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『恐竜野外博物館』ヘンリー・ジー

『恐竜野外博物館』
朝倉書店
ヘンリー・ジー+ルイス・V・レイ 監訳:小畠郁生 訳:池田比佐子
2006.1.15
3800円

★★★☆☆

 書籍版『ジュラッシク・パーク』といった趣でした。
 恐竜図鑑かと思って手に取ったのですが、生態の面に踏み込んでおもしろい読み物に仕立ててあります。

 全ページカラーの美しい本です。恐竜のイラストも色鮮やかな色彩が与えられ、大胆な仮説――想像力を飛躍させ過ぎかも――に基づく生活シーンが再現されています。

 冒頭でフィクションです、と断ってはいるけれどもこれを子供が読んだら学説なのかフィクションなのか混乱してしまいそう。それにちょっと変な、明らかに間違っている再現も混ざってるような。大抵の映画の中の恐竜達よりはずっとまともではありますが。
 それでも美麗なイラストと頭を捻ったであろう習性の設定は楽しめました。雰囲気としてはドゥーガル・ディクソンの『新恐竜』みたいな感じかな。恐竜に詳しい人が吹くもっともらしいホラ……。

 おもしろかったです。唯一の不満は「テリジノサウルス類の生態、もっと工夫して!」でした。体に似合わぬ特大の爪を持つ奇妙な恐竜なんですが、ありきたりに「シロアリの巣を壊して……」じゃつまらない。現生の生物でテリジノサウルス並に凶悪な爪を持っているのはナマケモノ。あるいはモグラ。大木の枝にぶら下がっていた恐竜とか穴掘り恐竜とか駄目ですか。フィクションなんだし。

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