ドキュメントスキャナ ScanSnap・その2
前回の記事に続いて富士通のドキュメントスキャナ、 ScanSnap
の使用レポ・その2です。
ScanSnapはパソコンに厳しいスキャナのようです。
私のパソコンはAthlon64 2800+、メモリ512MBですが(2007年3月当時。2008年現在に売られている物であればまず性能不足は感じないはず)、負荷のかかる作業をしているときにはScanSnapの紙送りが遅くなります。文章を書いていてもスキャン中はかな漢字変換の反応が非常に悪くなったりします。大量の画像を扱うのですから当たり前といえば当たり前ですが、それなりの性能のパソコンが必要かもしれません。ハードディスクも230GBあるのですが、あっという間に食いつぶされてしまいそう。
ScanSnapはPDFでの出力を前提にした商品らしく、PDF以外の形式ではカラーモード時のみjpeg保存が可能と、あまり細かな設定はいじれないようです。大量のドキュメントを扱う道具として、全自動でPDF、という使い方が想定されているようです。
でも全自動ではなかなかこちらの意図通りにはならないこともあります。
古くなって黄ばんだ本をスキャンするときにはできれば黄色味は抜けて欲しいのです。でもそれをするには画像レタッチソフトを通さないといけないので、標準ユーティリティおまかせのワンタッチでは済みません。う~む。悩ましい。
面白いのが付属のadobe acrobat。
adobe readerの方はフリーソフトということもあって触れたことのある人も多いかもしれませんが編集のできるacrobatは高価なソフトなので縁がないかもしれません。正直、機能的には「定価高すぎ」としか思えないソフトです。編集と言ってもワープロのようなことができるのではなく、印刷物を扱うように「ページごと削除」「ページ挿入」ができるだけです。リンクを張ったりコメントを埋め込んだりと電子出版物らしい操作もできるけれど、自由度は低めです。
ところがScanSnapにはacrobatに加えacrobat用のタイムスタンプ100カウント使用権が付属してきます。これは時刻刻印による電子署名機能。ユーザが「この日時に確かにスタンプを押した」ことを証明するものです。これが意外に役立ちます。「署名なんているの?」と思われるかもしれませんが、デジタルデータのオリジナル性を主張するために必須の機能なのです。スキャン以外のジャンルでも十二分に使い出がありました。
残念なのが追加スタンプの小売りが1000カウント(10500円)単位なこと。事業所ならともかく、個人ユーザは100カウントずつで十分です。(スキャンしたもの全部にいちいちスタンプはつけない)
しばらく使ってみて思ったのがやはり手間です。。
スキャン自体は手間いらずです。トレイに原稿を突っ込んでおけばするするとスキャンしてくれます。
でも、本や雑誌をスキャンするなら裁断しなくてはいけませんし、裁断した紙束に背糊が残っていたりしないか確認しないとスキャンが滞ります。ホチキスで閉じられた書類などは確実にホチキスを取り除く必要がありますし。スキャンを終えた紙束が小刻みに増えていくのも煩わしい。自治体によってはリサイクルで紙質による分類を求められるところもあるでしょう。
オフィスならば作動音も気にならないと思いますが、この機械はプリンタの紙送り機構が動き続けるのと同じで自室で使うとけっこう気になる音を発しもします。深夜に使うと家族に嫌な顔をされるはず。
次回レポでは「ScanSnapで本の山は消えるのか」について考えてみようと思います。
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