記述記号とJIS X 0213:2004
小説では、普段使わない記述記号を使ったりします。
代表としては「二倍の踊り字」でしょうか。青空文庫でも表示タグが決められていたり。最近の小説ではまず見ませんが、好きな表記です。
ココログもutf8形式のUnicodeが文字セットに指定されているので(閲覧者が対応フォントを入れていれば)右の括弧内の三文字「〳〴〵」が表示されるはずです。いわば機種依存文字ですがJIS X 0213で規定されている文字なので気にせず使ってしまいます。
縦書き用の踊り字なのでブラウザの横書きだと上下に一文字ずつ分割されてお間抜けに見えますね。
二倍の踊り字は、ワープロソフトなどではひらがなの「く」を倍角で使用するのが普通でしょうか。「ワープロ 踊り字」なんて感じで検索してもそんな方法を紹介しているところが多いようです。
でも「く」はあくまでもひらがなの「く」で、踊り字ではないのです。
これはダッシュ「―」と長音「ー」とハイフン「‐」とマイナス「-」と罫線「─」が見た目にあまり差がないのに違う文字コードが与えられているのと同じで倍角ひらがなの「く」で済ませるのはよろしくないことのはず。表意文字は意味あってこそ。
ATOKの文字パレットを眺めると「準仮名・漢字」の項にこの二倍の踊り字があり、同じグループにカタカナ踊り字「ヽヾ」、ひらがな踊り字「ゝゞ」などが並びます。合略仮名のマス「〼」、コト「ヿ」、ヨリ「ゟ」なんてのも同項目にあって
ヱビスアリ〼
サウイフヿ
とうあさゟ
などと使うのでしょう。でもこれは小説の中では使えないかな。コトもヨリも読めない人の方が多いはず。フリガナを振るのも間が抜けていますし。同様の合略文字にはシテとかトキとかトモもあるはずですがJIS X 0213:2004にもないようです。
踊り字が使えるTPOがあまりないのが残念です。
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