『暴れん坊本屋さん』久世番子
書店員兼漫画家の書店エッセイ。爆笑するようなギャグが出てくるわけでもないですし、絵が特別きれいというわけでもないのですが、書店の仕事の大変さがじんわりと感じられてきます。あまり売れていないらしい作者の本を三十冊も仕入れ、何ヶ月もかけて売ったというお話などはおかしいやら悲しいやら。
書店員て大変なんだなぁ。
書店員兼漫画家の書店エッセイ。爆笑するようなギャグが出てくるわけでもないですし、絵が特別きれいというわけでもないのですが、書店の仕事の大変さがじんわりと感じられてきます。あまり売れていないらしい作者の本を三十冊も仕入れ、何ヶ月もかけて売ったというお話などはおかしいやら悲しいやら。
書店員て大変なんだなぁ。
長らく住んでいても近所に知らない場所ってあるものです。徒歩十分弱の圏内に知らない稲荷神社が……。
フイルムカメラと違ってデジカメはくだらないものを撮影しても現像代がかかるわけでもなく、撮影の機会が増えました。そして、撮るものが増えると日々の行動範囲でも被写体を探して「今日は通ったことのない道を」と裏道を遠回りすることが増えるのです。
少し新鮮。
上の稲荷神社のお稲荷様の像。現役引退組かも。仮設っぽい祠に。
お稲荷様って耳や鼻が欠けていたり、酷い場合には首が落ちていたりすることが多いようです。打ち欠くと御利益があるなんて俗信でもあるのでしょうか。逆に祟られそうな感じだけど。
世田谷っぽいバブリーなスポーツカー・フェラーリ。
でも、埃を被って猫の足跡だらけ。近所の子供たちの仕業でしょう、落書きまであります。
世田谷通りの松陰神社付近にて。信号待ちのカブを道の反対側からパチリ。
なんというか、えもいわれぬ風合いのカブでした。全身さびさびなのかと思ったら塗装のようです。カゴのあたりが新聞配達用カブみたい。運転手さんが覗き込んでいるのはリサイクルショップ。「そのカブは売り物にならないよね……」と思ってしまいました。ゴメンナサイ。
こちらは弦巻のあたりだったかな。
スーパーカブのファッショナブルモデルは「カブラ」というらしいのですが、けっこう色々なモデルがあるようです。これもたぶんカブラの一種。
壁の向こうは墓地です。
のんびり走るのが似合うカブは「ぼちぼちいこか」って感じ?
小さな中華料理店と踏切とカブと。
三軒茶屋の近いこの写真の界隈は学生アパートも多く、下町の雰囲気があります。かと思うとフェラーリやベンツが車庫に入っているお家があったり。成城や田園調布のあたりのいわゆる「世田谷」イメージとは少し異なる三軒茶屋付近。カブの合う混沌とした町です。交通標識があるので通れるのかと細道に入っていくと、どう考えても四輪では通過できない道幅になってしまったり。タクシー泣かせの町でもあります。
以前に訪れて、その不思議な雰囲気に再訪しようと思っていた大空閣寺、先の日曜に行ってきました。今度こそは不思議空間の雰囲気を写真に!と思ったのだけれど、う~ん。
実は、このお寺、観光的にはあまり面白味がないお寺なのです。玉川八十八ヶ所霊場のひとつであったりするらしいのですが、境内がほとんどコンクリで固められていて、なぜか虎や山羊の石像がどど~んと置かれ、大師像も菩薩像も真新しくて戸惑います。写真の背景に並んでいるミニサイズのお地蔵さんもコンクリ鋳造で間近に見ると微妙な質感。不思議さを醸し出しているのは風車と小さな仏様の群れのみ。
ところがここ、少し前までは境内も土が剥き出しで広く、雰囲気のある(ぼろっちいとも言う)お寺だったようなのです。少し古めの世田谷のガイド誌には風車度二〇〇%アップくらいの写真がありました。その頃に来てみたかったな。
そう言えば木村伊兵衛の写真にも風車を壁一面に貼り付けた家の写真がありました。黒澤映画にも風車が色鮮やかに並んでいるシーンがあったような。そんな光景が頭にこびりついているので、風車を見るとシャッターを切りたくなるのかもしれません。
夜景を撮ったり、雷写真にチャレンジしようとして失敗したりで、何かと訪れているキャロットタワー。月曜日の夕方に寄ってきました。
展望台は西向きです。新宿のビル群が望めるのはエレベーターホールの小さな窓と、レストランからだけ。無料の展望台スペースからは横浜~丹沢~武蔵野方面を眺めることができます。ちょっとした時間つぶしに本を読みに来ている人がいたり、落ちついた雰囲気の場所です。
夕焼けが見られそうな天気だったので期待して展望台に上がってみましたが、残念ながらそれらしい絵にはなりませんでした。残念。広角で一番星と夕焼けが同居している薄暮の空を期待していたのですが……。
地平線がワイコンの歪みで抉れています。この写真を友人Aに見せて言いました。
私「ほら、地球が丸いのがわかるでしょ」
A「わぁ、本当だ」
私「…………」
ノリ突っ込みなのか、天然ボケなのか。
24日19:30追記:
今日行っていれば雷写真が撮れたかも。東京地方では激しい雷雨でした。
二十日の土曜日に行った馬事公苑の馬術競技の様子。
画面では馬があんまり大きく写っていなくて迫力不足かもしれませんが、これでも馬の蹴った砂を被る距離から撮影しています。気持ちの良い青空だったので地面よりももっと空をいっぱい写したかったのだけれど、これ以上天を仰がせると馬場との境界の柵が写ってしまいます。う~ん。障害物の真横に陣取って撮ってみたい。
馬事公苑の一角にあるフラワーガーデン。ゴールデンウィークには藤棚が花でいっぱいで、桜の時期から今時分までずっと花で溢れます。
バラは前日の雨と風で傷み気味の花が多かったのですが、ぽつぽつと咲き続けるのでまだしばらくは楽しめるはず。
もっと色々な写真を撮るつもりで出たのですが、バッテリーが切れてしまってここまででした。残念……。
番外編は失敗写真としながわ区民公園の景色など。
ワイドコンバージョンレンズだ~、とイワシ水槽やサクラダイ水槽をパース感たっぷりに写そうとしたのですが、まっすぐな部分がぐんにゃり曲がり、傾いて見えます。パース感よりも歪み感が出てしまいました。被写体とカメラをきっちり正対させて、水槽の右端をギリギリで構図の外に出してしまえばパースだけ強調されて歪みは目立たなかったのに……。
デジカメの液晶ではこんなに歪んでいるのが確認できず、帰りの電車の中でZaurus上でチェックしていて気づいたものの後の祭り。
同じく失敗その2の「鮫編」。
円筒型の水槽なのですが、左右の端をぎりぎりでフレーミングしたつもりなのに片側だけはみ出ていてボツ。失敗の手応え?は撮ったときにあったのですが、水槽から離れた所にカメラを構えていると通行の邪魔になってしまうので退散してきました。
しながわ水族館の全景。中央のクレーンが立っている部分が水族館本体。設備の拡張工事中のようです。ペンギン・イルカプールのあたりのようですが、何ができるのかな。楽しみ。
んで、これも失敗なのです。レストランの上に指紋がべったり。広角になるとピントの合う範囲が広がるせいか、レンズ表面の汚れが思い切り見えてしまいます。
しながわ区民公園のハーブ園――といってもハーブが寄せ植えにしてあるだけで植物園というほどの規模じゃないのですが。蕾がアポロチョコで、花がパラソルの植物がありました。可愛らしい花です。
しながわ区民公園は梅園やハーブ園、なぜかキャンプ場モドキまであり、首都高との境界には小さな林があって、そこが落ち葉でふかふかの歩道になっています。ゴールデンウィーク以来冴えない天気が多いのできのこがあちこちに。パンケーキのようでおいしそうに見えました。
女性像、寝ぼけて今まさにベッドから転げ落ちようとしてジタバタしている人に見えます。像の一番上に本物の鳩が留まっているのも妙におかしい。これも芸術なんでしょうか。さっぱりわかりません……。
リンク:
しながわ水族館・その1
しながわ水族館・その2
図解入門 よくわかる最新レンズの基本と仕組み
桑島幹
秀和システム
2005.3.17
1470円
★★★☆☆
デジカメ用のワイコンを買って歪みやらゴーストやらが気になったので、風化しかけていた光学知識のリフレッシュを兼ねて読んでみました。「よくわかる」とか「図解」なんてあるので軽い絵本的な読み物かと思ったのですが、かなりきちんとしています。数式も煩雑になりすぎない程度にまとめだけ示され――すっ飛ばして読んでもそれなりに理解できるような読み物に仕上がってはいますが、自分で撮った写真を見て「ああ、これが××収差なんだな」と実感するためには、結論だけ提示されている数式に自分で適当な数字を入れて「なるほど」と納得することが必要かも。
カメラ専用の本ではなくて汎用のレンズ本。CD-ROMドライブの仕組みやレーザープリンターの仕組みなんかもざっと解説されています。
しながわ水族館レポの続きです。
その1の最後のウニと同じイソギンチャク水槽の主役。写真のこのクマノミとは違いますがオレンジ色で小さめのカクレクマノミは子供達にも人気のようで「ニモだ!」と熱い視線を浴びています。しかし、この水槽の真の主役はハゼと小型のエビなのです。どちらも穴を掘って巣を作るのですが、ハゼとエビが同じ巣穴に同居していたりしてとてもらぶりー。
エビは小心なので水槽の周囲で影が動いたりすると巣穴の中に潜り込んでしまいます。ですが、そのままじっと待っているとそろそろと顔を覗かせます。
おでこの出っ張っている目つきの悪いヤツはブダイ。デカイです。南国の色調がゴージャスです。
しながわ水族館でイルカショーと並ぶ立役者がトンネル水槽。
気持ちいいです。回遊するエイが頭上を横切ると観客から歓声が上がります。写真では暗めに写っていますが、実際はもうちょっと明るいかな。
顔をアップにするとなんだかおもしろい顔のエイ。トビエイ……かな?
館外に出ると水族館だけあって車止めもお魚。馬事公苑は馬アイテムで埋め尽くされていましたが、しながわ水族館は魚づくしというわけです。
しながわ水族館には大井町駅との間に無料送迎バスがあります。昔風のボンネットバス。クラシカルなこのバスに乗りたいという人は時刻表を確認してからお出かけを。一時間に一本です。
☆☆☆
しながわ区立公園で撮影した番外編写真も後日掲載予定です。(5/22掲載しました。→番外編)
ヨドバシにワイドコンバージョンレンズを買いに行った足で、そのまましながわ水族館へ。小雨がぱらつく天気でしたが、水族館の中は関係ありません。
入って最初は淡水魚水槽。見かけが地味なせいか、国産の淡水魚はあまり人気がなく入場者達も素通りしていきます。確かに40cmも50cmもある太り気味のイワナや、大きくなりすぎてボラだかウグイだかわからなくなってしまった淡水小魚はピンとこないのかも。写真だと大きさが掴みづらいですが、実際の川ではあり得ないくらいに大きいです。
イルカ水槽ではショーを見せてくれるのですが、ショーの時間はさすがに大混雑で人垣の後ろからのぞき見る感じ。早めにプールの前列の席に陣取ってショーが始まるのを待つのがいいみたい。イルカのプールには地下から眺める席もあります。しながわ水族館の一番人気かな。
華やかな熱帯魚水槽。幼稚園児達が声を上げて突進してきます。引率の先生達はすごいなぁ。パワー溢れるちびっこたちには圧倒されてしまいます。この水槽は遠景でも絵になるし、張り付いて眺めても楽しいしでオーソドックスだけど楽しい水槽です。
水族館で一番好きな被写体がタツノオトシゴ。
動きが少ないので撮影しやすいし、絵になるし……。
フグも比較的動きが落ちついているので写真には撮りやすいです。でも、その撮りやすいフグでさえ七、八枚撮った中で一枚くらいしかきんちと写りません。一脚も使ってはいるのですが、置きピンをして、魚の動きに合わせて流し撮りをして――だと成功率が低くなります。
珊瑚礁のフグは模様が素敵ですね。迷路模様や斑点が綺麗です。
写真、最後は珊瑚礁に棲む小型の魚の水槽。ハゼや小型のエビ、イソギンチャクと同居するクマノミなど美しく生態の面白い魚が揃っています。「串刺魚?」の写真は水槽ガラスに張り付いたウニと、その棘の影に隠れてやはり水槽に張り付いているニョロニョロした小さな魚。この水槽は観察のし甲斐がありますヨ。
☆☆☆
しながわ水族館はサンシャイン水族館よりもゆったりとした感じです。施設自体はそんなに巨大なものではないですし、イルカやアザラシの水槽も広々という訳でもありません。
ですが、魚の密度も適度で、水槽の内側に細工がしてあるのでしょう、魚の目の傷も少なめです。どこがどう違うというのははっきりとはわかりませんが、印象の良い展示でした。
客層もサンシャインとは少し違うようで、団体客が圧倒的に多いです。立地的にサンシャインはバスで乗り付けて~というのがしにくい繁華街のまっただ中なのに対してしながわ水族館は広い「しながわ区民公園」の一角にあるせいかも。
「しながわ水族館・その2」ではトンネル水槽の写真を紹介します。
その1の続きです。
左がワイコンなし、右があり、です。
コンバージョンレンズをつけても目立って描写が甘くなったりはしないみたい。原寸で見ても画質の低下はわかりません。ただし、歪みは強く、撮影シーンにまっすぐなものが入るとぐんにゃり曲がって写ってしまいます。あとはゴーストやフレアは出やすくなる気がします。
今日は見事に晴れました。降水確率は高めだったのに。
撮影サンプルはJRAの旗……馬事公苑です。障害競技をやっていたのでその様子を少しだけ撮影してきました。それはまた後日にでも。
デジカメ用にワイドコンバージョンレンズなるものを買ってみました。Kenko MS-06Wという製品で焦点距離が0.6倍になります。FinePix F10の広角側の画角は36mm相当(35mmフイルムカメラ換算)なので21.6mm相当の広角撮影が可能になります。
これが21.6mm相当の広角の撮影例。豪徳寺の招き猫の棚です。今ひとつ広角らしさが強調される撮り方じゃないですね。
晴れたら広角らしさが伝わる写真を撮ってこようと思います。空は広角だと気持ちよく撮れそう。
先の日曜日、豪徳寺の新しくできた三重塔の落慶式があったようです。当日は見に行けませんでしたが、今朝、寄ってみるとこんなポスターが。
残念ながら牡丹はとっくに終わってしまって、今は遅咲きの株がぽつぽつと花をつけている程度。
招き猫も新入りさんがじわじわ増えています。年末年始、特にボロ市のあたりで一気に増えるようですが、いつの間にか整理されてすっきりしているという……。
写真の実物は三、四センチ程度の可愛らしい猫ですが、低い位置から撮るとまんまるな体つきがマッチョで、今にも空を飛びそうです。
結局ちょびっとしか花をつけなかった藤。幹の部分が虫に食われてかなり傷んでいました。複雑に巻いた幹は造園の工夫の一部でしょうか。そう言えば豪徳寺の境内には奇妙な角度に曲がった木々がいくつか目に付きます。
皆さん、デジカメの画像データの保存、どうしていますか?
以前に使っていた三〇万画素のデジタルカメラの画像はMOやCD-Rに保存していたのですが、八年前のデータには読めないものが出てきています。CD-Rは五年位前のものは読めるものもあるのですが、八年前の物は全滅。CD-Rより安全だと言われてていた128MBのMOも半分ほどがアクセス不能。
DVD±RはCD-Rよりデータが不安定と言われているようです。一体、どんなメディアに保存しておけばいいのでしょうね。
写真は、たとえば祖父の残した四十年以上昔のフイルムが(色褪せてはいますし、変色してしまって読み取れないものもありますが)なんとか使える状態で残っています。プリントは色褪せてほぼ全滅かな。「百年プリント」を謳ったカラープリントも十年程度でずいぶん色褪せていてあと九十年は持たないかも。
でも、とりあえず乾燥剤と一緒に箱に放り込んでおけば銀塩のフイルムとプリントは十年くらいは普通に持つのです。それに比べてデジタルデータときたら。
デジタルカメラメーカーには
こんな感じの記録媒体を開発して欲しいものです。フラッシュメモリのような書換可能媒体だって、どのみちデータは最終的には書換不能なメディアに長期保存するはずです。だったら最初から消せないメディアに記録すれば誤って消してしまうこともないはず。産業分野でも「消せない記録」という用途は求められているんじゃないかな。
どうしてないんでしょうね。消せない、長期間保存可能なメディア。
皆さんのデジカメデータは大丈夫ですか?
豪徳寺の招き猫写真。今日、撮ったものもありますが以前のストックも混ざっています。
「悪」の文字が染め抜かれた布はなんでしょう。観光地で時折見かけるツッパリ少年(絶滅危惧種?)向けのグッズみたいな感じです。ナメ猫というのが昔はあったような。(2006.10.5追記 手拭いを収めた人の記事を発見)
升の中に入った招き猫というのは割と見ますが、ある日行ったらずらりと並んでいました。まとめて納めに来た人がいるのでしょうか。
豪徳寺は絵馬も納められます。このギャンブル雑誌の編集部の名前入りの絵馬、世田谷八幡宮や玉川大師、松陰神社でも見たような気がします。読者の幸運を真剣に祈っているらしい良心的な雑誌、ということになるのでしょうか。賭け事だけに結果は神仏のみぞ知るというところなのでしょうが……。
地道な祈願が読者を支えているのかもしれません。
「やっぱり怖い招き猫」の写真の前列の二匹、光の加減もあるのでしょうが表情が少し不気味ですね。こうして見ると豪徳寺の標準デザイン?の招き猫は飽きのこないすっきりとしたデザインで、かつあまり不気味に見えない形であることがわかります。
一番下の写真は雨に濡れて涙目+鼻水状態の招き猫。三センチくらいの小さめの招き猫ということもあって塗りが微妙にずれていたりするのもまたなんとなく涙目っぽさを助長してます。
この前訪れた芦花公園が感じの良い場所だったので再度訪れてみました。
廊下も狭いし天井も低いけど、こういうお宅はいいな。ガラス戸を開け放つと(庭に面したガラス戸はすべて戸袋に押し込めて開放できるようになっている)、庭と部屋の中が一続きの空間になるようです。部屋のあちこちに虫がうろうろするのはちょっと抵抗あるけど。
そう言えば木枠の窓にはこういう錠がついていましたっけ。
「完全」です。なんだか頼もしいブランド名?ですが、現在の目で見ると防犯効果がなさそうな錠ではあります。
こちらは徳富蘆花旧宅のある恒春園ではなく、隣接した芦花公園の部分。
ポピーに露出を合わせるとガスタンクを横切る電線の空の部分が白く飛んで見えなくなりました。これはどこかで見たことがある光景だなぁ、と思い出したのが小松左京原作の映画『首都消失』のラストシーン。首都を覆った謎の雲が木星のように見えました。
ガスタンクに走る斜めの電線が木星の縞々を思い起こさせませんか。
世田谷区の中央図書館の入っている建物にはプラネタリウムがあります。プラネタリウムもずいぶん減ってしまいましたが、世田谷区の施設は健在のようです。昨日、久しぶりに見てみました。
座席は三分の一も埋まっているかどうか。カップルもいましたが、大半が親子連れです。天文ファンなのか、男の子単独の入場者も幾人か。
民間の営業なら赤字廃業だろうなぁ。
投影番組は「春の星座と木星」と「恐竜がいなくなった日」。
はい、恐竜番組が目当てでした。
内容的には小学生向けの印象で大人には物足りないかな。でも、のんびりと楽しめました。同行した友人はすーすー寝息を立てておりました……。
ドームに投影された視野の広い映像はなかなか面白いです。プラネタリウム投影機が丸ごと回転すると固定されているはずの座席がゆっくり回り始めるような錯覚を覚えます。う~ん。飛行機の全周囲にカメラを向けて、空撮した映像をこの設備で流したらすごく気持ちが良さそう。
軍艦島―眠りのなかの覚醒
雜賀雄二
淡交社
2003.3.30
3000円
★★★★★
素晴らしいです。
1986年に新潮社から刊行された写真集の改訂新版。モノクロ写真の写真集です。
軍艦島はとても有名な廃墟です。NHKのドキュメンタリ番組でも特集が組まれたことのある場所で、海底炭坑の採掘根拠地となった島です。長崎県の端島が正式名。
160メートル×480メートルの小さな島ですが、最盛期には五千人が暮らしていたとか。日本初の鉄筋コンクリート高層建築住宅が建ち、海岸線はコンクリートで護岸され、島全体のシルエットが軍艦のようであることから「軍艦島」と呼ばれます。炭坑の閉山と同時に廃墟となりました。たぶん、日本でもっとも高名な廃墟。文化遺産への登録運動も行われているとか。
写真がモノクロであるのもすごくいいです。強烈な説得力があるのです。モノクロである必然性がわかります。幾度も個展が開かれ、賞を与えられるのも納得できるはず。
ああ、印刷じゃなくて印画紙で見たいな。この写真。
というわけで、強力にオススメです。この写真集。有名な写真家の有名な写真集なので図書館にも入っていると思います。
昨日の記事の続きです。
馬事公苑に行けばこちらの「食と農の博物館」も道すがら、というわけで再訪問。
お昼時は一階のレストランが大人気で「四十分待ちです」という声も聞こえてきました。
二階の展示は「バオバブの木の下で」というのがテーマでしたが、酒器類は常設です。右は「春画杯」。名前の通りの非常に精巧な春画が描かれていて使うのはちょっと恥ずかしそう。
blogに掲載するのに恥ずかしくない程度のアングルの写真だけ紹介。とても美しい浮世絵風の絵柄でした。
これの隣には「美人杯」というのがあったのですが、美人画が描かれているようにも見えずなぜ美人杯なのかがわかりませんでした。
電気式の熱燗ポット。「通電まへにまづ水をおいれ下さい 空焼は廃品になります」と注意書きが。
これは珍品かも。イカを干して徳利にした物。火で炙ってからお酒を入れて香りを移して楽しむものみたいです。包装の商品名から探してみたところ「山戸海産」で現役販売されている商品のようでした。試してみたいなぁ、これ。
馬事公苑では五月三~五日にホースショーというイベントが開かれます。馬術競技や馬を間近に見られるイベントが盛りだくさんで入場は無料。
初日に遊びに行ってきました。
最初の写真「レプリーズ」は警視庁騎馬隊による行進。騎馬隊は皇居周辺でもパトロールをしているとか。遭遇したことないなぁ……。
二枚目の「謎の空気遊具」はなにやら正体不明の遊具。トランポリンの一種かな? 小さなお友達しか入れないようでしたので、中の様子は不明です。
格好良かった「中障害A飛越競技」。カメラマンもたくさんいたのですが、みな同じようなシャッターチャンスを狙うものだから馬が障害物を飛び越す瞬間にパシャシャシャシャシャと「どこの記者会見?」と思う有様に。けっこう近くを飛んでくれるのでコンパクトカメラでもそれなりに撮れました。流し撮りを試みたのですがそれらしくなっているかな?
競技の合間にはスタッフがグラウンドを整えます。出走の狭間に駆けだしていって掘られた穴を素早く埋めて。四~五〇〇キロの体重のある生き物が跳ね回るので地面は簡単に掘り返されてしまうようです。待機中のスタッフと競技中の馬を捉えてみました。(「スタッフと馬」)
廃墟街道 中田薫+中筋純
二見書房 2005.12.25 1800円
★★★☆☆
廃墟モノって人気がありますね。心霊スポット巡りと重なる部分があるような気がします。鉄道の廃線探訪は――少し違うかな。あれは鉄道マニアの人たちの趣味なのかも。
この本は廃墟ライター?が出版社に企画を持ち込み、取材、といっても廃墟に勝手に入り込んで写真を撮って回ったもので、なんというか、webでよく見るような廃墟ファンのサイトとは雰囲気が違います。もちろん、ライター氏もそれなりに廃墟に見せられた人だとは思うのですが、短期間の取材で一気に多くの廃墟を巡るというスタイルには、休みの度に地道に出かけwebでレポートしている廃墟ファンたちとは少し感覚が違うようです。
なんというか、愛が欠けているような。
プロの取材なので情報収集もしっかりしていて廃墟物件のいわくも(たぶん新聞データベースに当たって)調べていますし、写真もプロのカメラマンがついているのでまともです。
記事は内容も文章もちょっとチープ。ほぼ全ページカラーのゴージャスな体裁ですが、印刷があまり写真向きではなくてイマイチです。
次は有名な軍艦島の写真集でも眺めてみようかな。
日経サイエンス 2006年 06月号
日経サイエンス社
2006.5.1
1400円
★★★★☆
クオリアの茂木健一郎と福岡伸一の対談が興味深かったです。福岡伸一は反プリオン仮説の人で『プリオン説はほんとうか?―タンパク質病原体説をめぐるミステリー 』(ブルーバックス)という著作のある人。プリオン云々に関してはこの本はとってもお勧め。牛肉輸入にまつわるニュースの数々がばかばかしくなること請け合いの内容です。
小惑星探査機「はやぶさ」の記事も――これもすでにテレビ番組でさんざん解説されていた内容ですが――面白かったし、オメガ数の話も興味深かったです。「ナノ電池」も面白い。一番気になったのは「星間旅行者を宇宙線から守る」という記事。宇宙線の遮蔽に関する記事なのですが、結論から言うと大きく嵩張る遮蔽装置なしでは宇宙線の遮蔽は難しい、ということ。がーん。自作SFの中で長期間の宇宙線被爆に耐えられる宇宙服みたいなもの出しちゃってる……。