恐竜博2006
楽しみにしていた恐竜博2006、昨日の雨模様の中を行ってきました。
まずは目玉のスーパーサウルスの写真を。
スーパーサウルスの大きさがわかるでしょうか。足下にいる人の大きさからは「あー、なるほど」って感じはすると思います。でも、実物を見たときの「うっわー。でっかー」というのはやっぱり今回の写真でもいまひとつ伝えられないような。ワイコンに加えて画面を対角線に使っても入りきらないこのしっぽ。うう。実物を見てびっくりして、としか言えません。左の写真は標本からはけっこう離れた展望スロープみたいな場所から撮ったのに収まりきらないこのもどかしさったら……。
しっぽのうねうね度がわかる右の写真。二本脚の恐竜ならしっぽが長いのも「バランスを取るためかな?」と思いますが、四足歩行でこの巨大なしっぽは邪魔そうです。
カマラサウルスもスーパーサウルスのいるこの会場では小さく見えます。イベント展示ということで柵や通路は安っぽいベニアや木製ですが、照明は凝っていていい雰囲気。
写真では人陰に隠れてしまっていますが、このカマラスサウルスは子連れで展示されていました。象の子供みたいに、親の作った深い足跡におっこちて可愛らしくコケたりしていたのかも、と想像するのも楽しいのです。
ジュラ紀版ティラノサウルスといった感じのアロサウルス。今回の恐竜博は標本のポーズセンスが良いのか、しっぽ美人な展示が多かったような。アロサウルスはティラノほど頑強な印象ではなくて、伸びやかなしっぽが豹のようなしなやかな動きをイメージさせます。
だだっ広いメッセでは巨大恐竜も余裕なようです。
出口近くの階段の踊り場から。
今回の恐竜博はテーマが今ひとつ絞り切れていなかったような印象でした。メインは「モリソン層の生き物たち」という大型恐竜の展示なのに、熱河生物群や白亜紀の地域別恐竜の分化、おざなりな環境問題展示が組み合わされていて、だったらもっと大量の竜脚類を集めて見せてよ!と思ってしまいます。
また、恐竜博の展示だけではないのですが、なんというか、見せ物としての要素に傾いているような気がします。会場では「どうせ偽物なんでしょ」という大人の声がところどころで聞こえてきました。これは博物館の常設展示なんかでもよく耳にする感想なのですが、こういう印象を来場者に持たせてしまうのは多分に展示する側に責任があるのだと思います。
たとえばスーパーサウルス。今回の標本のオリジナルは(化石としてはかなり多いけど)全身の三〇~四〇%しか骨が出ていなくて残りは近縁種から復元した物だそうですが、どこが推測による復元部分でどこが発掘された部分なのかがわかりません。多少見映えが悪くても、たとえレプリカ標本であっても、実際に発掘された部分と想像で埋めた部分とは明確に区別できるようにするのが科学ではないでしょうか。想像で埋めた部分は――科学的手順を踏んでいたとしても偽物なのは事実なのですから。ホンモノである部分とニセモノである部分をきっちり線引きしないから、全部がニセモノに見えてしまう気がします。
そういえば恐竜博に合わせたのかNHKでも恐竜番組をやっていました。面白かった――けど、不明点をかなり想像で埋めていて、この番組も科学の作り出した(確証のない)フィクションで構成されていたのがちょっと残念。科学も化石も事実だけでもじゅうぶんにエキサイティングなのに……。
| 固定リンク
« 書込型DVDドライブ | トップページ | 大道芸人 »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント