カテゴリー「モバイル」の39件の記事

Kindle Paperwhite マンガモデル購入

Kindle Paperwhite マンガモデル購入

 Kindleのセールをやっているのを見てなんとなく買ってみました。

 先日購入したpomera DM30と並べてみると……。

  • フロントライトを点灯したKindle PaperwhiteはDM30よりコントラストが高い
  • フロントライトを消したKindle PWはDM30より白地が暗い
  • 解像度の高いKindle PWの方がDM30より文字が圧倒的にきれい
  • Kindle PWはページを繰っても残像があまり目立たない(ページ書き換えだけでも軽度のリフレッシュが作動している?)
  • Kindle PWは画面の更新がページ書き換えのときだけなのでレスポンスが悪くても気にならない

Kindlepw02

Kindlepw03

 画面回りのスペックを比較してみます。

Kindle Paperwhitepomera DM30
画面サイズ6inch6inch
解像度300dpi167dpi
照明フロントライトなし


 小説の中に入れた画像がKindleでどう表示されるのかも確かめたかったのですが、割と想像通りだった下の写真のような部分もあれば意に沿わず画面横幅いっぱいまで拡大されていたり、文章の回り込みがおかしかったりする場所もありました。よくわからない……。

Kindlepw04

 Kindle PWはEinkの特性と用途がとても合っている上に高精細化で低下しているコントラスト(地の白さ)を出来の良いフロントライトの搭載でうまく相殺できていて製品としての完成度の高さを感じます。一方のDM30は解像度的にはpaperwhite以前のKindle相当でフロントライトなしでの地の白さと書き換えレスポンスを獲得しているようで工夫を感じます。


Kindle Paperwhiteマンガモデル

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pomera DM200をプラリペアで修理

壊れたかも

 pomera DM200は購入時点でヒンジ周りに多少のガタがありました。蓋の開閉に多少遊びを持たせて凸凹のある机の上でも安定するようになってるのかな?という感じ。
 ところが一年以上使ううちにヒンジ周りのガタが大きくなっていました。振るとカラカラと何かが動く音もします。そして店頭展示機に触れてみて、あれ?違う?と。

 中で壊れているのかも……。

DM200分解

 ヒンジ周り壊れてる疑惑を確かめるべくプラリペアと精密ドライバーを用意していざ分解です。

DM200 ヒンジ アンカー 周辺 破損

 本体底面の5本のネジを#0精密ドライバーで外し、ぱちん、とハマるタイプのスナップを外すとキーボード側と底面カバー側に分かれます。ヒンジの周囲を確かめてみると……上の写真のようにヒンジを固定するネジを受ける埋込アンカーが丸ごと筐体底面からすっぽ抜けていました。アンカーの周囲を囲んでいたはずのABS素材も6本中4本が割れてネジが利かなくなっていました。

DM200をプラリペアで修理

 プラリペアはプラスチックの割れ、欠けの補修に便利なアイテム。粉に溶剤を垂らして米粒のような団子にしたものを破損箇所に盛り付けて修復します。1時間ほどで完全に硬化し、補修後の強度も十分に出る――というわけで

DM200修理完了

 ヘタクソであまりきれいに仕上がりませんでしたがヒンジ固定用のアンカーの再固定ができました。早速、組み直して起動。ちゃんと動いた。良かった! 肝心のヒンジ周りもガタが減りました。

注意

  • 筐体底部とキーボード側を繋ぐスナップ部分は分解時に固定用の爪を欠いてしまいがちな造りです。記事を載せておいてなんですが分解はお勧めできません。

おまけ 破損部の強度

 アンカー部分を囲む樹脂の壁があまりに薄いように見えたのでABSの設計ガイドラインを調べてみました。汎用のものです。

Metalinsert
ABS/AS樹脂における成形部品設計の基礎的考え方より

 上で「アンカー」と表記したものは正確には「メタル・インサート・ボス」と呼ぶらしくインサートを支えるABSの側壁はインサートの直径の70%の肉厚が推奨されているようです。が、DM200のインサート部の側壁は(大まかな計測では)同40%弱の肉厚しかないようで心許なく思えます。
 価格コムのクチコミ掲示板などでも同様にヒンジ取付部が壊れ、固定されなくなったヒンジに圧迫されたディスプレイケーブルが破断しディスプレイの色がおかしくなったり表示されなくなったりしているようです。(提示されている症例がわずか二例なのであまり頼りになりません。DM100でもほぼ同じヒンジマウント部の割れ事例がネットで見つかります)
 ヒンジ基部の破損が起きてもユーザの体感的には「微妙にぐらつくかな?」くらいなので支障はないようにも思えますが隠れ症例が多そうな気もします。
 また、液晶側のヒンジ固定部分も遊びがあるので中を見てみたいのですが見えているネジがなく本体側よりスナップ依存度が高そうで分解がためらわれます。

DM200の液晶側分解

 ヒンジ基部修理後程なく、DM200の画面が赤くなりました。分解作業で壊してしまったのかも……。

Dm200の液晶が赤くなってしまった

 写真では本来白黒のはずの「黒」の部分が赤くなっています。筐体の一部(ディスプレイケーブルが収まっているあたり)に力を加えてみると稀に白黒の「白」の部分がシアンになり黒が黒く表示されたりすることもあり、どうやら本体基板と液晶を結ぶケーブルにアナログ信号が流れていてRGBの赤チャンネルが断線/短絡のどちらかになってしまっている模様。上で「ためらわれます」と書いたのですが、良い機会なので液晶側の分解も試みてみました。

DM200液晶側分解 pomeraと刻印のあるヒンジカバー

DM200液晶側分解

 液晶側の筐体は外蓋+ヒンジ、液晶パネル側ベゼル+液晶、ヒンジカバーの三つのパーツで構成されていて、ベゼル面にあるゴム足四つの下に隠されたネジを外すと後はすべてスナップで固定されています。分解は前提とされていないようで、ヒンジカバーのスナップを外す際にはまず間違いなくスナップの爪を欠いてしまうと思います。
 分解写真後者に写るヒンジのネジが微妙に緩んでいるのがわかると思いますが、分解したままの状態です。

 分解した状態で液晶ケーブルの基板側コネクタ部分にかかるテンションを変えたり、配線の取り回しを変えると液晶の表示が白赤になったりシアン黒になったり表示が乱れたりします。ケーブルを慎重にチェックしてみたのですが断線/短絡している箇所は見つけられませんでした。
 緩んでいたヒンジ取り付けネジを締め直し、画面が正常に映ることを確認しながら液晶ケーブルにテンションがかからないよう取り回しテープで固定しつつ再組立。
 一週間ほど使ってみていますが画面は正常な白黒表示を維持しています。う〜ん?

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小説創作のための pomera DM30 vs. DM200

pomera DM30 購入

 6/11にDM30の展示機に触れて気に入り、JustMyShopでクーポンやらポイントやらを合わせると他の通販最安値より安くなったのを見てポチ。6/13に届きました。

pomera DM30購入

 店頭展示で触れてDM200の方が小説創作で便利なことはわかったのですがそれでも購入したのは

電子ペーパーの見え方がすごく好きだ……。

ということに尽きます。表示レスポンスが悪いというデメリットを許容できるかどうか試してみたくなりました。

解像度比較

pomeraシリーズ解像度比較
モデル 画面サイズ
inch
横pixel数
dot
縦pixel数
dot
解像度
dpi
DM10 4.0 640 480 200
DM20,25 5.0 640 480 160
DM5 4.0 320 240 100
DM100 5.7 800 600 175
DM200 7.0 1024 600 170
DM30 6.0 800 600 167

サイズ比較

DM200 vs. DM30 @スペック

DM200 vs. DM30スペック比較
機能\機種 DM200 DM30
サイズ 263×120×18mm 156×126×33mm
重さ 580g 450g(電池無)
505g(電池込)
駆動時間 18時間 20時間
最大編集文字数 約10万字 約5万字
文字コード utf8、ShiftJIS ShiftJIS
フォント 明朝、ゴシック ゴシック
大きなサイズのフォントはアウトラインにぎざぎざが出る
アウトライン
フレーム
ページ単位での区切り表示がなくなり機能の意味がわからなくなった
×
カレンダー
電子辞書 類語、国語、英和、和英 国語、英和、和英
データ転送 QRコード、USB接続、SDカード、WiFi QRコード、USB接続、SDカード

かな漢字変換

 DM200とDM30の変換精度を比較してみます。素材は青空文庫の「走れメロス」。

 メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した。メロスには政治がわからぬ。メロスは、村の牧人である。笛を吹き、羊と遊んで暮して来た。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。きょう未明メロスは村を出発し、野を越え山越え、十里はなれた此のシラクスの市にやって来た。

これを一切の修正なしにできるだけ長い文節で変換させて入力してみたものです。は完全に誤変換、は不正解ではないけれど原文通りではない変換。

 メロスは激怒した。必ず、かの邪知暴虐の王を覗かなければならぬと決意した。メロスには政治がわからぬ、メロスは、むらの牧人である。笛を吹き、羊と遊んで暮らしてきた。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。今日未明メロスは村を出発し、野を越え山超え、十里離れたこの氏ら楠位置にやってきた

pomeraDM200

 メロスは激怒した。必ず、かのじゃ地暴虐の王をのぞかなければならぬと決意した。メロスには政治がわからぬ。メロスは、村の牧人である。笛を吹き、羊と遊んで暮らしてきた。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。今日未明メロスは村を出発し、や真声、十里離れたこのシラク巣位置にやってきた

pomeraDM30

ファーストインプレッション

 DM2桁の折り畳みキーボード機としては歴代で一番大きく重く、畳んだ状態で鷲掴みにした手応えはずっしり。厚みがかなりあります。とはいえDM200はB5長辺の収まる鞄を用意する必要がありますがDM30であればもっと小さいハンドバッグ、クラッチバッグの類で十分で携帯性はDM200との比較では良いです。厚いけど。

 電子ペーパーは液晶とは質感が違います。「見やすい」とか「目に優しい」かは一概にいえませんが光の当たり方に対する見え方が落ち着いていて大変好ましく感じます。ベゼル部分の段差が画面に影となって落ちることもあり表示領域周辺に余白が欲しくなります。

2

 DM200に比べてDM30の方がはっきりと良いとわかるのが剛性感のある筐体。DM200はDM2桁シリーズに比べるとやや心もとなく、画面側の蓋を開閉するときに「ぎしっ」という感触が伴います。DM30は蓋の開閉もキーボードの展開もかっちり。歴代ポメラの中で一番しっかりしている感触。

 画面表示の遅い電子ペーパーが前提となる操作は独特です。▲▼◀︎▶︎キーを一度だけ押すとパソコンや他のpomeraと同様一文字・一行カーソル位置が動きますが、長押しにすると数文字・数行単位でカーソルが飛び思った位置で止めるのが難しいです。Ctrl+◀︎▶︎の一単語単位のジャンプやAlt+▲▼◀︎▶︎の行頭・行末ジャンプ、数行スクロールを併用するのが快適。……なはずですが一単語ジャンプのCtrl+◀︎▶︎◀︎▶︎のみの動作と同じ。うーん。(初期ファームウェア)

 DM30の検索・置換機能は高速です。DM200より圧倒的に速いです。

 キーボードの折り畳みギミックは手堅い機構でportabookや旧DM2桁機のようなトリッキーさがなく、開閉もスムーズで打鍵時も十分に安定。DM100や旧DM2桁機よりも質の良い感触です。大抵のノートPCに負けない剛性感。DM200比ではキーの押し下げが少し硬く、底突き感はかっちり明瞭です。DM200の方がわずかに静かでソフト。

 eneloopでの実駆動時間はカタログ値の20時間しっかり持つようです。

 microUSB端子に電力を供給すると電池不要で稼働します。eneloopを取り出しての充電中でも利用可能。家電量販店の店頭デモはUSBからの電源供給で動いていました。

おもしろポイント

 [設定]-[電源の管理]画面で「パワーオフ画面」を「編集画面」にしておくと電源が切れていても編集中の画面を表示したままにできるのは電子ペーパーならでは。

 キーボードの折り畳む部分、片側二カ所ずつに磁石が仕込んであり、下向きのまま画面を開いてもキーボードが不用意に開いたりしません。芸細。

Q&A

  • :電子ペーパーは見やすいですか?
  • :紙の印刷物よりは地の白色は暗く、黒も真っ黒ではなく、紙の本より少し明るい場所が合います。屋外のようにうんと明るい場所は液晶より圧倒的に見やすいです。逆にコーヒーショップやファーストフード店だとやや明るさが足りず見づらいです。
  • :電子ペーパー画面の反応が遅いそうだけれど入力速度に影響はありますか?
  • :速く打鍵してもキーの取りこぼしはないため表示を待たずにタイプできる人は問題ないと思います。変換結果の選択や範囲指定、カーソル移動では操作性はかなり悪いです。
  • :電子ペーパーには残像があるそうですが気になりますか?
  • :紙書籍の裏写りと似た感じです。時間が経っても残像は勝手に消えず残ります。私はあまり気にならないです。
  • :折りたたみ式キーボードは不安定では有りませんか?
  • :机の上や硬いカバンの上で広げる分には実用範囲。膝の上など柔らかな場所では重心がヒンジ寄りであることが災いし、手前側が浮き気味になってかなり打鍵しづらいです。
  • :DM30とDM200、打鍵感はどっちが良い?
  • :私はDM200に軍配をあげます。
  • :変換精度は良いですか?
  • :DM200と比べると悪いです。旧DM2桁機よりは確実に良く、DM100と比較しても改善されていると思います。【単語登録】【ATOKオプション】に補助辞書が20ほどあるので用途に応じて追加すると使いやすくなります。
  • :起動時間は?
  • :画面のある蓋を開いた段階で電源が入り4〜5秒で使用可能になります。DM100、これまでのDM2桁シリーズよりは明らかに遅くDM200とほぼ同じ〜わずかに遅いくらいです。
  • :ファイル転送手段が減ったのは影響ある?
  • :DM200にはあったWiFiとBluetooth機能がDM30では無くなりましたが私の使い方では特に不便は感じません。メモはQRコードのテキスト転送で手軽にスマホに送り込み、小説はUSB経由でPCと接続してrsyncコマンドで同期させています。

小説創作におけるDM30 vs. DM200

 DM200で小説創作に役立った機能の筆頭がアウトラインです。DM30のアウトライン機能もDM200に搭載されたものと同じです。DM200とDM30では画面の広さが違い、DM200の方が広々と使えるのは確かですが、実用上の差はないように思います。どちらでもアウトライン機能の恩恵は十分に得られます。

 DM200、DM30で共にありながら機能が違うものに「フレーム」があります。DM200では一行文字数・一ページ行数を指定して表示する機能で原稿用紙換算をする際に便利だったのですがDM30では同じ名前の機能でありながらページ区切り・ページ数が表示されず使い途のない機能になってしまいました。

 搭載電子辞書においてDM200とDM30で類語辞典の有無で差があります。

 かな漢字変換の変換精度、編集可能文字数、使用可能文字コードといった部分でDM200の方が長文・小説作成に向いていると思います。表示の見易さは暗めのところでも不便のないDM200が優位でしょう。

 DM200の内蔵バッテリーとDM30の単三電池も優劣はつけ難く正直「どちらでもいい」です。

DM30への不満

 購入直後に明確に不満を感じたのは

  • 取扱説明書の公開が発売日以降で予約のための情報が不足していた
  • 折りたたみモデルとしては大きく重くなった

といったあたり。

 ファームウェア更新で改善を期待するポイントはたくさんあります。

  • 編集可能文字数をDM200並みに。できれば30万字程度に。
  • Ctrl+F7で単語登録機能を呼びだした際に範囲選択してあった文字列を登録語句欄にセットして欲しい。
  • Ctrl+◀︎▶︎のショートカットを取扱説明書通りに単語単位でカーソル移動できるように。
  • 縦書き表示時のAlt+◀︎▶︎▲▼のスクロール、行頭行末ジャンプのショートカットが混乱している。ATOKの操作も含めて見直しを。
  • フレーム機能をDM200相当に。
  • メニュー【書式】【カーソル位置】を「終了時の位置で開く」に設定しても現在編集中のファイルの電源オンオフにだけしか適用されない。文書の読み込み時でも保存時のカーソル位置に復帰して欲しい。
  • 表示に先行して入力したキー操作が画面に反映されないことが(時折)ある。しばらく待った後で一動作加えると画面が更新されるが、キー入力の取りこぼしはなく余剰な動作が含まれた結果となっている。描画更新不足の改善を。
  • 電子辞書機能、単語登録画面において稀にかな入力モードであったのがローマ字入力モードになってしまうのをかな入力モードが保持されるようにして欲しい。最近は発生していないので取り消し。
  • かな入力モードにおいて全角の英数記号を容易に入力できるようにして欲しい。例:入力「ぬふぁぅぇぉゃゅょほ」(Shift併用)→「!"#$%&'()=」(PC版ATOKではF11「読みの英字/かな置換」で変換可能)
  • 「文字情報表示」をF7のショートカットから呼び出すような場合、機能終了後はメニュー選択モードではなく編集画面に直接戻って欲しい。単語登録なども。
  • カーソル移動やスクロール、検索移動した後で最後の編集箇所に戻れるキーショートカットが欲しい。
  • 編集画面側にフォーカスがある時に前/次のアウトライン項目へ移動するキーショートカットが欲しい。(DM200ではCtrl+▲▼) 表示レスポンスの悪い電子ペーパー向けにはより多彩なジャンプ機能・ショートカットが要るような気がする。

等。

 DM200相当の中身を期待するならばDM200を使い続けるのが良いようです。今のところ電子ペーパーが面白くて楽しく使っていますが、DM200で作成中の小説がDM30の分量制限に引っかかってしまい作業を引き継ぐことができません。分割して対応すれば良いのですが、分割管理の手間とリスクを取るくらいならDM200で作業します。DM200も初期ファームでは5万文字が編集上限だったので割り切れば良いのはわかっているのですが……。
 小説創作をはじめとする長文用の機種ではなくもう少し気軽な用途が向いているというのが第一印象でした。

関連記事

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DM200アウトライン記号&青空文庫ルビの一太郎変換マクロ

DM200と一太郎

 小説創作ではpomera DM200で小説を書き、一太郎で組版という手順で作業しています。その際、DM200上では

ルビ|親字《ルビ》
傍点[#「○○」に傍点]

といった青空文庫記法のマークアップとDM200用のアウトライン記号を併用しています。「.(ピリオド)」の数で階層深さを指定する形です。

以下にサンプルを示します。

.タイトル
..第一部
...第一章
あああああ親字《ルビ》
|あああああ親字《ルビ》
ここに傍点[#「傍点」に傍点]を振る
[#ここから4字下げ]いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい。[#ここで字下げ終わり]
...第二章
....第一節
...第三章
..第二部
...第四章
...第五章
..あとがき

 一太郎2018ではマークアップルビの読み込みがある程度サポートされたのですが今ひとつ痒いところに手が届きません。というわけで、自前の記法混在環境に合わせたマクロを作ることにしました。ブログ『All season with my Dear』様の「一太郎で青空文庫ルビ」という記事で公開されていたマクロを元に少しだけ改造したものです。

DM200アウトライン記号と青空ルビの一太郎用変換マクロ

マクロを置いておきます。
「rubymacro.zip」をダウンロード
テキストファイルをzip形式でアーカイブしてあります。一太郎のマクロエディタにテキストの中身をコピー&ペーストして利用してください。

 以下のGIFアニメのように動作するマクロです。上のサンプルテキストで試してみました。

Aozora_macro

  • 青空文庫ルビ、傍点、字下げ記号の一太郎形式化
  • DM200のアウトライン記号の一太郎見出し形式化
    ※階層ひとつめはタイトル、見出しはふたつめ以降に使用

以下にマクロのコードを貼っておきます。


!! --- 青空文庫のテキストにルビを振る ---
!! ---        for 一太郎2018          ---
!! ---          ver1.31b               ---
!! ---   2010/4/25 Copyright Tsukasa   ---
!! ---   2018/3/3 Modified Tou Asaya   ---
!!
!! 青空文庫形式のルビを振ります。
!!ver 1.20 傍点の処理を追加・NS画面用のスタイルに変更
!!ver 1.30 ルビの処理を訂正。長いルビにも対応した。まだエラーを起こすことがある。
!!         字下げの処理を追加した。
!!ver 1.32b DM200タイプ見出し処理追加。PDF出力削除。
!!     地付き、地上げ、縦中横処理追加。
!!↓↓ルビの処理↓↓
!!↓↓長い単語のルビの処理↓↓
 declare variable %ページ(2) 
 declare variable %行(2) 
 declare variable %字(2) 
文書頭()
 %ret(1) =1
 %i = 1
 do until %ret(1) =0
  %ret(1) = 正規表現検索("|",1)
  if(%ret(1)>0 and %i >0) then 
   %ページ(1)= GetPage()
   %行(1) = GetRow()
   %字(1) = GetColumn()
   挿入("★") 
   %ret(2) = 正規表現検索("《[^》]+》",1)
   if(%ret(2)>0) then
    %ページ(2)= GetPage()
    %行(2) = GetRow()
    %字(2) = GetColumn()
    %ルビ = GetString()
    try
   !!エラー発生時はこのルビ処理は飛ばす
     if(MaxSize(%ルビ)>1)then
      %ルビ(1) = %ルビ(1) & %ルビ(2)
     end if
     削除()
     %字数=Len(%ルビ(1))
     %ルビ(1) = Mid(%ルビ(1),2,%字数-2)
     範囲モード(1)
     ジャンプ(%ページ(1),%行(1),%字(1))
     範囲始点()
     ジャンプ(%ページ(2),%行(2),%字(2))
     範囲終点()
     ルビ( 1, %ルビ(1),1)
    exception
     case else
      挿入("★")
    end try
   end if
  end if 
  %i = %i+1
 loop
!!↑↑長い単語のルビの処理↑↑
!!↓↓短い単語のルビの処理↓↓
文書頭( )
%ret = 1
do until %ret = 0
 %ret = 正規表現検索( "《.+?》",1 )
 if(%ret<>"")then
  %ルビ = GetString(  )
  !!エラー発生時はこのルビ処理は飛ばす  try
  try
   if(MaxSize(%ルビ)>1) then 
    %ルビ(1) = %ルビ(1) & %ルビ(2)
   end if
   %字数 = Len(%ルビ(1))
   %ルビ(1) = Mid(%ルビ(1),2,%字数-2)
   挿入("★")
   LeftWord( 2 )
   範囲モード( 6 )
   範囲始点( )
   範囲終点()
   ルビ( 1,%ルビ(1) ,1)
  exception
   case else
    挿入("★")
  end try
 end if
loop
文字全置換("★",,3,0,0)
!!↑↑ルビの処理↑↑
!!↓↓傍点の処理↓↓
文書頭( )
%ret = 1
do until %ret = 0
 %ret = 正規表現検索( "[#「[^」]+」に傍点]",1 )
 if(%ret<>"")then
  %ルビ = GetString(  )
  if(MaxSize(%ルビ)>1) then 
   %ルビ(1) = %ルビ(1) & %ルビ(2)
  end if
  %字数 = Len(%ルビ(1))-8
  カット()  
  範囲モード(1)
  範囲始点( )
  前文字(%字数)
  範囲終点()
  傍点(2)
 end if
loop
!!↑↑傍点の処理↑↑
!!↓↓縦中横の処理↓↓
文書頭( )
%ret = 1
do until %ret = 0
 %ret = 正規表現検索( "[#「[^」]+」は縦中横]",1 )
 if(%ret<>"")then
  %ルビ = GetString(  )
  if(MaxSize(%ルビ)>1) then 
   %ルビ(1) = %ルビ(1) & %ルビ(2)
  end if
  %字数 = Len(%ルビ(1))-9
  カット()  
  範囲モード(1)
  範囲始点( )
  前文字(%字数)
  範囲終点()
  縦中横( )
 end if
loop
!!↑↑縦中横の処理↑↑
!!↓↓字下げの処理↓↓
文書頭()
%ret=1
do until %ret = 0
 %ret = 正規表現検索("[#ここから.字下げ]",1)
 if(%ret > 0 ) then
  %文字 = GetString()
  %数 = han(Mid(%文字(1),7,1))*2
  if(%数>0)then
   削除()
  else
   continue do
  end if
  %ページ(1)= GetPage()
  %行(1) = GetRow()   
  %ret = 正規表現検索("[#ここで字下げ終わり]",1)
  %ページ(2)=GetPage()
  %行(2) = GetRow()
  削除
  ジャンプ(%ページ(1),%行(1),1)
  範囲モード(2)
  範囲始点()
  ジャンプ(%ページ(2),%行(2),1)
  範囲終点()
  インデント(1,%数)
 end if
loop
!!↑↑字下げの処理↑↑
!!↓↓一行だけの字下げの処理↓↓
文書頭()
%ret=1
do until %ret = 0
 %ret = 正規表現検索("[#.字下げ]",1)
 if(%ret > 0 ) then
  %文字 = GetString()
  %数 = han(Mid(%文字(1),3,1))*2
  if(%数>0)then
   削除()
  else
   continue do
  end if
  インデント(1,%数)  
 end if
loop
!!↑↑一行だけの字下げの処理↑↑
!!↓↓地付きの処理↓↓
文書頭()
%ret=1
do until %ret = 0
 %ret = 正規表現検索("[#地付き]",1)
 if(%ret > 0 ) then
  %文字 = GetString()
  %数 = Len(%文字(1))*2
  if(%数>0)then
   削除()
  else
   continue do
  end if
  %ページ(1)= GetPage()
  %行(1) = GetRow()
  行頭()
  %ページ(2)=GetPage()
  %行(2) = GetRow()
  ジャンプ(%ページ(1),%行(1),1)
  範囲モード(2)
  範囲始点()
  ジャンプ(%ページ(2),%行(2),1)
  範囲終点()
  右寄せ( )
 end if
loop
!!↑↑字付きの処理↑↑
!!↓↓地から*字上げの処理↓↓
文書頭()
%ret=1
do until %ret = 0
 %ret = 正規表現検索("[#地から.字上げ]",1)
 if(%ret > 0 ) then
  %文字 = GetString()
  %数 = han(Mid(%文字(1),6,1))*2
  if(%数>0)then
   削除()
  else
   continue do
  end if
  %ページ(1)= GetPage()
  %行(1) = GetRow()
  行頭()
  %ページ(2)=GetPage()
  %行(2) = GetRow()
  ジャンプ(%ページ(1),%行(1),1)
  範囲モード(2)
  範囲始点()
  ジャンプ(%ページ(2),%行(2),1)
  範囲終点()
  右寄せ( )
  インデント(1,0,%数)  
 end if
loop
!!↑↑一行だけの字下げの処理↑↑
!!↓↓改丁の処理↓↓
!!↓↓※改丁は一太郎では改ページと判別せず↓↓
文書頭()
%ret=1
do until %ret = 0
 %ret = 正規表現検索("[#改丁]",1)
 if(%ret > 0 ) then
  %文字 = GetString()
  %数 = Len(%文字(1))*2
  if(%数>0)then
   削除()
  else
   continue do
  end if
  改ページ(1)
 end if
loop
!!↑↑改丁の処理↑↑
!!↓↓改ページの処理↓↓
文書頭()
%ret=1
do until %ret = 0
 %ret = 正規表現検索("[#改ページ]",1)
 if(%ret > 0 ) then
  %文字 = GetString()
  %数 = Len(%文字(1))*2
  if(%数>0)then
   削除()
  else
   continue do
  end if
  改ページ( 1 )
 end if
loop
!!↑↑改ページの処理↑↑
!!↓↓改段の処理↓↓
文書頭()
%ret=1
do until %ret = 0
 %ret = 正規表現検索("[#改段]",1)
 if(%ret > 0 ) then
  %文字 = GetString()
  %数 = Len(%文字(1))*2
  if(%数>0)then
   削除()
  else
   continue do
  end if
  改段( 1 )
 end if
loop
!!↑↑改段の処理↑↑
!!↓↓見出しの処理↓↓
文書頭()
%ret=1
do until %ret = 0
 %ret = 正規表現検索("^\.+?",1)
 if(%ret > 0 ) then
  %文字 = GetString()
  %階層数 = len(%文字(1))
  if(%階層数>0)then
   削除()
  else
   continue do
  end if
  %ページ(1)= GetPage()
  %行(1) = GetRow()
  if(%階層数 = 2 ) then
    SetParagraphStyle( 1, "大見出し(オートスタイル)" )
  else if(%階層数 = 3 ) then
    SetParagraphStyle( 1, "中見出し(オートスタイル)" )
  else if(%階層数 = 4 ) then
    SetParagraphStyle( 1, "小見出し(オートスタイル)" )
  else if(%階層数 = 5 ) then
    SetParagraphStyle( 1, "小見出し2(オートスタイル)" )
  else if(%階層数 = 6 ) then
    SetParagraphStyle( 1, "小見出し3(オートスタイル)" )
  else if(%階層数 = 7 ) then
    SetParagraphStyle( 1, "小見出し4(オートスタイル)" )  
  else if(%階層数 = 8 ) then
    SetParagraphStyle( 1, "小見出し5(オートスタイル)" )
  end if
 end if
loop
!!↑↑見出しの処理↑↑

※マクロを使用する前に一度文書を[保存]してください。
※段落スタイルを使用する場合はマクロ使用前に文書に対し段落スタイルを一つでも設定しないとエラーが出るようです。
※上のマクロはテキストエディタに一度コピペしてShiftJIS形式で保存しなおしてからの使用をお勧めします。

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小説創作ユーザのための「ポメラ」DM200レビュー4・辞書編

pomera DM200搭載辞書

 pomera DM200には

  • 『類語新辞典.S』
  • 『明鏡国語辞典MX』
  • 『ジーニアス英和辞典MX』
  • 『ジーニアス和英辞典MX』

の四つの辞書が搭載されています。手元に

  • 紙版『類語国語辞典』
  • Sharp Papyrus版『類語新辞典』
  • Logovista版『明鏡国語辞典』

があるのでDM200搭載版と比較してみようと思います。

類語国語辞典(紙版) vs. 類語新辞典(電子辞書専用機) vs. 類語新辞典.S(DM200)

 『類語新辞典』と『類語国語辞典』の二つはともに角川のシソーラス+国語辞典で後者が前者の増補新版です。ここでは「恋」という単語を引き比べてみます。シソーラス形式の特徴を理解いただくためにも前後2項目分ごと引用して比較してみます。

6【ほの】〔口〕〔古風〕
君は彼女に—だね。 ほれこむこと。
7【恋する】こいする〔常〕
美しい女性に—。—乙女 ○異性を愛する
8【恋】こい〔常〕
—の芽生え。—は盲目。—に落ちる。—を打ち明ける ○恋愛
9【愛する】あいする〔常〕 →481a, →484a
—人と別れる。妻を— ○異性を慕う
10【愛】あい〔常〕 →481a
二人の間に—が芽生える。—を告白する ○愛すること。恋愛

類語国語辞典(紙版・平成五年第七版)

4【惚れ込む】ほれこむ〔常〕
相手にぞっこん— ○すっかり心をひかれほれる。好きになって夢中になる
5【恋する】こいする〔常〕
美しい女性に—。—乙女 ○異性を愛する
6【恋】こい〔常〕
—の芽生え。—は盲目。—に落ちる。—を打ち明ける ○恋愛
7【愛する】あいする〔常〕 →481a, →484a
—人と別れる。妻を— ○異性を慕う
8【愛】あい〔常〕 →481a
二人の間に—が芽生える。—を告白する ○愛すること。恋愛

SHARP Papyrus 類語新辞典

4【惚れ込む】ほれこむ
相手にぞっこん― ○すっかり心をひかれほれる。好きになって夢中になる 〔常〕
5【恋する】こいする
美しい女性に―。―乙女 ○異性を愛する 〔常〕
6【恋】こい
―の芽生え。―は盲目。―に落ちる。―を打ち明ける ○恋愛 〔常〕
7【愛する】あいする
―人と別れる。妻を― ○異性を慕う 〔常〕 [別分類]
8【愛】あい
二人の間に―が芽生える。―を告白する ○愛すること。恋愛 〔常〕
pomera DM200 角川類語新辞典.S

 見出しの前に付された数字は分類【心情】−【愛憎】−【恋愛】の何番目の項目かを示しています。つまり見出し語の数は紙版の類語国語辞典が多く、電子版は電子辞書専用機Papyrus、DM200の二者が少ないことが窺えます。これは紙と電子の違いではなく、新しい「類語国語辞典」と旧版である「類語新辞典」の違いのようです。語釈の内容については引いてみた範囲では「類語国語辞典」も「類語新辞典」も変化がないように見え、DM200に搭載の『.S』版もほぼフルの角川『類語新辞典』と思われます。

明鏡国語辞典 vs. 明鏡国語辞典MX

 比較用に「あう」を引いてみます。会う、遭う、逢う、遇う、と表記される項目です。

あ・う【会う・遭う・▼逢う・▽遇う】アフ
 〘自五〙
❶ 〖会・逢〗約束して対面する。顔を合わせる。また、偶然に人と出会う。
「友人と━」
「駅でばったり先生と━・った」
⇔別れる
❷ 〖会・逢・遇〗物事と出会う。
「試練[難問]に━」
「親の死に目にも━・えない」
表記「▼邂う」「▼逅う」とも。
❸ 〖遭〗好ましくないことに出会う。ぶつかる。遭遇する。
「災難[火事・にわか雨・反対・抵抗]に━」
◆「合う」と同語源。
語法「~と会う」は双方が移動しあって対等の相手と対面する意に、「~に会う」は主体が相手のいる場所に移動して対面する意に使うことが多い。「喫茶店で友達と会う約束がある/先生にお会いしたく伺います」
表記
⑴ 「会」は、本来人と人が約束してあう意。偶然にあう意や物事との出会いの意に転用して広く使う(「六時に改札口で会おう・劇場でばったり旧友に会(遇)った」)。「逢」は「会」の美的な表記で、親しい人との対面や貴重なものとの出会いの意で好まれる(「恋人と逢う」)。「遭」は本来偶然にあうの意だが、今は「事故に遭う・にわか雨に遭う」などと、災難にあう意で使う。
⑵ 「▼邂う」「▼逅う」とも書く。「遇」「邂」「逅」は、偶然にあう意。一般に「会」でまかなう。動物とでくわす意ではかな書きが多い(「山道でクマにあう」)が、偶然の意を重視して「遇」、災難の意を重視して「遭」と使い分けることができる。「動物園でパンダに会った」と書けば、待望の意が付加される。
可能会える
関連語
大分類∥会う∥あう
中分類∥会う∥あう
❖「会う」を表す表現
〔自分が上位者に〕お目にかかる・お目通りを願う・お目通りがかなう・お目文字がかなう・拝顔の栄に浴する
〔自分が上位者の〕尊顔[尊容]を拝する・謦咳けいがいに接する・拝顔の栄に浴する
〔自分が上位者に〕謁えつ[拝顔の栄]を賜たまわる・御拝面[御拝謁はいえつ/御謁見/御拝眉はいび]頂く
〔上位者が自分に〕御拝謁を賜たまう・御面会[面接/面談/引見/接見]下さる
〔互いに〕顔を合わせる・相まみえる・旧交を温める・久闊きゅうかつを叙する
〔二人が〕逢瀬おうせを楽しむ
〔多数で〕一堂に会する

Logovista 明鏡国語辞典第二版

あう【会う・遭う・逢う・遇う】
[自五]
(1)【会・逢】約束して対面する。顔を合わせる。また、偶然に人と出会う。
「友人と会う」
(2)【会・逢・遇】物事と出会う。
「試練[難問]に会う」
「親の死に目にも会えない」
(3)【遭】好ましくないことに出会う。ぶつかる。遭遇する。
「災難[火事・にわか雨・反対・抵抗]に遭う」
◆「会う」は、本来人と人が約束してあう意。偶然にあう意や物事との出会いの意に転用して広く使う。「逢う」は「会う」の美的な表記で、親しい人との対面や貴重なものとの出会いの意で好まれる。「遭う」は本来偶然にあうの意だが、今は災難にあう意で使う。また、偶然にあう意で「遇う」「邂う」「逅う」とも書く。

pomera DM200 明鏡国語辞典MX

 語釈の分量にかなりの差があります。MXでは語源・類語説明が削られているようです。
 「詳しい方が得」と思ってしまいますが、『日本国語大辞典』のような極端に詳しい説明を必要とするのは稀で、常用する辞書には適切なボリュームがあるはずです。元々が学習・日用としての色合いの濃い『明鏡』は小型で文法重視、言葉を使い分ける時の扱いやすさを目指した辞書です。煩雑でない、という点でMX——Mobile Extra版のまとめ方も適切な気もします。
 またMX版には紙版・Logovista版にある「付録」がありません。

 『明鏡国語辞典』のヨイショなども少し。
 上引用例にあるように同じ「あう」でも「会う・遭う・▼逢う・遇う」のニュアンスの違いをわかりやすく切り分けています。同じ「あう」を『広辞苑』で引いてみると

あ・う【合う・会う・逢う・遭う・遇う】アフ
自五
➊《合》二つ以上の事物が寄り集まる。
①一つに集まる。合する。万葉集一三「玉こそば緒の絶えぬれば括くくりつつ又も―・ふと言へ」。「二つの川が―・う地点」「目と目が―・う」「両者の呼吸が―・う」
②二つのものの形・性質・内容などが同じになる。合致する。一致する。
▷対象を表す格助詞には「に」「と」が使われる。源氏物語若紫「この夢―・ふまで、また人にまねぶな」。源氏物語行幸「たけだちそぞろかに物し給ふに太さも―・ひて」。「割印が―・う」「足に―・わない靴」「答が―・う」
③二つのものが、互いに相手を悪くすることなく一緒に存在する。似合う。釣り合う。調和する。適合する。
▷対象を表す格助詞には「に」「と」が使われる。土佐日記「人の程に―・はねばとがむるなり」。源氏物語明石「ある限りひきすまし給へるにかのをかべの家も松のひびき波のおとに―・ひて」。日葡辞書「カミソリガワウ」。「服に―・った靴」「現実に―・った企画」「あいつとはうまが―・う」
④差引きで得が出る。計算があう。割にあう。引き合う。「―・わない仕事を引き受ける」
➋《会・逢・遭・遇》二つ以上が寄り集まり、相手を認める。
①《会・逢》互いに顔を見て相手を認識する。顔を合せる。対面する。会見する。対する。面と向かう。古事記中「嬢子おとめに直ただに―・はむと」。徒然草「かたへの人に―・ひて」。「旅先で友達に―・う」「―・って話をする」
②進んで行ったら向うから来て、互いに顔を見る。偶然出くわす。出会う。行き会う。
▷古くは先方を主語にして「…(の)あふ」の形で使われた。伊勢物語「物心細くすずろなるめを見ることと思ふに修行者―・ひたり」。「悪い時に悪い人と―・う」
③《遭・遇》何かをしている時に、悪い事態が自分の身に起る。いやな体験をする。遭遇する。拾遺和歌集別「たみのの島のほとりにて雨に―・ひて」。日葡辞書「ナンギニワウ」。「盗難に―・う」
④(ある時に)めぐり合う。生れ合せる。万葉集六「天地の栄ゆる時に―・へらく思へば」。日葡辞書「ヨイトキニマイリワウタ」
⑤結婚する。竹取物語「つひに男―・はせざらむやは」
⑥(相手に)立ち向かう。たたかう。万葉集一「香具山と耳梨山と―・ひし時」。平家物語九「強ち一条次郎殿の手で軍いくさをばするか、誰にも―・へかし」
➌《合》(他の動詞の連用形に付いて) 二つ以上のものが同時に、その動作をする。一緒に…する。互いに…する。竹取物語「大納言をそしり―・ひたり」。源氏物語賢木「賭物かけものどもなど二なくていどみ―・へり」。「皆で喜び―・う」「愛し―・う」「競い―・う」
◇ぴったりあう、互いに…する意では「合」、人とあう意では「会」「逢」、偶然にあう場合は「遭」「遇」を使うことが多い。特に「遭」は好ましくないことにあう意で広く使う。

広辞苑第五版

というように用例が古典中心であることが目につきます。また漢字の使い分けについても(詳しくはあるのですが)やや煩雑で『明鏡』に比べるとわかりづらいと感じます。短歌や俳句づくり、王朝文学に触れる際には『広辞苑』の方が有用なはずですが、現代の小説創作に利用するなら『明鏡』のわかりやすさ・使いやすさを推したいです。DM200の国語辞典としては人気の『広辞苑』ではなく『明鏡』が搭載されたのは大歓迎です。

ATOK連携電子辞典シリーズ

Atok_meikyo


 pomeraからは離れてしまう話題ですが、『明鏡』の「言葉の使い分け」に役立つ特性はパソコン用ATOK版の別売りオプションATOK連携電子辞典シリーズ『明鏡国語辞典』で強く現れます。かな漢字変換中に「会う」と「遇う」どちらだろう、と迷ったときに変換候補からそのまま違いや用例を参照できるのです。これは一度体験すると手放せなくなります。最近ではMS-IMEでもMacOSかな漢字変換でも変換候補から内蔵の国語辞典を参照できるようになりました。
 私の使用しているのは『R.2』というバージョンで旧版ですがATOK2016でも問題なく動いています。今売られているのも発売から少し時間がたっているようですね。


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小説創作ユーザのための「ポメラ」DM200レビュー3・アウトライン編

ポメラでダイナミックにアウトライン

 pomera DM200で新たに搭載されたアウトライン機能、レビューサイトや作家さんとタイアップした記事などでも触れられてはいますが、もっともっと積極的な使い方もできる機能です。
 作りかけの小説に新たなイベントを追加する、という状況での一例で説明します。

 すでにある程度の階層構造ができているテキストを例に取ります。構造は「構成」作業のみの段階を想定しても構いませんし、本文の作成を開始している状況を想定しても構いません。
 そこに「イベントA」を追加します。
 「イベントA」はまだ漠然としたシーンしかありません。お話のどこに挿入すべきかまったく決まっていません。

pomera dm200 Outline


 「イベントA」をどこに入れるべきか迷ってうろうろしているのがわかると思います。そうこうするうちに「イベントB」も思いつき、「A」と「B」の位置関係も含めて様々に変えています。
 同じ作業はwz editorや秀丸、scrivener等のテキスト作成環境でもできますが、pomera DM200であればキーボード・ショートカットのみで、他のどの環境よりもレスポンスよくできるのです。

 この「うろうろする」ことがpomera DM200のようなタイプのアウトラインの魅力です。「うろうろ」には完成形はありません。とりあえず、一時的にイベントの場所を決めておき、イベントの中身の文章を書き終わり、小説全体を一度最後まで書き終えてもまだ移動させる可能性のある仮置きです。
 もちろん、文章ができてしまってから構成変更をすると矛盾が生じてしまうことも多いですが、気にせずどんなタイミングでも各イベントの位置は動かしてしまいます。辻褄は「これだ!」というイベントの落ち着き場所が決まってから合わせればOK。せっかく書いたテキストも無駄になる部分が出ますが、試してみれば必要な手間なのだと納得できるはず。

 イベントの場所を「うろうろ」させることに慣れてくると思いついたシーンやイベントを「とりあえず」書いておき活用することが容易になります
 「とりあえず」+「うろうろ」、やってみると楽しい物語の作り方だと思います。お試しあれ。


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第23回文学フリマ東京 出品案内

SF小説『世界樹は暗き旋律のほとりに』

 ソウブンドウ様の『今夜はコトノハ植物園で』に掲載していただいた「アナレンマの黄金樹」を元に二作を書き下ろし連作化したお話を一冊にまとめました。A5版158ページの新刊です。レトロ&ハードSFで世界樹という言葉のイメージを一新します。

Poster_thumb


ポメラDM200の本『こんなポメラDM200は嫌だ!』

 発売日に飛びつきぞっこんのポメラDM200ヨイショ最速本です。(印刷物ではたぶん) 文学フリマ参加者にはきっと圧倒的な支持率を誇るに違いない!との確信とともにコピー本と自家製グッズを作ってみました。

DM200 fan book

 実物のポメラDM200より少し小さめのポメラ型小冊子。わずか8Pに古めかしいアイデアを詰め込みました。ポメラそのものもOASYS PocketやSigmarionよりさらに機能を削った先祖帰り的なグッズなので古くさいアイデアが似合うかも!かも!
 DM200のペーパークラフトとDM200用ショートカット一覧ステッカーを同梱します。

Dm200papercraftImg_0175


染織百合小説『あかねいろ』

 当ブログで電子テキストを公開している『あかねいろ』を手製本と布装丁で実本にしてみました。前回の文学フリマ東京22にて製作の既刊です。


Akaneiro_thumb

ゴシック百合小説『ルビィ・ドロップス』

 紅茶と傷だらけの少女とちょっぴり哲学。少女小説テイストにゴシックを絡めました。こちらも文学フリマ東京22からの既刊です。

Rubydrops_icon

佐藤南壬子短歌集

 歌人・佐藤南壬子がこれまでに出版した本の在庫分を持参します。

タイトル刊行年在庫数
終止形1984年1
うたのささげもの1986年1
風の薔薇1998年3
風が好き2002年1
新月の木2007年1
2012年10

Img_0188

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小説創作ユーザのための「ポメラ」DM200レビュー2・雑言編

初回のレビューよりも偏った視点での2回目のレビューとなります。

パソコンvs.ポメラ


 DM200購入までは8inch画面のWindowsタブレット――通称艦これタブレットを使用していました。MicrosoftのBluetoothキーボード・Universal Mobile Keyboardとの組み合わせで。
 この組み合わせは割と気に入っていたのですが不満もありました。



  • Bluetooth接続が時折不安定になる。

  • 取り出してから使えるまでが少し面倒。膝の上で打鍵できない。


 前者はタブレットPCが安物であったせいでWiFiのコントローラチップに評判の悪いものが搭載されていたためでした。Bluetooth自体は、たとえばApple製品同士であればまず問題が出ないのです。2万円ではなく4万円のWindowsタブレットを買っていればほぼ遭遇しない問題だったと思います。
 後者はパソコンとキーボードが別々であることの問題で、私の機器選定ミスでした。そもそも私はタブレットPCをキーボードなしの純タブレットとして使わないのです。つまり、私が買うべきだったのは艦これタブレットの前に使っていたVAIO type Pの新型でした。でもその後継機がなかったのです。 キーボード主体で使うモバイルPCがない!という時代になっていました。

ポメラDM200登場

 そこに登場したのがDM200でした。艦これタブレットのテキスト端末としての面倒くささにDM100を検討していたのですがDM100は液晶がいまひとつ気に入らなかったり、キーボードの評判に気になる問題があったりと購入に踏み切れませんでした。が、発売19日前に発表されたDM200はどうやら私の求めるものに非常に近い様子。しかもアウトライン機能としてwz形式を採用していました。私がとても気に入ってるタイプのアウトラインで、この時点で購入に傾いていました。
 発売日に家電量販店に展示品を触りに行き、数分触って購入を決めました。

DM200の良いところ

 10月21日の発売日に購入し二週間ほど使ってみた実感は「買って良かった!」です。
 スペックに目新しいところはありません。キーボードはHappy Hacking Keyboardや東プレと比べると当然「HHKのがいいよ」となりますし、筐体も「VAIO type PやMac Book Airみたいな製造技術を投入できればしっかりしたままもっと軽く薄くできたのに」という印象です。
 でも、でもですね。ポメラは文房具です。スペックや材料を売りにする最先端グッズでなくていいのです。
 液晶を保護するためだろう過剰なまでにクリアランスの確保された画面側。たわみらしいたわみはなく音も静かで、でもひっかかりのないスムーズなキーボード。「↑」キー以外は配列も無難です。

 ハードウェアだけでなくソフトウェアもよく出来ています。WindowsやAndroid、Macのようなマルチタスクを前提にしたものにはない、どんな操作にもダイレクトに反応するレスポンス。MS-DOSの頃のテキストエディタを使っているかのような感覚です。細かく設定できる編集画面の設定。きれいなフォント。メニューからの操作もできますが、ショートカットキーの利用を前提にしている点も見逃せません。慣れて、操作が手に馴染んでくるとマウスのようなポインティングデバイスの煩わしさが際立ちます。

 文房具としての使い勝手は本当によく練られていると思うのです。

ATOK問題

 少しばかり信仰に近い話をしましょう。

 ATOK、パソコンでも非常に人気が高いです。WindowsやMac OSの標準かな漢字変換は「ばか」でATOKでないと使いづらい、というのが多くの人の印象でしょう。
 でもATOKはかなりクセの強いかな漢字変換です。特にJISかな入力者には首の傾ぐ仕様が多いです。「!」や「?」をはじめとする全角記号の入力が煩雑であることやWindowsやMac OS標準のかな漢字変換よりワンアクション多くなりがちなショートカットキー。ポメラのATOKにも特徴は引き継がれています。
 よくいわれる変換効率の高さも、ビジネス文書ではとても便利ですが小説創作に向いているかは一考の余地があります。キャラクターごと、視点ごと、心理ごとに選ぶ変換候補も「バカ/馬鹿/莫迦/ばか」と変わります。そこに「間違っていない」結果を先に示されるのは――表現の幅が狭まるように思うのです。

 また一度前に進んだ思考を引き戻さないことも大事なこと。長く入力してしまった文章の先頭近くで意図しない変換をされていた場合、そこに思考を巻き戻すのはとても煩わしいことです。

 言葉選びは選ぶときにはしっかり吟味し、振り返らないことで楽に進められます。

 私はほぼ単文節入力・変換・確定でかな漢字変換を利用しています。可能であれば学習も切り、決まった回数変換操作すると決まった候補が出る、という状態にして、打鍵する指の動きを先行してタイピングの予定スタックに積み上げておきます。思考速度には波が出来ますが、タイピングは80%〜90%程度の速度で切らさずに継続する、という風に入力したいのです。今はそれができるかな漢字変換環境はは少ないのですが。
 毎分二百後半~三百音を入力していたかつての業務用ワープロの熟練タイピストはそういうやり方をしている人が多かったらしく、それを真似しています。たぶん、タイピストにとって高速で負担の少ないやり方は、文章を作る上でも快適なはず……。

 というわけで、私はATOKはその実用性以上の需要で搭載されている気がしています。でもその賢いATOKを動かすためにハードウェアの処理能力が上がり、テキスト編集全体に恩恵がもたらされアウトライン機能搭載の余裕も生まれたと思えばありがたいのかも……。

辞書

 DM200に搭載された辞書を使っていて思うのですが、これ、ATOKの拡張辞書でも良かったのかも。パソコン版ATOKにはユーザ辞書とは別に、電子辞書的な機能をかな漢字変換に組み込むオプション製品があり、その明鏡国語がとても使いやすいのです。インターフェースもかな漢字変換に組み込まれているので、DM200の切り替え式の類語・国語・英和・和英辞書よりもシームレスに使えますし。どうせ同じ辞書を載せるなら、キングジムさんにはATOKオプションの辞書も検討して欲しいところ。

 搭載辞書のスペックも気になります。類語、国語、英和、和英の四つの「MX版」なのですが本来の「角川類語国語新辞典」や「明鏡国語辞典」と比べるとコンパクト化されているような気がします。(別記事にまとめました)また検索機能が見出し語しか検索しないため、EPWING辞書ツールのように語釈部分まで含めた「全文検索」ができず搭載語彙数の実数よりずっと少ない言葉しか探し出せません。辞書そのものは搭載品で十分な気がするので検索機能のブラッシュアップを望みたいです。

 あと、文字パレット。国文系の作業や難読名前の入力ではATOKではなくこちらのお世話になる可能性が高いのですが、文字コードと対応文字の表示しかないシンプルさで実用性に疑問を感じます。文字パレットについてはWindowsもMacもATOKもそれなりに使いやすいよう工夫されているので真似しちゃえばいいのに、と。漢字字典を積んでくれてても良かったかも。

ショートカット

Img_0158

 キーボードだけで使うポメラ。使用頻度の高いショートカットはすぐに覚えますが、それほどでもなく覚えるのに時間がかかりそうなショートカットキー一覧を液晶の両脇に貼ってみました。滅多に触らないだろう設定関連を除いた自作・精選ステッカーです。

ケース

 DM200用の純正ケースを店頭で手に取ってみると外見は気に入ったのですが、少し嵩張り、重く、「バッグの中で埃だらけにならなければいいや」くらいのケースが欲しかったこともあり、隣にあったDM100用のネオプレーンのケースを購入。ぴったりでした。


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小説創作ユーザのための「ポメラ」DM200レビュー

ポメラDM200購入

 KING JIMのデジタルメモ・ポメラDM200を買いました。

ファーストフードにて下見のつもりだったけど

外観

Dm200_01

 半つや消しの黒でうっすらグレー味がかりぱっと見だと材料不明。ABSのようです。持った手応えは見た目よりは軽くかっちりしてます。画面サイズやボディサイズ感はVAIO type Pとほぼ同じ。ちょっと幅広です。手で触った跡がつきやすいのは気になるかな。

液晶

 発売前のネットレビューでは「動画用インターレースカラー液晶」と推測されていてちらつきや偽色が心配でしたが実物ではまったく気になりません。表示品質は十分に高いです。文字自体もキレイ。フォントのアンチエイリアシングはWindowsより見やすいです。太字(アウトラインの項目行)は微妙……かな?  ゴシックも明朝も見やすいです。

キーボード

 良いです。たわみらしいたわみは感じられないレベル。ぽす、という静かで柔らかな打鍵感で図書館でも大丈夫。将棋の駒をカチーンとやる感じではないです。アイソレーションタイプでキートップの高さは控えめで押込時には筐体とほぼツラ位置になります。爪を伸ばしている方は干渉するかも。JISかなの配列も問題なし。縦方向のキーピッチが狭いのも数字キー列を多用するかな入力者にはむしろ使いやすいです。

 JISかな入力ユーザー的に困ったのはShift+「め」の入力において“全角無変換(後)変換”=F9押し下げで「?」が出てほしいのですが「/」となってしまうこと。「?」だけでなく全角のShift併用記号を出す方法がわからずに取説と公式サイトのFAQとにらめっこ。Shift+「無変換」で英数全角入力モードに入れることはわかりましたが疑問文のたびにモード変更&復帰では煩わしくとても実用する気にならず。単語登録で「?」「・」を割り当てて一応解決です。これはたぶんATOKのクセ。PC版でも同じ挙動でMS-IMEを使っている一因だった気がします。

起動

 バッテリ駆動状態では液晶を閉じると終了。開くと四~五秒で起動。実用的に待たされることはないですがDM100までのポメラとの比較だと遅いと感じるかも。AC電源に接続していると液晶を閉じても画面のバックライトが消されるだけになり、開くと瞬時に復帰します。

レスポンス

 DM200で特に強調したいのがどんな操作もすべて快適なレスポンスであること。縦書きでもアウトラインでも快速です。高スペックPCでテキストエディタを使うよりもダイレクト感があります。歴代ポメラの中でもダントツ。
 あ、快速とはいかない機能もありました。WiFi関連です。こればかりは仕方ない。

アウトライン

 アウトライン枠が開いた状態においてalt+tab で編集側とアウトライン側のフォーカスを移動し、Ctrl+矢印でアウトライン構造を変更します。これもショートカットキーでの操作で、文句なしに快速で操れるのでアウトライン編集がとても楽しくなります。本文が横書き表示でも縦書き表示でもOKです。こんなに気持ちよくツリー操作できるアウトライナーは久々。ツリー操作に本文側が気持ちよく追従します。
 アウトライン編集がキーボードのショートカットで反応良く行えると楽しいのです。家電店店頭のデモ機でもこのアウトライン操作は十分に試せるので、ぜひ体験してみてください。行頭に「.」(ピリオド)を入れた行が見出しになります。

編集可能サイズ

 約五万文字という編集可能テキストサイズの制限は購入前にわかっていたのですが2byte文字のファイルで100KBはいけるけど150KBは読み込めないことを確認し、もっと長いテキストが編集できたらな、と強く思います。アウトライン機能の搭載は規模の大きな作業への欲求を後押しするのではないでしょうか。
 ファームウェアver.1.3にて編集可能サイズが十万字に変更されました。小説創作ユーザには嬉しいアップデート。

ATOK

 DM200のセールスポイントとなるATOK。
 すみません。変換精度の良さが正直よくわからないです。単文節あるいはせいぜい二文節ごとに変換・確定していると、長めの文章の文脈を見て変換精度を上げるATOKの性能を引き出す使い方ではないようです。

辞書

 国語辞典には明鏡国語辞典が採用されていて発売前のレビューだと記者の反応がいまいちでした。私は明鏡国語辞典をとても良い辞典だと思っていて不思議に感じたのですが、使ってみて納得。明鏡の特徴である「基本語彙の表記使い分け」がいまひとつ引き出せていないUIでした。良い辞書なのにもったいない……。元々の辞書の特徴を知っていれば長所を活用できないわけでもないです。語釈部分まで含めて全文検索ができればもっと使い勝手がよくなりそうなのに。編集画面の範囲選択→alt+F7~F10で辞書がダイレクトに引けるのはレスポンスの良さもあって気持ちいいです。

WiFi関連

Dm200_02

 やりたかったのは「dropboxと同期する」ですがポメラ独自ハード/OSでdropbox対応を期待するのは無理がありそうです。DM200の売りのひとつであるWiFi機能のポメラsyncはiOS/Macのメモに同期する機能のようで「小説作成」という私の用途に合いませんでした。日用の雑多なメモには便利なので活用していこうと思います。
 スマホとの併用だと"pomera QR code reader"というKingjim純正のアプリが手軽で便利。WiFiのような設定が必要ないので手軽です。

 というわけでポメラで作成した小説テキストはUSBケーブルでMacと繋ぎ、Mac側のrsyncコマンドで同期を取ることにしました。

バッテリ駆動時間

 これまでのポメラシリーズと一番変わったのはバッテリです。乾電池から内蔵バッテリになりました。実際のバッテリの持ちは……えーと、パソコンの感覚でいうとなかなか減らないです。毎日二時間くらいDM200を使って三日経ってもまだ半分残っている感じです。スリープをオフにして六時間表示させっぱなしにしても満タンからの消費は50%行きません。メモ的な用途であれば週に一度の充電で充分そう。

携帯性

 テキスト入力専用の単機能製品としてはちょっと嵩張る印象です。VAIO type Pや艦これタブレット+BTキーボードセットとほぼ同じサイズなのでけっして邪魔になったりはしませんが、身軽に出歩こうとするとテキスト打ち以外のパソコン的な作業はスマホに任せる割り切りが必要になりました。それで特に困ることもない、のはパソコン大好き人間的には少し寂しくもあります。

全体的に

 非常に快適なテキスト入力環境です。アウトライン機能も求めるものが装備されていて文句なし。一点だけ弱点を挙げるとすれば編集可能サイズ50,000文字の制限のみです。

ファイル同期

 パソコンではdropboxで小説テキストを管理しています。dropboxと共有しているフォルダの中の*.txtを丸ごとDM200上のSDカードとDM200側の【PCリンク】機能とパソコンのrsyncコマンドで同期させる形でファイル管理しています。USB接続ですね。
 rsyncコマンドはunix系のOSで搭載されているタイムスタンプで比較して簡単にファイルの同期を取ってくれる便利なコマンドツールです。コマンド投入時点での同期しかしてくれませんが、PCとDM200を頻繁に切り替え同じファイルを編集するような用途でなければ特に困ることはないです。

/usr/local/bin/rsync -auvz --iconv=UTF-8-MAC,UTF-8 --include '*/' --include '*.txt' --exclude '*' PC側フォルダフルパス /Volumes/SD/
/usr/local/bin/rsync -auvz --iconv=UTF-8-MAC,UTF-8 --include '*/' --include '*.txt' --exclude '*' /Volumes/SD/ PC側フォルダフルパス

 こんな感じのスクリプトを、PCとのUSB接続での充電のたびに実行するとファイルの管理が簡単になります。Macで標準搭載のrsyncコマンドが古く日本語表示が(ターミナルの表示だけが)文字化けするので日本語対応版のrsyncを導入してコマンドをフルパスで呼び出しています。

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SONY MDR-EX750購入レビュー

SONY MDR-EX750購入経緯

 イヤホンを新調しました。SONYのMDR-EX750というモデルです。
 外で小説を書いている時に使っていたEtymotic ResearchのER-6を壊してしまい代わりになるものを、と家電ショップに試聴に行きました。お目当てはBluetooth接続のヘッドホン。外耳炎の経験がありイヤホン、特にカナル型ではいつ再発するかと心配だったのです。オーバーヘッド型のヘッドホンでそんな憂いとはおさらばさ!です。
 当初はAKG Y45BTのような小振りなヘッドホンにするつもりでしたが家電ショップで試聴して「う〜ん?」となりました。隣にあったAKG Y50BTを聴いてみたところ「こっちのがずっといい!」と。「ノイズキャンセラー付のも面白そう」ということでSONY MDR-ZX770BNも聴いてみると「インパクトないけどこっちも悪くない感じ」でした。でもどちらも大きい。売り場をうろうろして悩んだあげく毎日持ち歩く気にはなれそうもないということでイヤホンに路線変更です。

 脱線ですがついでなのでBluetooth接続の上級機SONY MDR-1RBTを聴いてみたら「値段の高い音がする!」でした。笑っちゃいそうですがほんとそういう感じ。有線ヘッドホンでも上級機はたいてい細かい音が拾えてすっきり聴こえ余計な音がしないのです。770BNも「欠点ないし質も高いけどコレ!という魅力がないような」とSTAXユーザ的には思ってしまいました。STAXは入門モデルであってもクラシックを聴いたときにダイナミック型やBA型にはない「うわー」と思える美しい響きがあったりします。欠点もありますが美点が吹っ飛ばしてくれます。いや、そういう買い物にきたんじゃなかった……。外で小説書きの友になる実用的な(あまり高価すぎない)ヘッドホン改めイヤホンを!

 有線イヤホンについてはろくに調べていなかったのですがぶっつけの試聴だけで選んでしまうことにしました。最初に目に留まったのがSONYのExtra Bassシリーズ。低音ずんどこはとても楽しそうです。外出時には特に。ところが試聴してみると「……?」でした。うんと低い音が出てるわけでもないし地響きを感じるわけでもない。力強いわけでもなく引き締まった低音でもなく。まどマギの『Magia』やパイプオルガン曲を低音の目安にしているのですがどちらも楽しくない……。以前使っていたAERIAL7TANKの楽しさと比べると残念な感じです。
 家電ショップでは適当に目についた製品を試して歩いたのですが、良い感じに聴こえたのが今回購入したSONY MDR-EX750でした。率直にいえば無難な音なのですが、1万円帯では価格の割に質は良さそう。細かな音がよく聴こえ、試聴の曲を色々試してもおかしな鳴り方をする曲がないのです。10本くらい試してみると無難なモデルが良いような気もしてきます。試聴も飽きてきたのでこれでいいやとSONY MDR-EX750にしました。

MDR-EX750ファーストインプレッション

 帰りの電車で早速聴いてみました。

  • 遮音性はそこそこあるのに車内アナウンスはしっかり入ってくる
  • 低音はそれなりに出てる
  • タッチノイズがEtymotic Research ER-5より少ない
  • MDR-1RBTと似て優等生的な高価格帯の音

 好印象です。クラシックでもJazzでもゴシックメタルでもアニソンでも試した範囲ではおよそ苦手なジャンルがありません。低音はちゃんと出てます。Extra Bassシリーズより低いところまで引き締まった低音が鳴ってる気がします。歩きながら聴いても自分の足音やタッチノイズがうるさすぎるということもなく、ジャンルを選ばないだけでなくシチュエーションも広く対応するようです。

 化粧箱はそれなりに見栄えするものではありますが1万円弱の製品ならもっとシンプルなパッケージでも良かったような気がします。ちょっと邪魔でした……。

MDR-EX750おうちで比較

 自宅でも聴いてみました。EX750。
 結論からいうと「アンプ!」でした。iPod touchと据置DACのヘッドホン端子とを比較してみたところ少し印象が変わりました。iPodのヘッドホン出力は音量自体はそこそこ出せるものの駆動能力は低めだったのを思い出しました。EX750では出力に余裕のある据置DACとiPodの差が音の線の細さに出ました。iPod touchでは残響のような成分が減ってしまいます。試聴の際にExtra Bassシリーズが残念に感じられたのはiPodの駆動能力が足りてなかったのかも。
 ポータブルアンプ持ち歩けってことかな……。それはさすがに小説書きの友からは外れてしまっているような。

 据置DACに繋いだMDR-EX750ですがクラシックが(ポータブル用途としては)まあまあ楽しく聴けます。少し大きめの音量で音に包まれる感じにするといい感じ、はダイナミック型共通。トラーゼのプロコフィエフ・ピアノ協奏曲。ベロフのドビュッシュー前奏曲集。ハーンのシェーンベルクヴァイオリン協奏曲。ボロディン四重奏団のショスタコーヴィチ弦楽四重奏曲。このあたりが良い感じ。バロック音楽もタイトに響く低音のおかげで気持ち良いです。音色そのものが美しいわけではないのでヴァイオリンの独奏などは残念な感じですが小〜中規模オケで打楽器が活躍する曲には割と合うみたい。
 澤野弘之のBEST OF VOCAL WORKS[nZk]BEST OF SOUNDTRACK【emU】といったメリハリのあるアニメサントラは合う方。音場がしっかりしてて楽器の分離の良い録音と合う……のかな。
 ただ、まだ買ったばかりであるせいかハイハットを連打するようなところで音が繋がってしまって耳に刺さります。この粒の細かい音が連続するところでのイマイチな感じは椎名林檎のノイズ多用曲では聴いてるのが苦痛なレベルに。ボーカル曲の、日本製イヤホンやヘッドホンでよくいわれる「サ行のきつさ」もあってこれも同根であるように思います。気になったのはこのくらいで全体に優等生。ただし、用途はあくまでもポータブル向けで、騒音のある場所でも聞き取りやすい音であって、静かな場所で繊細な音を楽しむのには向かないと思います。

ノイズアイソレーションイヤーピース EP-EXN50M

 オプションのイヤーピースで良さげなのがあると知りました。SONY ノイズアイソレーションイヤーピースです。さっそく買ってきました。
 これは単純に遮音性を上げるアイテムみたいです。装着感がやや固くなるのでフィットサイズが標準のイヤーピースとはちょっと違うかも。私の場合は耳が痛くなったので元の標準イヤーピースに戻りました。遮音性も心持ち良くなる程度で効果は小さめです。むしろ装着状態の方が音に大きく影響するので、よりフィットする(かもしれない)ちょっと感触の違うイヤーピースと考えて試すのがおすすめ。過剰な期待をするようなものではないです。

ハイレゾ音源を聴いてみた

 MDR-EX750は「ハイレゾ対応」です。幸い、使用している机上のDACは96Khz/24bitまで対応していますし、音源もあります。

 DACの設定を96Khz/24bitモードにし『Hilary Hahn J.S.Bach Violin Concertos 88.2Khz/48bit』を再生してみました。これ、幸いにも?最初に買ったCD版(44.1Khz/16bit)とハイレゾ音源配信が始まったときに飛びついた88.2KHzの両者が揃っていて比較が可能です。さっそく聴き比べてみると……。

 わかんない。

 20Khz以上の音などふつうは聴こえないので当然といえば当然なのですが、音の定位や音場が違って聴こえるのではないかと期待したもののそういうこともないようです。1万円以下のポータブル用途の製品に期待しすぎてもいけないのかな。あるいは耳があまり良くないのかも。
 波形を編集ツールで比較してみると24bitのハイレゾ音源の方が音量の範囲が広く(弱奏パートと大音量パートの音量差が大きく)とても単純比較できなさそうです。またデジタル配信初期のものであったせいかデータ自体に微妙?と思える要素もあってこのデータでのCDフォーマットとの比較は避けた方が良さそう。残念。

ある程度使い込んでみた感想

 購入から一ヶ月ほどを経てそれなりに慣らしも進んできた頃合いかと思うので印象のまとめなど。

 ボーカル曲における「サ行のきつさ」は多少緩和されましたが解消にまではいたっていません。ハイハットを連打するようなところではやはり耳障りに感じられます。品質が安定していて使用開始直後からそれなりに性能を発揮できているということなのでしょう。それでも全体に音の固さがとれ、机上DACとiPod touchでの残響の柔らかさに差が出なくなってきたように思います。耳が慣れてきただけかもしれませんが。

 ボディはアルミらしいかっちりとした感触があって好感が持てます。塗装してあるので傍目にはプラと見分けがつかないのはちょっと悔しいかな。ケーブルは絡みにくくしなやかで非常に使いやすいです。ハイレゾ対応は音源側がまだ十全に生かしきっていないということもあるようですし、イヤホン本体にしてもポータブル用途でハイレゾというのはぴんと来ません。ティーンの繊細な耳であっても歴然とした違いを感じ取るのは困難だと思います。そもそも可聴範囲外の高音以前に、普通に聴き取れる音の範囲で「サ行の刺さり」「ハイハット連打が耳障り」といった些少ではある弱点はハイレゾ以前の問題に思います。たぶん高品位音源が活きてくるのはSHURE KSE1500 高遮音性コンデンサー型イヤホン KSE1500SYS-J-Pのようなハイエンド製品での話なのでしょう。お値段すごくてポータブル用と思うと手が出ませんが。

 苦手とするような曲ジャンルもなく、すっきりとした音で楽器それぞれの分離も良く立体感があり、うんと低い音もそれなりに再生してくれて、強めの低域はスピード感がありタイトで締まりある鳴り方でぼわぼわせずにボーカルや高音をマスクしてしまうようなこともないとても優等生的な音です。低音はタイトではありますがイヤホンらしいそれで、重くて量感のある鳴り方ではないので「これほんとに低音かなぁ?」と不満に思う人もいるかもしれません。プレーヤーとウェットティッシュを持って家電店で試してみるのがおすすめです。

 遮音性はほどほどで地下鉄や人声で満ちたファストフード店などではやや周囲の騒音が気になります。でも歩いているときの周囲の気配を断ってしまう程度には遮音性はあります。静かな図書館で音漏れを気にする必要もないはず。

 2017年6月に入ってコネクタピン近くで断線が起きかけていて、音が断続的におかしくなってしまいました。残念。


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