ドキュメントスキャナ ScanSnap・その4
ScanSnapの使用レポ・第四弾。
ScanSnapを導入して二週間。
暇さえあれば紙ゴミを生産している毎日です。そしていつの間にかけっこう散財してしまいました。
- 裁断機 …… 約1,000円
- PC部品 …… 約45,000円
裁断機を使うために職場に書籍を持ち込むのもいい加減面倒になってきたのでロータリーカッターの裁断機を見つけてきました。A4が裁断できるcarlというメーカーの物。ガレージセールにて入手。新品を買うと一万円以上するようです。
PCの方はScanSnapを使いながら画像のレタッチやら何やらを並行作業するための性能アップでCPU+メモリ+マザーボードとほぼ中身の総入替。webブラウズやテキスト入力程度では性能アップなど感じられませんがスキャンと画像処理を平行処理しながらでも日常使用の快適さが維持されるようになりました。
結果的にそこそこ物入りとなってしまったドキュメントスキャナ導入。お金だけでなく時間も食います。
作成した資料の活用をするどころか自由になる時間をスキャンに使っていて、本末転倒のような気がしてきました。
前回予告した「ドキュメントスキャナに向かない原稿」ですが。
- マンガ
- マンガというより縦横に罫線が引かれているもの全般でしょうか。紙質や紙の目の向きにもよりますが、原稿の送り方向の罫線が左右に揺らぎます。特にA4サイズの雑誌で顕著。
- 和紙
- 紙に腰がない、毛羽立ちが強め、ということで凝った印刷物に稀に使われる和紙はミスフィードが目立ちます。
- 写真プリント
- スキャン自体には(画質に妥協できれば)問題ありません。が、印画紙は張りがあるせいか排紙トレイに送り出した写真が次の写真に押し出され散乱します。写真の側にローラ痕もついてしまいます。画質はカラーコピー程度の感じ。
- 付箋のついたもの
- 付箋や見出しラベルが貼られた原稿は基本的にNGです。付箋やラベルの貼られた方向によっては問題がないこともありますが……。
- ルーズリーフ
- 給紙音がかなりうるさい。パンチ穴のエッジが立っている紙は二重送りが発生することも。
- 免許証やカード
- 以前の薄いものならばOKですが、ICカードになっている最近の厚めのものはNG。
意外とオールマイティです。ありふれた本でも紙質によってはまったく給紙できないものもあったりするので結局試してみるまでわかりません。
そうだ。2ch掲示板で見つけた豆知識。
ScanSnapにはScanSnap Organizerというツールが付属し、PDFとして取り込むと自動的にOCR(文字認識)にかけてくれます。OCRはけっこう時間がかかるのでScanSnap OrganizerではPCの空き時間を利用してPC利用の邪魔にならないように処理するのですが、JPEGスキャン→画像レタッチ→PDFという手順でPDF化するとこの自動OCR機能で処理できません。
そこで。
①JPEGスキャン→画像レタッチ→PDF …… これを"aaa.pdf"とする。
②ScanSnapから直接PDF形式でダミーを一枚だけスキャン …… これを"bbb.pdf"。
③Acrobatで"bbb.pdf"を開き"aaa.pdf"を挿入。上書き保存。
これで"bbb.pdf"はScanSnap Organizerのフォルダに放置しておけば自動的にOCRがかけられます。
そうそう。さらにもう一つ豆知識。
ScanSnapOrganizerで行われるPDFのOCRですが、上記①~③のようなレタッチ作業を含む場合は個々の画像の解像度設定をしておいた方がいいです。画像のプロパティで200dpiとか300dpiとか表示される部分。レタッチツールによっては解像度情報が消えたり不正確な数値になってしまいます。私は「解像度変更君」というツールで正確なdpi値に変更しています。この数値設定をするとacrobatでの表示時に「100%」でWYSIWYG等倍が正確に出せるだけでなく、ScanSnapOrganizerのOCRが高速になります。(dpi値ナシのままにしておくと時間がかかる)
『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』J・ストーズ・ホール
ナノフューチャー―21世紀の産業革命
J・ストーズ・ホール(著)、斉藤隆央(訳)
紀伊國屋書店
2007.3.22
2520円
★★★☆☆
★★★つけましたが、気分としては二つ半くらいです。
ナノテクノロジーによる未来を描いた、少し能天気な未来技術予想。
別につまらないわけではなありません。が、日本ではマイクロマシンやナノテクはアニメや映画の中ですっかりおなじみですし、この本に書かれている未来像は手塚アニメの範囲に収まるイメージで十分かと思います。手塚アニメではC字型の手のついたロボットがガッチャンガッチャンと工場で働きますが、そのロボットを目に見えないサイズまで小さくすればこの本に描かれている未来予想図のできあがり。ナノテクによるテロや社会問題も一応は取り上げていますが、根拠らしい根拠もなく「解決可能」「対処できる」と希望的観測ばかり。宇宙進出への原動力となるのが人口爆発だと語られるけれど、その人口爆発説も最近ではあまり人気がないのを著者は知らないのでしょうか。原著は2005年とそう古くないのに。宇宙で使われる肌にぴったりと張り付く宇宙服の説明も変、というより無理にナノマシンを使おうとしているようにしか思えません。著者が「ユーティリティ・フォグ」「宇宙港」「空飛ぶ車」の発案者? 著者の生まれる前からあるようなアイデアにナノテクの動力機関を当て嵌めただけで発案者になってしまうんですか……。
言語や知能の数値モデル化もあまり明るい見通しが聞こえてこない現在、人工知能を備えたロボットに労働の代役を任せる未来像を示されても素直に納得できません。結論(ナノテク技術開発推進すべき)だけが先にあって、そこにあまり説得力のない説明が並んでいるだけのように思えます。
二十年くらい昔のナノテク本を読んでいるような気分になりました。
『Dark Seed 2』紺野キタ
1巻が面白かったのでとても楽しみにしていた『Dark Seed』の第2巻。
期待に違わぬ面白さでした。
少年誌の冒険活劇のような元気なお話ではなくてしっとりと地味だけれど情感が細やかで、独特の清涼感のある空気を感じさせるお話。
一巻では主人公であるセレストとその魔法の相棒(カノン)であるクリスとの関係、大魔法使いの遺産について語られ、二巻ではいよいよ「Dark Seed」が何なのかが露わになっていきます。
複雑な血統、魔法使いを目指す少年少女たちの織りなす人間模様、魔法世界の秘密が入り交じる複雑な物語。どんな風に決着をつけるのか……2巻を読み終えた瞬間から3巻が待ち遠しくなりました。
一巻ではちょこっと顔を出しただけのリジーというキャラクターがひと味もふた味も癖があってびっくり。魔法学校の中に作られた秘密結社などという不穏な設定も出てきますが、そこに属する少年少女たちはやっぱりまだティーンなんだな、という雰囲気もあってそれが紺野キタらしさをたっぷり感じさせてくれます。
壊れやすいもの、儚いものを描かせるとこの人は抜群だなぁ。
シリーズ完結したらこのブログで初めての五つ★になる予感がします。
写真はコミックスを買いに行ったその足で早く読みたくて入ったドーナッツショップでの一コマ。
新装・国立科学博物館・その3
新装・国立科学博物館日本館(本館)
新装・国立科学博物館・その2
の記事の続きです。
日本館は化石ばかりではなく近代の計測装置や今の日本の生物の解説展示もあります。右は近代の時計や天球儀、顕微鏡などが置かれたフロアの一カット。飾り時計です。
このフロア、なぜかハンダの香り、、、いえ、たぶん松ヤニの香りがして不思議な感じでした。保存料に使ってるのかな?
こちらは吹き抜けのすぐ脇にある階段から下を覗いたところ。
ワイヤーで吊された振り子が揺れていて、その揺れの方向が慣性の法則で維持されるので地球の自転がわかる、という展示。振り子の錘はB1Fのエントランスで揺れているのが間近で見られます。
エントランスのシアター360の入口近くではいわゆる「がちゃがちゃ」が置いてあって、その中身が海洋堂のソフビフィギュアでした。右画像はそのフィギュアの内容を紹介するチラシですが……アンモナイトのニッポニテス・ミラビリスがあるぅぅぅ! でも、がちゃがちゃは望んだアイテムが一番に出るとは限らないのが辛いところ。くじ運の悪い私は挑戦する根性も持てませんでした。
そうそう。国立科学博物館の新たな目玉と言えばシアター360です。愛・地球博に設置されていた360度の視界を持つ映像装置が科博にやってきました。
見てきましたが、面白いです。これ。
今回見たのは水中で魚に囲まれるものと恐竜の姿を眺める二本立てで、恐竜番組の方は科博オリジナルだとか。普通の映画のように画面をじーっと見ているのではなくて、上映中にあたりをキョロキョロと見回して楽しむというのが新鮮でした。鯨に呑まれたり、岩壁に激突したり、恐竜に体当たりされたりと思わずからだが仰け反る臨場感。視点が上下に大きく動くたびに周囲からは「わーっ」と驚きの声。立ったまま鑑賞するのですが、手すりに掴まっていないと目眩でふらふらしそうになります。
科博にお出かけになった際にはぜひ。
新装・国立科学博物館・その2
前回の新装・国立科学博物館日本館(本館)記事の続きです。
地球館・アナグリフ編となります。
新装なった日本館だけでなく地球館と名称の変わった新館も覗いてきました。日本館ができたからといって特に展示内容が変わるわけでもないようです。ちょっと残念。
すでに数回写真を紹介している化石写真たちですので今更目新しくもありませんが少し前からチャレンジしている立体写真で取り組んでみました。本当はパノラマ+立体写真にしようと思ったのですが、パノラマは複数の画像をつなぎ合わせるときに画面を歪めてしまうので立体写真にするのは難しいようです。
アナグリフなので例によって赤・青メガネが必要です。
一番立体感が欲しかったティランノサウルスの頭部がほとんど立体感が出なかったのが残念。
一脚を縮めた状態で鎖骨に乗せ、体は手すりに固定し、左目と右目の前でそれぞれシャッターを切ってみました。
こちらは海生哺乳類。同じくアナグリフです。
きちんと立体に見える部分と像が分離して見えてしまう部分があっていまひとつな感じです。レンズの歪みとパースの影響でしょうか。単に撮影が失敗しているだけなのかな……。
新装・国立科学博物館日本館(本館)
長らく改装中だった国立科学博物館が十七日……だったかな? 新装なったと聞いて行ってきました。本館は新たに「日本館」と名付けられ、日本産の展示品が並ぶとのこと。
改装したとはいえ基本的なデザインも雰囲気もかつての面影を強く残した少し古めかしい、博物館的な装いは健在でした。エントランスから続くB1Fこそは今時のビル風の内装ですが、展示室も各階を結ぶ階段もきれいにはなっていても改装前とほとんど変わらない気がします。外観も遠目にはあまり変わらず、近くに寄ってみるとタイルが真新しくなっておりました。
左の写真は回廊のある吹き抜け。建物の中心部です。
縦パノラマに仕立ててみましたが、絵柄としてはイマイチ面白く仕上がりませんでした。
新装・日本館の目玉のひとつで、もっとも有名な国産恐竜(じゃなくて海生爬虫類・クビナガリュウだけど)化石のフタバスズキリュウ。
う~ん。クビナガリュウはいいなぁ。シルエットが素敵です。
もうひとつの目玉展示。アンモナイトコーナー。
アンモナイトなんていっぱい出るんでしょ? なんて思うかもしれませんが良い展示だと思います、これは。
例えばこのアンモナイト。
アンモナイトはたいていノジュールという卵形をした岩の塊の中に封じ込まれています。崖の下や河原に卵形の石がごろごろしていて貝やアンモナイト、ベレムナイトの端っこが覗いていたりするそうです。その岩タマゴを割ってみると中からは……何も出なかったり、お宝化石が登場したり。リアルチョコエッグです。
そのノジュールを四分の一ほど削って中に隠れているアンモナイト化石を露出させたのがこの標本。化石掘りをする人にはどうということのないだろう「クリーニング途中」な感じですが、化石掘りを書物の中でしか知らない者には「お~っ」と感動できるはず。
そしてこちらは日本の北海道が誇る異常巻きアンモナイト、ニッポニテス・ミラビリス。アンモナイトファンの間では世界的に人気のある化石でミラビリスを四つも並べて展示しているのはとても珍しいはず。流し台の下のU字パイプがこんがらがったみたいな複雑な巻き方をしています。数学的には非常にシンプルなパターンなのだそうですが。
次回「新装・国立科学博物館・その2」へ続きます。
ドキュメントスキャナ ScanSnap・その3
ScanSnap購入レポ・その3です。
ドキュメントスキャナを購入した理由は二つあります。
- 書き物の資料をパソコン上で利用したい。
- 処分する勇気の持てなかった書籍を一掃したい。
透明テキスト付PDFとデスクトップ検索の組み合わせはとても便利です。これまではフラットベッドスキャナで(スクラップブックを作るような感覚で)一ページずつスキャンして資料を蓄積してきましたが、ドキュメントスキャナで資料を丸ごと電子化できてしまえばより効率的にパソコン上に資料を集積できるはず。
その延長として、電子化した資料の原本は必要なくなる、はずです。
部屋の三方を埋め尽くした本棚の中身をすべて電子化できれば部屋が広くなるなぁ……と考えました。書物として取っておきたい本、というのは確かにありますが、いつか必要になりそうな気がして(でもたぶん二度と開かない)捨てられずにいる本の多いこと。
ですが。
ドキュメントスキャナを導入しても魔法のように本が片付くことはないでしょう。
ScanSnapを購入して数日。文庫本を十二冊……他、雑誌やパンフレット、ムック等計二十数冊を解体し、丸ごとスキャンしてみました。本の解体は職場にあった裁断機を使ったのでほとんど手間いらず、解体本は積み上げると四十センチほどの高さになりました。
スキャン自体も労力は要りません。ですが、書籍の解体作業とスキャンの間に、糊が残っていないかを確認する作業が必要で、それなりに手間がかかります。スキャンそのものも原稿をトレイに追加するだけとはいえ、数分おきに原稿を追加するので手離れはあまりよろしくありません。こまめに作業を要求されるので、同時に集中を必要とする並行作業ができないのです。
ScanSnapの導入で電子化作業は劇的に楽になったのですが、その対象になる作業量が膨大なために「追いつかない」のが直感的にわかります。高々二十数冊の本を電子化するのにかかった時間と手間を考えると、壁を埋め尽くした本棚の中身を処理し終えるのにどれほどの時間が必要なのか。げっそりできること請け合いです。OCR(文字認識)処理もスキャン速度に比して遅く、高性能なパソコンが欲しくなってしまいます。(OCRはただ放置しておけばよいので手間自体はまったくかからない)
そもそもが本棚に詰め込んである本のどれほどが資料として価値があるのでしょう。小説類も繰り返し読むのは本の山の中の数冊のみ。そんなデッドストック状態のものを電子化して意味があるのか、ということになります。
答えは当然ノー。
資料として必要なものは確かにありますし、それをドキュメントスキャナで電子化するのは十分に元の取れる作業だと実感できますが、ただ処分するのがためらわれた本たちに電子化の手間をかけるのは無意味と気づきました。
というわけで今週末は心を鬼にして本棚の本を
- 読めそうな本は古本屋行き
- 資料として使いたいものだけスキャン
- 日焼け・表紙消失本は資源ゴミ
と分類整理して部屋をすっきりさせることにしました。便利そうな道具にも限界はあるということですね。
書籍を電子化するなら「読み終えてすぐ」が良いかもしれません。何事も溜め込むとろくなことはないようで……。
次回は「ドキュメントスキャナに向かない書籍」について書いてみようかな。
招き猫@豪徳寺byアナグリフ
タイトルは予定、でした。
招き猫で立体写真を撮るぞ、と出かけてみたのですが、十五シーンほど撮影してなんとか浮き上がって見えるよう撮れたのはこの一枚だけです。招き猫写真は全滅でした。意外に手強い立体写真。
アナグリフは赤と青のメガネで眺める立体写真の一種です。メガネは色セロファンなどで簡単に自作できます。左が赤、右が青です。
立体写真の何が手強いかと言えば……きちんと立体写真撮影の決まりを守らないと画面全体が立体になりません。
- 三脚を使う。
- 一枚目を撮影したら露出、ピントをそのままに二枚目を撮影する。
- 二枚目は一枚目のカメラの位置から横に六センチほどずらす。
これだけです。
これだけなのですが、ぽん、と一枚目を撮った後にカメラを横にずらして……だとちっともうまくいきません。上に貼った画像でも水平が崩れていて二度ほど片側の画像を回転させています。うまく二枚の画像の軸が平行にならないと画面の一部分しか立体に見えないのです。
三脚の使用は大前提。三脚とカメラの間にスライドレールのマウントを挟んで、カメラをきっちり平行移動させてやれれば成功率は上がりそうです。
画像処理はAnaglyph Makerというフリーソフトを利用しました。
立体写真にはステレオグラムという、閲覧に道具を必要としない方式もあるのですが、こちらは練習しないと立体に見えてこないので今回はアナグリフにしました。いえ、単に私がステレオグラムだときちんと見えない不器用者だというだけなのですが。
ドキュメントスキャナ ScanSnap・その2
前回の記事に続いて富士通のドキュメントスキャナ、 ScanSnap
の使用レポ・その2です。
ScanSnapはパソコンに厳しいスキャナのようです。
私のパソコンはAthlon64 2800+、メモリ512MBですが(2007年3月当時。2008年現在に売られている物であればまず性能不足は感じないはず)、負荷のかかる作業をしているときにはScanSnapの紙送りが遅くなります。文章を書いていてもスキャン中はかな漢字変換の反応が非常に悪くなったりします。大量の画像を扱うのですから当たり前といえば当たり前ですが、それなりの性能のパソコンが必要かもしれません。ハードディスクも230GBあるのですが、あっという間に食いつぶされてしまいそう。
ScanSnapはPDFでの出力を前提にした商品らしく、PDF以外の形式ではカラーモード時のみjpeg保存が可能と、あまり細かな設定はいじれないようです。大量のドキュメントを扱う道具として、全自動でPDF、という使い方が想定されているようです。
でも全自動ではなかなかこちらの意図通りにはならないこともあります。
古くなって黄ばんだ本をスキャンするときにはできれば黄色味は抜けて欲しいのです。でもそれをするには画像レタッチソフトを通さないといけないので、標準ユーティリティおまかせのワンタッチでは済みません。う~む。悩ましい。
面白いのが付属のadobe acrobat。
adobe readerの方はフリーソフトということもあって触れたことのある人も多いかもしれませんが編集のできるacrobatは高価なソフトなので縁がないかもしれません。正直、機能的には「定価高すぎ」としか思えないソフトです。編集と言ってもワープロのようなことができるのではなく、印刷物を扱うように「ページごと削除」「ページ挿入」ができるだけです。リンクを張ったりコメントを埋め込んだりと電子出版物らしい操作もできるけれど、自由度は低めです。
ところがScanSnapにはacrobatに加えacrobat用のタイムスタンプ100カウント使用権が付属してきます。これは時刻刻印による電子署名機能。ユーザが「この日時に確かにスタンプを押した」ことを証明するものです。これが意外に役立ちます。「署名なんているの?」と思われるかもしれませんが、デジタルデータのオリジナル性を主張するために必須の機能なのです。スキャン以外のジャンルでも十二分に使い出がありました。
残念なのが追加スタンプの小売りが1000カウント(10500円)単位なこと。事業所ならともかく、個人ユーザは100カウントずつで十分です。(スキャンしたもの全部にいちいちスタンプはつけない)
しばらく使ってみて思ったのがやはり手間です。。
スキャン自体は手間いらずです。トレイに原稿を突っ込んでおけばするするとスキャンしてくれます。
でも、本や雑誌をスキャンするなら裁断しなくてはいけませんし、裁断した紙束に背糊が残っていたりしないか確認しないとスキャンが滞ります。ホチキスで閉じられた書類などは確実にホチキスを取り除く必要がありますし。スキャンを終えた紙束が小刻みに増えていくのも煩わしい。自治体によってはリサイクルで紙質による分類を求められるところもあるでしょう。
オフィスならば作動音も気にならないと思いますが、この機械はプリンタの紙送り機構が動き続けるのと同じで自室で使うとけっこう気になる音を発しもします。深夜に使うと家族に嫌な顔をされるはず。
次回レポでは「ScanSnapで本の山は消えるのか」について考えてみようと思います。
ドキュメントスキャナ ScanSnap・その1
ドキュメントスキャナなるものを買ってみました。富士通のScanSnap
という機種です。ちょうどモデルチェンジ直後で安くなっていた旧型(S500)です。
ドキュメントスキャナはプリンタ風のスキャナです。事務用FAXみたいに原稿束をセットしておくとそれを順次吸い込んでスキャンしてくれる機械。
捨ててしまうのがためらわれる本や雑誌が溜まっていて、処分のきっかけが欲しかったのです。
右の写真はさっそく取り込みしてみたシーン。テストスキャン中で、原稿の差し込み方向が間違っちゃってます。
本や雑誌を解体、スキャンして透明テキスト付PDFにします。
透明テキスト付PDFというのは画像としてスキャンした文書にOCR処理を施して内容を検索可能にしたものです。デスクトップ検索機能で資料として活用するためです。スキャン画像なしで完全にテキスト化して活用するにはOCRはまだ頼りないですが、検索キーワードとして使う程度ならば十分に実用になるようです。
書籍はカッターで解体。プリンタのシートフィーダ機構と同じような仕組みで紙送りをするので単票にする必要があります。裁断機があれば楽なのですが……。
書籍の裁断さえきっちりとやってあれば複数枚の原稿を同時に吸い込んだりするミスはないようです。優秀。
スキャン速度は事務用コピー機にはかないませんがそれでもかなりさくさく。セットできる原稿の枚数が30~40枚(の両面×2ページ)くらいの感じで、トレイに放り込んだ原稿はコーヒーを淹れに席を立っている間にスキャンが終わります。スキャン速度の割にトレイ容量が少なめかな。手間はかかりませんが、本一冊丸々放置してスキャン終了……とは行かないのが残念。ビジネス資料を数枚~十数枚をさくっとスキャンするなら目の前で作業が終わるので、本来の用途はそういう方向でしょうか。
スキャナとしての画質は、これまで使っていたフラットベッド型がCanonのLide30という古い廉価機だったのでScanSnapの方が優秀です。が、雑誌程度ならともかく、カラー写真をきれいに取り込みたいというような場合にはフラットベッド型の現行モデルの方が良いはず。
これさえあれば邪魔な本や雑誌、資料類が片付くぞ、と思ったのですが、本の解体と資源ゴミとしての処分、スキャンデータの用途別の加工……などと考えるとけっこうな手間になりそうです。(Zaurusで使いたい資料はあまり嵩張らないサイズのjpegに、デスクトップPC用は透明テキスト付PDFに、とか欲張ってしまう)
少し使い込んでみないと便利かどうかは判断がつかないかな。
でも、目の前でするすると吸い込まれていった印刷物が特に手をかけなくても一塊のPDFになって完成するのは新鮮です。
参考リンク
『猫島ハウスの騒動』若竹七海
猫島ハウスの騒動
若竹七海
光文社KAPPANOVELS
2006.7.25
900円
★★★☆☆
若竹七海のミステリは割にお気に入りで新刊が出る度に買っていた……はずだったのですが、見逃していたようです。昨夏に出ていたんですね。
事件の舞台となる猫島のモデルは神奈川の江ノ島、でしょうか。ミニチュア版の江ノ島、という感じ。猫、猫、猫と大量の猫は登場するのですが、猫本ではなくてミステリなので猫は脇役。猫好きにはちと物足りないかな。
でも『猫島ハウスの騒動』はさすがに若竹七海。ミステリとしてはきっちり読者を引き込んでくれます。本格ミステリというよりは事態の展開を楽しむタイプ。
招き猫@豪徳寺
冴えない天気が続く東京地方。桜の花も雨で流されてしまいそうです。
桜の花自体は薄曇りのどんよりとした日の方が色味がしっとりとして好きなのですが、曇りの日は背景の空がつまらない色になってしまうのが残念。
ここしばらくの招き猫の棚はあまり変わり映えがしないのですが、それなりに目立つ非猫系お供えも。
☆ ☆ ☆
掃除したけど汚れが落ちきれなかったよ……風。
食べ物屋さんの厨房にでも置かれていたのでしょうか、油で茶色く染まっていますが掃除した痕跡もはっきり。おつかれさまでした、というところでしょうか。
この数日、強風が吹いていたりしたせいか少し混乱気味。
ひっくり返っていたり、割れていたり、そっぽを向いていたり。
コミカルな泥棒猫スタイルが可愛い。
招き猫としては泥棒でおっけーなのか、という疑問も湧いてきますが唐草風呂敷を背負っているからといっても泥棒とは限らないのか。ふむ。