一太郎2008・その1
自宅のパソコンでは滅多に印刷などしないのですが、投稿用の原稿は印刷しないわけにはいきません。体裁にあまり拘らないものならばOpenOffice.orgのWriterで出力してしまうのですが、残念なことにOOoは縦書きが苦手です。特にふりがなをつけたりするととても見苦しくなります(※解決策あり。コメント参照)。と言うわけで久々に一太郎を引っ張り出してみたのですがうちの一太郎はver.12でした。2002年製です。
さすがに新しくしても良さそうなので発売直後の一太郎を買ってみました。2008年バージョンです。ということでレビューでもひとつ。
旧verがあったので私が購入したのはバージョンアップ版。6720円でした。ATOK単体との価格差がほとんどありません。
さっそくインストール。
う~ん。やっぱりワープロは何をするのも操作が迂遠です。ver.12と比較しての印象を列挙してみると、
- 標準のショートカットキー操作がとても変。(他のWinソフト比)
- ドラフト(簡易表示)モードが使いにくい。見づらい。
- 検索・置換機能が高速化されていた。
- イメージモードの操作感少し向上。
- エディタモードは縦書きもできてドラフト表示モード要らずに。でも行間べったりで見づらい。
- ナレッジウィンドウの操作感向上。洗練された。
- アウトライン機能は面白そう。
- JIS X0213:2004とOpenTypeフォントに対応し異体字も含めて使える漢字が増えた。
- ATOKは2006(単品購入していた)から見映え以外あまり変わってない。
機能は増えていますが、基本の文字入力・編集機能のブラッシュアップがいまいち。MS-WORDやOOoに比べれば縦書きの表現は優秀容易ですが、パソコン上で小説を書くという用途では秀丸(テキストエディタ)の方が快適です。PDA等の非パソコン環境でも編集したいということもありますし。
惜しいと思ったのは……。
- ナレッジウィンドウの辞書連携機能でEPWING辞書を引きたい。
PDF出力したい。(仮想PDFプリンタとの相性が悪いみたい)→ PC環境のトラブルだった。仮想PDFプリンタに問題なく出力可
危うい印象なのが「アウトライン→基本→提出」のフェーズ構成。これ、基本だけを使っていれば古い一太郎と変わらないと思うのですが、文書作成の手順をカタチにしてしまったことで柔軟性が失われてます。すでに原稿用紙600枚超のテキストからアウトラインを確認しようとすると「ぎゃー」となること請け合い。「スタイル」という機能とも密接に絡み合っているし、目次機能ともぶつかります。ver.12で章・節立てに目次行属性を設定していたのにアウトラインとして認識させるには「スタイル」の属性につけ直さないといけないって、げっそり……。
とはいえ、日本語ワープロとして、特に縦書きでの出力を前提とするなら他に選択肢らしいもののないのも事実。新しい試みも頑張っているようなのでユーザとしては新機能を使いこなす工夫も必要なのかも。次に一から新しい物を書くときにはアウトライン機能が生きるように使ってみようと思います。
でも、構造化テキストを読み込ませてアウトラインを生成するくらいのことは一太郎でできてもいいと思う。
青空文庫形式のタグも解釈してくれるといいな。
●わなびざうるす内一太郎2008レビューリンク
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント