『ファンタジーのDNA』荻原規子
ファンタジーのDNA
荻原規子
理論社
2006.11
1575円
★★★☆☆
児童文学の勾玉シリーズで有名な荻原規子の読書エッセイ。
子供時代の読書経験が綴られ、今のファンタジー作家としての荻原規子を構成する要素が窺い知れます。国文科卒という著者らしく少し硬めの論理展開を見て、ちょっと癖のある文章がこの著者の自然なスタイルなんだな、というのが面白く感じられました。
読書経験を取り上げたエッセイなので、取り上げられているのは本好きならば恐らくは誰もが――いや、誰でもって訳じゃなくて物語好きならば、かな――通ってきた懐かしい本たち。児童文学の名作ばかりなのですが、荻原規子がそれらの本に感じたものに強く共感を感じます。だから、荻原規子の本が面白く感じられるんだ、と納得した次第。
特別に新しいことが書かれているわけではありませんが、荻原規子の物語が好きな人には深く共感できる本ではないかと思います。表紙のイラストがまた繊細で素敵です。
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