国立科学博物館
デジカメを買ったらぜひ行きたいと思っていた場所がありました。
国立科学博物館です。
博物館や水族館は照明が控えめな場所が多く、カメラ泣かせです。高感度が売りだというFinePixF10はどれくらい頑張ってくれるのでしょうか。
お気に入りの生痕化石。足跡を残した生物は不明だそうです。かなり大きな化石で、写真の岩盤一枚が襖一枚分くらいの大きさがあります。どんな生き物がこんな足跡を残すのでしょう。
色の違うのは二種類の生物が絡まっているのか、あるいは一種類の生物で成分が違うのか。身の回りの生物とこれくらい隔たっていると想像もつきません。
口の先が三叉に分かれているヘンテコな三葉虫。カブトムシみたいなノリなのかな。図鑑にもよく出ている有名な種類ですが、実物を見るとヘンテコ具合に驚きます。チョウチンアンコウのようにふらふらと揺り動かして餌をおびき寄せていたのかもしれない、などと空想するのが楽しい。
三葉虫の足跡が入り乱れている生痕化石。もぞもぞと泥を掻き分け掻き分け歩いたように見えます。展示では壁に立てかけられていましたが、水平に置いた風に見えるよう、斜め横から撮影して九〇度回転させてみました。地面を見下ろしているように見えるかな?
またまた足跡です。でも、国立科学博物館に足跡化石ばっかり並んでいるというわけじゃなくて、足跡の化石が好きなんです、私が。
四億六千万年前に最古の陸上植物化石が、四億二千万年前には最古の動物の化石が見つかっているそうですが、この足跡化石は五億年前のものだそうです。『陸上植物の起源―緑藻から緑色植物へ』(リンダ・グラハム著・リンクはamazonへ)という本にも書かれていましたが、植物が上陸する前に菌類や地衣類の世界が陸上に広がっていたのかもしれません。
画面の右奥、照明で白く飛んでいるのが休憩用のベンチです。そして、手前側のが特大アンモナイト。ペタペタと手で触れます。この殻にぴったりするような大きさのイカ――アンモナイトは頭足類でイカの仲間――がいたわけです。食べ応えたっぷりですね。もっとも、サザエとは違って殻の中はほとんど空です。隔壁で仕切られた空気室になっていたとか。
背中に勇ましげな幟が立っていますが、これは哺乳類型爬虫類。NHKの科学番組で取り上げられる前は『哺乳類型爬虫類―ヒトの知られざる祖先
』(金子隆一著・リンクはamazonへ)という本くらいでしか一般向けの本では紹介されていなかったマニアックな化石。哺乳類型と名はついていますが、見るからにトカゲっぽい顔立ち。
なぜかオオツノシカと翼竜と猛禽がすぐそばに並んでいます。飛行生物の比較で翼竜・オオワシ・コウモリが並べられているのですが、スペースの都合なのでしょう。
魚竜の一種。大きな目玉が魅力です。背景の青は磨りガラスに映った照明の色。少し幻想的な雰囲気に写って……ないかな。
魚竜はよくこんな目玉をしていますが、目の中の輪っかは眼球に骨が入っていたようです。パイナップルの輪切りじゃありません。
上の魚竜の近くで、磨りガラスに写った骨格の影と青い色が綺麗だったので。夜景モードで壁にカメラを押しつけて撮ってみました。
恐ろしげな顔ですが、この顔の持ち主が入っていた鎧が後ろに写っているもの。超強力版アルマジロ、みたいなものかな。この化石は見学者の評判も良いようで、「これがあの殻の中に入ってたの?」と声が上がる場面に何度か遭遇しました。大きさはビヤ樽くらいかな? これでも哺乳類です。
国立科学博物館の学芸員の中にはお茶目な人がいるに違いありません。
だって、ほらこれ。
どうみてもディノニクスの串焼き……。
常設展示の化石の目玉。テイラノサウルス。たぶん“ブラックビューティ”と呼ばれている個体の複製骨格だと思います。格好いい!
……はずなのですが、どうも写真が決まりません。あっちをうろうろこっちをうろうろ、背伸びをしたりしゃがみ込んだりして撮影したためか手ブレ写真を連発してしまいました。
恐竜博2005のスーはこのティラノサウルスより二回りくらい大きい感じでした。
映画『ジュラシックパーク』で有名になったパキケファロサウルス。一時は頭突き恐竜として有名でしたが、最近では「首の角度が頭突きに向かない」という理由で頭突き説は却下されたようです。楕円形の眼窩がなんだか凶悪な表情に見えますね。『Matrix』風味。
壁に掛けられたケラトプス類の頭骨三つ。
なんだかハンターが鹿の頭を壁に飾るような雰囲気です。
この写真だと何が写っているのかわからないですね。変に凝った写真にしようとすると、こんな風になりがちです。失敗失敗。
B3、B2の古生物フロアから1Fの現代生物のフロアへ。
単細胞生物から現代の多用な生き物までが見渡せるホールのような展示スペースなのですが、実は床の光る模様が進化の系統図になっています。見た目にも綺麗だし、いい展示だと思うのです。床の系統図に気づく人は少ないみたいですが。
長くなりました。
本当はもっとカンブリア紀やベンド紀の印象化石の写真を出したかったのですが、見映えのするカットが撮れなくて……。
国立博物館のwebサイトは見応えたっぷりでオススメ。国立博物館の売店には展示品のガイドブックが売られおらず残念なのですが、webで代用が利きます。展示品の解説を一通り読むだけで二時間くらいはかかるはず。カンブリア紀やベンド紀の化石は実物よりもwebの画像の方がはっきりと見えます。実物は小指の先くらいの大きさのものばかりですし。
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