトル図形というのが気に入りました。

感想まとめ

 一太郎2016、あるいはそれ以前のバージョンからの更新で一番気に入ったのは校正関連機能です。擬音語の校正指摘抑制+詠太で校正作業がとても捗ります。自身の書く文章は間違いが少ない、あるいは目視校正で完璧と思っている人にこそ試して欲しい機械校正。
 花子の印象も大きく変わりました。広辞苑第七版やフォント、詠太を目当てにプレミアム以上のバージョンを買った人も一度花子を試してみるのをお勧め。

 記事は少しずつ書き足していくつもりです(2/18)


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文学フリマ東京25に参加します

11月23日(木)東京流通センター第二展示会場にて開催の文学フリマ東京25に出展参加します。ブースNo.はエ-38。

お品書き

Thumb憧憬トラクション
新刊 百合+オートバイ小説
「いっしょに走ってください!」高校生になったばかりの律が思わずそう声をかけたのは赤いオートバイを駆る女性ライダーだった。オートバイを軸に始まるガール・ミーツ・ガールの物語・出会い編。
A5版2段組 28ページ 300円

Photo双晶の国
新刊 宝石の国二次小説

合わせた唇のほんの一部、たった一カ所の結晶面が狂いなく合わさりボクらの間に特有の低 い響きが通い合う。わずかに顔の角度を変えればまた違う結晶面が合わさり、異なる響きを生む。それは甘美で、すぐに失われてしまう儚い双晶としての一瞬だった。
「ふふ」
「うん?」
「ボクら、またいけないことしてる」

文庫 12ページ 自家製版 100円

Thumb_2ルビィ・ドロップス
新装改版 百合+ゴシック小説
「奇蹟ではなく必然よね、だってここは受難者の集う山だもの」 十三分の一のサバイバー、あるいはチョウオンナと呼ばれる少女は予言の成就から逃れようと日々抗う。紅茶マニアの自閉症者とゴシック人形制作者である二人の友人と共に。紅茶と言語と哲学が彩るゴシック風少女小説。
A5版2段組 106ページ 500円

Hyousi_thumb世界樹は暗き旋律のほとりに
既刊 SF
地球を半周するほど巨大な世界樹の実在する世界。19〜21世紀にかけニュートン力学の洗練とともに解き明かされる世界樹の謎の物語。ちょっと懐かしいテイスト溢れるレトロ&ハードSF三作を収録。
A5版2段組 158ページ 800円

Eight_thmbエイト
既刊 SF
福祉ボランティアとして軌道都市を訪れた倫弘はその新たな疾病・無重力症の真実に直面する。創元SF短編賞一次通過作品。
A5版2段組 40ページ

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小説創作ユーザのための「ポメラ」DM200レビュー5・かな漢字変換編

逐次変換(自動変換)

 いつの頃からでしょうか、ATOKに自動変換モードというのが搭載されました。Mac OSでも10.11のかな漢字変換から自動変換モードがデフォルトになりました。ATOKが搭載した頃の自動変換は変換の精度もあまりよくありませんでしたがMac OS 10.12 Sierraの自動変換は使い勝手も悪くなく、Twitterの書きっぱなしのつぶやきや間違っていなければ良い程度の社内向けのビジネス文書であれば大変快適に使えるようになりました。

精度の高いかな漢字変換とその比較

 Windows環境では2016年版のATOKを使ってみています。MS-IMEも使っています。MacではOS標準のかな漢字変換です。(以前は「ことえり」と名前が付いていましたが今は固有名詞がなくなりました) どの環境でもちょっと前と比べると変換精度は良くなっています。特に長い文節を入力してやると単語同士の関わりを判別して変換結果が良くなります。お気に入りのpomeraDM200が搭載するATOKも同様です。
 これらの現在のかな漢字変換能力の比較をしてみます。

 題材は青空文庫に収録されていた太宰治「走れメロス」の冒頭です。

 メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した。メロスには政治がわからぬ。メロスは、村の牧人である。笛を吹き、羊と遊んで暮して来た。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。きょう未明メロスは村を出発し、野を越え山越え、十里はなれた此のシラクスの市にやって来た。

 これを

  • Mac OS 10.12のかな漢字変換
  • MS-IME
  • ATOK2016
  • pomeraDM200

で一切の修正なしに自動変換もしくはできるだけ長い文節で変換させて入力してみたものです。は完全に誤変換、は不正解ではないけれど原文通りではない変換。

 メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した。メロスには政治がわからぬ。メロスは、村の牧人である。笛を吹き、羊と遊んで暮らしてきた。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。今日ミメイメロスは村を出発し、超え超え、十離れたこのシラクスの位置にやってきた

Mac OS 10.12かな漢字変換

 メロスは激怒した。必ず、かのじゃち暴虐の王を除かなければならぬと決意した。メロスには政治がわからぬ。メロスは、村の牧人である。笛を吹き、ヒツジと遊んで暮らしてきた。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。きょう未明メロスは村を出発し、野を超え重利離れたこの詩絡子にやってきた

MS-IME(Win10)

 メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した。メロスには政治がわからぬ。メロスは、村の牧人である。笛を吹き、羊と遊んで暮らしてきた。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。今日未明メロスは村を出発し、野を越え山、十里離れたこのしら楠位置にやってきた

ATOK2016

 メロスは激怒した。必ず、かの邪知暴虐の王を覗かなければならぬと決意した。メロスには政治がわからぬ、メロスは、むらの牧人である。笛を吹き、羊と遊んで暮らしてきた。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。今日未明メロスは村を出発し、野を越え山超え、十里離れたこの氏ら楠位置にやってきた

pomeraDM200

 どれもなかなか優秀です。固有名詞や助数詞「里」を単語登録しておけば赤字の誤変換はごくわずかになるはず。

打鍵数最小化への不満

 私は上のどのかな漢字変換にも不満です。誤変換は昔に比べれば格段に減りましたが、かな漢字変換が優秀になっても青の部分のような「正しいけれど望みと違う変換結果」が避けられないからです。この避けがたい問題がある限り私は

  • 単文節変換
  • 学習オフ

が可能なかな漢字変換機能を望むことでしょう。

 単文節変換&学習オフを望むのは「決まった回数変換キーを押すと必ず望んだ変換結果になる」ことがその文節を入力している段階で確定するからです。望んだ変換結果を出現させるのに必要な変換キー操作回数を記憶しておき、目で確認することなく機械的に指を動かして望みの結果を得るという方法です。この入力方法は、黎明期のワープロ専用機では一般的でした。可能な限り長いフレーズを入力して変換・確定してやる(と変換効率の上がる)という方法より今でも高速です。

逆戻りの苦手な思考

 ヒトの意識は逆戻りが苦手です。長いフレーズを入力した後にその文頭近くに注意を引き戻して変換結果をチェックするためには一度打鍵する手を止めねばなりません。単文節で一語ずつ確定していけば変換・確定キーを押す回数は増えてもずっと指を動かし続けられます。
例えばローマ字入力で「BUNSYOUWONYURYOKUSIMASU」と打つときにアルファベットを一々意識することはなく「ぶんしょうをにゅうりょくします」という音列から自動的に指が動いてアルファベットキーが叩かれる人が多いはず。その「自動的に指が動く」範囲をかな漢字変換の結果まで広げて習熟させるのが上で述べた単文節+学習オフという環境です。漢字かな混じりの文章を頭に思い浮かべると、指+無意識が変換作業まで処理してくれるようになります。入力・変換の終わった確定した単語は頭から追い出し、意識を次のフレーズに向け続けることで口述筆記に近い速度(200〜250字/分)での打鍵を続けることが可能になります。
 もちろん小説文を生成するのにそんな速度は維持できませんが。
 単文節変換+学習オフよりもさらに確定的で高速な入力方法に「漢直」があります。習熟難度も高いですが速度は圧倒的です。

単文節+学習オフのできない今の環境

 MS-DOSからWindowsへの移行あたりからでしょうか、ハードウェアの性能が上がりかな漢字変換も文脈を利用して変換精度を上げるようになってくると「打鍵数最小」への傾向が強くなります。スマートフォンのような入力に困難のある機器の普及で決まったフレーズを自動生成する推測変換まで登場するようになりました。そしていつの間にかパソコンのかな漢字変換からも学習機能のオフが消え、逐次変換が標準となりました。漢字を開いてかなにするかどうか、書き手が決めるのではなく妥当・普通であるものが先に提示され、望む形に訂正するのに余計な労力がかかってしまう。
 書かれている内容だけで用の足りるビジネス文書であれば間違っていないだけで十分です。ですが、小説は大まかに意味が伝われば良いだけのものではないはずです。書き手は漢字で表記するかかなに開くのか、漢字にするにしてもどの漢字を選ぶのかという点にまで拘り文章に少しでも“力”を与えようと試みたいのです。たとえ書く側の自己満足に過ぎないとしても。
 DM100までのポメラには比較的近い環境がありました。

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第8回創元SF短編賞投稿

第8回創元SF短編賞

第8回創元SF短編賞に『楕円軌道人類eORH』というタイトルで投稿しました。ペンネームはいつもの「藤あさや」です。
という報告記事を挙げておこうと思っているうちに例年より早く一次選考の結果が公開されました。

残ってた!

二次選考

残念ながら二次選考は通過せず、最終候補作には残れませんでした。投稿作は少しだけ手直しをして五月の文学フリマ東京の新作にしたいと思います。

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小説創作ユーザのための「ポメラ」DM200レビュー4・辞書編

pomera DM200搭載辞書

 pomera DM200には

  • 『類語新辞典.S』
  • 『明鏡国語辞典MX』
  • 『ジーニアス英和辞典MX』
  • 『ジーニアス和英辞典MX』

の四つの辞書が搭載されています。手元に

  • 紙版『類語国語辞典』
  • Sharp Papyrus版『類語新辞典』
  • Logovista版『明鏡国語辞典』

があるのでDM200搭載版と比較してみようと思います。

類語国語辞典(紙版) vs. 類語新辞典(電子辞書専用機) vs. 類語新辞典.S(DM200)

 『類語新辞典』と『類語国語辞典』の二つはともに角川のシソーラス+国語辞典で後者が前者の増補新版です。ここでは「恋」という単語を引き比べてみます。シソーラス形式の特徴を理解いただくためにも前後2項目分ごと引用して比較してみます。

6【ほの】〔口〕〔古風〕
君は彼女に—だね。 ほれこむこと。
7【恋する】こいする〔常〕
美しい女性に—。—乙女 ○異性を愛する
8【恋】こい〔常〕
—の芽生え。—は盲目。—に落ちる。—を打ち明ける ○恋愛
9【愛する】あいする〔常〕 →481a, →484a
—人と別れる。妻を— ○異性を慕う
10【愛】あい〔常〕 →481a
二人の間に—が芽生える。—を告白する ○愛すること。恋愛

類語国語辞典(紙版・平成五年第七版)

4【惚れ込む】ほれこむ〔常〕
相手にぞっこん— ○すっかり心をひかれほれる。好きになって夢中になる
5【恋する】こいする〔常〕
美しい女性に—。—乙女 ○異性を愛する
6【恋】こい〔常〕
—の芽生え。—は盲目。—に落ちる。—を打ち明ける ○恋愛
7【愛する】あいする〔常〕 →481a, →484a
—人と別れる。妻を— ○異性を慕う
8【愛】あい〔常〕 →481a
二人の間に—が芽生える。—を告白する ○愛すること。恋愛

SHARP Papyrus 類語新辞典

4【惚れ込む】ほれこむ
相手にぞっこん― ○すっかり心をひかれほれる。好きになって夢中になる 〔常〕
5【恋する】こいする
美しい女性に―。―乙女 ○異性を愛する 〔常〕
6【恋】こい
―の芽生え。―は盲目。―に落ちる。―を打ち明ける ○恋愛 〔常〕
7【愛する】あいする
―人と別れる。妻を― ○異性を慕う 〔常〕 [別分類]
8【愛】あい
二人の間に―が芽生える。―を告白する ○愛すること。恋愛 〔常〕
pomera DM200 角川類語新辞典.S

 見出しの前に付された数字は分類【心情】−【愛憎】−【恋愛】の何番目の項目かを示しています。つまり見出し語の数は紙版の類語国語辞典が多く、電子版は電子辞書専用機Papyrus、DM200の二者が少ないことが窺えます。これは紙と電子の違いではなく、新しい「類語国語辞典」と旧版である「類語新辞典」の違いのようです。語釈の内容については引いてみた範囲では「類語国語辞典」も「類語新辞典」も変化がないように見え、DM200に搭載の『.S』版もほぼフルの角川『類語新辞典』と思われます。

明鏡国語辞典 vs. 明鏡国語辞典MX

 比較用に「あう」を引いてみます。会う、遭う、逢う、遇う、と表記される項目です。

あ・う【会う・遭う・▼逢う・▽遇う】アフ
 〘自五〙
❶ 〖会・逢〗約束して対面する。顔を合わせる。また、偶然に人と出会う。
「友人と━」
「駅でばったり先生と━・った」
⇔別れる
❷ 〖会・逢・遇〗物事と出会う。
「試練[難問]に━」
「親の死に目にも━・えない」
表記「▼邂う」「▼逅う」とも。
❸ 〖遭〗好ましくないことに出会う。ぶつかる。遭遇する。
「災難[火事・にわか雨・反対・抵抗]に━」
◆「合う」と同語源。
語法「~と会う」は双方が移動しあって対等の相手と対面する意に、「~に会う」は主体が相手のいる場所に移動して対面する意に使うことが多い。「喫茶店で友達と会う約束がある/先生にお会いしたく伺います」
表記
⑴ 「会」は、本来人と人が約束してあう意。偶然にあう意や物事との出会いの意に転用して広く使う(「六時に改札口で会おう・劇場でばったり旧友に会(遇)った」)。「逢」は「会」の美的な表記で、親しい人との対面や貴重なものとの出会いの意で好まれる(「恋人と逢う」)。「遭」は本来偶然にあうの意だが、今は「事故に遭う・にわか雨に遭う」などと、災難にあう意で使う。
⑵ 「▼邂う」「▼逅う」とも書く。「遇」「邂」「逅」は、偶然にあう意。一般に「会」でまかなう。動物とでくわす意ではかな書きが多い(「山道でクマにあう」)が、偶然の意を重視して「遇」、災難の意を重視して「遭」と使い分けることができる。「動物園でパンダに会った」と書けば、待望の意が付加される。
可能会える
関連語
大分類∥会う∥あう
中分類∥会う∥あう
❖「会う」を表す表現
〔自分が上位者に〕お目にかかる・お目通りを願う・お目通りがかなう・お目文字がかなう・拝顔の栄に浴する
〔自分が上位者の〕尊顔[尊容]を拝する・謦咳けいがいに接する・拝顔の栄に浴する
〔自分が上位者に〕謁えつ[拝顔の栄]を賜たまわる・御拝面[御拝謁はいえつ/御謁見/御拝眉はいび]頂く
〔上位者が自分に〕御拝謁を賜たまう・御面会[面接/面談/引見/接見]下さる
〔互いに〕顔を合わせる・相まみえる・旧交を温める・久闊きゅうかつを叙する
〔二人が〕逢瀬おうせを楽しむ
〔多数で〕一堂に会する

Logovista 明鏡国語辞典第二版

あう【会う・遭う・逢う・遇う】
[自五]
(1)【会・逢】約束して対面する。顔を合わせる。また、偶然に人と出会う。
「友人と会う」
(2)【会・逢・遇】物事と出会う。
「試練[難問]に会う」
「親の死に目にも会えない」
(3)【遭】好ましくないことに出会う。ぶつかる。遭遇する。
「災難[火事・にわか雨・反対・抵抗]に遭う」
◆「会う」は、本来人と人が約束してあう意。偶然にあう意や物事との出会いの意に転用して広く使う。「逢う」は「会う」の美的な表記で、親しい人との対面や貴重なものとの出会いの意で好まれる。「遭う」は本来偶然にあうの意だが、今は災難にあう意で使う。また、偶然にあう意で「遇う」「邂う」「逅う」とも書く。

pomera DM200 明鏡国語辞典MX

 語釈の分量にかなりの差があります。MXでは語源・類語説明が削られているようです。
 「詳しい方が得」と思ってしまいますが、『日本国語大辞典』のような極端に詳しい説明を必要とするのは稀で、常用する辞書には適切なボリュームがあるはずです。元々が学習・日用としての色合いの濃い『明鏡』は小型で文法重視、言葉を使い分ける時の扱いやすさを目指した辞書です。煩雑でない、という点でMX——Mobile Extra版のまとめ方も適切な気もします。
 またMX版には紙版・Logovista版にある「付録」がありません。

 『明鏡国語辞典』のヨイショなども少し。
 上引用例にあるように同じ「あう」でも「会う・遭う・▼逢う・遇う」のニュアンスの違いをわかりやすく切り分けています。同じ「あう」を『広辞苑』で引いてみると

あ・う【合う・会う・逢う・遭う・遇う】アフ
自五
➊《合》二つ以上の事物が寄り集まる。
①一つに集まる。合する。万葉集一三「玉こそば緒の絶えぬれば括くくりつつ又も―・ふと言へ」。「二つの川が―・う地点」「目と目が―・う」「両者の呼吸が―・う」
②二つのものの形・性質・内容などが同じになる。合致する。一致する。
▷対象を表す格助詞には「に」「と」が使われる。源氏物語若紫「この夢―・ふまで、また人にまねぶな」。源氏物語行幸「たけだちそぞろかに物し給ふに太さも―・ひて」。「割印が―・う」「足に―・わない靴」「答が―・う」
③二つのものが、互いに相手を悪くすることなく一緒に存在する。似合う。釣り合う。調和する。適合する。
▷対象を表す格助詞には「に」「と」が使われる。土佐日記「人の程に―・はねばとがむるなり」。源氏物語明石「ある限りひきすまし給へるにかのをかべの家も松のひびき波のおとに―・ひて」。日葡辞書「カミソリガワウ」。「服に―・った靴」「現実に―・った企画」「あいつとはうまが―・う」
④差引きで得が出る。計算があう。割にあう。引き合う。「―・わない仕事を引き受ける」
➋《会・逢・遭・遇》二つ以上が寄り集まり、相手を認める。
①《会・逢》互いに顔を見て相手を認識する。顔を合せる。対面する。会見する。対する。面と向かう。古事記中「嬢子おとめに直ただに―・はむと」。徒然草「かたへの人に―・ひて」。「旅先で友達に―・う」「―・って話をする」
②進んで行ったら向うから来て、互いに顔を見る。偶然出くわす。出会う。行き会う。
▷古くは先方を主語にして「…(の)あふ」の形で使われた。伊勢物語「物心細くすずろなるめを見ることと思ふに修行者―・ひたり」。「悪い時に悪い人と―・う」
③《遭・遇》何かをしている時に、悪い事態が自分の身に起る。いやな体験をする。遭遇する。拾遺和歌集別「たみのの島のほとりにて雨に―・ひて」。日葡辞書「ナンギニワウ」。「盗難に―・う」
④(ある時に)めぐり合う。生れ合せる。万葉集六「天地の栄ゆる時に―・へらく思へば」。日葡辞書「ヨイトキニマイリワウタ」
⑤結婚する。竹取物語「つひに男―・はせざらむやは」
⑥(相手に)立ち向かう。たたかう。万葉集一「香具山と耳梨山と―・ひし時」。平家物語九「強ち一条次郎殿の手で軍いくさをばするか、誰にも―・へかし」
➌《合》(他の動詞の連用形に付いて) 二つ以上のものが同時に、その動作をする。一緒に…する。互いに…する。竹取物語「大納言をそしり―・ひたり」。源氏物語賢木「賭物かけものどもなど二なくていどみ―・へり」。「皆で喜び―・う」「愛し―・う」「競い―・う」
◇ぴったりあう、互いに…する意では「合」、人とあう意では「会」「逢」、偶然にあう場合は「遭」「遇」を使うことが多い。特に「遭」は好ましくないことにあう意で広く使う。

広辞苑第五版

というように用例が古典中心であることが目につきます。また漢字の使い分けについても(詳しくはあるのですが)やや煩雑で『明鏡』に比べるとわかりづらいと感じます。短歌や俳句づくり、王朝文学に触れる際には『広辞苑』の方が有用なはずですが、現代の小説創作に利用するなら『明鏡』のわかりやすさ・使いやすさを推したいです。DM200の国語辞典としては人気の『広辞苑』ではなく『明鏡』が搭載されたのは大歓迎です。

ATOK連携電子辞典シリーズ

Atok_meikyo


 pomeraからは離れてしまう話題ですが、『明鏡』の「言葉の使い分け」に役立つ特性はパソコン用ATOK版の別売りオプションATOK連携電子辞典シリーズ『明鏡国語辞典』で強く現れます。かな漢字変換中に「会う」と「遇う」どちらだろう、と迷ったときに変換候補からそのまま違いや用例を参照できるのです。これは一度体験すると手放せなくなります。最近ではMS-IMEでもMacOSかな漢字変換でも変換候補から内蔵の国語辞典を参照できるようになりました。
 私の使用しているのは『R.2』というバージョンで旧版ですがATOK2016でも問題なく動いています。今売られているのも発売から少し時間がたっているようですね。


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小説創作ユーザのための「ポメラ」DM200レビュー3・アウトライン編

ポメラでダイナミックにアウトライン

 pomera DM200で新たに搭載されたアウトライン機能、レビューサイトや作家さんとタイアップした記事などでも触れられてはいますが、もっともっと積極的な使い方もできる機能です。
 作りかけの小説に新たなイベントを追加する、という状況での一例で説明します。

 すでにある程度の階層構造ができているテキストを例に取ります。構造は「構成」作業のみの段階を想定しても構いませんし、本文の作成を開始している状況を想定しても構いません。
 そこに「イベントA」を追加します。
 「イベントA」はまだ漠然としたシーンしかありません。お話のどこに挿入すべきかまったく決まっていません。

pomera dm200 Outline


 「イベントA」をどこに入れるべきか迷ってうろうろしているのがわかると思います。そうこうするうちに「イベントB」も思いつき、「A」と「B」の位置関係も含めて様々に変えています。
 同じ作業はwz editorや秀丸、scrivener等のテキスト作成環境でもできますが、pomera DM200であればキーボード・ショートカットのみで、他のどの環境よりもレスポンスよくできるのです。

 この「うろうろする」ことがpomera DM200のようなタイプのアウトラインの魅力です。「うろうろ」には完成形はありません。とりあえず、一時的にイベントの場所を決めておき、イベントの中身の文章を書き終わり、小説全体を一度最後まで書き終えてもまだ移動させる可能性のある仮置きです。
 もちろん、文章ができてしまってから構成変更をすると矛盾が生じてしまうことも多いですが、気にせずどんなタイミングでも各イベントの位置は動かしてしまいます。辻褄は「これだ!」というイベントの落ち着き場所が決まってから合わせればOK。せっかく書いたテキストも無駄になる部分が出ますが、試してみれば必要な手間なのだと納得できるはず。

 イベントの場所を「うろうろ」させることに慣れてくると思いついたシーンやイベントを「とりあえず」書いておき活用することが容易になります
 「とりあえず」+「うろうろ」、やってみると楽しい物語の作り方だと思います。お試しあれ。


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『世界樹は暗き旋律のほとりに』をBOOTHにて通販

BOOTHにて販売開始

Photo Pixivの通信販売サービスBOOTHにてSF小説『世界樹は暗き旋律のほとりに』の通信販売を始めました。

ジャンルSF
版型A5
ページ数186ページ
印刷表紙のみフルカラー。本文モノクロ。
価格1000円

 地球と宇宙を結ぶ世界樹に新たな物理モデルを提案する意欲SFです。そしてメアリー・アニング、ニュートンら科学界のターニングポイントにいた人々の冒険物語でもあります。

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BOOTHの倉庫で通販してみた

同人誌を通販で売りたい!

 文学フリマ向けに印刷に出した同人誌、イベントに買いに来られない方でも欲しいとおっしゃってくださる方がいらしてお届けする方法を考えてみました。

  • 個人情報はできれば預かりたくない
  • できるだけ販売しやすくコストのかからない方法が良い
  • 買いやすい方法が良い

 調べてみるとPixivがBOOTHなる倉庫&決済通販の代行サービスをやっているではないですか。Amazonの密林社に比べても破格の(出品者側的には)待遇の良さ。というわけで試してみました。

BOOTH利用レポ

 正直、手順がよくわからなかったのですが適当にBOOTHの倉庫に送ってみました。まずは文学フリマ東京23の新刊『世界樹は暗き旋律のほとりに』です。

一日目BOOTHのサイトで作品の商品を登録
倉庫利用の申し込み
本を5冊梱包しBOOTHの倉庫に向けて発送
二日目倉庫に本が到着
ステータス「入荷作業中」に
十一日目「現在、倉庫への入荷作業を進めています」というメールが来る
ステータス「入荷作業中」のまま
十四日目ステータス「入荷完了」
商品を公開・通販開始

 手続きも簡単でした。確実な販売数が把握できている商品を置くなら、少なくとも出品側のコストはゼロ。買う側も品物代+送料だけなので個人作成アイテムの通販では割安なはず。あと、発送方法の最小単位がメール便ですが、これ、定型の封筒のまま置かせてくれるともっと便利かも。はがき1〜2枚とかステッカー1枚とか封筒で充分ですよね。
 噂通り「入荷作業中」が長かったですがこれでも短い方だったようです。

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