『恐竜ホネホネ学』犬塚則久
恐竜ホネホネ学
犬塚則久
NHKブックス
1071円
2006.6.30
★★★★☆
ホネホネ学、と軽めのタイトルがついてるのでおもしろおかしく軽く読めそうな印象ですが、少々手強いです。でも、難しくはないのです。恐竜や化石に熱心であれば小学校高学年でも十分に読みこなせるでしょう。逆に、大人でもあまり関心がないまま手に取れば挫折してしまうはず。
専門用語が多いのです。
頸骨、恥骨あたりはわかると思いますが、頸骨上突起がとげ状だの、前関節突起だのと連発されてついていけるでしょうか。図解は一応ありますが、それも大雑把です。骨の各部の呼称が解剖学用語で連発される上に、それらの骨の種ごとの特徴が言葉で説明されるので、骨格の解説図――本の挿絵ではなくもっと詳細な物――と首っ引きで想像力を巡らせないと書いてあることがわかりません。細かく図解を付けてくれれば、言葉の説明よりわかりやすいのに……。
骨の部位を示す言葉がややこしいだけで、それ以外の面では平易な本です。蟻塚を崩して蟻を食べる生物は手の関節がこんなんだから、この恐竜も蟻を食べていたんじゃないかな――といったように現生動物の骨格と恐竜の骨格を比較して恐竜の生態を推測する、という類のわかりやすい話なのです。
内容的にはとても面白い本でした。国立科学博物館の恐竜展示についても触れられているので、この夏にお出かけになる方は一読して行かれるのも良いかとは思います。うーん。これで図解さえしっかりしていればとってもお勧めなのですが……。
骨や筋肉の解剖学的呼称にもめげないぜ!という人に。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント