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『3Dで見る火星の絶景ポイント』

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ニュートンプレス
2415円
2007.2.15

★★★★☆

 面白かった!
 『Newton』のムックは雑誌掲載分の記事や少し前に出たムックの焼き直しだったりすることが多いので毎回付き合ってると「やれやれ」となるのですが、良い感じにまとまっていることが多いので好きなジャンルではついつい買ってしまいます。私の場合は恐竜・化石ネタと太陽系内惑星ネタ。

 今回の火星本はツボでした。
 記事も写真もさほど目新しくはないのですが、アナグリフ立体写真が一度にこれだけまとめて見られる本はそうはないはずです。雑誌『Newton』の記事でも時折アナグリフ立体写真が織り込まれていますが、ほんの数枚の写真を見るのにいちいち立体視用のメガネを用意するのも面倒で……。

 アナグリフというのは赤と青のセロファンを、左右それぞれの目の前にかざして眺める種類の立体写真。写真の方にも加工が必要ですし、色セロファンのメガネも必要ですが、工夫なく立体視できるので誰にでも楽しめます。

 もっとも立体写真と言っても「肉眼で見るのと同じように鮮やかな現実感!」と言うわけではありません。緩やかな起伏を持ったものは今ひとつ立体感が感じにくく、かっちりとしたエッジを持ったもの……平地に散らばる個々の石やきつく刻まれた谷、くっきりと凹んだクレーターなどは面白いように浮かび上がって見えます。立体写真の隅にすり込まれた解説文が空中に浮かんで見えたりするのもおもしろい。

 アナグリフ立体写真はフリーソフトでも作れるみたいなので近いうちに挑戦してみようかと思います。最近、カメラをさぼり気味ですし。

 NASAのWORLD WINDというgoogle earthみたいなソフトでも火星の地形を3Dで表示でき、アナグリフ表示にも対応しているのでたっぷり楽しむこともできます。『3Dで見る~』はローバーからの低めの視点中心で、WORLD WINDは衛星観測データを元にしているためあまり地表すれすれまでは近づけないため大地形が中心です。
 どっちもお勧め。

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