『琉球布紀行』澤地久枝
雑誌『シンラ』に連載された沖縄の染め織りに関するドキュメンタリ。私が読んだのは文庫版ではなく単行本版ですがすでに入手が難しそうなので上記画像はAmazonの文庫版へのリンクとしてあります。
文章があまりこなれているとは言えません。文を抜き出してみればどこもおかしくない、どころか読みやすい部類の文章だと思うのですが、記事中での時間軸が唐突に過去に飛んだり、話題の主体が誰なのかわからなくなったりする文章構成のまずさがあり混乱させられることもありました。
でもこの本には力があります。沖縄の織り手たちの歴史と苦難、そこから生み出された布のすばらしさを訴えたいという思いがひしひしと伝わってくる本ではないかと思います。ぐいぐいと惹きつけられる魅力がありました。
組み合わされる写真も素敵です。垂見健吾という沖縄で活躍する写真家の手によるものだそうで、沖縄の空気を、琉球の布の質感を伝えてきます。普通の本の印刷じゃなくてしっかりした印刷の写真集で見てみたくなります。
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