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一太郎2008・その2

 前回の一太郎の記事を見なおしてみるとちょっと不公平かな、と思えたので追加レビュー。いずれも一太郎ver.12から2008ver.への比較なので必ずしも最新の機能のみに関する話ではないかもしれません。

●全体的に高速化されている。

 ver.12比ですがイメージ画面での操作全般に渡って反応が良くなっています。スクロールも速いし、文字の挿入や削除もあまりストレスを感じず。行間もきちんと取られ、縦書きもできるので実質的にイメージ画面だけで十分。一太郎自体の起動も文書の読込もver.12に比べると明らかに速くなってます。

●一太郎メイク

 単に文字を打って印字するシンプルなワープロとして使いたいなら「フェーズ機能」はいらないわけで、不要な機能は隠してしまった方がすっきりします。と言うわけで「一太郎メイク」機能。雛形がいくつか用意されていて、縦書き主体の人ならば[一太郎メイク]-[切替]-[縦組]を選べばすっきり。

●アウトライン

 アイデアとしてはWZEditorや秀丸の階層テキストと同等のものです。試みに階層テキスト(『.』半角ピリオドを行頭に置き、そのピリオドの数で見出し行の階層レベルを示す)を読み込ませて「自動的にアウトラインレベルを解析」というアイコンを押してみましたが、このアウトライン解析は箇条書きっぽい行を全部見出し行と見なしているだけのようで、既存テキストの自動アウトライン化はイマイチみたいです。
 アウトライン画面を弄っていて思ったのですが、

 段落スタイル――字下げや行装飾の表示上のもの
 アウトライン――文の構造

 この二つを重ね合わせてみたら「おや。一致させられるじゃん」という造りに思えます。

 投稿用の原稿をアウトライン機能ですっきり見られるようにスタイルを設定してみました。約229,000文字の文書でも三十分ほどの作業で済んだので、既に作成した文書をアウトライン機能に合わせるのもそう骨ではない感じです。マクロを使えば階層テキストから一太郎のアウトライン適用も自動でできそう。
 でも、階層構造の一覧性が悪くてイマイチ。

●異体字

 これは微妙なところ。Unicode対応がされた時点でかなり幅広い漢字が使えるようになっていたので目新しさはあまりないかも。高と髙は異体字扱いではないようです。齋と斎は異体字として検索されます。異体字と別字の扱いの境界線はよくわかりません。
 納得行かないのがunicode対応。utf8のテキストを[開く]ダイアログから読み込ませると文字化けします。異体字やJIS X 0213:2004対応を謳っている割にはお粗末ではないでしょうか。

●校正

 校正機能、初めて使ってみました。
 「Just Right! 3 」の校正エンジンだそうです。
 登録単語と一致しない語をピックアップする校正機能は超強力。これ、作成した文書に一回かけるだけで表記上の間抜けなミスは大幅に減ると思います。ただ語の意味までは面倒を見てくれないので、例えば「避難」と「非難」、あるいは「自社」と「寺社」の使い分けが間違っていても指摘してくれません。それでもこの機能のためだけに最終工程を一太郎にのっけてもいいかな、という気になりました。
 表記の揺れをチェックする機能も強力ではあるのだけれどこちらは人間の作業量も半端でないので分量のある小説だと一日がかり。いや、休日丸一日使っても終わりませんでした。滅茶苦茶大変ですが文章だけ見て表記統一するのは不可能なのでやらざるを得ない感じ。ただし、ちょっと危険です。表記揺れを統一する一括置換機能があるのですが、それのアンドゥが効きません。やり過ぎて文章を壊すと修復する手立てが無くなるので「全て置換」は使わない方が賢明です。

●まとめ

 全体的に操作感も見映えも良くなってます。ver.12のナレッジウィンドウは正直「邪魔」と思ったけれど2008ではATOK用の辞書セットの表示領域として活用できたりして実用的に。ATOKのオプション辞書(明鏡とか)を範囲選択→Ctrlキーでさっくり引けるのは快適。アウトライン機能は荒削りな感じで、現状では使う気になりません。
 小説を書く道具としては……ゼロから書き上げるならば、私はテキストエディタを選びます。モバイル環境との兼ね合いもあるので。印刷やPDF出力のための道具として最終工程には、設定も簡単で直感的だし、校正機能も強力なので一太郎を使うことになりそう。

 そうだ。
 一太郎には“JSファイル検索”というツールがついてきますが、これを動かしているとWindowsSearchと機能がぶつかってインデックス作成が進まなくなります。お使いの方はご注意を。オフにしてあってもJUSTオンラインアップデートで強制的に入ってきます。

 後日、ATOK2008のレビューも書いてみようと思います。

●わなびざうるす内一太郎2008レビューリンク

●その他リンク

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