『アイヌの世界―ヤイユーカラの森から』計良光範
アイヌの世界―ヤイユーカラの森から
計良光範
明石書店
1995.8
★★★☆☆
図書館で読んだ本です。
なんとなくここしばらく北海道やアイヌ関連の資料を手に取っているのですが、面白かったのでご紹介。少し古めの本なのですでに書店にはないかもしれません。お探しになるのでしたら図書館がお勧め。
子供新聞での連載記事だそうです。アイヌ語とアイヌ文化をわかりやすくシンプルに紹介しています。四季の生活の中から生まれたアイヌの言葉は現代の人間の目からすると多少素朴な感じもありますし、狩猟民であるアイヌの文化の中にはスーパーで並んだお肉しかしらない身には多少残酷に思えてしまう習慣もあります。
花や虫に細かく名前がつけられていなかったり、熊は熊でもその状態によって呼び名が違ったり、なるほどアイヌというのは私たち和人からしてみれば異文化なのだな、と感心します。センス・オブ・ワンダーがありますね。SF的醍醐味みたいな。
そしてアイヌを語る上で避けて通れないのが和人との関係。幕末から昭和にかけては北海道のアイヌ文化が滅ぼされていくわけですが、そのあたりの事も軽く触れられています。
日本人としては少し心が痛い本ですが、魅力的なアイヌの言葉と文化の本でした。
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