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東京農工大科学博物館

20080516_01  東京農工大工科学博物館(旧称:繊維博物館)に行ってきました。デジカメで展示品の撮影もしたのですが、個人用途ということで撮影許可をもらったのでブログでの写真紹介は農工大の中央通りだけ。

 東小金井の駅からなんとなく人の流れに乗って十分ほど歩くと農工大です。東小金井の駅舎は建て替えの真っ最中でした。校内は広いですが、学校の規模からするとこぢんまりとしている方かな。敷地内には案内標識はあっても学内の他の建物と見分けがつかず、初めて訪れる人は「博物館、どこ?」とうろうろしてしまうでしょう。

 手織機を見たいと思っての農工大行です。ここの博物館では染めや織りを行う「友の会」の活動を行っているようで、現役の手織機を見られるのではないかと期待したのです。

 ですが、どうも「博物館」という名称と実態がズレている印象。
 展示品の状態があまり良くありません。歴史のありそうな立派な(明らかに戦前に作られた素晴らしくしっかりとして洒落た造りの)ショウケースや模型は半ば放置状態でくすんでしまっています。現在では恐らく作ることのできない貴重な展示だと思うのですが。
 たぶん、博物館として運営されるだけの予算がついていないのでしょう。日本では歴史的な被服・繊維関連の展示は振るわないようですし。
 沖縄産の15cmくらいありそうな細長い繭や、明治の当時のまま綛(かせ)や玉の状態になった絹糸はとても興味深く、印象に残りました。埃を被っているのはもったいないな、と思います。が、きっちり整備しても人はあまりこないかもしれませんね……。
 一般の見学者も少ないようで、受付で「見学です」と言ったら少し驚かれたようです。

 期待した手織機も一応、使える状態にはなっていたのですが、綜絖に糸が通っておらず休止状態。ただ、これは季節的な問題かな? 博物館の周囲では植物の皮を処理している人たちがいたので、染め、もしくは糸の準備中なのでしょう。
 綜絖を動かし、杼を飛ばしている姿が見たかったのですが、残念。こちらは現役で動いている気配が感じられたので(糸が通っておらず埃よけのビニールが被っていたので撮影もしなかったけれど)なんとなく納得して帰ってきました。

 大型の力織機や糸取り機は動態・もしくは動態に近いものが見られました。こちらは現役で学生の勉強材料になっていそう。隅の方に置かれていたジャカード織機のパンチカードが面白くて印象に残りました。電子制御がなかった時代の機械式の制御装置はどれもアイデアの塊なんですね。

 学生食堂で食事をして引き上げてきました。

2008.5.18追記

 自作小説『あかねいろ』の中で絹糸と材料の必要量について触れた部分があり、私なりに図書館で資料漁って数字を挙げたのですが、農工大博物館では図書館資料とはかなり違う数字が見つかり悩み中。

蚕蛾 8匹

蚕 3000匹

(桑の葉 100kg)

繭 5.25kg

生糸 526g

着物一着分 450g

 生半可な調べ方ではこうしてぼろが出てしまうことを痛感。生糸→練絹で半分になるという資料もあり、どうしたものやら……。

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